トランプの失敗
旅から帰ってまいりました。山路さん、留守をありがとうございました。
旅先で拝読していて、特に興味深かったのはトランプに対しての評価でした。
特に私が回避していたきらいがあるトランプに対しての手厳しい評価と、バイデンに対する一定の肯定的批評はなるほどと唸りました。
というのは、今回のウクライナ侵略において、トランプ的外交政策の根本的欠陥が見えてしまったのです。
保守系は(私を含めてですが)、トランプに点が甘く、トランプのウクライナでの失敗を見過ごしている傾向がありました。
バイデンの対応にミスがないわけではありせんでしたが、バイデンをこき下ろす発言に終始したトランプの外交センスの悪さは目も当てられないものでした。
一方バイデンがとった同盟重視路線は見事に成果を上げ、自由主義陣営は史上かつてない団結を見せロシアに対抗しています。
バイデンに追随しているだけの岸田氏ですら、ゼレンスキーから国会演説で「アジアで唯一の制裁国」という晴れがましい評価を貰ってしまいました。
中国は、初めに見せたロシア支援の色気が祟って、今やG7とNATO首脳会談で「ロシア支援国」という分類に入れられてしまいました。
これは現状で「敵国認定」されたに等しいもので、以後中国の台湾政策にとって大きな妨げになることでしょう。
トランプは、侵攻初動で「プーチンは天才だ。愛国者だ」と放言してしまった致命的失敗をしでかしました。
中央
いかに気楽な仲間内のラジオ番組だからといって、自由主義陣営の指導者であり、次期大統領候補と目されている人物が言っていいことと悪いことがあります。
私もこれを聞いてまたメディアの切り取りをされたのかと思ったのですが、どうもそうではないようです。
「トランプ氏は前日のテレビ番組でロシアとウクライナ状況を見ながら「『これは天才的だ』という言葉が出てきた」と語った。続いて「プーチンはウクライナの相当広い地域に対して『独立した』と宣言した。立派だ」とし「これはどれほど賢いことか。そして進入して平和維持軍になるという」と話した。
プーチン大統領が前日、ウクライナ東部の親露武装勢力が掌握した地域ドネツク・ルガンスクの独立を承認し、該当地域に「平和維持」を名分にロシア軍を進入させたことに言及したのだ。
トランプ氏は「それは私が見た中で最も強力な平和維持軍だ。私が今までに見たものより多くの陸軍タンクがあった」とし「彼らは平和を守るという。考えてほしい。この男は本当に要領がいい」と語った」
(中央2月23日)
トランプ大統領「プーチンは天才、要領がいい男…私が大統領なら侵攻できなかった」 | Joongang Ilbo | 中央日報 (joins.com)
後に修正をかけますが、そもそもプーチンの意図を「平和維持軍」などと見誤り、東部地域に限定したものだとトランプは思っていたようです。
甘いと言われてもしかたがありませんし、感想を求められたサキ報道官から「プーチンを天才と呼ぶような人物に言うことはない」とバッサリと斬られています。
むしろトランプ的外交の根本的限界が見えてしまったのです。この天才放言は、マイク・ペンス元副大統領や、トランプの元ホワイトハウス国家安全保障顧問ロバート・オブライエンなどの共和党幹部の厳しいロシア非難と対照的で、トランプが共和党内でも浮きあがってしまったことを物語っていました。
もしトランプが現役大統領だったならば、NATOとは方針が大きく乖離し、西側陣営は方針を統一できないまま、ウクライナ支援は不調に終わった可能性があります。
彼は正恩(またICBMを発射したようですが)のようなミニマッドマンなら余裕をもってディールできるのですが、プーチンのような正真正銘の真の狂人が相手となると、彼のマッドマンセオリ砲は無効なばかりか、逆に味方を混乱させ、結果として自由主義陣営の団結を阻害します。
トランプのマッドマンセオリは一種の瀬戸際外交ですから、テーブルのチップをとんどんと嵩上げしていき、本気でこの男につきあったら身の破滅だと思わせるところがミソなのです。
修行不足で、世界外交の檜舞台に登場したい欲もあった正恩はこれでコロリと直接対話にまるめこまれ、気がつけば事実上の核開発凍結をさせられてしまいました。
しかしこの方法の危うさは、相手がトランプという術者を上回るマッドマン、しかもリアルマッドマンだった場合、まったく通用しないどころか逆に状況を悪化させるのです。
時事
今回のウクライナ侵略について、トランプはワシントンイグザミナー紙にこんなことを述べています。
washingtonexaminer March 15, 2022
