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2022年1月21日 (金)

ワクチン在庫があったのに遅れた3回目接種の怪

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3回目のブースター接種が遅れています。
岸田首相は1月17日頃になって、「包括強化策」を発表していますが、その対策の中心は3回目接種です。

「岸首相は17日夕、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染拡大を踏まえ、予防・検査・早期治療の包括強化策を講じる方針を明らかにした。
医療
従事者や高齢者ら約3100万人を対象に3回目のワクチン接種を前倒しする。経口治療薬の提供を年末から始め、忘年会などが増える年末年始に向けて検査体制も強化する」
(時事2021年12月17日)

その理由を岸田氏はこう言っています。

「オミクロン株は極めて感染力が強く、専門家は世界中で早晩感染が拡大することは避けられないとしている」と指摘。今回の措置により「医療提供体制が逼迫しないよう全力を尽くす」と強調した」
(時事前掲) 

おいおいです。12月頃にもなって今さらのように「オミクロンが極めて強い感染力を持つ」なんて言われても困ります。
当時、もう世界は感染爆発していましたからね。
だから在留邦人にも帰ってこなくてよい、全部入国航路は遮断だ、なんてやったのはあなたでしょうに。
それほど感染力が強力だとわかっていたのなら、今さら「前倒し」なんていわずに、さっさと11月、12月の時点で在庫ワクチンから医療関係者や高齢者に打てばよかったのです。
そうすれば、沖縄の医療崩壊危機なんて起きなかったのです。

では、なぜ打ち渋っていたのでしょうか。
岸田氏はこういう言い方をしています。

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岸田首相にブーメラン、菅政権のコロナ対応を批判もワクチン後手後手

「これまでは、短縮を認めるケースを医療機関や高齢者施設でクラスター(感染者集団)が発生した場合に限っていた」
(時事前掲)

しかし実際はこの短縮の例外と決めた医療従事者や高齢施設にさえ現実には打っていなかったわけで、新型コロナウイルス感染症対策分科会のメンバーである、小林慶一郎・慶応大学経済学部教授はこう指摘しています。

「(遅れた原因の)一つは「どちらかというと政府の中の対応がのんびりしていた」。
二つめは、「供給量が年内は足りないだろう」と考えられていた。これは「8か月間隔での接種」ということを前提に製薬会社と交渉していたことによる。したがって、年内に高齢者施設や医療従事者には接種できるが、一般の高齢者までは対応しきれない、と思われていた。
 さらに、自治体間で準備状況に差があった。平等にしようとすると、準備ができてないところに合わせて遅いタイミングやることになる、というわけだ。
 小林氏は、「国民の命をリスクにさらしながら自治体の間の平等をはかる」「これは極めて問題のある判断」「とても許される判断ではない」と語っていた」
(Jcastニュース2021年12月28 )
 日本のワクチン「3回目」接種は遅い オミクロンに間に合わなくなる: J-CAST トレンド

小林教授によれば、岸田政権がこだわったのは、いかに早く重点対象から3回目を打っていくのではなく、「足並みを揃える」こととだったようです。
だから11、12月の時点でワクチンは在庫あって、「年内に高齢者施設や医療従事者には接種できるが、一般の高齢者までは対応しきれない」から全部打たないという珍妙なことをやらかしたのです。
また同じく「自治体間の平等」を気にしたために、感染リスクが高い自治体から打つという緊急時に当然すべき状況判断が欠落していたようです。

岸田氏は総裁選の時にこう言っていました。

「来月の自民党総裁選への出馬を表明した岸田文雄前政調会長の記者会見は、最大の争点の新型コロナウイルス対応で菅義偉首相との違いを強く意識した内容だった。
感染状況を巡る首相の楽観的な見通しが「後手」「小出し」の対策につながっているという批判を受け、最悪のケースを想定して徹底的な抑え込みを図るべきだと主張。説明責任の軽視を指摘されていることも踏まえ、国民の理解と納得を得るメッセージの重要性も訴えたが、具体策での独自性は乏しかった」
(東京2021年8月27日 )

実際には菅政権時代にワクチン接種は驚異的なスピードで進んでおり、昨年末の時点で総人口の73.8%が2回接種を完了し、今や65歳以上の接種率は9割を超えて、米国や英国、ドイツなどを上回る世界トップクラスの接種状況となっています。
その結果、昨年秋には感染が終息しかけていました。
この菅氏の成果を、岸田氏は「後手で小出しだ」と言って総裁になったのですが、やったのは入国制限だけ。

