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2022年6月24日 (金)

岸田さん、「雰囲気リベラル」のキャラを使い倒して下さい

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岸田氏は不思議なキャラです。本音がよく分かりません。
清潔で、少年ぽくさえ見えるもの静かな紳士、という雰囲気だけをまとっている政治家で、芯になるべき政策が欠落しています。
「新しい資本主義」など単にスローガンであって、リベラル的分配政策を匂わすだけで中身がないのですから政策ではありません。

すると岸田氏が、かつての宏池会の領袖だった宮澤喜一元首相に似ていると考えると妙に納得してしまうのです。
考え方とやることが、反対方向にねじれているからわかりにくい。
宮澤さんも首相でさえなければ、「自衛隊を初めて海外に送り出した」という「汚名」を着たくはなかったはずですが、皮肉にもPKO法を作る矢面に立たざるをえなくなりました。
宮澤氏が在野にいたなら、皮肉な顔のひとつも見せて「憲法上、派兵はいかがなもんかねぇ」などと評論家づらをしておればよかったのに、です。

毎日新聞は、中島岳志氏(東工大教授)にこう言わしています。

「岸田文雄首相は、自分がトップリーダーなのにさまざまな人の顔色をうかがい、一貫性がない。この国をどこに持っていきたいのか、就任から8カ月以上たっても分からない。
岸田氏が尊敬するという大平正芳元首相ら自民党宏池会の政治家には、確かに聞く力はあったが、世界はこうあるべきだという哲学があったうえで、多様なものを吸収していた。岸田氏には哲学がなく、翻弄(ほんろう)されているに過ぎない。それは聞く力とは言わない。
支持率が比較的高いのは、安倍晋三元首相、菅義偉前首相の横柄な態度が若干弱まり、財務省中心の安定的な政治にシフトして、落ち着いて見えるからではないか。安倍、菅両氏は人柄が支持されていなかったので、それよりはましということだ。第1次安倍内閣後の福田康夫政権と似ている」
(毎日2022年6月16日)
哲学のない岸田首相 「聞く力」とは言えない | | 中島岳志 | 毎日新聞「政治プレミア」 (mainichi.jp)

おかしい、岸田はひさしぶりにオレたち寄りの首相だったはずなのに裏切りやがったのか、というリベラルの猜疑心めいたものが見えて微苦笑させられます。
私は中島氏と違って、岸田氏が参院選に大勝することがあっても、いまさら財務省寄りの増税に傾くことはありえないと見ています。
もしそう思っているなら、骨太の方針自体からプライマリーバランス目標年を削除したりはしませんし、金融緩和政策を黒田氏に止めさせるべく圧力をかけるはずです。

また産経は参院選後、保守対策で政調会長にした高市氏は無役に降ろされるだろうと見ていますが、これもどうでしょうか。
高市氏を野に放つことは危険ですよ。
彼女を党内要職につけているから、政局にならなかったのではなかったのでしょうか。
高市氏を無役に降ろせば、それは安倍派を敵にするという宣戦布告になります。

岸田氏も、宮澤氏に似たような巡り合わせなのかもしれません。
岸田氏は「雰囲気リベラル」の政治家です。
雰囲気こそが取り柄で、彼には政策がないのです。これを通したい、オレはこれをやりたいから政治家をしているのだ、というドロドロした執念を感じられません。
あえて言えば、岸田氏の執念めいたものは、「宏池会から首相を出す」ということだけです。

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岸田首相、就任100日「息つく間もなく駆け抜けてきた」…夜には安倍元首相と会食 : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)

ですから岸田氏が「わが国の防衛力を5年以内に抜本的に強化し、その裏付けとなる防衛費の相当な増額を確保する」と、明言してしまった時には、おいおい大丈夫かよ、と陰ながら心配したほどです。
仮に安倍氏が同じことを発言して、それに具体的に着手しようとしたら、2015年の安保法政の時のように「アベは人間じゃない。斬り殺してやる」というどこかの大学教授や、SEALDsみたいな連中が国会前にゴマンと湧いてくることでしょう。
辻本女史など、生きがいを取り戻して感涙にむせぶはずです。

