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2021年11月 4日 (木)

今回の選挙を中国から見ると

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今回の衆院選の結果を中国はどう見ているでしょうか。
中国が興味津々で見ていたことは確かですが、結論から言えば短期的にはナイス、中長期的にはバッドといったところでしょうか。

まず中長期的のお話しですが、中国にとって野党第1党の立憲と日本共産党の野党共闘にはお手並み拝見といった気分だったことでしょう。
あれは同じ共産党ならすぐにピンっと来るはずの、典型的な「統一戦線戦略」だったからです。

共産党がまだ弱い勢力の場合、政権を獲得するためにはふたとおりの方法があります。
ひとつめは、じっくりと長い時間をかけて浸透してしまうウィルス感染型戦略です。
COVID-19は体内に浸透するとどんどんと増殖を繰り返し、遺伝子情報を書き換えて乗っ取ってしまい宿主を死に至らしめますが、似たようなことを共産党はします。

この「静かな侵略」にやられたのが、中国国民党でした。
気がつけば党の要職は皆共産党員で占められていたんですから、しょーもない。
たとえば毛沢東は国民党中央宣伝部長代行(ナニ宣伝すんだろ)で、周恩来は党の士官学校の政治部副主任でした。
日本の場合、共産党に特に狙われたのは教育界、メディア、官界、法曹界などです。

もうひとつの方法は、最大野党と統一戦線を組むという方法です。
中国では2回に渡って国共合作をやっていますが、それによって共産党は自らの党派色を消し去って「オール中国」に偽装することができました。
特に第2次国共合作は、今回の野党共闘によく似ていて、共産党は日本を巨悪の敵に見立てて、それに向けて団結しようと訴えました。
それにまんまと国民党は乗ってしまい、共産党軍は国民党軍の包囲せん滅から逃れられました。
もし、国民党が日本軍と共同作戦を組んで共産党軍討伐に向かっていたら、戦後の歴史はまったく別のものになったはずでした。

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国共合作 - Wikipedia

それはともかくとして、今回日本共産党が野党共闘を言い出した時に、中国共産党はおおっと思ったはずです。
なぜなら野党共闘とは、かつて自分らが中国をブン盗った方法そのものですからね。
日本軍を自民党に、国民党を立憲民主に見立てればわかるでしょう、まんまですよね。
中国は、とうとう日本革命の第1段階に日本共産党が乗り出したのか、するとこの衆院選の次あたりで「民主革命政権」が見られるかもしれない、と多少は楽しみにしていたかもしれません。

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4野党が共通政策/命守る新政権を 市民連合と合意

しかし、ご承知のように共産党が絵図面を描いた「民主革命」の夢は頓挫しました。
理由はいろいろありますが、何といっても野党共闘の笛に国民が躍らなかったことは大誤算でした。
共同の調査では、実に61%が野党共闘に反対しています。

「共同通信社が第49回衆院選の投開票を受けて1、2両日実施した全国緊急電話世論調査によると、衆院選で統一候補を擁立した立憲民主党など5野党の共闘関係に関し「見直した方がいい」が61.5%に上った。「続けた方がいい」は32.2%だった。岸田内閣の支持率は、10月上旬の発足時の55.7%から58.1%に増えた」(共同11月2日)

このように国民の過半数に反対される野党共闘を強行した結果、比例でも立憲と共産党は伸びませんでした。
なぜなら、今まで立憲を支持していた人からすれば小選挙区で立憲に入れたら、比例も立憲に入れるからです。
逆に、共産党が野党一本化候補となっていても、小選挙区では立憲に入れます。
つまりそもそもこの野党共闘は不平等条約みたいなもので、共産党に不利にできているのです。