今後は「前倒し」3回目接種のスケジュールが組まれているようです。
自治体によってバラつきはありますが、いったん歯車が回り出せば日本人の特性からいって早いでしょう。
ただしこのペースでは、オミクロンの急激に減衰する特性から見て、打つ頃には感染はピークアウトしていますけどね。

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ワクチン】3回目接種券の発送(11月19日) - 呉市ホームページ

また、肝心のワクチン担当の堀内大臣が機能していません。
医療現場や自治体からは、現実とズレているという声が相当あがってきているようです。
堀内大臣は、河野氏とは正反対のタイプで、前任者がうるさいほど発信し、現場対応でどんどん方針を修正したのに較べて、海底のひらめのようです。
なにも意見がない大臣だと、厚労省官僚から見切られると、どんどん彼らのペースにはまっていきます。
おそらく河野氏なら、去年11月で全体の2回目が終了した時点で、3回目を始めていたでしょうし、菅氏もそれを指示したはずです。
なぜなら、11月時点で河野氏はワクチンの在庫がたっぷりあると発信しているからです。

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中日

前内閣参与の高橋洋一氏は、「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月12日放送)でこう述べています。

「厚労省がいろいろな方針を出すのだけれど、「何かズレている」と現場の人はみんな思っているでしょうね。私もワクチンについては遅れているなと思います。河野さんも「国内在庫がある」と発信していたしね。
飯田)年末以前に発信していました。
高橋)ワクチン接種は在庫があるときにやるのが普通です。わざわざ持っている必要はありません。
飯田)持っていても有効期限が来ますしね。
高橋)すぐ打ってしまえばいいのです。なぜ8ヵ月にこだわるのかわかりません」

いつも怒って唾を飛ばしているようなワイドショーの坂上氏も、こんなことを叫んでいました。

「MCの坂上忍は特に厚労省がワクチンの3回目の追加接種について、2回目の接種が終わってから8か月後の実施を軸にしていることを問題視。「僕はしつこく何度でも言いますけどね。3回目のワクチン接種まで8か月(間隔を開ける)と言い出したのは誰なんだ?って。本当になんでそんなことになったんだ?って、あの遅れだけは絶対に許さないから」と声を荒らげていた」
(ZAKZAK2022年1月18日)

坂上さん、誰ってそれは岸田さんですよ。坂上氏は時系列が混乱しています。
たぶん菅さんだと思って怒り狂ったふりしたのでしょうが、菅-河野時期は9月末で終了し、その時にはオミクロンの修験などだれひとり想像すらしなかったのです。
ですから、去年夏の時点で通常どおり8か月間隔で打つという方針には妥当性がありました。

しかし突如、南アフリカでオミクロン株が出現したのが11月末。
それがたちまち世界に伝染を拡げて、米国で1日の感染者が爆発的に増えたのが12月の頃からです。

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オミクロン猛威、米国コロナ感染が1日50万人超 | ブルームバーグ

これを見て、11月末から岸田政権がしたのが入国制限でした。

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この世界的感染爆発を、水際対策だけで乗り切れると思っていたのでしょうか。
水際作戦はしょせんザルで、米軍からでなくてもどこからでせ必ずすり抜けてきます。
ましてや今回のオミクロンは、廊下を隔てた部屋の人にすら感染したようなタイプです。
だから時間稼ぎで、その火星だ時間でなにをするのかが問題なのです。

11月末に岸田政権がするべきは、水際対策が稼いだわずかな時間(たぶん1カ月間ていどでしょうが)の間に、ありったけの在庫のワクチンを医療従事者から打つことでした。
ところがそれをしないで、「鎖国」をやったことに安住してしまいました。
官僚を使えない岸田氏らしいことです。
ぜひ「国民の理解と納得を得るメッセージの重要性」を掲げて首相になられた岸田首相におかれましては、3回目の遅れについてご説明をいただきたいものです。

 

