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2021年11月26日 (金)

デニー知事不承認、二度目はみじめな笑劇として

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沖縄県が、また国の辺野古移設建設の一部変更に対して不承認としたそうです。
まだ「新基地」なんて書いているのですか、この新聞。
正確には、危険な都市部から撤去して、安全な地域への縮小移設です。
さすがに本土の左翼メディアも、こんな表現は使いませんよ。

「米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡って、沖縄防衛局が県に申請していた埋め立て予定地の大浦湾にある軟弱地盤改良工事など設計変更について、沖縄県は24日までに不承認とする方針を固めた。玉城デニー知事が25日にも表明する見通し。
 県は不承認の根拠として、埋め立て予定海域の軟弱地盤が最も深い水面下の約90メートルに達する地点について、直接試験したデータを採用していない問題点などを挙げる方針だ。
 沖縄防衛局は県の不承認を無効化しようと、行政不服審査法に基づく審査請求など対抗措置を取るとみられる。その後、県は対抗措置の違法性を訴え、法廷闘争に移行する見通しだ」(琉球新報11月24日)
 沖縄県、辺野古新基地の設計変更不承認へ 知事きょうにも表明 - 琉球新報

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沖縄・辺野古埋め立て 政府の計画変更 玉城県知事が不承認の方針|TBS NEWS

お約束の歌舞伎です。イヨーっと眼をむいて大見得を切ってみせただけのことです。
残念ですが、客席はシラけ切って弁当などつついていますがね。
だって、本気でやる気がありませんから。

反対してみせないと、支持団体から叱られるからやっている感を出しているだけだと誰も知っています。
かつて翁長氏のように、最高裁まで争ってやろうなんて気はさらさらありません。
第一、そんなことをしたら、どれだけカネがかかるかわからないようなこのコロナ復興期に損なことくらい、利に聡いデニー氏もわかっています。

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玉城・沖縄知事、政府の設計変更を不承認へ 辺野古移設めぐり:朝日

一方、受ける本土政府はといえば、かつての翁長氏と違って、まったくデニー知事など相手にしていません。
そもそも本土政府は、口とは裏腹にまったく急いではいないのです。
政府はとうに20年代の完成を捨てていますから、淡々ダラダラと工事を進めればいいだけのことです。
裁判沙汰の蒸し返しは起きるでしょうが、そんなことはみっちりと翁長時代にやって免疫対処療法が確立しています。

これが米国がさっさと移転先を作ってくれ、とせかしているなら話は別ですが、ところが米軍は普天間に居続けるのがベストだと思っています。
今の普天間飛行場には必要なすべての施設が揃っていますし、あんな海岸ぷちに中途半端なものを作られるより、長い滑走路がある内陸の今の場所のほうがなんぼかましです。
軍事的に移設する合理性がまったくなかったのですから、当然です。
ですから、政府はやってる感があるくらいに進めばよいのであって、まったく焦っていません。
言ってはナンですが、左翼陣営が頑強に対決案件にしてしまったために、引くに引けないアリバイ工事のようなものなのです。
台湾有事が叫ばれている状況で、その最前線基地を引っ越ししてどうしますか。
つまり反対する側も本気ではなく、受ける本土政府も上の空、米軍は我関せず、という三すくみの狭間に落ちてしまったのがこの移設問題というわけです。

ところで私は思い出すともなく、翁長前知事を思い出してしまいました。

「ヘーゲルはどこかで、すべての偉大な世界史的な事実と世界史的人物はいわば二度現れる、と述べている。彼はこう付け加えるのを忘れた。一度目は偉大な悲劇として、二度目はみじめな笑劇として」(マルクス『ブリュメールの18日』 )

