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2021年12月 9日 (木)

岸田政権の北京五輪対応が見えた

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わが国の北京五輪対応が見えてきました。

「中国政府は今年7月の東京五輪開会式に苟仲文(こう・ちゅうぶん)国家体育総局長を出席させた。このため、日本も外交上の「返礼」として、北京五輪に同じ閣僚級を出席させる案も取り沙汰されてきた。
ただ、中国の人権問題などに対する批判が欧米で拡大。与党などからも首相や外相ら閣僚の出席は国際社会に誤ったメッセージを与えるとの指摘が出ていた。
政府内では、閣僚ではないスポーツ庁の室伏広治長官や日本オリンピック委員会の山下泰裕会長を派遣する案が浮上している。苟氏は閣僚級だが、中国オリンピック委員会のトップも兼ねる。
政府関係者ではない山下氏を派遣することになれば、外交的ボイコットを打ち出した米国と一定程度足並みがそろうとみられる。政府は中国側の対応や米国以外の先進7カ国(G7)の動向なども見極めつつ、最終判断する見通しだ」(産経12月8日)

ヤッパリこうなるのね(ため息)。岸田さんらしい。

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外交的ボイコット」米中“はざま”日本は|日テレNEWS24

米国の顔を立てねばならないし、かといって中国を怒らせるのはもっとコワイ、だから中とってJOC会長の山下さんや、スポーツ庁の室伏さんを出すということのようです。
こういうときは、外交比例の慣例に従って淡々と決めればいいだけです。
外国との関係は、対象国がした分だけ対応すればいいのです。
たとえば東京の某市長が外国人参政権の条例を作るなんて言い出していますが、それは当該の外国人の母国が在留邦人に同等の資格を与えたら、その時考えればよいことです。

この場合、東京五輪に中国が国家体育総局長を出してきたのですから、こちらがそれより格上の次官や、ましてや首相・閣僚級を出す必要はそもそもありません。
相応の局長級の役人を出せばいいだけのことで、JOC会長などは格上にすぎます。
せいぜいが文科省スポーツ・青少年局長くらいで充分です。

ただし問題はそこではありません。
わが国の「顔」がまったく見えないことが問題です。
米国に言われたからやる、G7の動向を見て決めるですか、その前にやることはいっぱいあるでしょうに。
まず、この彭帥氏失踪事件を日本政府がどのように考えているのか、岸田氏はまったく国民に説明していません。
この失踪事件に対してどのように政府が考えるのか、そこのところを国民に説明するのが先でしょう。

順番が逆です。
この彭帥選手事件について、わが国はこう考えた、だから五輪についてこう対応する、そこで人選としてはこの人あの人と続くわけで、いきなり誰出したらいいんだろう、ではないのです。(あたりまえだ)

にもかかわらず、まず小手先の誰を送るかから入ってしまう、あまりこういう表現は使いたくないのですが、これぞまさしく戦後日本の骨身に染みついた哀しき従属国根性というやつです。
ただ、岸田政権は顔色を伺うボスがふたりいるようで、どちらの顔を立てたらいいのかで迷ったようです。

昨日も紹介したウォールストリートジャーナルの社説は、こう述べています。

「中国が誠実であれば、彭帥さんを出国させ、告発について自由に語らせるだろう。WTAの要求に対する同国の対応を見ると、外国企業が国際的に認められたルールを中国に守らせることができなければ、中国に独自のルールを押し付けられることになることを改めて思い知らされる」(WSJ前掲)

そのとおりです。中国に国際ルールを守らせられなければ、私たちが中国が勝手に作ったルールに従うことになるのです。
たとえば、今回、五輪に選手団を送るそうですが、その選手たちが共産党の気分一つで消息不明にならないという保証がどこにありますか。
中国は、日本が米国の外交ボイコットへ加担したとして報復をする可能性があります。
公然と米国に報復するのを待て、と外務省の報道官が口にする国ですからね。
というのは、拉致・監禁・人質を外交手段にするのが、この国の常套手段だからです。

2010年に起きたフジタ事件というのをご存じでしょうか。
沖縄県・尖閣諸島沖で海上保安庁巡視船に中国漁船が衝突した事件で、海保が漁船員を拘束したことに対して、まったく無関係な仕事で中国現地で仕事をしていたフジタの社員4名を逮捕拘留した事件です。

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日本領事、中国で拘束中のフジタ社員と面会|日テレNEWS24

「フジタ事件は、尖閣諸島周辺で起きた漁船衝突事件で日中関係が悪化した後に発生。高橋さんらフジタと現地法人の日本人社員4人は昨年9月20日、石家荘市内の軍事管理区域に許可なく侵入、不法に撮影した疑いで拘束された。
高橋さん以外の3人は同30日に釈放されたが、高橋さんだけが長期間拘束され、5万元(約60万円)の保釈金を支払って昨年10月9日に保釈され、帰国した」(共同2011年10月9日)