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コメント

3回目の前倒しには自治体や医師会がまたぞろ困難だとかゴネてましたね。岸田さんは配慮しちゃったのかな。
接種券さえ急げば1回目2回目同様の態勢を敷けばすぐにできるでしょうに。。
ウチの親父殿が2年前そっくりのことを言っています。ダルい動くの面倒くさい食欲無い味も匂いもしない···と、洗濯もゴミ出しもしねえし。。
といって大雪の中を生協までクルマで出掛けて、帰ってきて玄関が開かないと騒いでいた。オレ寝てたんだけどダンダンダンとうるさいから(たまたま前日にトイレの照明スイッチ交換したりあったので、また内装業者でも来てるのかと思った)下りて行ってら···なんのことはない、鍵をちゃんと刺さないか逆に回したかという普段なら有り得ない判断力低下でした。
それにしても今年は雪が多いです。去年少なすぎた分が纏めてきたのか?というくらいで、ウンザリしてます。。

岸田さんに言いたいのは全高齢者じゃなくてもいいから、まず医療従事者と高齢者施設や訪問介護のエッセンシャルワーカーと、次に警察·消防·自衛隊員といったとこだけでも有るワクチンを前倒しで打てと。。事件·事故や災害発生時を考えたら優先すべきはそういうとこでしょう。
集団生活してるからクラスター起こりやすいし(実際に過去に起きてるし)。。

SNSで情報を拾っている人と新聞テレビしか見ない人と時間差はありますが、日本も1月中旬までは、100万人に数人とされる致命的な心筋炎や梗塞・血栓・出血といった副反応リスクがあるとしても追加接種をした方が良いという流れであったように思います。

それが、1月中旬以降、短期間に接種繰り返すことによる抗体依存性感染増強リスクの可能性がヨーロッパでも懸念されるようになったので、接種急がなくても良い、経口治療薬が承認されるのを待てば良いという流れに変わり始めているように思います。

個人的には、現行ワクチンを、重症化リスクの少ない二十歳以下人への接種を勧めるのを、一日でも早く止めて欲しいと思っていますので、追加接種がスムーズに進まなくて良かったと思いますが、いずれ在庫一掃とばかりに追加接種が加速するのでしょう。

罹っても重症化しない効果を期待してのワクチンだったら、インフルエンザ同様、高齢の方と既往症のある人と希望する人だけワクチンを打ってもらい、その他の人は罹ってもこじらせる前に経口薬治療を受けられる体制を整え、とりあえず幕引きすればと思う次第です。

一昨年の秋にいったん感染収束した時にこれでコロナは終わると安堵して年末で再拡大した経験があるのに、去年は同じようなケースでしかも海外では再拡大が始まっているのに「日本はこのまま収束状態でやり過ごせる」という根拠の無い希望にすがってなんにもしなかったというのはあまりにも愚かですね。
一番迅速にリーダーシップを取らなければいけないポジションとして新設されたワクチン担当大臣をお飾り枠として使ったのは危機感の無さを証明しています。

国民レベルでは自分の生活もあるので楽観論に傾いてしまうのも仕方無いところですが政治家やそれにアドバイスする専門家がそれに染まってしまうのは絶対にあってはいけない事です。
これだけ官僚や自治体の意見を丸飲みにするだけの内閣なんて存在する意味がありません。
外交でも中露朝に舐められっぱなしで佐渡島のユネスコ承認を韓国のクレームを理由に取り下げて実質彼らの言い分を認める最悪の選択をするなどなにも良い所が無い状態でついに今晩は日米首脳会談
間違いなくなにかしがの踏み絵を踏まされる事になると思われますが、これに対してどのような選択を取ってしまうのか…
とんでもない(無自覚な)失言すらやらかしそうでヒヤヒヤものです。

日本中が茹でガエル現象でしょうか。
行政も医療もまた個人も油断があったと思います。
最近増えた震災もそうですが、震災直後は非常食とかの売れ行きが増える。
天災は忘れたころに来る。第5波が終息したときに日本全体が安心した。
私自身も、中断していた同僚との飲み会を再開していた。
これが個人レベルではいいと思います。ただ行政レベルは別です。
岸田総理は口癖のように、国民の財産と命を守ると言います。
現実は入国制限以外何もやっていない。
将棋でも何手も先を読んで今の駒を打つ。今の政治家にそういう政治家はいませんね。マスコミも野党も気楽なもので起きてしまったことを叩いているだけです。日本の政治家がこじんまりしてきたのも事実です。
こじんまりとまとまっても、過去の総理が築いた財産で何とかやってこれた。
これは、コロナに限らず国防、経済、防災全てに言えます。
逆転満塁サヨナラホームランを打てるような政治家の登場を願うばかりです。


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