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2022年2月21日 (月)

「臆病で狭量な巨人」の偽旗作戦

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立て続けにウクライナで「戦争の口実作り」が始まりました。
東ウクライナでテロが頻発し、住民がロシアに退避を開始したようです。
それにしても垢抜けない泥臭いロシア的手法ですね。
これではすっかりソ連時代に戻ったようです。

かつての「臆病で狭量な巨人」と評されたソ連は、ハンガリー民主化やプラハの春を戦車で容赦なく押し潰してきました。
いったんソ連圏と決めた中では、ソ連に背く政策を取ることは許しませんでした。
あらゆる外交政策、そして内政に至るまで、ソ連のクローンを作ることが義務だったのです。
各国にクローンの政治家や官僚を植え込み、それが役に立たなくなると、軍事力の行使も厭いませんでした。
そして1991年、あえなく崩壊。
その時、衛星国東ドイツにいたKGBの工作員が君臨するのが、いまのロシアです。600pxalekseev_alexander_4

プラハの春 - Wikiwand

そして今もNATOの東進を恐れて、20万の大軍で他国を包囲しています。
もう東欧はとうにワルシャワ条約機構の版図でもなければ、ましてやソ連邦の一部でもないというのに。
ソ連時代と同じ連中がやっているのですから似ていて当然ですが、まるで時計を巻き戻しているようです。
ああ、たまらない、この古臭い帝国ノスタルジア。

さてなんでも東ウクライナには「ドネツク人民共和国」というモンがあるらしく、そこには軍隊もありますが、そこの少将がテロの標的にされたとロシアが盛んに流しています。
もちろん実態はただの武装集団で、国家承認を国際社会から受けているわけではない「オレら国家だからよろしく」ていどのものにすぎません。
ここの武装集団のボスこと自称大統領は、「国民」にロシアに避難するようにと吹聴して回っております。
住民70万人を避難させる計画とのことで、ロシアは喜んでお迎えいたします。
だって、ここのドネツク人民共和国の「国民」にはとっくにロシア国籍を与えていますからね。
だからロシアがこの間、よく口にする「ロシア国民の保護」というのは、実は東ウクライナ2州のことだったというカラクリです。

ちなみに、この「人民共和国」の幹部は、元密輸業者というようなやくざな方ばかり。
しかし2015年にロシア軍の支援で軍事的に勝利してしまい、以後実効支配を続けています。

きっかけは、自称「ドネツク人民共和国少将」という肩書を持つ、武装集団の指揮官のデニス・シネンコフの乗った車が爆破されたということでした。
ただし爆破されたのは彼の車だけで、なんとマヌケにも肝心なシネンコフは乗っていなかったとか。
待ってましたとばかりに、「人民共和国報道官」は、「ドネツク軍のデニス・シネンコフ少将が所有する車が政府庁舎近くで爆破された。幸い少将に怪我はないが爆破事件は攻撃を準備している現れで、破壊活動の一環だ」と広報を開始しました。

ところがあら不思議。
シネンコフの愛車はロシア製UAZ社製のパトリオットだったはずですで下写真左側のものですが、爆破されたのは同一のナンバーをつけた右側UAZ社製ハンターというポンコツ車でした。
どうやらウクライナが送った刺客たちは、わざわざこのポンコツにシネンコフの車のナンバープレートを付け替えて爆破したようです。
昨年の夏にはシネンコフの高級車が件のナンバーをつけて走っており、爆破の11日前にはこのポンコツにつけられていた写真すら出てしまいました。
下がその写真ですが、ね、同じナンバーつけて別な車が走っていますよね。
もったいないからポンコツのほうを爆破したんです。

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上手の手から水がこぼれるといいますが、下手な手から水がザーザー漏れています。

しかしそれがバレる頃には、次のシナリオが始まってい句という寸法です。
な~んと犯人即逮捕。
このシネンコフが乗っていることも確認せずに、ポンコツを爆破したテロリストは、たちまち捕まってしまいました。
さすがに優秀なドンツクじゃなかったドネツク人民共和国。
ロシア国営RIAノーボスチは19日、「ウクライナ人工作員が逮捕された」として、こう報じています。
ロシア報道を要約すると

「自分は殺害計画のターゲットだった少将の動きを本国の諜報機関に報告していた。ドネツクのインフラを破壊するテロ攻撃実行のため協力者を募る任務を行ってウクライナ軍によるドンバス地域の強制解放計画、武器や爆発物をドンバス地域に輸送する計画などがある。
まもなくウクライナ軍による大規模な砲撃が始まるので、リスクの高い高層ビルには近寄らいない方がいい」と語った」
(RIAノーボスチ2月19日)
Задержанный украинский агент раскрыл планы Киева по захвату Донбасса

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捕まって自白する自称ウクライナ工作員 ロシアチャンネル1

どこからどう見ても典型的な「仕込み」です。
2月18日に爆破が発生し、翌19日には自称ウクライナ人工作員が捕まり、たちまちをチャンネル1のカメラの前に登場して「オレがやっただよ。ウクライナが攻めてくるぞ」とあることないことペラペラとくっちゃべったというのですから、なんともかとも。
謀略をするにしても、もう少し真面目にやれや、と言いたくなります。

そして今度は、ウクライナ国境から1㎞入ったロシア領ロストフの小麦畑に砲撃痕が見つかったと大騒ぎ。
調べてみたら、あと2発分の弾薬の残骸も確認されたというので、ロシア側は関係当局は「ロストフに避難してくる避難民を狙ったものだ」と断定したそうです。

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避難するのは数日後なのに、なんで早々と大砲撃ってくるのよ。しかも民間人狙って。
ウクライナからすれば、ドネツク州住民の頭上に砲弾降らせる意味があるわけはありません。