しかし岸田氏が同じことを言っても、世論は妙に納得してしまいます。
防衛費増額について、55%の国民が支持しました。

「日本経済新聞社の世論調査で防衛費の増額について聞いた。国内総生産(GDP)比で1%程度だった目安を2%以上へ引き上げるべきだとの自民党内の意見に関し、賛成が55%で反対の33%を上回った。
支持政党別に分析すると与野党それぞれで濃淡が見られた。自民党支持層の賛成が64%だった一方、公明党は6割弱だった。立憲民主党は3割強、日本維新の会は7割弱だった。特定の支持政党がない「無党派層」は43%だった」
(日経2022年6月4日)
防衛費増額「GDP比2%以上」 賛成55%、反対33%: 日本経済新聞 (nikkei.com)

自民で64%、公明60%ですから、与党としては磐石の合意形成ぶりで、立憲の30%反対などはほとんど無視できる数字です。
だって立憲支持者が、参院選で自民に投票するはずがありませんからね。
第一、この参院選で、立憲は共産党と一人区で共闘を組めませんでした。

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泉代表に期待するのは「若さ」「発信力」 「方向性見えない」指摘も [立憲]:朝日新聞デジタル (asahi.com)

「野党は改選1人区の戦いに警戒感を募らせている。平成28年の参院選以降、1人区では統一候補を立てて与党と事実上一騎打ちの構図を作ってきたが、今回は立憲民主党が支持団体の連合の意向も受け、共産党と距離を置く路線に転じ、共闘が後退したからだ」
(産経6月22日)
参院選 改選1人区、野党一本化は12選挙区に減少 立民・共産に溝 - 産経ニュース (sankei.com)

泉氏の上の写真など、痛々しいお手上げポーズにしか見えません。
枝野時代の左に傾き過ぎた路線を修正しようとして提案型野党を掲げても、それは国民民主にとられてしまえば、とるべきスタンスが見当たらないのです。

では中道右派はどうかといえば、これも無風です。

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松井一郎「日本のためにはまともな野党が必要だ」 | 国内政治 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース (toyokeizai.net)

岸田氏が密かに笑いをもらしたと思われることには、「自民よりちょっと右」という心憎いスタンスをとっていた維新が大失速したことです。
維新は、保守層から大量に支持者を取り込まねば勝てないのに、こともあろうに創設者の橋下徹氏が、あの「ゼレンスキーは白旗上げろ。日本は中国に妥協しろ」という脳が腐ったようなことを言い散らし、その上作法悪すぎの議論を吹っ掛けまくって、いまやゴキブリのように嫌悪されてしまいました。
そのうえ看板議員のひとりのはずの鈴木宗男氏に至っては、ロシアの完全な代弁者になり下がってしまいましたから、松井氏も頭の痛いことです。あの難波の食い倒れ人形のような顔も曇ったことでしょう。
篠田英朗氏からはこう皮肉られてしまいました。

6月12日の「ロシアの日」にロシア大使館で開催された式典でロシアとの友好を誓っていた鈴木宗男氏だが、さながら「日本維新の会」ならぬ「日本親露の会」代表と言うべき大活躍である」
(6月12日)
鈴木宗男氏に不都合な戦争の歴史 | アゴラ 言論プラットフォーム (agora-web.jp)

ウクライナ戦争以前には躍進を予想され、自民党票を右からかっさらっていくと思われていた維新は、このふたりの思わぬ大活躍で圏外に去りました。
もし予想どおりの躍進したなら、連立政権の一角に迎えねばならなくなるかもしれませんし、その場合、公明の処遇をどうするのかで岸田氏は悩んだことでしょう。

