• 20250119-145554
  • 20250119-142345
  • 20250119-142345_20250119150101
  • 20250119-150249
  • 20250119-152051
  • 20250117-013132
  • 20250117-015927
  • As20241225001545_comm
  • 20250115-143858
  • 20250113-081014

« 安倍氏を悪魔化し、「殺して」喜んでいた人々 | トップページ | 安倍氏が残した最大の試練、改憲 »

2022年7月12日 (火)

野党共闘で戦った森ゆうこ氏の落選したわけ

3-034

安倍氏についてどうしても書けないので、先に参院選について書いておきます。
母の死去は数年前から心の準備ができていましたが、安倍氏はいきなり地面が崩壊したような感覚でした。
すべて安倍氏が健在であるという前提で考えていたために、なにも考えられなくなりました。
政治家の死に際して、私は始めて涙が出ました。
安倍氏の葬儀に世界から要人が参列していることでわかるように、その業績はあまりに巨大で広大です。
日本史に残る名宰相であるばかりか、世界史に名を刻む政治家でした。
もう少し時間を下さい。

さて新議席が確定しました。

「第26回参院選(10日投開票)は11日朝、改選124と、非改選の欠員1補充を合わせた全125議席が確定した。
自民党が63議席を獲得し、単独で改選議席の過半数(63)に達し、大勝した。
立憲民主党は改選23を大幅に下回る17議席と敗北。日本維新の会は議席を12に倍増させ、比例代表で立民を上回った。公明、共産、国民民主各党は改選議席を維持できなかった。

 自民、公明両党と憲法改正に前向きな維新と国民で計93議席となり、改憲発議の条件となる3分の2(166議席)を維持した」
(時事2022年7月11日)
自民63、改選過半数=立民敗北、比例で維新下回る―公共国、改選議席維持できず【22参院選】|ニフティニュース (nifty.com)

立憲は共産党と性懲りもなく1人区で共闘を組んだ地域があります。

「自民は、19年参院選で2勝4敗と負け越した東北で、4勝2敗と挽回した。立民重鎮の小沢一郎衆院議員のお膝元の岩手では、30年ぶりに議席を奪還。21年衆院選で野党が全6議席のうち4議席を獲得した新潟でも、立民の現職幹部に勝利した
 野党が勝利を収めたのは青森、山形、長野、沖縄の4選挙区。立民は今回、現職を中心に共産との一本化を図ったが、議席を得たのは青森と長野にとどまった。沖縄は無所属の現職が接戦を制した」
(時事前掲)

これでそうとうにはっきりしたでしょう。
共産党と組めば彼らの票を得られても、それに数倍する票を失うのです。
新潟の場合、立憲の森候補は約7万票差で負けていますから、共産党の2万といわれる固定票をいれても届かなかったということになります。

一方、共産党も議席数を減らしたように、共闘を組むと固定票が逃げ出して損をします。
連合は、地盤を共産党に浸食されて、彼らの「統一戦線」を手伝うはめになります。

つまり立憲・共産・連合が組むと、三方両得どころか全方向沈没となってしまうのです。

典型的な例は、新潟の森ゆうこ立憲参院幹事長の落選です。

202207pn2022071001001024ci0003

新潟で4選目指した森裕子氏敗北 立民現職、国会で鋭く政権追及(共同通信)|熊本日日新聞社 (kumanichi.com)

森氏は小沢一郎の側近で、故安倍氏にキャンキャン噛みついていた戦闘的スタイルで有名でした。
小沢氏が主導した野党共闘のモデルになったのが、この森氏の地盤である新潟でした。

「新潟選挙区では過去2回の参院選で、野党各党と連合新潟や市民団体が野党系候補を支援。各党の代表者らが対等な立場で連携する連絡調整会議を立ち上げた。円満な選挙協力体制は「新潟モデル」と呼ばれ、全国的には優勢だった自民党に議席を譲らなかった」
(朝日2022年7月10日)
立憲森ゆうこ氏が落選見込み 崩れた「新潟モデル」、異変は5月から [参院選2022]:朝日新聞デジタル (asahi.com) 

●参院選新潟選挙区開票結果(選管最終)
当 小林 一大 49 自新517,581
 森  裕子 66 立現448,651

選挙後、敗北理由について森氏はこんなことを言っていました。

「選挙戦中、岸田首相が2回も新潟入りされた。最終日にも入られて、2カ所も回られた。ほかにも与党幹部が次々と新潟入りするなど、与党にとって全国の中でも新潟県は最重要選挙区としていた。こうした強大な権力の力を跳ね返すことが難しかった」と分析」
(SAKISIRU 2022年7月10日)
新潟選挙区で森ゆうこ氏敗れる、敗因は「強大な権力の力を跳ね返すことが難しかった」 – SAKISIRU(サキシル)

