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2022年3月 5日 (土)

原発占拠、プーチンは発狂したのか?

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ほんとうにプーチンは狂ったのかもしれない、こういう噂が国際社会に飛び交い始めました。
先日、プーチンがロシア軍に核戦力を含む特別警戒態勢を発令したことがきっかけでした。

「[モスクワ 27日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は27日、北大西洋条約機構(NATO)首脳らによる声明と西側諸国の対ロ経済制裁を受け、核戦力を含む核抑止部隊を高度の警戒態勢に置くよう軍司令部に命じた。米国は、緊張を高める受け入れられない行為だと非難した。
プーチン大統領は国営テレビで「西側諸国はわが国に対し、経済分野で非友好的な手段を取るだけでなく、NATO主要国の首脳らはわが国について攻撃的な声明を出した」などと語った」
(ロイター2月27日)

ただし、ラブロフ外相は核戦争は想定していないと言っています。

「モスクワ 3日 ロイター] - ロシアのラブロフ外相は3日、国営テレビのインタビューで、一部の国の指導者がロシアに対する戦争を準備していると述べた。ウクライナでの軍事作戦は「最後まで」やり通す考えを示した。
ロシアは核戦争を考えていないとも述べた」
(ロイター3月3日)

ラブロフは今までバッターの頭を狙ってくる悪質なピッチャーのような人物でしたが、今回始めて常識人に見えてきました。
ただし核戦争を考えていない、というラブロフの言葉を額面どおりに受けとれないのが現状です。
今のプーチンに諫言することができる人間は、もうクレムリンにはいないからです。
つまり絶対権力を握った狂人が、核のスイッチを弄んでいるわけです。

そして昨3月4日には、とうとう原発を砲撃して炎上させ、軍が占拠しました。
さすがに私も絶句しました。ここまでやるとは。
このような人物を常人としてあつかってはいけません。
この所業は危惧されてきた核ジャックそのもので、それを一国の正規軍が行うなど論外です。
今までは甘く言えば一般的な戦争行為でしたが、これは完全な戦時国際法違反の戦争犯罪を構成します。

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「ウクライナ南部ザポロジエにある原子力発電所で4日、ロシア軍の砲撃を受け火災が発生したとウクライナのクレバ外相がツイッターで表明した。原子炉6基がある同原発は欧州最大級の発電能力を持つ。国際原子力機関(IAEA)は「同原発の放射線量に変化はないとウクライナ当局から報告を受けた」として「主要設備に影響はない」とツイッターに投稿した。
ロイター通信によると、火災が起きたのは原子炉ではなく原発の研修施設。同原発のあるエネルゴダルの市長はSNSのテレグラムで「ロシア軍の絶え間ない砲撃によりザポロジエ原発が燃えている」と書き込んだ。具体的な損害状況などは明らかになっていない。
IAEAのグロッシ事務局長は4日、武力行使の停止を訴え「原子炉が攻撃されれば深刻な危険がある」と警告した。IAEAは原発攻撃前に開いた3日の臨時理事会で「原子力施設の管理の強奪や暴力などの行為」とし、ロシアに軍事行動をただちにやめるよう求めていた」
(日経3月4日)

ウクライナ当局が発表したザポリージャ原発の原子炉状況は、以下です。

・原発1号機:定期点検中
・原発2号機:送電網から切り離され原子炉は冷却中
・原発3号機:送電網から切り離され原子炉は冷却中
・原発4号機:稼働中
・原発5号機:原子炉を冷却中
・原発6号機:原子炉を冷却中

ウクライナはソ連時代チェリノブイリ原発事故で十数年間苦しめられた国です。
原発を占拠して脅迫することは、核テロという現代でもっとも悪質な犯罪であって、申し開きのしようがない戦争犯罪です。
プーチンは気が狂ったとしか思えません。

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このザポロジエ原発は6基あってうち5基は旧ソ連時代の1984~89年、残る1基は95年に運転を開始されたロシア型加圧水炉(VVER)で、出力は各100万キロワットです。
ロシア型加圧水型原子炉 - Wikipedia

この原発は欧州最大規模で、これが攻撃によって破壊されレベル7の事故が起きた場合、1986年のチェルノブイリ原発事故の10倍以上の悲惨な原発事故になるとクレバ外相は訴えています。
これは外交的修辞ではなく、たぶん本当に起こり得ることです。
下図は、チェルノブイリ事故によるヨーロッパ全土のセシウム137の表層地盤の堆積図です。
ウクライナは日本と違い平坦な平野部なので、スカンジナビア半島、ドイツなどが放射能汚染されました。

