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2022年6月27日 (月)

核禁止会議のバーチャルぶり

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私はこのような言論に出会うと辟易します。
朝日は、社説でこんなことを言っていました。

「「核なき世界」へ向けて、核を持たない国々が保有国へ対話を呼びかけた。保有国はしっかりと受け止めて協力の道を探る責任を自覚するべきだ。
核兵器禁止条約の初の締約国会議がウィーンで開かれた。34のオブザーバー国も含め、80以上の国・地域が出席した。
当初の想定の倍近い規模に膨らんだのは、ロシアによる侵略などで核戦争の脅威が高まった危機感のあらわれだろう。
会議の政治宣言は、核の力で他国に攻撃を思いとどまらせる核抑止論を「虚構」と断じた。そのうえで、核保有国も、その同盟国も、核依存を低減するための真剣な措置をとっていないと批判した。
この条約をめぐっては、反対する国との対立が心配されてきた。米国などは、米ロ英仏中に核保有を認めた冷戦期以来の核不拡散条約NPT)と路線が違うなどと主張している」
(朝日2022年6月25日)
(社説)核禁会議閉幕 廃絶へ対話求める重み:朝日新聞デジタル (asahi.com)

この核禁止締結国会議(核兵器禁止条約 Treaty on Prohibition of Nuclear Weapons・TPNW) の言っていることを要約すると、核抑止論はが虚構」で、核を保有していても「核戦争の脅威が高まる」、だから「核保有国は協力し合って核なき世界を作る」ために非保有国と話あえ、ということのようです。
これはかねてからの朝日の意見と同じですが、明日の理想の為に、今の現実を見ないようでは、気の毒ですが、たぶんあなた方の理想は実現することはないでしょう。

実は、私はこの核禁止条約(TPNW)が、国際条約として発効して最初の締結国会議が、ロシアのウクライナ侵略時期の後だったことに注目していました。
それは後述しますが、ロシアが核兵器を「使える兵器」としてしまった新たな現実をどう理解するのか、その禁を犯したロシアがNPT体制の一角を占めていることをどう考えるか、に興味があったのです。

この問題に誠実に向き合う姿勢を締結国会議が持つなら、ほんとうの国際条約としての力を期待できるのですが、どうやら無理だったようです。
核禁止会議は政治宣言で、「核抑止論は虚構だ」と断言しています。
つまり、核兵器を持っていても、核戦争を防げないからから捨てろという意味です。
ちょっと待って下さい。虚構に寄りかかっているのはどちらでしょうか。
今回、会議参加国が増えたのは、「ロシアによる侵略などで核戦争の脅威が高まった危機感のあらわれ」と朝日は書いていますが、彼らがこの会議に来たほんとうの理由は「核抑止論の虚構性」などという、反核運動団体の主張を改めて聞くためではなかったはずです。
そんな台詞は、手垢がつききっています。

非核の理想が人類通共通の「夢」であることは一面の事実だとしても、それが夢のままいっかな達成されないのは、この運動が実効性が担保されておらず、核保有国とそれが差し出す傘に守られた国々が参加しないこと、そしてその分厚い現実が世界秩序の根幹を作っているからです。
それを反核団体は、条約に参加しない日本のような非締結国が非核の理想を妨げている主犯だといわんばかりの主張を繰り返しました。
この条約づくりの主要な推進団体だったアイキャンなどは、ノーベル平和賞をもらって最初にしたことは、日本にきて左翼政党と日本叩きをしたことでした。

それはさておき、では、今のこの時期の状況が以前とどう大きく変化したのか、考えてみましょう。
ウクライナ戦争は、戦後の国際秩序を根底から変化させてしました。
それはプーチンという核を持った怪物が、核兵器使用を現実に口にしたからです。
超えてはならないはずの核のボーダーラインを、プーチンは超えてしまった、ここがそれ以前とそれ以後を大きく隔てるポイント・オブ・ノーリターン(引き返し不能地点)なのです。

