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2021年11月22日 (月)

中国を問わないCOPは無意味だ

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今度のCOP26を見ていて、やれやれと思われたのは私だけではないでしょう。
CO2人為説が正しいのかどうかは、とりあえず置きます。そこにこだわると先に進みませんので。
問題は仮に世界宣言を出したとしても、かんじんのこの会議に世界の政府を招集した目的であるCO2は削減できないからです。

理由は知れたこと。
最大のCO2排出国が我関せずでいられるような会議だったからです。
中国は掛け値なしに世界最大のCO2排出国です。
ですから中国がCO2を抑制さえすれば、なにも世界の政府が自国の経済を破壊しかねない取り決めをする必要などそもそもなかったからです。

データーを押えておきましょう。
まず中国は世界のCO2排出量の3分1を占める巨大排出国です。

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トップは中国、世界の3割近く…世界の二酸化炭素排出量の実情を

環境NGOはわずか排出量比率3.2%の日本や、1.2%のオーストラリアに化石大賞を与えて悦に言っていましたが、なにを見てそういっているのやら。
日本がいくら2030年までに26%減らして、そのために日本が常に大停電の脅威にさらされ続けたとしても、世界全体のCO2はこれっぽっちも減らないのです。

そして中国は世界一の石炭依存大国です。
中国のエネルギー源比率((2019年現在)で、石炭は57.7%、発電ベース比率で62.1%です。
これだけ石炭に傾斜したエネルギー源を持つ国は、インドを除いては世界にはありません。

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主要国の一次エネルギー消費構成と自給率|データ集|一般社団法人

上図の黄色が石炭です。中国は下から3番目にあるのでよく見て下さい。
圧倒的に世界一の石炭依存度で、わが国の3倍に達しているのがわかりますね。

またエネルギー消費の増加率においても世界一です。

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世界のエネルギー消費量上位10カ国 堀井伸浩氏による

中国と米国が圧倒的な消費量で、米中のエネルギー消費だけで世界全体の4割を消費しています。

「折れ線で示したのは2000年時点での消費量の合計であるが、棒グラフと比較してみることで、中国の2000年代のエネルギー消費量の急増ぶりが際立っていることが理解できる。中国はこの10年間で、ド イツ以下、2010年時点の世界の第5位から第10位の国々のエネルギー消費量を足し合わせた量とほぼ匹敵するエネルギーの消費を増加させることとなったのである。中国はまさに、この2010年にアメリカを抜いて世界最大のエネルギー消費国となった」
(堀井伸浩『2000年代に進んだ中国エネルギー問題の構造変化』
産業経済論から中国のエネルギー問題の深層を照らす(その1)2000年代に進んだ中国エネルギー問題の構造変化

ちなみにわが国はインドの下で第5位です。
この10年間、先進自由主義諸国はエネルギー低消費型産業構造に転換しましたが、中国はエネルギー大量消費型の産業構造のまま経済成長を続けた結果が、これです。
すでに10年前の2010年には中国は米国を抜いて世界最大のエネルギー大量消費国となっています。

とうぜんのことながら、輝く石炭輸入世界一です。

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中国石炭輸入推移 同上

「近年、更に大きな変化があった。主要エネルギーである石炭についても、中国は輸入を急増させているのだ。
(上図のように)2009年に石炭の輸入量は突如急増し、2010年も引き続き増加している。2 011年には中国の石炭輸入量は1億8240万トンとなり、長年、世界最大の石炭輸入国であった日本の1億7522万トンを上回り、世界最大の石炭輸入国となった」
(堀井前掲) 

ですから、CO2排出問題とは中国問題であり、中国の規制を問わないCOPなどいくら開いても無意味なのです。
オーストラリアが石炭を輸出しているから化石大賞なら、それを買っているほうを問わないでどうなるのでしょうか。
いずれにしても、中国を度外視したCOPなど、たとえ何百回何千回開いても無意味なのです。

ところが、唾を吐きかけられたわが国やオーストラリアと違って、中国の評価は環境NGOにはすこぶるよいようです。
いやそれどころか、こう環境活動家らは中国を褒めたたえています。

「例えばグリーンピースは「持続可能性を優先したことは、世界における中国の遺産を確固としたものにするであろう」と述べた。世界自然保護基金(WWF)は、「習主席が発表した新たな目標は、世界の温暖化対策を一層強化することについての、中国の揺るぎない支持と断固とした措置を反映している」と述べた。天然資源保護評議会(NRDC)のバーバラ・フィナモア氏は『中国は地球を救うか』と題した本を執筆して中国の環境対策を賞賛した」
(パトリシア・アダムス『紅と緑・中国の使える愚か者』
https://www.thegwpf.org/content/uploads/2020/12/Green-reds.pdf

そしてアダムスはこうも述べています。

「環境NGOは中国での活動を許されている。だが共産党政府は、彼らの中国での活動を監視し、コントロールをする権限があり、環境運動が政府への批判や民主化運動に転じることを阻止している。
 環境運動家は、中国が「地球を救うという大義」を掲げさえすれば、南シナ海での中国の侵略や本土での人権侵害に目をつむってしまっている。
諸外国から非難を浴び続けている中国にとって、環境運動家が好意的であり賞賛を惜しまないことは、貴重な外交的得点になっている。環境運動家は、共産党の応援団となっており、その危険性から注意をそらすのに役立ってしまっている。だからこそ、中国は欧米の環境運動家を喜んで受け入れている」(アダムス前掲)

 この中国に大甘どころか、いまや翼賛集団と化した環境NGOが大きな影響力を持っているのがこの気象変動の分野なのです。
これは同じNGOでもアムネスティなど人権運動家が中国国内の活動を禁じられているのとは大きな違いです。
そう考えると、中国が敵視する日本やオーストラリアになぜ化石大賞を送る一方で、中国を礼賛したのかのかそのワケが見えてくるようです。
これについては次回に続けます。

 

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コメント

 「使える愚か者」=「役に立つバカ」はいずれも useful idiotの訳で同義ですね。意味は、「良い活動をしていると無邪気に信じて実際にはそれと気付かずに悪事に荷担している者、プロパガンダ等に利用されている者をさす言葉」となっていて、いわゆる環境活動家に典型的にみられる良心的でリベラルな左派傾向を持つ人たちで主に構成されます。

厄介なのは、かつては旧ソ連時代には共産主義にシンパシーを持っていた進歩派の知識人や言論人がついていた事で、今次の環境問題ではそれに加えヒマで存在感を示したい国連はじめ、大声での傾斜のついた同調圧力に弱い科学者たちの存在です。

これら環境運動家たちは中国の言葉だけの「環境プロパガンダ」に同調し、南シナ海の侵略や重大な人権侵害は見ない事にしています。見れば中国国内での活動はおろか、中共政府の協力を得られないからです。

「諸外国から非難を浴び続けている中国にとって、環境運動家が好意的であり賞賛を惜しまないことは、貴重な外交的得点になっている。環境運動家は、中国共産党の応援団となっており、その危険性から注意をそらすのに役立ってしまっている。だからこそ、中国は欧米の環境運動家を喜んで受け入れている。」(杉山大志 キャノングローバル研究所研究主幹)

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