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2022年7月 6日 (水)

サハリン2から日本追放、ロシアの逆制裁

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ロシアが逆制裁に励んでいます。
まずは日本から。
ロシア官営のスプートニクはこのようなことを報じていました。なんでもこんなご大層なことのようです。

「ウラジーミル・プーチン大統領は大統領令「一部の外国、及び国際組織の非友好的な行動に伴う燃料エネルギー分野における特別経済措置の適用について」に署名した。これに伴い、石油や天然ガスの採掘プロジェクト「サハリン2」の事業主は現行の「サハリン・エナジー」から、新たに設立されるロシア法人に移行し、この事業に出資していた外国企業は、 事業への継続、又は株式の売却を1ヵ月以内に決定する義務がある。外国企業が保有する株式を売却する場合、その利益は新たに設立されるロシア法人が受け取る」
(スプートニク7月1日)
ロシアが大統領令で「サハリン2」の事業会社を変更、事業への参加継続に関する決断を外国企業に要求 - 2022年7月1日, Sputnik 日本 (sputniknews.com)

なにせ大統領令ですぜ。日本も憎まれたもんだ(苦笑)。
大統領令とやらには、次のように記されているそうです。

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スプートニク

「一部の外国法人、及び個人が義務に反したことで発生した、環境や技術面の非常事態に対する脅威、及び住民の命や安全に対する脅威、ロシア連邦の国家的利益、経済上の安全保障に対する脅威に伴い、これらの外国法人、及びその管理下にある個人に対し、次の特別経済措置が適用されることになった。
大統領令によると、「米合衆国、及びこれに連なる外国、国際組織の非友好的、かつ国際法に矛盾する行動」によってこの措置は発動されるという。大統領令の目的はロシア連邦の国家的利益を保護することにあると強調されている。

これらの外国法人は1994年6月22日に締結された生産分与契約(PS契約)の条件によるピリトゥン・アストフスコエ鉱区とルンスコエ鉱区の開発に関する合意に違反したという」
(スプートニク前掲)

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サハリン2、ロシア新企業に譲渡と大統領令 三井物産 三菱商事が出資 - 産経ニュース (sankei.com)

近藤大介氏などは「サハリン2ショック」と仰々しく書いていますが、なんのこのていどのことをプーチンがしかけてくるのは想定内で、起きるべきことが起きた、ただそのタイミングを参院選直前にもってきたというエグサが光るだけのことです。
サハリン2の事業会社サハリンエナジーには、ロシア国営LPG独占企業のガスプロムが約50%、三井物産が12.5%、三菱商事が10%それぞれ出資しており、LPG生産量の約6割が日本向けです。
これがロシア企業に移管されることで、とうぜんのこととして日本のLPG調達には影響が出ます。

また、北方領土の開発を中国にやらせるそうです。
いままで安倍氏との信義があって、中国に介入させていませんでしたが、近藤氏によれば以後勝手にやらせてもらうそうです。
なんでも中国はナマコが欲しいんですと(苦笑)。
ただこの国後ナマコは、我が国のものなんですがね。

「特産の「国後ナマコ」を始め、中国にとって北方領土は、経済的にも地政学的にも、ぜひとも開発したい地域なのである。これまでも要求はしていたが、ロシア側が日本に遠慮して断ってきた。
だがいまや、「NATOの東アジア拡大」という大きな趨勢を前に、中国とロシアは、東アジアでもがっちり手を組むだろう。「サハリン2ショック」の次は、「北方領土ショック」が日本を襲うような気がしてならない」
(近藤大介 7月4日)
サハリン2の次は「中国による北方領土開発」か、ロシアの報復は止まらない(JBpress) - Yahoo!ニュース

中国は、海軍の太平洋への進出航路として、いままでロシアが独占してきた北方領土航路を狙ってきており、さらにはロシアの野望である北極圏からヨーロッパへ抜けるルートにも協力する気満々のようです。

こんなていどの制裁を覚悟していないで、ロシアに制裁をかけていたなら、岸田政権はマヌケです。
近藤氏は「サハリンショック」がくるのが待ち遠しいようです。
政権筋がこう言った、言わないとか。

「プーチンは周知のように、何を言い出すか分からない男だが、せめて『爆弾発言』(大統領令への署名)を10日間遅らせてほしかった。もっともアチラとしては、参院選で岸田総理を苦しめてやろうとして、『サハリン2』を持ち出してきたのだろうが」
(近藤前掲)