プーチンはこのように言っています。
よく読んでみて下さい、意図的にぼやかしていますが、恐るべき発言です。

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「ウクライナ侵攻をめぐりロシアのプーチン大統領は、外部からの干渉が脅威となれば、「反撃は電光石火で行う」と欧米を強くけん制しました。
ロシア プーチン大統領「我々にとって受け入れがたい戦略的脅威を作り出すなら、反撃は『電光石火』で行われると認識すべきだ」
プーチン大統領は27日こう述べたうえで、反撃のための「手段はすべてそろっている。誰もが持っていないものもある」と述べました。核兵器の使用も辞さないことを示唆したもので、ウクライナへの軍事支援を拡大させる欧米を強くけん制した形です」
(TBS4月28日)

「反撃は電光石火で行われる」というのは、疑いようもなく、瞬時に勝敗を決してしまう性格の兵器、すなわち核兵器を指します。
世界の歴史で、ここまではっきりと核使用を明言した大国の主はたぶん初めてです。

なぜ、このプーチンの核使用予告発言をスルーしてしまうのでしょうか。
ここをこそ核禁止会議は問題にすべきで、核超大国が核兵器使用を明言する前と後では本質的非核の意味が異なるのです。

そして次に、今、まさに核兵器を保有する段階に手をかけたイランと北朝鮮らに対して、核禁止会議が明瞭な態度をとるべきなのです。
プーチンはなにをしたのか、イランと北朝鮮はなにをしようとしているのか、それを問わない核なき世界への願望は虚妄でしかありません。

ここをボヤかして「核なき世界へ向けて、核を持たない国々が保有国へ対話を呼びかけた。保有国はしっかりと受け止めて協力の道を探る責任を自覚するべきだ」なんて、NHK青年の主張みたいなことを言っても無意味です。
なぜなら、核兵器を専制的に使用することを辞さない国は、そのことで利益を得ているからです。
そんな相手に対して、話合いで核を手放なそう、なんてキレイゴトを言っても、相手にもされません。
彼ら核を使う気がある核保有国は、3カ国揃って自らが劣勢だと認識しています。
だから、核で挽回できる、自分の立場をよくできると考えているから、核を脅迫の道具に使うのです。

「劣勢が補いきれない場合はどうするか。(略)戦争に負けそうになったら、1発だけ限定的に核を使用する。その核の警告によって相手に戦争の継続を諦めさせる、あるいは、ロシアにとって受け入れ可能な条件で戦争を停止させることができると考えたのです」
(小泉悠 『徹底分析 プーチンの軍事戦略』 月刊文藝春秋5月号)

今のロシアが典型ですが、戦争になって劣勢になったら核を使って形勢を逆転する、あるいは有利な条件で講和を結びたい、だから核を使うぞと脅すのです。
そういう相手に、非核国の声を聞け、なんて言っても無意味です。
やらんよりましといってあげたいのですが、逆にそんな「非核国の声」が聞こえれば聞こえるほど、プーチンは、おお、オレ様の核の脅しはバッチリ効いているんだな、と逆に確信を深めてしまうかもしれません。
核兵器とは、一般の兵器と異なり、相手国の恐怖を極限まで高めることの中で、初めて威力を持つ兵器だからです。

今回のプーチンの罪は多すぎて列挙することが難しいほどですが、そのひとつが核を本当に「使える兵器」にしてしまった罪です。
いままでは、核は使ってしまったら自分も同じように全滅してしまう、故に「使えない兵器」の最たるものでした。
その眠りを覚まして、実際に核で脅迫の道具にしてみせれば、いかに残虐な侵略しようともどの国も直接介入はできない、そのことを核保有国に理解させてしまいました。

いわば護身用に持っていたはずのピストルが、脅迫や強盗にも使えることを知ってしまったようなものです。
今までは、警官だけが銃を合法的に所持したのですが、その代わり警官が強盗につかったらシャレになりませんから、厳重に管理されていました。
署の銃器保管庫にキチンとしまい、鍵をかけて警官すら安易に持ち歩けないようにしたのです。
核兵器管理において、このことをNPT体制と呼びます。
核を責任持って管理する国は、国連常任理事国P5として国際秩序の安定のために尽くす代わりに、拒否権と核の保有という特権を認めされていたわけです。

しかしこの世界の警官役のひとりであるはずのロシアが、その拳銃を振り回して押し込み強盗を働き、殺戮を繰り返したのです。
しかも、あらゆる制裁を拒否権を使って潰すという念の入りようです。
つまりロシアは、戦後世界秩序の根幹を完全にぶっ壊してしまったのです。