宮崎謙介元衆院議員はその辺をこのように述べています。

「立憲に候補を統一した選挙区では、共産支持者は悩みながらも立憲に投票していました。その結果、その選挙区では自民党候補を落とすか、または過去にないほどまでの接戦となりました。
一方、共産に候補を統一した選挙区では、立憲支持者の票が共産党候補に乗っかっていないという結果になったのです。
 事実、自民党候補VS共産党候補になった地域では、立憲支持層の票が自民へと流れています。つまり、立憲支持者は共産に票を入れるより、自民に票を入れることを選んだということになります。
立憲支持層の中には、野党共闘といいながらも心の底では「共産党にくみすることはできないので、共産党の票をうまく取り込んでやろう」と思っていた人が少なからずいたということでしょう。今回の野党共闘はいわば「立憲・共産不平等条約」といえるでしょう」
(宮崎謙介『「枝野代表の辞任」は不可避だった、立憲民主党の弱さの理由』 ダイヤモンドオンライン11月3日)
https://diamond.jp/articles/-/286509?page=2

たしかに自民党vs共産党統一候補の選挙区では、丸々小選挙区も比例も全部自民に流れて行ってしまっていたようです。
そのために各選挙区で立憲は自民に競り負けました。

野党共闘が最も強力に発揮されるはずの首都圏でさえ、千葉県ではこのような状況でした。

「10月31日に投開票された衆院選で千葉県内は、選挙区と比例を合わせると自民党は12議席、立憲民主党は5議席だった。13選挙区で4敗した自民だが、うち3氏は比例復活するなど立民候補との票差が小さく、「(次回選挙で勝利する)可能性を残した負け方」(浜田靖一県連会長)だと言える。立民と共産党の連携がマイナスに働いた可能性があるほか、地方議員らとの協力関係などで自民が〝地力〟を発揮した格好だ。
「厳しい結果だと受け止めている。必ずしも有権者の受け皿になれなかったと反省している」。投開票から一夜明けた1日、立民県連代表の長浜博行参院議員は険しい表情で今回の衆院選を総括した。立民は選挙区での議席を改選前から3つ増やすにとどまり、比例でも低迷したことが念頭にある」
(産経11月3日)

 

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なぜ野党共闘は敗北したのか? 31選挙区は1万票差以内で競り負け:東京

「今回の衆院選で、立憲民主党を中心とする5野党が候補者を一本化した213小選挙区のうち、1万票差以内で敗れた選挙区は31に上った。うち1000票差以内で敗れた選挙区も4つあった。接戦を勝ち抜ける共闘に向け、敗因分析が課題となる。
 立民は公示前の110議席を96議席に減らした。一本化した小選挙区で、野党候補が勝利したのは59にとどまった。仮に1万票差以内の「接戦区」を全て勝ち抜いていれば、一本化した小選挙区の4割を超える90議席を獲得できたことになり、公示前議席からの上積みも狙えた」
(東京11月1日)

東京新聞が悔しそうに書いているとおり共産党と組んだことで、いくつかの選挙区では接戦を演じることができましたが、それすら自民の根強い地盤を壊すに至らずに、統一候補で戦った6割の選挙区で負けています。
共産党が統一候補になった選挙区では、票を入れるところがなく自民に入れた立憲支持者も多かったようです。

連合は完全にこの選挙ではそっぽをむきました。
さきほどの千葉でもこのような状況です。

「共産との連携が与えた影響は無視できない。長浜氏も「あると思う」と、有権者が離れた可能性を否定しなかった。 象徴的なのが立民の有力な支持母体である連合の露骨な反発だ。連合千葉の幹部は選挙戦のさなか、「歴史や職場の事情を見ても共産党とは相いれない。活動の方向が違う」と共産との連携を掲げる立民の方針に明確な拒否反応を示した。 連合千葉の永富博之会長が公示日にマイクを握って応援したのは、1区の田嶋要氏、4区の野田佳彦元首相、9区の奥野総一郎氏の3氏。いずれも選挙区で当選したが田嶋、奥野両氏は連合の組織内候補で、野田氏も「私は別に共産党と連携していたわけではない。立憲民主党が掲げた政策をしっかりやる」との立場だった。」
(産経前掲)