近藤氏は、このサハリンのLPGを買いつけているのが、岸田氏の地元の広島だから票を失うと占っていますが、こんなもんで失う票なら失っちゃいなさい。いつものことながら、この人はちょっと小耳にはさんだことを恣意的に増幅します。
2月侵攻時に、萩生田経産相は盛んに「日本が手放せば、第三国に渡ってしまい、ロシアを制裁することにならない」ということを権益を手放さない理由に上げていましたが、西側が撤退すれば出てくるのはただ一国、中国しかいないのはあたりまえすぎて言う気にもなれません。
そもそも、日本はロシア産原油・LPGへの依存度は3.6%ていどですから、なんとかしなさい。
これがサウジやUAEといった30%を超える依存率を持つ国の禁輸なら青くなるでしょうが、たかだか3%台のシェアでガタガタ言うんじゃないよ。

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ロシア産石油の禁輸でどうなる 日本への影響は?ロシアにはどれくらい圧力に?|サクサク経済Q&A|NHK

ロシア産原油は、9割以上依存していた中東産原油が不安定になった時の多極化対策、いわば安全弁にすぎません。
2013年当時、日本はこう考えていました。

「中東依存度の高さが日本のエネルギー安全保障のアキレスけんであると誰もが言う。では、具体的にどう対処したらよいのか? インドネシアは2003年から石油純輸入国となり、LNGの輸出量も2012年から急減している。中東以外で有力な産油国を見つけるのは容易でない。今ある最も有効な対処法は「ロシアシフト」であろう。
2013年か2014年には原油供給のロシア依存度を10%程度に引き上げ、中東依存度を80%程度に引き下げるのが望ましいと思われる」
(本村眞澄 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)主席研究員 2013年6月2日)
22.日本はロシア資源をどう使えるか?-本村 眞澄 | ユーラシア研究所 レポートサイト (yuken-jp.com) 

日本は慎重にロシア産のシェアを延ばしてきました。
ドイツのように、愚かにも身も世もなく自分の国のエネルギー源をほとんど全部明け渡すようなまねはしなかったのです。

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JOGMEC 

ロシア産原油は中東原油が2,3週間かかるのに対して、3日程度で到着する近さが売り物ですが、価格的には国際相場より割り高で取引されていました。
また、ロシア産原油とひとくちに言っても、3つにリスク分散させました。
今回プーチンが、わーわー言っているサハリン2の割合は8.6%を占めるにすぎません。
最も多いのは、東シベリアからのエスポ原油で、これが半分以上の56.5%を占めます。

実はこれを開発したのは日本企業で、日本は地質調査から関わり、2016年から石油の生産にも関わっています。
これがパイプラインで日本海まで運ばれて、そこから日本に輸出されています。
シベリアから新潟までパイプラインを海を超えて南北に通す話もあったそうですが、日本が握りつぶしました。
いま思うと、こんなもんを通さなくてホントによかった。日本版ノルドストリームになっているところでした。

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22.日本はロシア資源をどう使えるか?-本村 眞澄 | ユーラシア研究所 レポートサイト (yuken-jp.com)

一方、6月14日、ガスプロムはノルド・ストリーム経由のドイツ向けガスの供給を40%削減すると発表しました。
さらに翌15日には、これを60%に拡大するというえげつなさで、まさにヤクザが少しずつ切り刻むような手口です。
いちおう理由は、パイプラインの部品の定期修繕がカナダにあるシーメンスの工場で行われているが、それがカナダ政府の対ロシア制裁によって再納入出来なくなっていると言っていますが、もちろんうそです。

「しかし、その説明を鵜呑みにする向きはない。イタリアのドラギ首相が言うように、その説明は嘘であり、「小麦が政治的に使われているのと同様、これはガスの政治的利用である」に違いない。
既にポーランド、オランダ、ブルガリアに対するガス供給は停止されている他、幾つかの企業に対する供給も削減されているようであるが、ここに来て欧州の弱みに本格的につけ込む戦略の一手を打った(ガス需要が高まる冬には更なる削減を仕掛けるかも知れない)ということであろう。いわば西側の制裁に対して逆制裁をもって対抗する構えではないかと思われる」
(岡崎研究所)
ロシアの欧州逆制裁とプーチンの思惑  Wedge ONLINE(ウェッジ・オンライン) (ismedia.jp)

ロシアは、なぜかいま大変に強気です。

「プーチン大統領が西側の制裁を乗り切れると信ずるに至ったこと(その判断の当否は別として)があるかも知れない。6月17日、サンクトペテルブルグの国際経済フォーラムで演説した同大統領は西側の制裁を「常軌を逸し(insane)」「狂気じみた(crazy)」ものと呼び、西側はロシア経済を暴力的に崩壊させることを予想したが、そうはならなかった、ロシア経済は正常化する、「ロシアに対する経済的電撃戦は最初から失敗する運命にあったのだ」と述べた」
(岡崎研前掲)