"'I thought he was negotiating': Trump didn't think Putin would order Ukraine invasion"
「私は彼が交渉していると思った」トランプはプーチンがウクライナ侵略を命じるとは思わなかった
「私は驚いています。私は彼が国境に軍隊を送ったとき、彼が交渉していると思った。
私は彼が交渉していると思った」とトランプは火曜日の夜、フロリダ州パームビーチにある彼のプライベート社交クラブと政治本部であるMar-a-Lagoからの幅広い電話インタビューでワシントンイグザミナーに語った。
「交渉は難しいが、賢明な交渉方法だと思った」
「私は彼が、他の誰もがアメリカ合州国や、彼らがディールする傾向がある他の人々とやっているように、グッドディールをするつもりだと思った。
私が来るまで、私たちは良いトレード・ディールを結んだことはありませんでした」とトランプは付け加えた。
「その線を彼は超えてしまった。
私は彼が変わったと思います。世界にとって非常に悲しいことです。彼はとても変わった」
(ワシントンイグザミナー3月15日)
https://www.washingtonexaminer.com/news/campaigns/im-surprised-trump-didnt-think-putin-would-order-ukraine-invasion
トランプ外交の特徴は、外交をすべからくネゴシエートとディール(駆け引きと取引)で考えようとします。
プーチンに対してもそうで、彼は中国という主敵に対して、米露日である種の提携が可能だと踏んだようです。
この考え方は日本の保守派の一部にも強い影響を与えており、今回まるでロシアの代弁者に堕ちたような発言がいくつか見られました。
それはさておき、トランプは安倍と組んで、プーチンを反中陣営に引き込もうと意図した形跡があります。
たとえば、トランプがやったINF(中距離弾道ミサイル廃止条約)がその典型で、ロシアの条約違反を非難してINF条約そのものを葬ってしまい、中国がもっとも嫌がる中距離弾道ミサイルによる包囲網を作ろしとしたのです。
これは潜在的に中国に対する脅威を認識しているはずのロシアとのうまいディールが成立した事例です。
一方、トランプはプーチンとカードゲームの駆け引きをしているつもりですから、このインタビューにもあるように、ノルドストリーム2を制限しろと主張したのはオレのほうがバイデンより先だとも言っています。
バイデンのほうがロシアに甘かったじゃないかというわけですし、それはその限りではあたらずとも遠からずなのでしょうが、ではノルドストリーム2を締めさせた後にどうするのかという先行きを明らかにする視点がトランプには致命的に欠落しています。
おそらくトランプとしては、NATOを締め上げて追い詰め、国防費2%を達成させる腹づもりだったのでしょうが、その前にNATO諸国は大のトランプ嫌いに転じてしまいました。
ちなみに2%増額を言う場合でも、米国だけが負担しているんだぁとやりますから、反感を買うだけでした。
メルケルとは犬猿の仲で、下のG7の写真のように、中に立った安倍氏がまぁまぁと仲裁するありさま。
BBC
同じ言うのでも、ロシアの脅威を言ってから説得すればいいものを、トランプ自身がプーチンの2014年クリミア侵攻から始まるウクライナへの野望をまったく読んでいないのですからしゃもない。
かてて加えてトランプは、NATO第5条という自動介入条項からの離脱をほのめかすような強迫的態度をとってしまい、NATO首脳にはトランプ米国に対する深い不信が生じてしまいました。
「ドイツのメルケル首相が、「ヨーロッパは、自分たちの将来を自分たちで決めるべきであり、アメリカに頼るべきではない」と語りました。
メルケル首相は、10日日曜、ドイツの公共放送ARDのインタビューで、アメリカのトランプ大統領が、G7主要7カ国の首脳会議の首脳宣言を承認しなかったことについて、「気がめいる」としました。
トランプ大統領は、ツイッターで、ヨーロッパの同盟国を批判し、「アメリカは、深刻な財政危機からヨーロッパを守ってきたが、彼らは貿易において、非論理的な行動を見せている」と主張しました」
(Pars today2018年6月11日)
ドイツ首相、「ヨーロッパはアメリカに頼るべきではない」 - Pars Today 。
メルケルは今回のウクライナ侵略を招いた陰の主犯ですが、「アメリカは頼りにしない」とまで彼女に言わしてしまったトランプもトランプです。
