日本ではコロナが終息したが
不思議な現象が起きています。
日本ではデルタ株が急速に感染は終息に向かう一方、ヨーロッパでは再拡大の様相を見せています。
まずは日本ですが、コロナの感染は終息しつつあります。
昨日時点で全国の死亡者数はゼロとなりました。
8月20日には1日あたり2万5800人を記録した日本の感染状況は、10月に入って一気に100分の1に激減し、10月25日には全国でわずか151人となりました。
1日一桁の感染者数の日もあるほどで、1日の新規感染者数も全国で229人、東京都内では22人、翌11月1日は18人でした。
11月6日時点では、国内新規感染者数が241人、死者2人、重症者100人、入院中・療養中が2160人となっています。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data-all/
最も感染者数が多かった東京都でも、同様に感染は確実に終息に向かっています。
同上
理由は現時点では明確になっていませんが、ワクチン接種が政府の方針どおりに確実に伸びたことが基調にあることは間違いありません。
11月5日現在、2回目接種が73.1%です。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/vaccine/
特に顕著なのが、65歳以上の高齢者の接種率の高さです。
実に90%を超えていますから、高齢者全員が接種を受けたといってもいいでしょう。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/vaccine/
これを世界規模で見てみましょう。
下図は世界のワクチン接種回数です。
日本は回数で世界6位ですが、中国やインドのような人口14億人の国や、3億2千万人の米国、2億7千万のインドネシアと比較するほうに無理がありますが、それでも6位をキープしています。
NHK
そこで、全人口に対してのワクチン接種済みの人の割合である接種率で見てみましょう。
接種率にすると4位となります。早晩わが国は国民全体で80%を超え、3位以内に入るでしょう。
下図は2回目接種が終了した人の割合を比較したものです。
わが国は赤線ですが、6月までは少なく、そこから一気に駆け上がるような上昇曲線を描いて、みるみるうちに世界トップクラスに入りました。
NHK
この当初の遅れは、製薬会社が製造国を優先したからですが、わが国はそれをたちまち挽回してしまいました。
ここで思い出すのは、当時の菅政権に対するメディアと野党のすさまじいばかりのバッシングでした。
当時、メディアは「ワクチン接種が遅い」から始まり、「東京五輪を強行する菅政権」、果ては「生命か五輪か」というワケのわからない主張をこれでもかとばかり浴びせかけていたことを思い出します。
脱線しますが、メディアがワクチンを遅いとばかり言いすぎて、欧米のような反ワクチン運動に点火し損なったために、日本はヨーロッパのような「6割の壁」を楽々と超えてしまったのですがね。
欧米でワクチン接種率が6割から7割で壁に必ず突き当たったのは、ワクチン反対運動が根強いからです。
ヨーロッパは今でもワクチンパスで大騒ぎしています。
お気の毒にも日本ではメディアとリベラル左翼陣営が狙っていた本丸はワクチン反対運動だったはずですが、遅い遅いとばかりを言いすぎたために出しそびれてしまいました(笑)。
「この夏にその東京で五輪・パラリンピックを開くことが理にかなうとはとても思えない。人々の当然の疑問や懸念に向き合おうとせず、突き進む政府、都、五輪関係者らに対する不信と反発は広がるばかりだ。
冷静に、客観的に周囲の状況を見極め、今夏の開催の中止を決断するよう菅首相に求める。
■生命・健康が最優先
驚くべき発言があった。
国際オリンピック委員会(IOC)のコーツ副会長が先週、宣言下でも五輪は開けるとの認識を記者会見で述べた。
だが、ただ競技が無事成立すればよいという話ではない。国民の感覚とのずれは明らかで、明確な根拠を示さないまま「イエス」と言い切るその様子は、IOCの独善的な体質を改めて印象づける形となった
(朝日社説2021年5月26日)
https://www.asahi.com/articles/DA3S14916744.html
オリンピック開催が独善的だそうですが、その言葉はそのまま朝日にお返ししたい。
ならば公式五輪公式スポンサーを降りて、いかなる国内の大会も中止というならば筋が通っています。
しかし五輪スポンサーからは降りず、全国各地の地方大会から多くの人を動員する高校野球については平然と開催するのですから、まさにダブルスタンダードそのものです。
東京に“宣言”へ 野党側、五輪中止求める|日テレNEWS24
一方、立憲もオリンピック反対運動にいたく熱心でした。
「立憲民主党の安住淳国会対策委員長は11日の党代議士会で「国民に歓迎される五輪になればいいが、そうならない時にどうするのか。明確な答えはなかった」と述べた。
