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2022年5月19日 (木)

ウクライナ参謀本部、マリウポリを防衛隊は全ての任務を達成した

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ウクライナ軍参謀本部は5月16日、「マリウポリを防衛する部隊は司令部が要求した全ての任務を達成した」と発表し、守備部隊の指揮官に兵士の命を救うよう命じたようです。
この命令によって、アゾフスタルに立て籠もった守備隊は任務を解かれて降伏することになります。

「ウクライナ軍は5月17日未明、アゾフスターリ製鉄所Azovstal plant(Azovstal steelworks)を防衛する守備隊の任務を終了したと表明。声明で「マリウポリ守備隊は戦闘任務を遂行した」とし、守備隊を「われわれの時代の英雄」とたたえたほか、製鉄所に残る部隊の指揮官に兵士救出を命じた。マリウポリMariupolでウクライナ側の最後の抵抗拠点となっていたアゾフスターリ製鉄所から全ての兵士を退避させるために取り組んでいると発表した。数カ月にわたり激しい戦闘が続いたが、ロシア軍が同市を完全に支配することになるとみられ、ウクライナにとって大きな敗北を意味する。
ここ数週間に民間人は脱出。16日夜には負傷したウクライナ兵53人がロシア支配下にある南東部ノボアゾフスクの病院に搬送された。さらに211人の兵士が、親ロシア派勢力が支配するオレニフカの町に移送された。退避した兵士は全員、捕虜交換の対象になるという。まだ製鉄所に何人の兵士が残っているのかは不明だが、約600人が立てこもっていたとみられている。ウクライナ軍は残りの兵士救出に取り組んでいるとした」
(ロイター5月17日)
マリウポリ、ロ軍が全域掌握へ 製鉄所からウクライナ兵退避 | Reuters

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時事

ゼレンスキーがコメントを出しています。

「ゼレンスキー氏は16日の動画メッセージで「英雄が生きていてくれることが必要だ」と強調。要衝の陥落はもはや時間の問題で、投降を認めてもアゾフ大隊に同情的な国民の理解を得られると踏んだとみられる」
(時事5月18日)

また、ウクライナのメディアはこのように述べています。

「守備隊「マリウポリ」は任務を果たし、命を救うよう命じられた - 参謀本部
ウクライナ軍の参謀総長は、守備隊「マリウポリ」が割り当てられた戦闘任務を果たし、部隊の司令官は人員の命を救うよう命じられたと述べた。
参謀本部:「守備隊「マリウポリ」は割り当てられた戦闘任務を果たしました。軍最高司令部はアゾフスタールに駐留する部隊の司令官に、守備隊員の命を救うよう命じた。封鎖されたウクライナの守備隊を救出する作戦が進行中である。

参謀本部は、月曜日に重傷を負った53人の軍人の避難が始まったと報告した。彼らはノヴォアゾフスク(CADR「ドネツク人民共和補国」)の領土)の医療機関に連れて行かれた。
人道的回廊を通って別の211人の防衛隊員がイェレニフカに避難し、その後、交換手続きを通じてウクライナが支配する地域に戻った」と報告書は述べている。
アゾフスタルの領土に残っている守備隊を救出するための措置が、今も継続されていることに留意されたい。
一方、アンナ・マルヤール国防副大臣は、国防省、ウクライナ国軍、国家警備隊と共に、国境警備隊はアゾフスタル鉄鋼工場の領土に封鎖されたマリウポリの防衛隊を救出する作戦を開始したと述べた」
(ウクライナ・プラウダ5月17日)
Гарнизон “Мариуполь” выполнил задачу, приказано сохранить жизнь – Генштаб

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守備隊「マリウポリ」は命じた任務を果たしました - 参謀本部|ウクライナ・プラウダ (pravda.com.ua)

すでにアゾフスタル製鉄所に閉じ込められていた民間人は退避を完了しており、今回一刻も早く治療を受ける必要があった守備隊の重傷者56人もノボアゾフスク(ロシア軍占領下)にある病院に移送されました。
また、さらに211人の兵士がドネツク州の同じくロシア軍,占領下のオレニフカに移動しました。
ウクライナ参謀本部は、守備隊員は捕虜交換手続きを経てウクライナ軍支配地域に戻ると言っていますが、それにロシア側が応じるかは不明です。