137cs

チェルノブイリから学ぶ:地図 - 日常で放射能に向き合う 学 【2012/8前 監修】 (google.com)

ロシア軍がザボロジェ原発を暴走させれば、ヨーロッパ全域は極めて深刻な放射能汚染さらされることになります。
元原子力プラント設計技術者で工学博士の後藤政志氏の談話を基に、今後の展開について考えてみましょう。
※読売新聞3月3日
ウクライナにある欧州最大規模の原発をロシア軍が攻撃 専門家が恐れる3つのこと

現在、ザボロジェ原発の支配権はロシア軍が握っています。
ロシア軍が煮て食おうと焼いて食おうと自由だということです。

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ザポロジエ原発 ウィキ

まず第1に、原子炉が直接ロシア軍の攻撃を受けた場合です。
建屋が覆う形式の場合、これが防壁になって破壊を免れますが、建屋内部に侵入して格納容器そのものに爆薬を仕掛けられた場合、原子炉を破壊することは可能です。
原子炉は冷却系や制御系が破壊されて暴走を開始します。

第2に、現在原発内部の状況は不明ですが、銃を突きつけられて拘束されている可能性があります。
代替要員は用意してきているかもしれませんが、後藤氏はたいへんに危険な状況だと述べています。

「このケースが最も怖いのですが、現在、この原発を動かしている運転員が攻撃から逃れるために持ち場を離れてしまうことです。原発というのは、誰でも動かせるものではありません。それぞれ、どこにどんなクセがあるのか。どう制御すればよいのかが異なっているのです。仮にロシア軍がこの原発を制圧、占拠した後、動かせばいいと安易に考えているとすれば最悪です」
(読売前掲)

核テロリストがザポロジエ原発の管制室に座っていて、スイッチひとつで冷却系を止めて暴走させることができるということです。
占拠したロシア軍はクレムリンからの命令一下、ためらわずにこの死のスイッチを押すことでしょう。

第3のシナリオは、制御系などになんらかの細工を施して、ロシア軍がここを離れてもいつでも自由に制御できる仕掛けをしておくことです。
この可能性はたいへんに高く、ロシアが好むマルウェアを制御系のコンピューターに仕掛けられた場合、いつでもクレムリンからの指令ひとつで暴走を開始してしまうことでしょう。

プーチンは冒頭に書いたように核攻撃をほのめかしましたが、そちらはフェイントでこちらの原発制圧のほうが本命のような気がします。
核ミサイル攻撃は相当の確率でミサイルディフェンスでブロックされ、米英仏の報復攻撃でロシアは壊滅するからです。
ならば、報復を受けずにウクライナとNATOのみに大きな打撃を与えることができる核暴走のほうがいい、そうプーチンが考えても不思議はありません。

仮に敗北必至とみたこの男が、ロシアに風上の時間を狙ってザボロジェ原発を暴走させたとします。
その結果、数時間以内にウクライナとNATO諸国は長きに渡って放射能禍の下に置かれることになります。
お仲間のベラルーシも同様ですが、プーチンは気にもとめないでしょう。
まさに悪魔的プランですが、今のプーチンならやりかねません。

そして次はウクライナの都市に対する無差別爆撃です。
これをさんざんシリアで行い、一般市民に膨大な死者を出しました。

バイデンは一般教書演説の最後をこの言葉で締めくくったそうです。
"Go get him!"(奴を捕まえろ)
民間人大量虐殺と原発攻撃を裁く国際法廷に引きずり出さない限りこの状況は終らないでしょう。

いずれにしても、この男は狂っています。
この男に必要なのは、交渉会場ではなく国際法廷です。

 

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ウクライナに平和と独立と自由を!

 

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コメント

確かに、プーチンは狂っているかもしれませんね
単に電気の供給を絶つ、兵糧攻めをやりたいだけなら変電所や送電施設を抑えればいいのですから
 
しかし、敷地内に砲撃とは……たまたま直撃しなかったから良かったようなものの、正気の沙汰ではありませんな

原発はロシア軍が掌握した。
敷地外からウクライナの銃撃を受けたので応戦した。ウクライナのゲリラ部隊が訓練棟に放火して逃げた。
というのがロシアの言い分ですね。

訓練棟は原発敷地内です。ロシアが掌握したのはいつなのか?時系列がよくわかりませんね。
ロシアの言い分も無理筋っぽいですけど、ウクライナ側の「原発に砲撃を受けて建物が炎上」というのもいつなのか?
これはちょっと分かりません。
元々1基しか稼働していなかったザポリージャ原発を攻撃するのは、停電で兵糧攻めというテレビコメンテーターもいますけど、リンデロンさんが先ほどコメントした通りで、電力網を遮断するのであれば各地の変電所を破壊すれば事足ります。

