長野県、陽性者の77%がワクチン未接種
予想どおりの展開ですが、日本でも急速にオミクロン株への置き換わりが進んでいます。
「松野博一官房長官は13日の記者会見で、国内の新型コロナウイルス新規感染者のうち、変異株「オミクロン株」の疑いがある割合が9日までの1週間で84%に上ると明らかにした。2日までの1週間は46%だった。 松野氏は「オミクロン株による感染例が大部分の都道府県で確認され、急速な置き換わりが進んでいる地域もある」と警戒感を示した」
(時事1月13日)
東京の感染状況は、陽性者の数こそ増えましたが、その大部分は軽症・無症状で、重症者は4名です。
● 東京都(1月13日現在)の感染状況
https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/
・陽性者 ・・・395,050 人
・入院 ・・・ 1,056 人
・軽症・中等症・・・1,052 人
・重症 ・・・4 人
・病床使用率 ・・・15.1 %
感染者数増加にだけ注目するようにメディアが仕向けていますから恐怖を覚える人も多いでしょうが、実態は重症化するのはきわめてわずかだとわかります。
ですから病床使用率はわずか15.1%で、充分に余裕があります。
またこの病床使用率といっても、今入院しているのは、オミクロンが侵入した初期に過剰に反応して濃厚接触者全員を隔離してしまった名残ですから、ほんとうのオミクロン由来のものではありません。
心配されている医療崩壊が起きるとしたら、この行き過ぎた隔離のために医療スタッフが出勤できなくなって人手不足になる沖縄のようなケースです。
さて、いつも思っていましたが、メディアは煽るだけ煽っておきながら、「感染者」(正確には「陽性判定者」ですが)の中でワクチン接種した人がどれだけいたのか、という基礎的情報を報じません。
この読売の記事は、珍しくワクチン接種した割合を記事にしています。
メディアの皆さん、こういう記事を見習うようにして下さい。
「陽性者の77%がワクチン未接種、ブレイクスルー感染6%…県が「第5波」分析
長野県は7日、新型コロナウイルス感染の「第5波」(昨年7月1日~9月30日)の陽性者3701人のうち、77%がワクチン未接種だったとの分析結果を公表した。2回目接種から2週間経過後に感染する「ブレイクスルー感染」は6%だった。
陽性者3701人のうち、ワクチン未接種は2849人(77%)、1回のみ接種が296人(8%)、2回接種から2週間未満が70人(2%)、ブレイクスルー感染が204人(6%)、不明が282人(8%)だった。
重症化リスクのない陽性者で比較すると、ワクチン未接種の陽性者(1848人)は当初無症状や軽症であっても、7%(130人)が中等症へと重症化。一方、ブレイクスルー感染者(91人)の中等症への重症化は3%(3人)にとどまっていた」
(読売
この読売の記事によれば
●長野県における陽性者のワクチン接種率(2022年1月7日現在)
・2回(2週間未満)未満の者・・・2%
・1回のみ接種 ・・・8%
・未接種 ・・・77%
・ブレークスル感染 ・・・6%
・不明 ・・・8%
陽性者の77%は未接種の人から発生しており、2回接種から2週間以内の場合、わずか2%に減少しています。
ブレークスルー感染も8%報告されていますが(何回接種か不明)、あきらかにワクチンが確実に効果を現していることがわかるはずです。
これが分かっているから欧州政府は、声を枯らしてワクチン接種を呼びかけているのですが、6割台の壁をなかなか突破できていないようです。
むしろ3回目遅いぞ、早く打てという声が主流の日本とは違って、ヨーロッパの反ワクチン運動はきわめて根強く、かつ強力のようです。
たとえばオーストリアでは、我々日本人には信じがたいことに未接種者の外出規制が始まっています。
つまり未接種だと街に出られないということになりますから、買い物も職場、学校にも行くのが困難になります。
「ドイツでも、新政権樹立に向けて交渉する主要3党が、未接種者への規制強化を盛り込んだ感染対策案を国会に提案している。陰性証明などがない限り、電車やバスの利用を禁じることなどが柱だ。首都ベルリンの飲食店などでは未接種者は既に実態として締め出されており、「基本的な権利の侵害だ」(野党政治家)として是正を求める声も上がっている」
(読売11月17日)
フランスもマクロン大統領が「国民の社会活動を可能な限り制限する」と言い始めており、ワクチン反対派からロベスピエールと言われています。
正直私もここまでするか、これはさすがに人権侵害だろうと思いますが、ここまでやらないと打たない者は絶対に打たないわけです。
下の写真は、ウィーンでスマホを使って買い物客のワクチン接種状況を確認する警警官ですが、日本ならかんがえられない風景です。
差別的ロックダウンだ」…オーストリアで未接種者に外出制限、警官が