立民の枝野幸男代表は10日の衆院予算委で、国内の感染状況に応じて中止も視野に入れるべきだと首相に迫った。「判断の先送りはできないタイミングだ。国民の命と暮らしを守る観点から、できなくなるのもやむを得ない」と説いた。
医療体制の逼迫やワクチンの接種状況に触れて「国内の医療を犠牲にすることは許されない」と強調した。国内の感染対策と開催の両立は不可能との考えも示した。
立民の山井和則氏は「首相の頭の中は『五輪ファースト』でワクチン接種、コロナで苦しむ事業者や国民の対策が二の次だと思えて仕方がない」と指摘した。首相は「大変失礼だ。私は五輪ファーストでやってきたことはない」と反論した」
(日経2021年5月11日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA115O90R10C21A5000000/
さらには枝野氏がワクチンだけに頼るなとまで言って物議をかもしたのはこの時期です。
「立民・枝野氏「首相はワクチン頼み」 コロナ対策批判
立憲民主党の枝野幸男代表は26日のラジオ日本番組で、政府の新型コロナウイルス対策を批判した。「菅義偉首相はワクチン頼みだ。ワクチン頼みでない抑え込みにかじを切らないとだめだ」と述べた。立民はワクチン接種に加え、検査の拡大や事業者への給付などによる封じ込め戦略を掲げている。
ワクチン接種の完了時期に関し、枝野氏は「高齢者の7月末はたぶん無理だ。現役世代へとても年内に打ちきる状況ではない」と話した 」
(日経2021年5月26日)
どうですか枝野さん、今読んでみて。
オリンピックは素晴らしい成功に終り、国民に勇気を与えました。
そして「生命か五輪か」とまで言っていたワクチンは、現役世代の接種も年内には終わるはずです。
そもそもこの感染拡大の1年半の間、メディアと野党はなにをやってきたのでしょうか。
国会質問は恥ずかしいくらいのモリカケ桜一色。
下図は去年2月のものですが 維新がコロナ対策100%なのに対して、立憲はさくら満開のありさまです。
このようなスキャンダル政局だけにうつつを抜かした立憲の姿勢が、今回の選挙にどういう結果をもたらしたのか、自分で無関係といえるのかどうか考えてみることです。
真摯な反省もないところで、若手に看板をかけ替えれば国民の立憲を見る目が変わると思っているのが、なんともかともでてす。
コロナ感染拡大を止め、ワクチン接種を大きく進めたのは、岸田氏の手柄ではなく、ひとえに菅前政権がした仕事です。
にもかかわらず不当な罵詈雑言にまみれて首相の座から去りました。
菅氏が残したのが、感染者数一桁、死亡者ゼロという世界に誇るべき成果です。
今回の衆院選の自民の勝利は、日本におけるコロナ制圧作戦が幾多の失敗をはらみつつも、おおむね成功したことを国民が正しく評価したと見るべきです。
もちろんまだ止まったわけではなく、いつリバウンドするかわからない状況ですが、1年半前と違ってワクチンも薬も整っています。
続々とコロナの治療薬が臨床試験を終了し、年内にも投与可能となりそうな様子です。
「米製薬大手ファイザーは5日、開発中の新型コロナウイルス向け飲み薬の投与により入院や死亡するリスクを約9割減らせたとの臨床試験(治験)データを公表した。緊急使用許可を得るため米食品医薬品局(FDA)に詳細なデータを提出するという。早ければ年内に米国で投与が始まる可能性がある。
開発中の治療薬「パクスロビド(PAXLOVID)」を、発症後3日以内の患者に投与したところ、投与していないグループに比べて入院・死亡リスクが89%減った。デルタ型など各種の変異ウイルスに対しても効果がある可能性があるという」(日経11月5日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB05BNW0V01C21A1000000/
投与した結果が約9割減らせたということは、特効薬が誕生したということです。すごい。
ただしひとつ心配なのは、海外渡航者からの感染の流入です。
というのは、落ち着きを取り戻しつつあるわが国と違って、ヨーロッパでは感染が再拡大の様相を見せているからです。
これについては、長くなりましたので次回に回します。
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あっははは。
2月の国会質問時間グラフが分かりやすすぎて。そりゃあ枝野さん、選挙で大敗しますって。
辻本さんを落としたのは国民の痛手だの、高槻市民や日本国民は愚かだのと言ってるエリート前川喜平さんは全国民に喧嘩売ってんのか!?ふざけんなと。
公明の落選議員さんには東京地検が聴取したようですけど、不逮捕特権が無くなった辻本さんにはしっかりと数々の疑惑を晴らして欲しいですね。大阪地検特捜部さん頑張って下さい。
デルタ株の消滅について、テレ朝のサタデーステーションが「ウイルスのコピー阻害酵素が東アジアやオセアニアの遺伝子に多い」という、ちょっと勇み足すぎねぇ?というVTRを流してYahoo記事にものりましたけど。学術的に今のところ全く根拠がありませんね。
去年の「ファクターX」議論を思い出しましたわ。