つまり彼の就任以来、ヨーロッパは米国の言うことに聞く耳をもたなくなってしまっていたのです。
だからバイデンに、ヨーロッパに対する演説で「合衆国は帰ってきた」と言わせてしまい、大向こうからの拍手を得させることにつながるわけです。
このあたりはよくトランプ=安倍と並列されますが、人あたりがよく、メルケルから信用を勝ち得た安倍氏の外交方針とは大きく違っていますから、トランプの属人的個性の範疇であるようです。
とまれ、このようなヨーロッパとの溝を埋めきれずに、今回のウクライナ侵攻を迎えていたら、そうとうに悲惨な状況であったことだけは確かだったことでしょう。
トランプは昨今、かつての副大統領のペンスをこき降ろしていますが、ペンスなら安心して共和党大統領を任せられます。
さて、簡単にウクライナ情勢を。
キーフ包囲が緩んで、ウクライナ軍はキーフ西側と東側方面のマカリフとモシュンを奪還し 前線を構築し始めています。
ウクライナ軍はここに温存していた予備兵力を投入しており、戦いの天王山と目しているようです。
ロシア軍の包囲が緩んだのは、逆包囲される危険性が可能性が出たからだと思われます。
ここで逆包囲をかけられると、ロシア軍包囲部隊は砲撃やミサイル攻撃をすることが不可能となるだけではなく、補給路を断たれて孤軍となります。
大戦中の東部戦線でも稀にあったことですが、薄い包囲陣を作って膠着すると、その外側から防御側に逆包囲されてしまって敗退したことがあります。
キーフ攻略軍は、今かつての悪夢の構図にはまりつつあります。
また、降伏勧告を蹴って戦い続けているマウリポリはいまだ持ちこたえており、ロシア軍が狙う東部とクリミアをつなぐ意図を阻み続けています。
ベルジャーンシク港では、ロシア海軍の強襲揚陸艦が同時に2隻が撃沈、1隻大破という大損害を食ってしまいました。
これで海軍歩兵によるオデッサ侵攻はそうとうに厳しい情勢となりました。
ロシア軍は中将がまたひとり戦死し、わずか1か月に満たない戦闘で将官6名が相次いで戦死するという異常事態となっています。
またロシアは占領地からウクライナ国民6千人をサハリンに強制移住させたようです。
「ウクライナ外務省によりますと、南東部のマリウポリに住むおよそ1万5000人がロシア側から強制移住の対象とされ、パスポートなど身分証明書を没収されたうえで少なくとも6000人が実際に移住させられたと主張しています。
また、ウクライナ国防省によりますと、市民らは移住先としてロシア極東のサハリンなどを提示されているということです。
移住させられた市民には職業をあっせんする機関から仕事を紹介されますが、2年間ロシアからの出国を禁止されるということです」
(テレ朝3月25日)
https://news.yahoo.co.jp/articles/8fd1926999e31e05bee762eeacb373a722d65fbe
民族の強制移住政策は、スターリン時代に盛んに行われた非人道的政策でした。
これが再び現代に起きたるとはにわかに信じられないほどです。
ロシアは急速にスターリン時代に逆行しつつあります。
ウクライナに平和と独立を!
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主題から外れてごめんなさい!
先週私は「白燐弾も使っているように見えます」とコメントしましたけど間違いでした。ロシア軍の装備に空中飛散型の白燐焼夷弾はありません。派手に白煙広がって燃えてたのはテルミット焼夷弾です。
どうも昨日の午後辺りからNHKも民放も「白燐弾使用か?」と言いだしたので、あえて書いておきますね。既に外信の一部やJSF氏が指摘していたんですけど、我が国のマスコミは無能です。ただの煽りです。
投稿: 山形 | 2022年3月26日 (土) 05時54分
管理人さんのコメントや山路さんの文章を読んで溜飲が下がる思いです。いわゆる保守系といわれるネット番組をよく観るのですが、多くの保守系論客は「トランプ偉い」「バイデンは馬鹿」「痴呆症」なんていうとても「保守」とは思えない言説のオンパレードで正直辟易としておりました。
今回のウクライナ問題で理解できないプーチン擁護に回る保守論客に対して如何なものかとは思いますが、その人間達に向けて陰謀論の一言で一笑に付す一方の保守論陣にも与することは出来ません。あんたたちも米国大統領選挙の時には大概な陰謀論をまき散らしてたじゃないのと言いたくなるわけです。まさに「目くそ鼻くそを笑う」にしか見えません。