「歴史上偉大な人物」かどうか知りませんが、少なくとも最初に国を相手どって移設計画の不承認をした故翁長氏には、一種の「凄み」のようなものがあったのは事実です。
私は徹頭徹尾、翁長氏の批判者でしたが、この矛盾の塊のような翁長雄志という人物に「惹かれる」ものがあります。
沖縄の矛盾そのものを体現していたように見えたからです。
骨の髄まで利権にまみれてきた地方政治家が、知事になりそこねた怒りと失望のあまり左翼陣営に寝返り、ありとあらぬる奸智を駆使してかつての味方を撃つ姿は壮絶ですらありました。
ですから、私はほとんど1年以上に渡って、ほぼ毎日腰を据えて翁長氏を真正面から批判したものです。
翁長氏の突然の死に際しては、喪失感さえありました。

今のデニー氏など、逆立ちしてもそんな迫力はありません。
日なたのコーラです。気が抜けてうすら甘いだけ。
あの耐え難い軽さはどうにかならないのでしょうか。

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それはさておき、翁長氏が承認取消をした時にでき上がった構図は、呆れるほど極度に単純化されたものでした。
「米国に追随し横暴な政府」が悪玉、英雄翁長知事と「戦う沖縄民衆」が正義という陳腐な図式です。 
まるで勧善懲悪の時代劇さながらで、
昔懐かしき「抑圧者vs被抑圧者」というマルクス主義史観が、ことこの沖縄ではまだ生きているのです。 
本土メディアはNHKから民放まで全部このパターンで報道しました。

では、どうして本土メディアは翁長氏をここまで英雄視したのでしょうか。
それは移設の指揮官である翁長氏が、あろうことか立場を逆転させた衝撃があったからです。

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沖縄と沖縄人の誇りのために闘った政治家・翁長雄志氏 その生きざまを

当時の翁長氏は、仲井真氏の右腕でした。
仲井真氏の後継者は衆目の一致するところ翁長氏以外ありえませんでした。 
なぜなら翁長氏
こそが、2006年に稲嶺知事の下で始まった辺野古移設現行案の沖縄側の責任者だったからです。  
当時の翁長氏の発言が残っています。

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「飛行場移設について、解決に向けての作業が大詰めに来ていることがこれでうかがわれます。よって、県議会においても、普天間飛行場の返還について1日も早く実現させるべき県議会の意志を示すものであります」 (平成11年(1999年)の第6回県議会定例会)

実務と細かい各方面との妥協を取り付けたのは、調整能力に長けた翁長氏でした。 
第2期仲井真知事の選対責任者も彼でしたし、県連幹事長として仲井真県政の右腕を務めていたのも余人ならぬ翁長氏です。
つまりは辺野古移設問題の裏の裏まで知り尽くしていたのが、他ならぬこの翁長氏だったのです。
たぶんここで奇妙人が出現しなければ、翁長氏はそのまま島の保守のボスとして君臨することが約束されていたはずです。

この奇妙人こそ鳩山元首相でした。

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  newspicks.com  

彼の掲げた「最低でも県外」という方針は無残に失敗したのですが、挫折したが故に異様な夢を県民に与えてしまいました。
それは移設阻止が実現可能性があるのかもしれない、という淡い空想です。
彼が与えた日米同盟への打撃は、速やかに修復されましたが、最も深い影響はこの空想が根強く県民の心に染み込んでしまったことです。

この後、自民党も仲井真氏も移設容認を口にすることすら不可能になります。
仲井真氏がとったのは徹底したあいまい戦術でした。
本音は容認であるにもかかわらず、本土政府には「移設反対」の建前だけしゃべって、どんどん政府にチップを積み上げさせるのです。
民主党政権に対して「この問題を収拾したければ色をつけろ。さもないと移設なんかできないぞ」と凄んで見せたわけで、いわば瀬戸際戦術です。
この時、本土とのダーティな交渉をしたのも翁長氏でした。