このような選挙区での競り負けと比例の敗北によって、開票中盤から自民はみるみる盛り返していくことになります。
太田光という薄らバカ芸人が、猿のように甘利氏を「あんた戦犯じゃん。うひゃうひゃ」とあざ笑えたのも開票初めだけだったのです。

ちなみに、この共産党主導の野党共闘のオリジナルモデルこそ「オール沖縄」だったことはなんどとなく書いてきています。
しかし今回は、この沖縄ですら2選挙区で破れました。

これは選挙前段で行われた総裁レースで、いかに自民党が多種多様の考えを持つ政治家がいて、外交・安全保障政策以外全部違うという実態があけすけに伝わった戦略の成功だったことは疑う余地がありません。
ただ多くの時間を報道されただけではなく、自民党とはこんなに幅の広い議論をしている政党なのだと判ったことが最大の収穫でした。
河野氏と高市氏など、別の党でも不思議がないくらい主張が違いましたもんね。
もうほとんど立憲とそっくりの人から、真正保守までズラリと揃っているのが、自民党の強みでもあるのです。
ですから、どんな考えを持つ人でも迷ったら「自民党」に入れておけば、どこかに当たるので間違いありません(笑)。
熱狂的な自民党ファンが少ないために消極的選択となると自民を選ぶしかない、というところがいかにも自民党です。
まことに日本の現実そのものです。

かくして野党共闘から民主革命へと駆け上るという共産党の戦略は失敗に終わりました。
中国は、まぁそうなるだろうな、あのヘナチョコならそうなるわ、と思って舌打ちしたことでしょう。

さて次に、中国にとって短期的にはどうでしょうか。
これは選挙の余波として思わぬ「収穫」が二つ出ました。
なんと岸田氏が甘利氏の辞任を受けて、幹事長にあの茂木外相を据えたことです。
これは中国の意図せざることだったでしょうが、思わず膝を叩いたことでしょう。

え、立憲や共産党はどうなんだとおもわれるでしょうが、中国は野党のようなヘナチョコになにかできるとはまったく期待していません。
今回の野党共闘もうまくいったらご喝采ていどで、ほんとうの彼らの工作対象は戦後一貫して自民党でした。
それがばかばかしいほどうまく行ったのが20世紀最後の時期で、執行部が全員親中派リベラルで占められていた時期すらあります。
橋本、野中、古賀、加藤、山崎・・・、まだまだうじゃうじゃいますが、その最後の大物が二階氏でした。

中国は二階氏が幹事長から去った後の自民党対策をどうしようかと首をひねっていたことでしょうが、あの誰が見ても中国に弱腰の茂木氏なら与しやすいと思われても致し方ありません。
甘利氏の対中経済安保政策は、確実に米国の包囲網とかぶって中国を苦しめることが間違いなかっただけに、ここで甘利氏が退くことは、祝砲の一発くらいは鳴らしたい気分だったことでしょう。

そのうえに、中国にとっての朗報はまだまだ続きます。
茂木外相の後釜に指名されたのが、願ってもない日中友好議連会長の林芳正氏だったことです。

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日中関係は完全に正常な軌道に戻った 関係強化に努めたい」林前文科相

おそらく、林氏は日中関係を「正常化」させることに力を入れると考えられます。
その言い訳に使われるのが、北朝鮮の弾道ミサイル発射です。

「北朝鮮による飛しょう体の発射をめぐって、中国を訪問している超党派の日中友好議員連盟は中国共産党の最高指導部の1人と会談し、対話を通じて北朝鮮問題の解決を目指す方針を確認しました。
日中友好議員連盟の会長を務める自民党の林前文部科学大臣らは、北京で共産党の序列4位で国政の助言機関である政治協商会議の汪洋主席と会談しました。(略)
このあと、林氏は記者会見で、「日中関係は完全に正常な軌道に戻った。関係強化に努めたい」と述べました」
(NHK政治マガジン2019年5月5日)

林氏は来年に向けて再度の習近平の訪日を狙ってくる可能性があります。

そのうえまだまだ中国にとっての朗報はあります。
中国のチベット、ウイグル問題に厳しい長尾敬氏が落選してしまいました。
長尾氏は、国会でのウィグル非難決議の原動力のひとりで、二階氏に掛け合いに行ったひとりです。
ああ、残念!