またルンガスでも、石油パイプラインが爆破されたという情報があります。
パイプラインは2箇所で爆破されたとか。

そして極めつけは、「ドネツク人民共和国大統領」デニス・プシリンの、「自国民」に避難を呼びかけるビデオが抱腹絶倒ものでした。
動画中で「今日は2月18日」と言っておきながら、タイムスタンプには16日と記録されてしまっていたのです(爆笑)。
なんだ前もって作っていたのか。

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"Both DNR and LNR leaders filmed their "evacuation videos" on February 16th, as Telegram metadata shows. Denis Pushilin even says "today, on February 18th..." . Everything that happens today is clearly and undoubtfully staged."
https://twitter.com/kromark/status/1494743813830717454

タイムスタンプは上のツイッターでご覧になって下さい。
SNSの時代には、世界のネチズンが検証してしまいますから、偽旗作戦も楽ではありません。

一方、ウクライナの学校や幼稚園にも砲弾や迫撃砲が打ち込まれした。
場所はドンバスのウクライナ政府支配地域のようですが、詳細は不明です。

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WSJ 砲撃された学校。兵士はウクライナ政府軍。 

「ウクライナ東部で、同国軍とロシアから支援を受ける分離独立派の衝突が拡大しており、互いに停戦違反があったと非難している。一方で、欧米諸国はロシアがウクライナ国境での軍備増強を続けているとしている。
ウクライナ軍や現地住民によれば、17日に同国政府の支配下にある町で幼稚園や学校に迫撃砲が撃ち込まれた。また分離独立派が支配する地域の当局者らも、迫撃砲により一部の建物に被害が生じたとしている。いずれも死者は確認されていない」
(ウォールストリートジャーナル2月18日)

このような状況をみていると、もう下手打ちゃ当たる、いや当たらなくても戦争へと流れ込む流れさえ作ればよいようです。
今回の謀略ともいえないようなチャチなプロパガンダの手口を見ていると、偽旗作戦の目的は国外向けというよりも、むしろ国内世論向けのようです。
「戦争の口実」を着々と積み上げていき、国民を戦争の熱狂に巻き込んでいくわけです。
かつてのソ連時代は、こんな偽旗作戦でもそれを検証する独立した司法もなければ、メディアもありませんでした。
だからソ連の権力者はやりたい放題できたのですが、ロシアとなっても少しもその体質は変わらなかった、だから同じことを何度も繰り返すようようです。

そしていったん戦争を始めれば、その口実がいかにデタラメであろうと、20万の大軍でウクライナを制圧し、実効支配してしまいさえすれば「勝ち」です。
いったん戦争で奪ったものは、二度と返さない。
 西側はそれを現況に戻す力がないからやがて喉元過ぎれば容認するだろう、そうプーチンは考えているのでしょう。

オリンピックも閉幕したことですし、これでもうもうプーチンの手を縛るものはなくなりました。

 

 

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コメント

毎度思うのですが、

・ロシアや中国のようなならず者大国…あの手この手で領土・了解を増やそうとする。軍事的な手段による現状変更を厭わない。一度奪ったものは絶対に返さない。
・欧米やヨーロッパ、日本のような自由主義陣営…基本的にカウンターしかできない。どれだけ不条理な方法で奪われたものであっても、一度奪われたら、それを軍事的に取り返すことは(自分達の作ったルールで)できない。

この一方通行の状況がある限り、自由主義陣営は少しずつ少しずつ削り取られていって、いつか必ず消滅する運命なのでは。裁きを下せる神が存在しない以上…

 ここまであからさまなロシア傀儡テロリストの偽装工作があるにもかかわらず、「プーチンの言い分」なるフェイクに乗せられる日本の報道機関や論者のなんと多い事か。朝日系の媒体では注釈なしに「ドネツク共和国」なるフェイクを流していたりして、さも公的な国家であるように誤認させるバカバカしさ。
そういうヤツは、一部左翼が言い出せば「琉球共和国誕生」などとのたまる事を恥ともしないハズ。

プーチンの流すフェイクに決して躍らされてはならないし、そもそもプーチンなど絶対に信用してはなりません。
第二次大戦以降の原理原則は「戦争は違法」だと言う事。だからプーチンは自衛戦争に擬態しようとしている。
また、プーチンは「NATOの東方拡大」などと言うが、それは政治的な意味合いだけであって、軍事的な脅威ではありません。
NATOは30か国近くに膨れ上がっていますが、軍事力の脆弱化はますます顕著です。

遠藤誉氏のような論者までが「戦争を欲しているのは米国」とか、まるで反米のごときプーチンの口真似をするが、そうした根拠薄弱な一部側面切り取り型の推論方をする真意を疑います。

とにかく、日本のする事は長期化に備えてウクライナを経済的にバックアップする事です。
本来ならゼレンスキーの言うように、前科者のロシアに対しすでに「至上見た事もない経済制裁(バイデン)」の実行がされていなければならないハズです。
また、EUやNATOの加入を綱領に則り即座に承認すべきです。
その事はウクライナの安全保障環境を高めますが、プーチンロシアの安全保障環境とは何ら関係のない事なのですから。

戦争の初めは、盧溝橋事件の様に偶発的(実際はシナリオ通り。)に始まります。悪いことにNATOもアメリカももう他国の戦争には介入したくない。
プーチンはその辺は承知しています。
しかし、プーチンとてアフガンの二の舞はしたくない。
なんだかんだ言っても、もう戦争は始まっているし、アメリカ、NATOとプーチンも内心はやりたくないが本音だと思います。
ただ、一度始まった戦争は止まりません。過去の歴史が物語っています。

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