投稿: 右翼も左翼も大嫌い | 2022年3月26日 (土) 12時00分
山路さんのご投稿・コメントも含め、いつも楽しみに拝読しております。
トランプ元大統領の瀬戸際外交のディール感覚を、プーチン大統領が実際に侵攻することであっさり凌駕してしまったのですね。それなのに、ロシア軍は旧ドイツ軍のような電撃戦ができないまま、いきなりキエフで独ソ戦のレニングラードに似た戦闘の山場を、旧ドイツ軍の立場で迎えてしまいました。ウクライナ側の抵抗は、以前中国に空母を売ったこともある国ですので、米国やNATOが自ら血を流して守るわけがないことをしっかり理解していたようです。
ロシアはスターリン時代に逆行し、プーチン大統領はヒトラーに模され、ほぼ全世界を敵に回してしまいました。今のところ中国は親ロシアですが、ロシアの退勢の中でいつ寝返って逆の立場になるのか、平和な日本に感謝しつつ傍観しております。
投稿: 都市和尚 | 2022年3月26日 (土) 12時37分
> 今回のウクライナ侵略において、トランプ的外交政策の根本的欠陥が見えてしまったのです。
>保守系は(私を含めてですが)、トランプに点が甘く、トランプのウクライナでの失敗を見過ごしている傾向がありました。
私は選挙後から批判的な立ち位置でしたが「トランプさんだったらこうならない」で盛り上がってもいないこのブログに、元大統領の失言をしつこく書いても荒れるだけだと思いなるべく控えていました。
外交的には、現状もあえてポジティブに考えると、トランプ大統領のマッドマン時代があったからこそ欧州はやっと集団安全保障に本気で取り組み始め、バイデンの細かい失言や言い間違い・勇足に対しても、海外メディアもめくじら立てずに本筋を報道している。とも言えます。
深刻なのは国内的な共和党に対しての部分、根本的欠陥により自身の掲げるMAGAを台無しにしつつある点です。
過日山路さんがコメントされたようにトランプ氏はNワードを連発したプーチンに対して原潜出動に触れました。それ自体意義が確かにあります。でも彼が作り上げてきた共和党内の親トランプ派には響かないのです。
ただの風邪コメントから一転マッハでワクチンを開発したのに支持者に反ワクチンが溢れ「自分も打ったよ」と言ってもスルーされたのと同じように、味方を説得し方向転換させまとめる力がない。(そして支持者もそれを期待していない)
実務に奔走してきた部下は大統領選後に酷い目に遭い、ペンス氏は復権どころか殺害予告され名誉回復も道のり半ばです。
欧米日のウクライナ自衛への支援はこれから幾つも失策もあるでしょうが、欧米の分断が再来しそうになる時には日本はトップが安倍晋三氏であろうとなかろうと、日本のできる役割を努めなくてはならず、私達がそうするように政府へアピールする事が肝心です。
乱世に輝く魅力と有事を治める力の根本的な違いについて考えさせられます。
投稿: ふゆみ | 2022年3月26日 (土) 13時21分
準戦争状態を意識するべきアメリカの野党大統領候補として、トランプは難しい立場にありました。そのふるまいには細心の注意が必要でしたし、アメリカファースト=世の中の独裁者連中との親和性、ってマスコミ的図式にまんまと嵌った感じもあります。
この先、上手く行くがどうかまだ分からないにせよ、自由主義社会がまとまるべき方針で固まっている矢先の事だったのも痛かった。
多くのトランプ支持者同様、不正がらみの大統領選の結果には同情できます、しかしだからと言って、それをも含めてアメリカの大統領選なのはもともと歴史の示すところです。
ブログ主様が言われるように、日本にとっては対中強硬派のペンスがベストなのかも知れません。価値観もトランプに近く、主流派も推しやすい。「我慢」が出来る人である点も高評価です。
バイデンは大統領就任当時、「アメリカの主要な問題は気候変動問題だ」と言いました。
けれど、ロシア産を欧州に輸入させない方針として策定した天然ガス版マーシャルプランみたいなのは大変評価できるとして、しかし米石油業界の投資がバイデン不信を乗り越えるかどうか。
ロシアと同じ独裁国家のベネズエラやイランからの石油をあてにもしているとの報道もあり、まだまだ問題は山積しています。
足並みをそろえる気のない、ハンガリーみたいな国もありますし。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2022年3月26日 (土) 14時07分