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時事

両国間で合意が成立したのは、アゾフスタル製鉄所に閉じ込められていた守備隊の推定500~-600人の負傷者の退避のみで、負傷していない将兵の扱いはよくわかりません。
おそらくオレニフカに移動した211人の兵士というのも、重傷者以外の負傷者を指していると考えられており、参謀本部が「兵士の命を救え」という言い方をしているところから、いまだたぶん半数以上の兵士たちがアゾフスタル製鉄所地下に残っていると考えられます。
これら残留していると思われる兵士らの一部は、製鉄所内の瓦礫に埋まったままになっているとも考えられ、救出作業を急がねばなりません。

最大の問題は、相手が国際法無視の常連であるロシア軍であることです。
ロシアは、守備隊主力のアゾフ連隊をネオナチのテロリストで尋問すると言っています。
これは非常に危険な言い方で、ロシアは戦時捕虜の扱いを定めたジュネーブ条約の遵守義務ではないと言っているわけです。

投降したアゾフ連隊の兵士に対しての拷問、銃殺、強制収容所への流刑が心配されます。

「ウクライナ側は今後、ロシア兵の捕虜と交換を行いたい考えだが、ロシアの下院議長は、製鉄所の兵士について、「戦争犯罪人であり、裁判にかけるべき」として、否定的な考えを示したほか、ロシア捜査委員会は、刑事事件の一環として、兵士を尋問する予定だとしている。
またロシア検察庁は、ウクライナのアゾフ大隊を「テロ組織」と認定するよう最高裁に要請するなど、兵士らの帰還は厳しい状況」
(FNN5月18日)

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ウクライナプラウダ

日本のメディアは単純に「降伏した」「敗北」という表現を使っていますが、ウクライナ参謀本部はこのような言い方をしていることに注意してください。

「マリウポリを防衛した兵士のお陰で予備役編成や国際社会からの支援を受けとる貴重な時間を得ることが出来た。彼らは司令部が要求した全ての任務を達成したが我々にアゾフスタルの封鎖を解く力はない。今重要なのは彼らの命を救うことだ」

これは単に負け惜しみで言っているのではなく、マウリポリ守備隊に与えられた命令が南東部に侵攻してきたロシア軍1万数千をを一日でも長く足止めし東部戦線に合流させないこと、そして今欧米、特に米国から急送されているM777・155ミリ榴弾砲を前線に届ける貴重な時間を稼ぎ出すことが任務であったと思われます。

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BBC

BBCはアゾフスタル要塞で戦い続ける守備隊をこう評しました。
「現代のカレー守備隊だ。とてつもなく勇敢だが、恐ろしい」
カレー守備隊とはこのような意味です。

「第二次世界大戦初期の1940年5月、フランスのダンケルクから撤退する英仏軍を助けるために、近くのカレーでドイツ軍の攻撃を英・仏・ベルギーの混合部隊が犠牲を覚悟で戦った「カレーの包囲戦」のことだ。
この時ウィンストン・チャーチル英首相は、カレーの英国軍司令官にこう打電したという。
「貴官らが存続している1時間、1時間がBEF(英海外派遣軍)にとって最大の支援になっている。したがって政府は貴官らに引き続き戦闘を継続してもらうことを決定した。貴官らの置かれた崇高な立場に限りない尊敬の念を送るものである。撤退は行わない(くりかえす「行わない」)。また撤退のための船舶はドーバーへ引き返させることとした」
この命令に従ってカレーの混合部隊がドイツの装甲師団の猛攻に耐えている間に、ダンケルクから33万人の英国とフランス兵が撤退することができたが、混合部隊は戦死者300人、負傷者200人を出し3500人が捕虜となった」
(木村太郎4月25日)

その成果の一端は、5月8日にドネツ川を渡河しようとした1個BTG(ロシア軍の戦術単位)を砲撃によって全滅に追い込んだことにも見てとれます。
この時、驚異的な精度でロシア軍の頭上に降り注いだのが、この米国製の榴弾だったようです。
今後東部戦線では、正規軍同士の会戦型戦闘が行われる可能性が高く、榴弾砲、装甲車両、戦車などの絶対数が足りないウクラナ軍はそれを送って貰う時間を稼ぎだす必要がありました。 