韓国なんかEMP兵器の意味が分からずオリジナルEMP兵器だと主張する「カーボンとアルミで出来た紐をばら撒く送電線ショート爆弾」を開発したと、しばらく前に言ってましたが···まあ、効果的ですね(笑)

地味にヨーロッパ最貧国で正に東西のバッファになってたモルドバ共和国がEU加盟申請しましたね。
小さな国ですけど、数少ない工業地帯のウクライナに面する沿ドニエストル州は実質独立状態でロシア支配下ですから···ここにいるロシア軍の動きはずっと注目しているんですが、今の所兵力は少ないし動きも無いですね。
ポーランドからのウクライナ補給線をベラルーシが叩きに出てくるのであれば、同時に動くのではないかと。。

お前ウクライナ(お前曰く同じロシア人の同胞)を救うために攻め込んだのと違うんかい!!!

本当に、「確かに何かの間違いで狂人は出るかも知れないが、すぐに非暴力的に引き摺り下ろせる保険がある」という一点のみで、民主政治が独裁政治に上回りますね。

当方は、まだ現役の原子力技術者(後藤氏とは別のプラントメーカ勤務)ですが、後藤氏は反原発団体に所属しており、科学(工学)的事実に基づく発言はしない人なのです。即ち、確率を無視し、危害の大きさを過剰に主張する人と言うことです。ですから、後藤政志氏の談話を基にしたらミスリードになります。
まず、チェルノブイリ事故は核暴走事故であり、福一は原子炉停止後の崩壊熱除去失敗、建屋の水素爆発であり、まったく別の事象であることを知っておく必要があります。
また、格納容器と原子炉容器(圧力容器)は別物であり、格納容器を爆発させても原子炉は破壊できません。
ロシアの攻撃を受けても原子炉運転中というのは信じられませんが、フェールセーフの設計なので、原子炉は何らかの異常(外部電源喪失、温度、圧力異常などなど)が生じればすぐに止まってしまいます。
冷却を止めるという事象がよく分かりませんが、PWRであれば自然循環除熱が可能です。また、暴走も何を指しているのかも不明ですが、PWR(軽水炉)は自己制御性があるので、核暴走は起きません。
また、自然循環除熱に失敗しても、燃料溶融が起きるだけであり、福一の例で分かるように、健康被害が生じるような公衆被曝も生じません。要は、原発というと、嘘、デマ、風評が流れ、不安を煽ることができるということと、電力というライフラインを止められるという効果があるというだけのことです。

 「プーチンが狂った」ってのもそうですが、必ずプロパガンダに利用して来るはずです。
接収した原発施設から核兵器製造の証拠発見!とか言い出して、国際世論を欺くつもりでもいるのでしょう。
もはやロシアは狂気とウソの帝国ですから、NATOも米国も容易に挑発には乗れません。

それはそうと、日本の一部保守派トランプ支持者たちの頭の中もおかしくなってますね。大日本帝国による満州国建国を持ち出して、「プーチンにも「道理」はある」とか。
戦後に確立した国際ルールと、戦前の状況をごっちゃにしてロシア擁護をしているのを良く見かけますが、だから保守派馬鹿だ!って言われる方もかなり心配です。

ロシア軍が原発を攻撃した件ですが、ロシアは原発の一件はウクライナの破壊工作員の陰謀だと言っています。何というかもうちょっとマシな言い訳を思いつかないのでしょうかね。このニュースを最初に聞いた時これは誤射であるとか、あるいは原発が軍事利用されていたといったような抗弁をするのかと思っていましたが、ここまでデタラメなことを言うとは私自身予想外でした。もしかしてソ連時代に比べてプロパガンダ能力が劣化しているのでは?

アメリカのブリンケン国務長官は、アメリカ、NATOは紛争は好まないが準備は出来ていると発言しています。その時とはいつでしょう。
軍事介入しなくても、すでにロシアは死んだ国です。
世界の企業が引き上げ、ルーブルは紙くず、スーパーでは食料品の購入制限などが始まりました。
ロシアの資産家の資産は50~90パーセント減という破壊力です。
たとえウクライナを制圧したとしてももうロシアという国は終わりです。
もし、原発事故などを起こしたときは、被害はNATOにも及びます。
ブリンケン国務長官が言う準備から実行に移すときなんですかね。

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