この車輪の両輪のような両人の関係に亀裂が生じたのは、仲井真氏が本来の主張通りの移設容認を埋め立て承認によって明らかにした時から始まります。 

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この時に起きた沖縄マスコミや、本土メディア、テレビなどのバッシングは凄まじいものでした。  
「裏切り者」「公約違反」といった罵詈雑言が連日沖縄マスコミの紙面を埋め尽くし、承認会見の翌日の沖タイ紙面など「金で沖縄を売った」です。
当時の沖タイや琉新は、新聞なんて可愛いものじゃありません。実に6面を潰して仲井真批判一色でした。

仲井真氏の容認路線は、仲井真県政の既定路線であったわけで、鳩山氏によるねじれを元に修正したにすぎなかっただけですが、裏切り者と指弾されました。
仲井真氏は、移設承認会見を前にして過度な重圧のために病んでいき、75歳という高齢と脳梗塞、急性胆嚢炎という病歴は、彼がなにを背負ってきたのか、なにに対して責任を取ろうとしたのかかがわかります。
3期目は誰が見ても不可能でした。

この時です、翁長氏が裏切りを決意したのは。
彼はこのまま移設反対の旗を掲げてあいまい戦術を続け、徹底的に本土から見返りをむしり取るべきだと考えました。
それをするのは仲井真氏から禅譲を受けた自分だと信じていました。
しかしそうはなりませんでした。
ありとあらゆる妥協のメニューは始まったばかりで、どうしてここで手打ちするのか、しかもそのために四面楚歌になったじゃないか、馬鹿め、これが翁長氏の内心だったのかもしれません。

いったん裏切りを決めた翁長氏は「見事」でした。
今まで仲井真氏の右腕でであったことなどすっかり忘れたかのように、仲井真氏をリンチする者たちの輪に入って、「それ吊るせ、奴をもっと高く吊るせ!」と叫んでいるのです。
 
吐き気のする光景でした。正義の名の下に、病み上がりの知事を連日のように県議会に呼びつけて糾弾するのが続くのですから。まさにリンチ。

そしてここで知事を守るべき自民党県連まで寝返りの環に加わりました。
当時の自民沖縄県連や国会議員は、県民の「県外移設」という同調圧力に耐えきれなかったのです。
特に翁長親衛隊とでもいうべき那覇市自民党市議団の
新風会は、翁長氏の指揮の基に、保守陣営を強力に切り崩していきます。
当時を知る自民党議員は、「自民党というだけで悪玉扱いだった」と回顧しています。 

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そして翁長氏は一躍島の英雄として念願の知事となり、移設反対闘争を継続するのですが、その少し前に彼が言った言葉が残っています。

「振興策を利益誘導だというなら、お互い覚悟を決めましょうよ。沖縄に経済援助なんかいらない。税制の優遇措置もなくしてください。そのかわり、基地は返してください。国土の面積0.6%の沖縄で在日米軍基地の74%を引き受ける必要は、さらさらない。いったい沖縄が日本に甘えているんですか。それとも日本が沖縄に甘えているんですか」
(朝日2012年11月24日)
http://www.geocities.jp/oohira181/onaga_okinawa.htm

今聞いても、惚れ惚れするような啖呵です。
今のデニー氏にはとてもじゃないが、こんな台詞は言えないでしょうし、言ったとしても一笑に付されるだけのことです。
権力の泥にもっともまみれてきた翁長氏が言ったからこそ迫力があったです。
それにしても、よもや翁長氏の口から「沖縄に経済援助なんかいらない。優遇措置も失くしてください」という言葉を聞くとは思いもしませんでした。
だって翁長氏がしてきたことは、一貫して基地を交渉材料にして、いかに本土政府を自動現金支払機にするかという駆け引きでしたからね。
彼の那覇市長としてやった実績は、那覇軍港移設に伴う港湾整備や、那覇空港拡張といった大規模工事でしたが、これは「新基地」ではないのでしょうか。
この予算を出したのは沖縄県だったとでもいうのでしょうか。
翁長氏
自慢の首里正殿の復旧すら全部本土政府がやったことで、県はおんぶにダッコだったために、管理不充分で燃やしてしまいました。

