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2022年6月 7日 (火)

ウクライナ軍、セベロドネツク奪還へ

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一時はセベロドネツクで押し切られて、東部全体をロシアに支配させてしまうのかと思われた東部戦線ですが、いったん撤退したウクライナ軍は、後方のルシャンシクで部隊再編を完了し、反攻に移ったようです。
ウクライナ軍はセベロドネツクに突入し、ロシア軍との市街戦を展開しているようです。
ウクライナ側の報道では、ハンシク州知事ガイダイ氏が2割奪還したとも伝えられていますが、流動的です。
なおガイダイ知事の発言に対しては、ウクライナ人ジャーナリストからも疑義が呈されており、まるごと信用しないほうがよさそうです。

私がいちばん信用を置いているISW(戦争研究所)の6月3日の最新レポートです。
ISWらしく慎重な書き方をしていますが、ロシア軍の攻撃が鈍化していることを認めています。
 セベロドネツクをロシア軍が支配すれば、ルガンシク州は完全に制圧されたことになります。

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ロシア、東部へ戦力集中 セベロドネツクなど: 日本経済新聞 (nikkei.com)

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ウクライナ軍、外国人部隊と共にセベロドネツク市内のロシア軍に反撃 (grandfleet.info)

「ロシア軍はセベロドネツクで地上攻撃を続け、6月3日には部分的な成功を収めた。ウクライナ参謀本部は、ロシア軍が市の東部を攻撃し、いくつかの不特定の成功を収めたと報告した。 
セベロドネツクのすぐ南東にあるメトルキネを攻撃したロシア軍は領土を獲得せず、以前に支配されていた陣地に退却した。 ルハンスク州行政長官のセルヒイ・ハイダイは、ウクライナの守備隊が現地で反撃を行い、不特定の場所でいくつかのブロックを奪還していると報告したが、ISWはセベロドネツク内の地形の正確な支配を確認できず、ロシア軍が都市の大部分を支配している可能性が高い。

リシチャンシクに後退してきた部隊の再編に成功したウクライナ軍の問題はセベロドネツクへの補給ルートである。
セベロドネツク攻撃を担当するロシア軍部隊は全戦力を投入してウクライナ軍の防衛ラインを5月28日前後に突破、同市の北東部に位置するミールホテル付近の一角に足場を築くことに成功、ここからロシア軍は市内に侵入して31日頃には市内の約半分を支配、6月1日には市内の約70%を支配した」
ロシアの攻撃キャンペーン評価、|6月3日戦争研究所 (understandingwar.org)

そして6月5日の同じISWのレポートですが、「セベロドネツクでのウクライナの反撃は、街の大部分を奪還し、ロシア軍を市の南部郊外から追い出した」と評価しています。

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「ウクライナ軍は、6月5日、クレムリンが軍隊の大半を占領に集中させているセヴェロドネツクの広大な地域を奪還するなど、ウクライナ全土のロシア軍陣地に対する限定的かつ局地的な反撃を成功裏に実施し続けた。 
ロシアのテレグラム・チャンネルは、ウクライナ軍がハリコフ市の北で反撃を開始したと主張し、ウクライナ軍がロシア国境近くのロシア防衛線に圧力をかけ続けていることを示している。
 ウクライナ軍は、ロシアがセヴェロドネツクに焦点を合わせ続けていることを利用して、他の前進軸に対する反撃を行おうとしている可能性が高い。ロシア軍がセヴェロドネツク-リシチャンスク地域に装備と軍隊を注ぎ込み続けているにもかかわらず、ウクライナ軍は過去48時間でセヴェロドネツクで反撃に成功し、ロシア軍を市の東郊外と南部の入植地から押し戻した。
 ウクライナの反撃圧力は、ロシア軍の注意をルハンスク州に引き寄せ続け、したがって、ハリコフ州と南枢軸に沿ったロシアの防衛努力に脆弱性を残す可能性が高い。クレムリンの現在の優先作戦地域であるセヴェロドネツクでの反撃に成功したウクライナ軍の能力は、ウクライナにおけるロシア軍の戦闘力の低下をさらに示している」
ロシアの攻撃キャンペーン評価、|6月5日戦争研究所 (understandingwar.org)


このゼベロドネツクへの反攻には、6月2日から3日にリシャンシクに到着した外国人部隊(ウクライナ領土防衛国際部隊)が増援部隊として加わっているようです。

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AFP 外国人部隊

ウクライナ救援に馳せ参じた外国人部隊の様子は、時折ユーチューブで流されていましたが、まとまった戦力ユニットとしての動向が伝わるのは初めてのような気がします。

ロシアは自らは残虐非道で名高い傭兵集団・ワグネルグループを使っておきながら、ウクライナ側の外国人部隊を目の敵にしているようです。
ロシアはウクライナ側外国人義勇兵を、ジュネーブ条約に従った捕虜の扱いはせずにテロリストとして処刑するとしていますから、いまだ前線で身を呈して戦い続ける彼らの勇気には感嘆します。