日本だけここまで下がってるのに接種先進国の韓国やシンガポールで再拡大してる理由が全く説明が付きません。
ヨーロッパでデルタ株が再炎上しているようですが、日本は「ビジネス渡航者」の隔離期間を10日から3日に緩めるそうで···それはどうなのかと。デルタ株以外の物が入ってくる可能性もあるので、むしろ今は水際防御で検疫こそ強化すべきでは。
あと、保守系論客の三浦瑠麗さんの「今こそマスクを外す機会だ」というのも極論過ぎてちょっと。これからは去年殆ど出なかったインフルエンザも流行時期ですから、マスクと手洗い消毒は続けるのが筋でしょうに。
半年前に「オリンピックで各国からコロナウイルス保持者が集合して、日本はそのカクテル異変を起こした震源地として世界の恥になる!」なんて言ってた学者さんやマスコミは、ちゃんとご自身のことを検証なさって下さいなと。。。
投稿: 山形 | 2021年11月 8日 (月) 07時32分
菅前総理大臣(ガースー総理)、すごいですよね。
今日の朝なんて、飲み薬のコロナ予防薬のニュースがあったし。
菅さんには、
従一位大勲位の頸飾を授与されてほしいものです。
投稿: やもり | 2021年11月 8日 (月) 07時39分
なんともまあ分りやすい円グラフだこと(笑)。
色が桜色なのも粋ですなあ。まあお花畑の皆さんにはぴったりかもしれません。共産党は意外ですね。立民と似たり寄ったりの印象だったですから。たまたま2月17日がこうだったということなのかもしれません。立民の皆さんはこのグラフと今回の大惨敗とを突き合せて総括すべきだと思います。遅きに失したものの代表が辞任をしたと言うことは、自浄能力がまだあるということでしょうから。共産党は無理でしょ。貴重な二議席を失っても委員長のポストはびくともしてませんからね。
辻元さんにはまず「大阪のお父ちゃん」問題から説明して貰いましょうかね。
投稿: 右翼も左翼も大嫌い | 2021年11月 8日 (月) 08時16分
ガースーの灯り発言、本当にあの時点で灯りは見え始めていたんですよね。分かりにくい伝わらない暗いコミュ障と酷評されてクビになりましたが。
メディアは政府の発信を常に全力で分かりにくく伝えます。こんなんじゃ分からないと文句もつけ編集して。
誰の目にも灯が見えるようになったら「理由がわからないから不安だ」と報じました。
ほぼゼロコロナまで来た今は、山形さんがお書きのテレ朝のような「信憑性の薄い説をめっちゃ分かりやすく」伝える訳です。
そして、経済活動しながら冬がきて感染数が増えるのをじっと待っています。
立憲共産とともに、待ち遠しいくらいなんでしょう。あー腹立つ!!
投稿: ふゆみ | 2021年11月 8日 (月) 13時38分
何故こんなに感染者が急に減ったのかなんかよくわからないというのが本当のところのようですが、ワクチン接種が進んだことが貢献していることも間違いないでしょう。そんな中でも一番しっくりくるのが、ダイヤモンド・プリンセスの感染者の多くを引き受けた自衛隊病院の医師(今は別の医療機関のようですが)の中村幸嗣氏の「山火事理論」。
https://agora-web.jp/archives/2053172.html
http://blog.livedoor.jp/dannapapa/archives/5287202.html
管前首相は短期間で東京オリンピックの成功と、ワクチンの国民への広範な接種推進という偉大な功績を残しました。
立民はLGBTとかジェンダーとか女性差別がーとか大好きなくせに、代表戦に女性候補いないし、一番の争点がが共産党との共闘をするかしないでちっとも政策論議じゃないあたりが、もう堕ちて行くしかない組織であること暴露してるようなもんですねぇ。
投稿: クラッシャー | 2021年11月 8日 (月) 18時00分
あたくしはワクチン接種を、宜野湾市の集団接種会場で受けました。
1回目2回目両日とも、入場から退場まで、どのポジションの方々も和やかに且つテキパキとしていらして(ココすごく大事)、用意してきたいくつかの質問にもわかり易く答えて頂き、楽しく接種を終えました。当然感謝ですよ。
ワクチン(安倍ちゃん菅ちゃんの施策)、職務に徹する皆さんの努力、摂取率が上がってなお基本的感染対策の取りこぼし無しを心掛ける多くの人々、これらの要素が今回の感染落ち着きに何らの寄与もしていない、わけはないでしょうね。
しかしながら、どうしても政府施策や国民の我慢と頑張りを褒めたくも認めたくもないのか、仮説としては新しくもないが未だ証明はされていないエラーカタストロフ説をあたかも決定打であるかのように報じるマスメディアって、みっともないですねぇ。
怖がり過ぎても怖がらな過ぎても状況をダメにする、その間を何とかして泳ぎ切ってやろうじゃないの、と思う今日この頃。
投稿: 宜野湾より | 2021年11月 8日 (月) 18時12分
そうなんですよ!
灯りは見えていたんですよ。少なくとも私には見えていました。
それを見えない見えない言いやがってくそマスごみがー!と
菅さんのことバカにしやがって!と、悔しかったです。
投稿: やもり | 2021年11月 8日 (月) 21時34分