そしてなによりもの岸田氏への追い風は、立憲と共産党、社民党が金融引き締めを言い出してしまったことです。
金融引き締めは立憲、社民、共産という左翼政党陣営の共通政策となっています。
実に分かりやすい選挙の対立軸を作ってくれたものです。

それにしても、一体どういうセンスなのでしょうか。
日本は欧米と違ってまだデフレから脱却しきれていないどころか、コロナ前の景気を回復してもいないのです。
インフレ率を見る指標のコアコアCPI(食品、エネルギーを抜いた消費者物価指数)で0.8%ですから、インフレってどこの世界の話なんでしょう。
米国とは根本的に経済状況が違うのです。
米国はインフレ率が8.6%ですぞ。
だから金融引き締めを過剰なくらいにやる必要があったので、「日本だけが世界から取り残されている」ってなんのことですか。

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米国 - インフレ率 | 1914-2022 データ | 2023-2024 予測 (tradingeconomics.com)

今、金融引き締めをやれば、おお怖い、コアコアcplをマイナスまで後退させる気ですか、この人たちは。

安倍氏の代わりに黒田叩きでウップンを晴らしているメディアに乗せられたおバカさんたちが、立憲と共産党です。

物価上昇の最大の原因は、エネルギー価格です。

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消費者物価(全国22年2月)-コアCPI上昇率は22年4月に2%へ |ニッセイ基礎研究所 (nli-research.co.jp)

「原油高の影響でエネルギー価格の上昇率がさらに高まったことに加え、食料品の伸びが加速したことがコアCPIを押し上げた」
(ニッセイ基礎研究所2022年3月18日)

メディアはカップ麺が値上げしたからどーたらなどどうでもいいことを大げさに吹いて危機感をあおっていますが、今政府がすべきはエネルギー価格の引き下げです。
これがコアコアCPIで見られるように、物価情の主原因なのですから、ここを解消しないでどうするのです。
さっさと原発再稼働させるなり、あの利権の巣窟と化したFIT制度など止めれば、簡単に電気料金は下がります。
そしてこれから本格的に始まる食品値上げの波を絶つためには、輸入穀物や飼料輸入高騰に手を尽くすことです。

これは食品値上げだけではなく、国内畜産の保護にもつながりますからJAは諸手を上げて歓迎するはずですから農業票は固い。
それなのになんです、節電すればポイントあげる、ですか。大丈夫か、岸田さん。(脱力)
つくづく岸田氏には政策のセンスがない。
高市氏のような米国議会での政策づくりの経験もないし、いい政策スタッフがいないんじゃないでしょうか。

とまれ、野党の無策と迷走に助けられて、岸田氏にとって右も左も野党はまったく怖くありません。
ついでに政策がなくても怖くありません。
怖いのは、唯一党内の反主流派閥、つまり安倍派と麻生派です。
とりあえずは大宏池構想でつなぎ止められる麻生派は置くとしても、安倍派は高市氏のような隠れ安倍派まで入れれば優に100人を超えます。
岸田派はたしか45人くらいですから、親中路線で緊縮増税なんてやろうもんなら、まず間違いなく支持率は急下降し、安倍派からは拒否権を出されて、即政局突入でしょう。
そして次の総理総裁は高市氏が納まるかもしれません。
それはそれで私はかまわないのですが、せっかく総理になった以上、この「雰囲気リベラル」のキャラを徹底的に使い倒していただきたいものです。

 

 

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ウクライナ:世界は、ロシアによる「国際法違反」を前に団結しなければならない(UN News 記事・日本語訳) | 国連広報センター (unic.or.jp)

ウクライナに平和と独立を

 

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コメント

思うに、岸田総理は、ゼロリスク症候群極まった日本国民に対する、自民党なりのアンサーなのかもしれません。
 
責任を負い、芯を持った政策をやる。それは劇的な治療のようなもので、必ず副作用が出てきますが、倒閣を目指したいメディアは害の方ばかりを書きたて、益の方はアリバイ程度にしか言わない。そして、それに乗せられる者が少なくなく、支持率がその度に低下する。
 