「【6月2日 AFP】ロシア国防省は2日、「外国人傭兵のウクライナへの流入をここ1か月で阻止し、「数百人」を殺害したと発表した。
 同省は声明で、訓練を受けるため「ウクライナ入りした外国人傭兵数百人が、到着後間もなくロシアの長距離精密兵器で殺害された」と主張した。「傭兵の大半は、練度の低さと実戦経験不足により交戦地帯で殺害された」としている」
(AFP6月2日)
ウクライナの「外国人傭兵を多数殺害」 ロシア国防省 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

ウクライナのメディアは、セベロドネツクの戦況をこのように報道しています。
ソースはウクライナ・プラウダという、いかにもかつて共産圏だった国らしい名称がご愛嬌です。
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「ウクライナ軍はセベロドネツクから後退してきた部隊の再編に成功して外国人部隊と共に反撃を開始、英国防省も「セベロドネツク市内のロシア軍は勢いを失った可能性がある」と認めた。
ウクライナ軍はセヴェロドネツクで反撃を行い、ロシア軍の進撃を阻止することに成功した。
これはイギリス諜報機関の日報に述べられており、「ヨーロッパの真実」と書いている。
「過去24時間にわたり、ウクライナ軍はウクライナ東部のセヴェロドネツク市で反撃を開始したが、これはおそらく、以前は戦闘部隊と火力の集中によって獲得されていたロシア軍の作戦上の勢いを否定した」と報告書は述べている」
(ウクライナ・プラウダ 6月4日)
イギリス諜報機関:ウクライナ軍はセヴェロドネツクで反撃し、ロシア連邦は作戦の勢いを失|ウクライナ・プラウダ (pravda.com.ua)

興味深いのは、このゼベロドネツクではロシア軍が共に自称「ルハンシク人民共和国」武装勢力と「ドネツク人民共和国」武装勢力を前面に押し立てて楯にしていることです。
彼ら武装勢力の多くは兵隊狩りで集められたものたちで、ロシアからろくな装備も与えられず、満足な重火器も持たずにカラシニコフ一丁で突入しては全滅を繰り返しているようです。
この姿はかつてのシリアでよく見られたロシアの作戦だと、英国国防省は指摘しています。

「都市市街戦作戦に代理歩兵を使用することは、ロシアが都市部を攻撃するためにシリア軍の第5軍団を配備したシリアで以前に使用されていたロシアの戦術である。このようなやり方は、ロシア正規軍が被る損失を制限したいという願望を示している」と報告書は述べている」
(ウクライナプラウダ前掲)

このように見てくると、ウクライナはいったん引くように見せかけて包囲から逃れて、南部の要衝ヘルソン奪還に力を注ぎつつ、東部においても反攻の時期をうかがっていたようです。
プーチンには、ルハンシク州を占領したことをもって勝利宣言したい意図もあったはずで、ここに持てる限りの大砲と戦車を集中したのですが、ウクライナ軍主力にはするっと逃げられ、逆に増援部隊を得てセベロドネツク市街地にまで押し戻されてしまいました。
渡河作戦にも3度目の失敗を演じています。

こうなると、いわば胸元に飛び込まれてしまったような格好になってしまいます。
市街地戦とは、通りとブロック、ビルと家屋の奪い合いですから、敵味方が複雑に入り組んでしまっては、せっかくかき集めた大砲や戦車による無差別砲撃ができません。
重火力の得意は面の制圧で、市街地戦のようなピンポイントを争う戦いには不向きなのです。

そこで先程触れたルハンシクとドネツクの分離主義者の、軍とは名ばかりの反グレ連中を突っ込ましているわけです。

ただし別の情報では、ロシア軍が再び攻勢にでているようです。

「ウクライナ軍は4日頃に開始された反撃で市内の50%を奪還、さらに市庁舎やミールホテルのある一角に敵部隊を押し込め市内の70%~80%を支配下するまでに至ったが、今度はロシア軍が押し返してウクライナ軍を都市郊外の工業地区に押し込め、現在セベロドネツク市内の60%~70%をロシア軍が支配しているという報告まである。
兎に角、セベロドネツク市内の状況は流動的で勝者を語るには「まだ早すぎた」と反省している」
(航空万能論6月6日)
今度はロシア軍が反撃、ウクライナ軍はセベロドネツク郊外に後退 (grandfleet.info)

「勝者を語るには早い」、このあたりが妥当な認識かもしれません。

 

 

 

ウクライナに平和と独立を

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