小賢しくも是々非々派で誰にもぐっと肩入れできないあたくしですが、管理人さんがトランプ前大統領の属人的個性に触れておられるのを読み、政策以前からそれは大いにあると感じたのを思い出しました。
トランプ前大統領の身振り手振りや話し方が(失礼ながら)上品でないどころか粗野ですらあること、政府や軍での要職経歴が無いコテコテの商人であることなど、およそ米国エスタブリッシュメントだとは認めたくない個性を嫌って、素直に話を聞く気が起きない内外政治家や国民は少なくなかったでしょう。
だからトランプ前大統領は'He is not my President'といわれ、支持者共々「反知性」というレッテルで猛烈に揶揄されましたっけ。
確かめようのない陰謀論に簡単に嵌る者、対立陣営の人々が生き辛くなる社会づくりに平気で勤しむ者、そういう所謂「限界」な人たちはどちらのサイドにも居て、それこそが「どっちもどっち、大概にせいや」な話です。
「ロシアにも正義がある」「ゼレンスキーもよくない」「ウクライナは降伏した方がいい」という言説で、ロシアが侵略戦争をしていい理由やウクライナは被害者ではないと説明できているものはひとつもありません。
2022年の今、ウクライナ国民がサハリンに強制移住(いや強制連行だろ?)させられているというニュースを、あの人らはどう感じるのだろうか、そもそも何かを感じることができるのだろうか。
誰も逆らわなくなるのならフリでも狂人になる方がお得だから狂人ぶりの上書きを競う、そういう世の中を肯定することになる、そんなことも感じないのかもしれません(それはそれで問題
トランプ前大統領、バイデン大統領、安倍元首相の政策の良し悪しでは、山路さんの論考や管理人さんが仰るように考えるのは妥当と思います。
ただ、プーチンがあの有り様になると予見出来た人は少なかったでしょうし、我々の過去の選択とそれが齎した事実は変えようがありません。
侵略戦争を仕掛ける者には成功体験を絶対に与えない、破滅的応報あるのみという学びを、これから結実させるしかないと考えます。
投稿: 宜野湾より | 2022年3月26日 (土) 18時38分
世の中、ジャンケンとか相性とかあるのだと思います。
対中国ではトランプが上手く抑え込んでいたと思いますし、
対ロシアではバイデンで心底良かったと思います。
完璧でない指導者達を、タイミングも含めて良く差配したなと感心します。
誰が筋書きを書いたのでしょう??
その誰かがいるならば、
いつか必ず自由主義を破壊する二国を、
この北京オリパラのタイミングで単独の暴発に抑えたのは、
後の戦史で成功例と語られるかもしれません。
投稿: プー | 2022年3月26日 (土) 23時09分
前にも書いたのですが、プーチンは紛れもなく旧ソ連体制の中から直接出てきた鬼子ですわ。その後の新生ロシアのリーダーでも何でもありません。旧ソ連が自壊したので、それはつまり自動的に、ロシアの民主自由資本主義体制への移行だと錯覚した人は、私を含め多いと思います。かのトランプ親ビンも間違っていたようです。管理人さんの言われる通り、リアルマッドマンにはディールは通用しません。損得勘定だけでは、リアルマッドな人物の倒錯したココロは動かないですから。
旧ソ連はキ千ガイと言ってよい共産党独裁全体主義国家だということは数々のおぞましい事実でも定説ですが、その中から出てきたプーチンは旧ソ連の独裁者そのものだったんですわ。「プーチンが変わった」のではなく、西側が勝手に「プーチンは古臭い旧ソ連の全体主義国家の指導者ではなくて、新生ロシアの新しいリーダーだ、話せば解る」と思っていた、思いたがっていたんだと思います。メルケルさんや、安倍さんなども、ロシアと取引したがっていた(騙されていたというより、思い込みが強かった)。
でも、チェチェンやシリアでの数々の残虐行為がプーチンの指示だったんだと冷静に見ていれば、今回のウクライナの侵略行為は不思議でも何でもなく、それどころか整合性があり、生物化学兵器や核兵器を使うんじゃないかという憶測も笑っていられませんわ。
ロシア国内での一般国民のプーチン支持をみると、なんやら、日本の「鬼畜英米」を叫んでいた頃のようで、プーチンが失脚したとしても、欧米がロシアを占領統治でもしないかぎり、又キ千ガイの旧ソ連型リーダーが後を追って出て来そうですわ。ロシア・中国・北朝鮮と、全体主義国家の問題児(これらの国々が、民主自由資本主義に移行できるとは、もう全然思えなくなった。日本は良くも悪くもキセキだったらしい、米国も早く理解して欲しい)が騒ぐ世界は続きそうです。
投稿: アホンダラ1号 | 2022年3月26日 (土) 23時23分