結局、責任を負ってくれる果断なリーダー(安倍氏も、菅前総理もそうです)を叩きまくった結果が、これだったのでしょう。
そういった意味で、岸田総理は良くも悪くも逸材であり、適所に配置されたのではないかと思っています。

 岸田さんのようなタイプの政治家に対しては、批判を通じて決断させるより仕方ないのだと思います。放っておけば、官僚に巻かれるだけで終始する事は明白です。
けど、今は参院選前。
維新のような党にはこれ以上伸びてもらいたくないし、参政党は陰謀論者の集いみたいなもの。

それと、岸田首相云々はともかく、公約は保守層にも納得出来る内容です。
高市政調会長、岸防衛相が更迭されるとの言説がありますが、そこは私には分かりません。しかし、そこまで清和研を干して政権が安定的に運営出来るハズもありませんし、岸田さん自身が岸田周辺の思い通りに動かないと思います。


なんか、良い人っぽい普通のオシャレなオッサンってイメージだけですね。一時マスコミが騒いだけど腕時計がセイコーアストロンの白文字盤とかセンス抜群だし。
政策が無いとか言われてますけど、まあ「信念」のようなモノは感じられないのは確かです。だがこの国内外の状況(有事ですよ)で嫌われない凡庸さは、むしろ貴重な存在でタイミング良く宰相になったと。

あー、左派マスコミの「裏切られた!」的な同族嫌悪は毎度のことですのでどうでもいいです。宏池会に何を期待してたのやら。。短いながら天下を取った大平や宮沢の後は「加藤の乱」が22年も前。あの時の副将だった谷垣は自民が下野した民主党政権時代の自民党総裁。
私は、岸田さんは加藤よりも谷垣に凄く似ていると思ってたんでけど。。谷垣さんは山形遊説の前日に趣味のチャリで事故起こして重症という間の悪さでした。
岸田さんは淡々と政策を纏めて(米国のバイデン大統領よろしく)執行していればよろし。
それ以上は何も期待していません。

岸田ポイントはなぁ…「節電したらご褒美に1日3円あげるからね、よしよし」みたいに思う人は多いだろうし、そういう反応をSNSもテレビもそりゃまあするよなぁ、それが自然だよなぁ、と。

何故、発表前に一言、制止するスタッフいないんですかね…

なんか逆風吹きまくりの日本維新の会ですが、私はこの党に一票投ずるつもりです。残念ながら私の選挙区では候補者が立てられていないので「該当者なし」とでも書いてみようかと思っています。確かに創立者の橋下徹氏よる昨今の言動は全く首肯しうるものではありませんし、鈴木宗男氏の振る舞いも看過できないものではありますが、しかし他に選択肢がないので致し方ないというところです。今の自民党政権を支持する気持ちはさらさらありませんし、創価学会が牛耳る公明党などは端から論外。立民、共産、社民、令和、NHKは語るまでもなく・・・。

参政党なるものが現れましたがあくまで個人的見解として言わせてもらえば「イカガワシサ」しか感じられません。

最近保守界隈でえらく持ち上げられている国民民主の玉木党首ですが、皆さんお忘れですか?モリカケで盛り上がっていたあの頃、加計学園問題(問題でも何でも無いけど)で舌鋒鋭く国会で追及していたのは他でもない玉木さんあの人です。あの件に関して私の知る限り玉木さんは一切言及されていないと思います。いくら耳に心地の良い言葉をくり返しても全く心に刺さりません、故に維新の会一択という所以です。

動かせる原発稼働してFITにもっと手を入れて、やっと電気代上昇を据え置きか物価上昇と同じカーブに留め置く、くらいではと予想しています。資源と海運がまだまだ高くなるはずなので。
物価対策で地方自治体クーポンを発行させる案が出てますね。
物価を下げない対策としては賛成です。
こういうの東京都が1番遅そうだな…。

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