その部分を、朝日は「ロシアによる侵略などで核戦争の脅威が高まった」とふんわりとぼやかしてしまっています。
それどころか、「会議の政治宣言は、核の力で他国に攻撃を思いとどまらせる核抑止論を『虚構』と断じた」とまで言い切ってしまいました。
そのとおり「核抑止は虚構」となりました。

核が「使える兵器」だと世界中に言いふらした男がいるからです。
それを誰のためにそうなったのかを問わないで、一般化してどうします。
虚構もなにも、プーチンは核を先制使用すると言って核のボタンに手をかけたのです。

また、よく非核運動家たちは、「核兵器を増産し合う軍拡競争に陥ってはいけない」などと言っていますが、核軍拡など起きていません。
米露は核軍縮を継続していますが、この第2次戦略兵器削減条約(START II)への参加を拒み、中距離弾道ミサイルに核弾頭を搭載して、あまつさえその照準を日本に向けている国があります。
それが中国です。
下図をみればお分かりのように、中国(最上部の薄緑線)は2010年からの10年間一個の核弾頭の削減も行っていないに対して、米露(米国青線、ロシア赤線)は削減し続けてきました。
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世界の核兵器保有数(2019年1月時点) | 国際平和拠点ひろしま

核禁止会議は、核を世界で初めて「使える武器」にしてしまったロシアと、今核兵器保有の前段のイランと北朝鮮、そして核軍拡を世界で唯一進めている中国を批判しなさい。
言う方向が間違っています。

本気で核廃絶をしたいのなら、まずこれらの現実に核戦争を起こす可能性がある国をこそ厳重に非難することです。
「話合い」とやらは、それからです。
今の悲惨から眼をそむけないことこそが、理想に達する唯一の道ではないのでしょうか。
さもなくば、核禁止条約はただの気休め、ないしは偽善にすぎません。












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 ブチャ市のソフィアちゃんは片手だけでなく、お母さんも失った。



ウクライナに平和と独立を

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コメント

うわあ、朝日の社説とかこんな会議やってる連中って···昔からの日教組教師みたいでウンザリしますね。
理想を語るのは良いんですけど、現実を受け止められない人々。で、教師ならそういう啓蒙(圧倒的な立場を利用した洗脳ともいう)にちょっとでも反発するガキ相手には平気で暴力を振るうというね。
私の頃はそんな教師がゴロゴロいましたね。そして曰く「唯一の被爆国である日本がー!」と政府批判までテンプレです。
環境問題や原発問題にしても、中国相手には批判しないという滅茶苦茶っぷり。で、かつて日本が侵略して酷い迷惑をかけたんだから、と突飛な飛躍をします。
沖縄の基地や環境破壊で騒いでる人達は、是非とも全員南シナ海の人工島に行って下さい、そこならいくら騒いでも自己肯定できることでしょう。マジ殺されますけど。

核使用に関しては、我が国は被害者です。
被害者に責任があると主張する社や団体や者には相当の覚悟と裏付けが要るし、あるはずですが、その説明責任はこれまで果たされていません。
実に幼い、そのくせ自分は何にでも正解を示せる存在だと思い込んでいる。
何でそんなに幼い拙いままでいられるのかしら。

仮に青くさくても正論であるとして、それを述べる自由や役割というのは確かにありますが、正論でもそれで迷惑を被る人々がたくさん出ることがあるのが世界の非情な現実なので、この場合は核恫喝を躊躇わない国に恫喝も核使用もさせないにはどうしたらいいのかについて、解を示せずとも苦悶や葛藤と共にある考察やクエスチョンの数々を見せてくれる方が、美しく断定的な文言で悦に入るよりは、遥かに大人に近づけると思うのですがねぇ。
核禁条約締結国会議からしてこの課題を持て余している現状、ロシアの核による抑止が効いてしまっている現状、実際に敵となればやるかやられるか、取るか取られるかになる現実、ゆえに話し合うにも双方軍事力の裏付けが要る現実、これらの下で具体的に課題をこなしていくには綺麗なだけではいられないでしょうが、まずは核恫喝が有効と信じ実行する国、恫喝が効く故に核軍拡を実行する国を真っ向批判することからなのは確かですね。

 核兵器禁止条約なんて、特定の核保有国に「忖度」した政治ゴロのマスター何とか条約でしかないでしょう。

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