こういう人事をするようだと、岸田氏が対中原則外交と言っていたのも、にわかに怪しくなります。
すると、元来自民党に根強くあった親中体質が、そのまま温存されることになります。
そう思うと、いかに高市氏が自民中枢にデンっと座っていることが、日本の保険になっているかわかります。

 

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コメント

 茂木さんが幹事長のみならず林芳正が外相というのは、非常に心配です。せめて現実主義者の小野寺五典氏にしてもらえれば、彼のする説明に関してだけは保守派も納得出来る可能性があります。

また、2015年の時点での岸田さんは「憲法改正は考えない」としており、党内外の改憲反対派も総理の改憲宣言を「お題目限り」と安心しているようです。憲法審査会をどうするかの言及もなしに、唐突に「改憲」と言われても俄かには信用出来かねます。

岸田総理の人事は甘利さんの分をのけば、反安倍スタンスの木原誠二安全保障担当補佐官のものだと思います。福田総務会長就任などはモロです。だとすれば、林芳正氏の外相案もむべなるかなでしょう。
甘利経済安全保障政策も骨抜きにされるとすれば、岸田政権は意外に短命に終わるかも知れません。


茂木&林の両氏が大臣時代の河野太郎(当時も勿論日本端子の株主でしたがチャイナに忖度しなかった)のように、政府の方針通り動き切ることを望んでいます。
彼らに貼られているレッテルが違うというなら剥がすチャンスですからね。
木原誠ニ官房副長官が反安倍なのは初耳です。
自分が出ているネット番組に安倍さんを呼んで盛り上がっていましたし、アベノミクスを評価して規制改革しながら続けるそうですから。甘利さんのことも常々すごいと褒めちぎってました。とはいえ別の場所では違うことを言ってたりするのかな。
登用された若手大臣や補佐官の、兄貴分でもある彼が今回相当な実務を担うのは確かで、何か黒い報道が出ないことを願っています。

 ふゆみさん

 あまり注目されませんが、岸田人事の本当の目玉は木原誠二氏で、国家安全保障担当補佐官にして官房副長官でしょう。まちがいなく、官僚にも岸田総理にも一番影響力を与えうる立場です。
彼は憲法改正にも消極的で、せいぜい「どちらかと言えば賛成」と言った程度でお茶を濁して来ています。
もっとも、「反安倍」的なスタンスを持つ議員はずっと静かにして来ていただけで党内にたくさんいて、かねて木原氏もその一人と認識してました。

最近ハッキリと、「木原氏は反安倍」言ったのは山口敬之氏です。
福田さんを総務会長に強く推したのも木原氏だった、とも言ってました。
いわれるように、役目を果たしてくれさえすればいいのですが、よ~く見ると甘利氏の経済安全保障政策と、木原氏が書いたものや述べて来た話から総合すると、かなり内容に乖離があると思っています。
今度は高市さんが苦労するのかなぁ、と思ったりしています。


山路さん、教えていただきありがとうございます。
なるほど、山口氏がはっきり言ったなら、政治系ジャーナリストの間でシェアされていそうです。彼等にしか感じとれない機微に基づいての事であるのかもしれませんね。
日経記事で甘利氏の経済安全保障を再読しました。
ここ一年半木原議員に継続的に注目してきた私としては、乖離というより共同作業の跡を読み取る事も出来、この路線を止める勢力があるとしたら別の方角なのではと想像しています。
内閣改造後に外交もエネルギー関連もネタ満載ですのでよく見ていきたいものです。

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