その決定の背景には、エネルギー輸出は制裁で減っても、国際原油価格の高騰がこれを補っているのだから、遠からず西側は音を上げてロシアの軍門に下るだろうという計算が働いたことに違いありません。
現在、ヨーロッパが受けているプーチンの逆性差位置くらべれば、日本列島の周りをポンコツ艦隊がサビをまきちらしながら周回しようと、わずか3.8%のロシア産原油を切られようと、ナマコを中国にくれてやることになろうとも、なんということはないはずです。
北方領土など、あの国が崩壊の淵に瀕すれば自然の流れで戻ってきます。

日本はウクライナの独立を守るという大義の側についたのですから、こんなていどのことで浮き足立たないことです。
むしろいいチャンスですから、ロシア産原油に代わるいい輸入チャンネルを見つける時だと思うことです。

 

 

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煙、崩れる屋根…「最も恐ろしい光景」 ロシア攻撃の商業施設 | 毎日新聞 (mainichi.jp)

ウクライナに平和と独立を

 

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コメント

日本勢は前回の「権益取り上げ」の時に一気にサンクコスト処理して撤退すべきでしたね。
商社だけではなく経産省や外務省もいったい何やってんですか、と。
オイルショックから何十年経っても中東産原油に頼るどころかますます比重が増してましたから、エネルギー輸入国としてはリスク分散したいのは当然ですけど。まあようやく高い勉強代を払ったという訳で。
それにしても中東もずっと不安定ですから心配ですよね。しょっちゅう戦争やってるし、アメリカはオバマ政権で国内シェール開発で中東関与を薄めサウジとも微妙な関係になりましたから。
三井物産はなあ···IJPCに大金注ぎ込んでる時にイラン革命とイラン·イラク戦争勃発で撤退に至ったことがあるのに(むしろアレがあったからロシアに傾倒したのか?)、ついてないというか、学習しろ!

 近藤大介氏のリアクションって愉快ですね。
中国の場合もそうですが、日本側が困るだろうと大げさに騒ぎ立てるのが常で、そのせいでニューソクの数字も伸びず、いいね!も少な気味。
こんなの予定のコマが進んだだけで、大した問題でもなし。選挙に影響するハズもなく。

ロシアは自らエネルギー安定供給国たりうる立場をうっちゃってしまい、向後良質な顧客に恵まれる事はなくなりました。なんて商売下手なんでしょう。あとは、えげつく買い叩きに来るしょーもない国々だけ。

私は、ロシアのウクライナ侵略が短期間で完了せずに長期戦になると判ったり、プーチンの野郎がどうやら死に至る重病だということから、ロシアとはある程度仲良くしておくべきだと思っていたんですわ。それは、狂信的独裁者プーチン以後のロシアを想定して、敗戦後の(落ちぶれた)新生ロシアならば経済的な苦境から、日本としても強気のディールに出れるから。

ところが現在、ウクライナの反転攻勢が予想されていた戦況は膠着しているみたいだし、あの野郎はなかなかシブトクて元気のようですわ。したがってサハリン2は、残念ながらサンクコストとして、キッパリと切り捨てるのが正しい外交の姿という気がして来ましたわ。あんまり未練がましくしてると足元見られてしまう(口先だけは達者なんだけど、実は何もしない何も出来ないと、ナメられてしまう)んで。

なんか、自由民主主義陣営と独裁全体主義陣営との2ブロック経済になりそうですわ、少なくとも資源については。消費財から見れば、米中は腐れ縁ですから、ロシアはお呼びではないだろうけど、軍事的には反米反NATOで一致するんだろうし。まあ、プーチンや習などの帝国復活主義者が生きてる限り、一般の生活者は救われないですわ。

原油価格(WTI)は 急落して昨夜100ドルを割り込みました。
然るべき理由があって値上がりしても、値動きには必ず投機筋が関わっており、彼らの意思次第で大きな変化が起こります。
この調子で下がればロシアは窮地に陥ります。

岸田首相は3日に、原油が半値(50ドル?)になったらロシア産原油も買うと発言しました。意味不明かもしれませんが、もしその価格が実現したら、ロシアは戦争を続けられないし、ピンハネ目的の中国インドが買わなくなるので、原油は大量に余ります。
もしそれが本当に実現したら、日本は買ってあげても良いと思います。

それこそ、北方領土も付けるから50ドル固定で買ってくれ、て話になるかもしれません。コロナ禍では瞬間的に原油相場がマイナスになったことを考えれば不思議ではありません。

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