この「捨て石」となったのがマリウポリ守備隊です。
彼らの合い言葉は、「我々は捨て石だが、犬死にではない」だったと聞きます。
アゾフスタル製鉄所とそこて戦った兵士らは、後々の世まで記憶に残されるべきことでしょう。

ところで、ロシア軍は支配地域において選別作業を行っており、このマリウポリにおいても「フィルターキャンプ」で選別し、「好ましくない人間」は矯正収容所に送り込むことを続けています。

「アンドリュ・シチェンコ・マリウポリ市長顧問は11日、マリウポリ市民の内いわゆる「フィルター・キャンプ」におけるロシア軍の厳重審査を通過しなかった「好ましくない」人物最大3000人が、ドネツィク州の被占領下オレニウカ町の元矯正収容所にて拘束されていると伝えた。
アンドリュシチェンコ氏は、「フィルタリングを通過しなかった者、マリウポリ近郊のフィルター・キャンプで『好ましくない』と認定された者は皆、ドネツィク州オレニウカ町(2014年から被占領下)の元第52矯正収容所へと送られている。(中略)拘束環境はこうだ。牢屋や満杯。計画時の収容所の限界収容数は850人だったが、目撃者によれば、現在そこには最大3000人が拘束されている。主にマリウポリ市とマリウポリ地区からの者だ」と伝えた。
同氏はさらに、オレニウカのその収容所はウクライナの軍人用ではなく、軍人の親族、元治安機関職員、活動家、記者や、愛国的なタトゥーをしている、などのロシア側が単に疑いを抱いただけの人物が拘束されていると説明した。拘束期間は最短で36日だという」
(ウクライナ・フォーラム5月17日)
マリウポリ市当局、露軍の「審査」を通過しなかった約3000人の収容先を報告 (ukrinform.jp)

この矯正収容所はの条件は非人道的で、すし詰めされて、横になることもできない状況のようです。

「加えて同氏は、「場所は人でいっぱいであり、横になることもできない。立ち続けるか、うずくまらねばならない。1日の水は、ボトル1本を10人で分ける。食べ物は毎日は出ない。トイレは1日1回。外へ出歩くことは認められていない。
何時間もの尋問、拷問、殺害の脅しと、協力の強制が伴う。運が良ければ、36日で解放されるが、何らかの紙に署名を強制される。どんな紙かは、目撃者は説明できていない。ただし、『協力』に関するものだと推測できる」と説明した」
(ウクライナフォーラム前掲)

ロシアの尋問の後に、相当数の市民が「行方不明」となっています。

シチェンコ市長は「ロシアが欧州の中心地に作り出した21世紀の真の強制収容所だ」と述べていますが、国際機関はマリウポリなどのロシア軍占領地に対して早急に実態調査をし、住民保護をするべきです。

 

 

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アゾフスタリ製鉄所地下の民間人たち。子どもが多数含まれていた。
ウクライナに平和と独立を

 

 

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コメント

アゾフスタリ要塞の奮闘に敬意!
今後の非人道的な扱いが心配です。
おかげて東方での侵攻に備えてアメリカからの最新型軽量榴弾砲が届くまでの時間が稼げた。
そしてロシア軍の集積と渡河作戦を察知しての正確なタイミングでの乱れ撃ち。教科書のような見事さでした。

今後の展開が読めませんね。
東部からロシア軍が集中し立て直して物量攻撃してきたら、流石に負ける。
オデッサへの集中攻撃になったら、やはり数で耐えられないかと。
また、意表をついて一気にキーウを落としに来る可能性もあります。
戦局は常にそうですが、攻める側が数さえ優っていれば何処をやるのかは攻撃側に選択権があります。

マリウポリにもまだ1000人程度の、それも負傷度の少ない兵士が、指揮官ごと残ってる、なんてニュースも?

まだまだロシア兵への嫌がらせと、強制的な戦力貼り付けは続けられるんですかね。

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