このようにいったん外交的摩擦が起きれば、直ちに手近の日本人を逮捕拘束し、外交交渉を有利に運ぼうと企てるのが、中国という国です。
今回の日本の外交ボイコットもどきで、中国が自由主義諸国に報復しようとするなら、最も弱い環の日本を狙ってくるでしょう。
人質なんかを取られたらなんでも言うことをハイハイと聞く国、そう思われていますから。
かつて福田総務会長の祖父が首相をしていたときに、人質にとられると「生命は地球より重たい」とか言って、テロリストを巨額な資金つきで釈放したことがありましたからね。
だから、日本はおもねることなく毅然と対応しておかねばならないのです。

差し当たって、日本政府は中国政府に対して質問をしてみましょう。
そうですね、WTA(女子テニス協会)にならったものになるでしょうが、こんなかんじでしょうか。

五輪に選手団を送るに当たって、その安全を確保するためにお伺い致します。
質問その1・貴国が彭帥選手に自由な意思疎通を許していないと国際的批判を受けていますが、それは事実でしょうか。
質問その2・貴国は事実でないと反論されていますが、ならばなぜ彭帥選手が外国の記者団の前に姿をあらわさないのでしょうか。
質問その3・彭帥選手が主張した性的暴行の主張は事実でしょうか。
質問その4・なぜそのツイッターは即座に削除されたのでしょうか。

まぁ、こんななまぬるい質問でも、まともに返答が返ってくるとも思えませんが、ならばその対応自体が「答え」なのです。
その答えを見てから判断しても遅くはありません。
そしてその答え次第で、日本版グローバル・マグニツキー法を制定を実現するべきです。
え、中国が更に反発するだろうって?
怒ったら、なにか思い当たるフシでもおありなのですか、と答えたらいいだけのことです。

ところで、三浦瑠麗氏がこんなことを言っているようです。

「選手団を送ることになってよかった」とスポーツ選手の参加に影響しなかったことを安堵(あんど)しつつも、冷戦や地域紛争などが続いても行われてきたスポーツの祭典を「ちょっと無視している」と米国の判断を非難。
新疆ウイグルなどのこうした問題に中国政府が「1回で言うこと聞くことないでしょう」とボイコットは効果な策でないとし、「おそらく中国って国は今後もずっと大国なんで。何十年、何百年にわたってずっと外交的にボイコットするんですか?…っていう先例つくっちゃうわけですよ」と良き選択ではないととがめた。 続いて「スポーツの場ではやってほしくなかった」とも訴え、「日本としては、とにかく米国に追従はしないこと。自分の頭で考えて行動することですよ」と日本政府に対しては安易に米国の対応に足並みをそろえるべきではないと強調した」
(中日スポーツ12月7日)

この人は時々おかしなことを言います。
百年続く北京五輪?悪夢じゃあ!
五輪を政治的に利用してきたのは、常に中国の側です。お間違えなきように。
「1回で言うことを聞くわけはない」ですか。国際政治学者とも思えない言いぐさです。
逆に三浦さんは1回で済むと思っていたのですか。
当たりまえですが、五輪だけで済むわけはありません。
だから恒久的対応をするために、包括的人権法であるグローバル・マグニツキー法を作らねばならないのです。
そして中国が国際的批判に耳を貸さず、人権弾圧と少数民族浄化の態度を改めないかぎり、「何十年、何百年」も息長く続けるのです。

そもそも今回の米国の外交的ボイコットなど、制裁とすらいえない五輪関連の制裁で最も緩いモノにすぎません。
山口敬之氏によれば、五輪制裁はこのような段階があります。




  1. 外交ボイコット(開会式に政府代表を派遣しない)
  2. 国旗国歌ボイコット(開会式などで自国旗・自国歌を使用させない)
  3. 開会式ボイコット(開会式に選手を出席させない)
  4. 全ボイコット(五輪に選手団を派遣しない)
  5. 開催地変更

バイデンは完全に腰が引けていて、かといって国内的にも国際的にも何もしないという選択肢がなかったためにやむをえず一番軽いモノを選んだにすぎないのです。
それを三浦さんは「100年ずっと続けるのか」ですか、オーバーな。

 

 

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コメント

三浦瑠璃さんは保守系論客としてメディアで積極的に発言していて、メディアも利用してる感じですけど。
最近はまるで「ひたすら逆張り」みたいなことばかり言っていて、その論理構築が破綻していてちょっと見るに堪えませんね。私はとっくに見切ってます。