「規制は15日から10日間の予定で、ワクチン未接種者は仕事や食品などの買い出しを除いて外出が禁じられる。警官が街頭での抜き打ちで接種状況を確認し、違反者には最大3600ユーロ(約47万円)の罰金が科される可能性がある。
原則として12歳以上の未接種者に適用され、対象は人口の2割に相当する約200万人に上る」
(読売前掲)
オーストリアの新規感染者数は2021年11月13日時点で、過去最多の1万3千人に登り、接種率は64%、隣のドイツが67.5%、英国67%、フランス69%より低くい水準です。
オーストリアより低い接種率の国を探すとなると、おしなべて50%以下の東欧圏を探すしかありません。
ネハンマー首相
オーストリア政府はこのような警察の手を借りてまでワクチン接種を半ば強制していますが、説得力にかけることには、人もあろうにネハンマー首相が3回接種後オミクロン株のブレークスルー感染にかかってしまいました。
「首相は3回、ワクチン接種を受けている。オミクロン対策の連邦・州首脳会談でもFFP2マスクを着用していた。6日の記者会談でもそうだった。その首相がオミクロン株にやられてしまったのだ。
7日公表された連邦首相府の情報によると、首相は4日、家族と共に休暇を終えて帰国、5日、定期的なPCR検査を受けたが陰性だった。5日夜、セキュリテイー・チームと会合した。その後、6日の連邦首脳会議後のPCR検査で2回とも陽性だったのだ。どうやら5日の夜の会合参加者の中に感染者がいたのではないか、と疑われている。首相は自宅で検疫を受けており、現在、ビデオ会議や電話会議を使用して自宅から公務を行っている。「今後、数日間は全ての会合などはキャンセルされた」という」
(ウィーン発コンフィデンシャル1月9日)
http://blog.livedoor.jp/wien2006/archives/52324100.html
しかもネハンマー首相は市中感染したわけではなく、政府の会議で感染しており、出席者はすべて閣僚と州知事などの指導的政治家ばかりだったから大騒ぎとなりました。
政府中枢が首相以下全員が隔離ですから。
3回目でブレークスルーしてしまったというのはありえることで、冒頭の長野県でも2%報告されています。
しかしオーストリアでは、去年11月から国民のブーイングを受けながら、未接種者に外出規制までかけている手前、政治的には実にマズイ、すこぶるマズイわけです。
ここでオーストリア国民の受け止め方は二通りでました。
ひとつは、ざまぁみろ、やはりブースターを打っても罹る時には罹るんだ。なら、オレ絶対にやらんもんね。
二つ目は、しかし首相は軽症だったからやはりワクチンの効果はあったんだ。
こういう効く、効かないという声をよそに、欧米はオミクロンが完全に支配してしまったようです。
対処の方法としては、オーソドックスに3回目接種を急ぎ、ワクチンでブロックするというのがひとつ。
そしてもうひとつが、ノーガードです。
オミクロンの発生国南アフリカのケースで、このノーガード、ノー規制で対応しました。
隔離方針を貫くと、医療関係者が病院に来れなくなり、そこから医療崩壊が起きるからです。
「オミクロン株が世界で最初に特定された南アフリカ。オミクロン株が見つかって以来、警戒レベルは『1』のまま変えず、酒類の販売規制や夜間の外出禁止だけで事態を乗り切りました。
現地保健当局:「国民の60〜80%が新型コロナの感染をすでに経験しているとみられ、多くの国民が何らかの免疫を獲得している」
南アフリカで大規模なロックダウンに至らなかったのは、医療崩壊が起きなかったのも大きかったといえます。首都にある病院では、入院患者が死亡した割合は、過去の21.3%から4.5%に急減していました。また、入院した人のうち、ICUに入る割合も下がり、平均入院日数も半分以下に減っていました」
(テレ朝1月10日)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000240998.html
おそらく集団免疫が獲得されたのでしょう。
相手がオミクロンだったから可能だったともいえます。
一方、困難に突き当たっているのが英国です。
「イギリス政府、医療現場をはじめとした人出不足対策として、さらなる隔離期間の短縮を模索し始めました。
つい最7日間の隔離に減らしたばかりですが、それをさらに5日間にするというものです。「オミクロン株は急拡大したあと、急速に縮小する」ともいわれています。
しかし、世界を見渡すと、イギリスの高止まりをはじめ、感染の急拡大の最中にある国が目立ちます。
イタリアやフランスは、連日のように過去最多を更新していて、一日当たりの感染者数は数十万単位になっています。アメリカは、子どもの入院患者数が爆発的に増えていて、この1カ月で増加率は50%近くに上っています」
(テレ朝前掲)