とまれ、翁長氏には「カネなんかいらない」と言うだけの「凄み」がありました。
そして彼の背後には、奇妙人の見させてくれた「夢」があったのです。
今、それらすべてがありません。

承認を巡ってはすったもんたの末に最高裁まで行った承認問題も確定判決が出ています。
ですから行政的手続きとしては、もうこれ以上どうにもなりません。
そしてなにより、島民がシラけきっています。
全野党共闘のモデルだった「オール沖縄」は脱退が相次ぎ、今や名ばかりです。
先日の衆院選では、共産党がむき出しになっていることを嫌われて2選挙区を落としました。

こんな中で承認拒否と言えばなんとなく勇ましそうですが、昔の熱はミジンも残っていません。
翁長氏が辿ったような道は辿りたくても辿れないのは、「オール沖縄」ですらよくわかっているはずです。

このようにただの二度目の「みじめな笑劇」にすぎないのです。

 

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コメント

 よかれ悪しかれ翁長氏の「もっとよこせ!」には、県民を狂わせる強力な演出効果と演技力に裏打ちされた大きさがありました。
デニーさんの場合は闘いに向かず淡白で線が細いだけでなく、本来的な翁長の意義を喪失して、ごく少数の現代左派の手先に縛られて動きが取れなくなっています。

翁長が狙った所期の目的から外れ、国からは沖縄予算について「まぁまぁ、対中共での南西シフトの事もあるしさ。そんな悪いようにしないから。その件は、こっちで決めるからまかしてね。」ってな始末です。
そうして沖縄予算決定の主導権は県ではなく、地元自民と中央主導で推移しています。

今回の不承認も折り込み済みで、国側はこれまでどおり決められたレールを「粛々と」繰り返すだけです。
過去9度の訴訟において県側は全敗中ですが、回を追う毎に判決までの期間がどんどん短くなっています。
その理由は、積み上げられた訴訟の成果によって判断すべき事実や論点が収斂して来たからです。

しかし、毎度の訴訟で繰り返される県側の主張の土台は性懲りもなく積み上げられてきた訴訟の成果を無視するもので、これからも到底受け入れられる事はありません。
今回の訴訟は新事実を含むもので法的には「濫訴」とまでは言えませんが、政治的に偏向した弁護団による偏った一部の学者の説を拾う主張になる事は間違いなく、何のためにもならない訴訟になりそうです。

かつての太田さんや稲嶺さんは、言いたいことは色々ありますけど良くも悪くも一本の筋が通ってました!
自民政権になってからの仲井真さんは本土から毟れるだけ目一杯のことをして「辺野古容認」を受け入れた途端に周囲からボッコボコ!酷かったですね。
翁長は凄みはあったけど、ただの変質者。一貫性を全て捨てた沖縄限定ポピュリスト。まあ、鳩山のせいですけどね。
デニー?翁長の遺言でとか、実に怪しい軽い御神輿ですけど···兎に角薄っぺらのペラッペラ過ぎて、考えるだけ無駄。

あ、普天間のオスプレイから水筒落ちて沖縄メディアは大騒ぎしてますね。
だったら辺野古移設を急ぐなり、普天間周辺の宅地や学校を移設するのが定石なのに、何十年も何をやってるのやらです。
ゴネまくっておけばカネが貰えるという地権者と住民の緩い意識が根底にあって、沖縄メディアが増長してるだけだろうと。

昨年、オスプレイ(空軍のCV-22)が山形空港にダイバートして連日注目されましたけど、アホな沖縄県議が「オスプレイは山形に行けばいい。観光になる」とか、お前ら軍事の素人の癖に東北全体に喧嘩売ってんのか?何様だよ!と。「観光資源になる」のなら(笑)それこそ沖縄が死守すべきもんだろうに。。

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