三浦瑠麗氏の配偶者の方は、「本来、再エネと原子力は脱炭素電源として協力関係にあるのだから」(12月5日Twitter)という考えをお持ちの方ですが、再エネにも投資する投資会社の役員なので、三浦瑠麗氏が配偶者と別人格であるのは当然of当然として、(誰もがそうであるように)意識的にも無意識的にも、双方向にも一方的にも、思考で身近な人の影響を受ける可能性に留意しながら聞いておく意見のひとつ、というだけですね。

公明党山口代表の「人権侵害について、アメリカとその他の国とでは捉え方が違うところもある」(12月7日NHK)なんて、その詳細具体例を800字以上で述べないなら、雰囲気か「特段の事情」でそう言っていると判断します(知ってた

ワシントン・ポスト紙は8日The Post's View社説で
The U.S. boycott of the Genocide Olympics is only a start
「ジェノサイド・オリンピックの米国によるボイコットは始まりに過ぎない」
とのタイトルをつけて、
The whole world -countries and companies and citizens everywhere -must call the Games what they are : the Genocide Olympics.
「全世界、あらゆる場所の国も企業も人々も、北京オリンピックをありのままに、ジェノサイド・オリンピックと呼ばねばならない」
という一文で締め括っています。
日頃から人権侵害に大声で敏感に抵抗し、東京オリンピック開催に反対した日本のメディア、活動家、インフルエンサー、弁護士などなどが挙って「この」人権問題にはおとなしくしているの、闇ですねぇ。
我々に常識良識があるならば、あれは欲しいものと引き換えに犠牲にしていいことなのか?(せめて)ジェノサイドの片棒を担ぐ自覚を持つべきでは?とワシントン・ポストが問うたと、私は解釈致しました。

【日本国憲法前文】日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。

経済的な結びつきやしがらみにとらわれることなく、俗にいう過去のハニトラや袖の下により、名誉ある地位から引き摺り降ろされる心配をすることなく、日本国憲法の前文に記されている"国際社会"に求められている、日本の役割を果たされることを願ってやみません。

政治と経済には抜き差しならぬ関係がありますが、国を問わず時の権力者と官の面々が政治と経済とが表裏一体ではないことを再認識し、利権と国の際を超えて、環境・人権・健康についてとことん話し合う場が再び出ずるのは何時になるのか。

正直バイデンだろうがトランプだろうがこの段階まで来てしまえば政治的ボイコットしか選択肢はなかったと思います。
決定的な証拠が出てくるタイミング、なぜかパッとしないポリコレ圧などはじめから政治的ボイコットで着地する事を予定していたかのような流れです。
岸田政権はもっとまごまごするかと思っていたので予想していたよりもマシな反応はしているかと思います。

あれほどBLMで大騒ぎしたアスリート界隈も今の所ダンマリなのもすばらしいダブスタです。(競技者の人権が侵害されているのに)
個人的なボイコットや試合前に片膝ついて祈るくらいの気概を見せてくれる人は出てこないのかなぁ。

しゅりんちゅさん
>> あれほどBLMで大騒ぎしたアスリート界隈も今の所ダンマリなのもすばらしいダブスタ

大坂なおみやナブラチロワのように彭帥選手についてTwitterで言及している人は普通にいますよ。地上波でも取り上げられていましたし、もう少し視野を広げてニュースを見た方がいいと思います。

日本政府は政府要人を「元々送らないつもり」だったことにするのでは。東京にも高官来ていませんし。
ただ、態度を表明する前に、韓国の出方と、日本の国会議員からのボイコット要求と出来れば与野党多数による非難決議を待っているのではと私は思っていました。
韓国は7日にレッドチーム声明が出たようです。
「他の国政府の外交的決定について韓国外交部が言及する事項はない。ただし韓国政府は北京冬季オリンピックの成功的な開催を支持してきた」
中国は家族と呼んで歓迎のレスポンス。
この2国のエール交換の中に、ちゃっかり連続した五輪として東京も混ぜられています。
これを受けての「日本は独自の立場で」という言葉でもあると思っていました。
プライムニュースで安倍元総理が後はいうタイミングだとおっしゃっていましたしね。
今は自民と維新あたりがもっと激しく騒ぐべきです。
山下泰裕会長が行く分には構わないと考えます。室伏長官だと官なので反対。
政治色のない平和の大使として皇室ゆかりのスポーツ支援しているお方をなどという声がTwitter上にありましたが、それが最もダメなやつです!
中国当局自身が「五輪は政治の場じゃなくて選手のスポーツの大会」と見栄を切りましたので、その通り記録会としてやれば良いです。
米国の東京五輪視聴率も低かったようですから北京はもっと下がれば良い。

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