オミクロンは潜伏期間も短く、しかも回復も早いのが特徴のはずですが、英国は感染が高止まりしてしまいました。
これだけ感染者数が多いと、必然的に重傷化率・死亡率も引きずられて増えてしまいます。
また医療関係者が自宅隔離になるために、そこから医療崩壊が起きています。
「欧州疾病予防管理センター(ECDC)は1月7日、感染力の高いオミクロン株が広がることで、「医療従事者やエッセンシャルワーカーを含む多くの人の欠勤を招きかねず」、「医療システムや社会に大きな負担がかかることが予想される」との見解を示した。
症状が軽くても、医師をはじめとする医療関係者、社会のインフラを支える立場の人たちは、感染したら仕事を休まざるを得ない。その結果、病院が受け入れられる患者の数が減り、ライフライン事業者が活動の縮小を迫られるなどして、社会機能の低下を招きかねない」
(朝日2022年1月9日)
このケースに近いのが沖縄県です。
デニー知事は、またもや自衛隊に医管の派遣を要請しましたが、これは県立病院のスタップに多くの隔離が生じたためです。
果たしてどうなりますか。
医療崩壊さえしなければ、おもいのほか早期に感染拡大は止まるでしょうし、重症化率も低いはずです。
東京でさえ重症者はたった4人ですからね。
しかし連日拡大のニュースばかり見せられるはずです。
デニー氏があせって非常事態宣言などを要請しないことを祈ります。
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昨日SNS上に、ブースター接種の繰り返し、免疫系に悪影響の恐れ-EU当局が警告(Bloomberg)という記事がアップされました。
この記事がフェイクニュースでなければ、個人的にはm-RNAワクチン追加接種により、日本の免疫学専門家の方々も懸念していた、抗体依存性感染増強(ADE)を起こした事例がかなりあるのだと思っています。
高齢者や既往症を持つ40歳以上を対象として、2回打てば1年間は大丈夫(かかるけど軽傷で済む)という触れ込みでスタートしたm-RNAワクチン接種が、変異株にほぼ効かないこともほぼ確定しているのでしょう。
今後致死率の高い感染症が拡がった時に、状況に応じで効果的な対応をしていけるように、管理人様が記されたように、なし崩し的に5類扱いになるのは良くないとは思いますが、インフルエンザ同様に、既往症のない40歳以下の人がワクチンか経口治療薬かを選べるようになることを願ってやみません。
情弱なので正確なデータが持っていませんが、昨年前半、日本国内でワクチン起因死(として認定報告された)のが1300件とされていますが、ワクチンを打って2週間以内に循環器(血管)系の不具合で亡くなった人はその数倍、大事に至らなかったものの心筋炎を発症した人も、40歳以下の人を中心にその数倍いると言われていますので、実際にどうであるのかを知りたいものです。
いずれこういったことも明らかになるのでしょうが、日本においては、治験扱いの特例承認ということで、官が強く勧めるも本人同意による接種のため、ワクチン接種による副反応や後遺症であることを認定されていないと救済もないのでしょう。
個人的な日本人としてのごく少数意見になりますが、国民の健康と安全を守るべき政治家と官僚が、国民の健康と安全を守れなくなるのは世の流れといえど、治験扱いの特例承認のワクチン追加接種をこの期におよんでも強く勧めるのはどうかと思う次第です。【感染症の専門家ではなく免疫学の専門家の方々の情報を拾い読みしてのコメントでスミマセン】
投稿: 梅匂人心 | 2022年1月14日 (金) 09時11分
オミクロン株感染は発症が早いという特徴もあるので、それ起因の濃厚接触者の隔離期間の短縮などが検討されているようですが「安心安全」に舵を切っている岸田政権に迅速な判断ができるか見物です。
残念ながら今週に入ってから沖縄県の重症病床使用数が上がり12日現在で37と現時点でのキャパ(60床)の半分を越えて非常事態前言相当の状況まで悪化しています。
幸いといってはなんですがエクモを使うほどの危篤状態にまで至っている患者は今のところいないようですが本当にギリギリの状況ですね。
多少のタイムラグがあるので何とも言えませんが東京の重症者数の少なさとキャパをしっかり増やしてきた大阪を見ていると
地元のあまりにも悲惨な状況に「なんだこれ?」と思わずにはいられません。
梅匂人心さんはオミクロン株へのワクチンの効果に疑問を持たれていますが、若年層のワクチン摂取率が最も低い沖縄県が抜きんでて大きなダメージを喰らっている事実を見るに「効果がない」と断言するのは早急かと思います。
こんな自衛隊にもすがるような状況にもかかわらず、知事さんは月末から辺野古基地問題のトークキャラバンのオンライン開催だそうで…
開いた口が塞がりません。
投稿: しゅりんちゅ | 2022年1月14日 (金) 14時58分