「権力の重圧に負けた」のだそうです。
勝つと市民の勝利、負けると権力の重圧、こういう弁解の弁は具体的な政策論議とは別次元の左翼ナルシズムにすぎません。
沖縄における「オールl沖縄」が言っている、極度に単純化された構図と同じで内容がありません。
「米国に追随し横暴な政府」が悪玉、それに抵抗する「戦う知事と沖縄民衆」が正義という陳腐な図式です。 
まるで勧善懲悪の時代劇さながらで、昔懐かしき「抑圧者vs被抑圧者」というマルクス主義的抵抗史観にすぎません。

本来はこういう情緒的な総括ではなく、どういう自分の政策が有権者に受けいれられなかったのか、選挙体制はどこが間違っていたのかを考えねばならないのに、「権力の重圧に負けた」ではどうにもなりません。
こんな非現実的なことを言っているうちは、また負けるでしょう。

いままで新潟は、すべてこの6年間、野党共闘方式で勝利してきました。

最近の県内での大型選挙(○当選、×落選)
・2016年7月参議院選挙
○森ゆうこ(野党統一)
×中原八一(自民、公明推薦)
2016年10月 知事選

○米山隆一(無所属、共産・社民など推薦)
×森民夫(無所属、自公推薦)
・2017年10月 衆院選(小選挙区)
立憲・野党系無所属4議席獲得 自民2議席にとどまる

・18年6月 知事選
○花角英世(無所属、自公支持)
×池田千賀子(無所属、野党統一)
・19年7月 参院選

○打越さく良(無所属、野党統一)
×塚田一郎(自民、公明推薦)
野党4勝も共闘には陰りも 共産との距離に課題も 新潟 [2021衆院選]:朝日新聞デジタル (asahi.com)

18年の知事選をのぞいて、すべて野党共闘が勝因になっているように見えます。
野党共闘というのは、立憲-共産党を中心にして、連合系労組と共産党系市民団体がその選挙マシーンで動くという構図です。
そして政策協定は立憲と共産党の政策をかき混ぜて総花的にしたものにすぎず、実際になにからどう取りかかるのかまったく見えない、選挙その場限りのものです。
ですからいくらでも逃げが効き、共産党の主導する「統一戦線」を作ったという事実だけが残る白紙委任状のようなものです。
このような白紙の小切手をもらって一番得をするのは、もちろん「社会主義・共産主義革命」をめざしてこの選挙を「民主主義革命」と位置づけている共産党だけです。

しかしいったんこの構図を作ってしまうと、「オール沖縄」と一緒で、県内の立場が違うものたちが、反自民で一致団結して悪辣な自民をやっつけるぞ、エイエイオーと見えるわけです。
また共産党の自称2万票の固定票も魅力です。

Fpo6hilyqbljpjducj6bdq2oci

【参院選】共産・野党共闘実らず 比例650万票が焦点 - イザ! (iza.ne.jp)

ところがこれは見せかけにすぎません。
野党共闘に参加する「市民団体」の主張は、護憲・反安保・原発反対という共産党の「大義」をストレートに踏襲していますから、共産党の別動隊にすぎません。
共産党系「市民団体」と連合系労組が加わることで、見た目の左翼政党色を薄めて「オール新潟」を作るという目論見ですが、現実には共産党の「大義」だけが濃厚になります。

K10013587521_2204181703_0418172818_01_02

連合 芳野会長 自民党会合に異例の出席 賃金格差是正など訴え | NHK

ところが、今回、この接着剤役の連合が、当初から共産党に対して強い拒否で臨みました。
特に原発再稼働問題で徹底的に反対を掲げる共産党に対して電力労連を傘下に抱えた連合は絶対に共産党とは組めない、と言い続けてきました。
連合が示した選挙方針は、立憲と国民の候補者を、厳しい基準で推薦することでした。
今年1月、芳野友子会長率いる連合中央は、支援政党として丸抱えするのではなく、候補者別に連合の方針を実現できる候補者を支援するという画期的方針を打ち出します。

国民民主党の党大会で日本最大の労働組合の中央組織・連合の芳野友子会長が来賓あいさつに立った。「政策制度の実現に向けて党と連携を図る」と激励する内容だったが、参院選の「支援」には触れなかった」
(朝日2022年2月12日)
「民主王国」で始まった労組の「与党シフト」 連合新方針の底流 [立憲] [国民] [共産] [自民]:朝日新聞デジタル (asahi.com)

これが去年に12月にすでに出ている連合の方針です。

「連合は16日、先の衆院選に関して「共産党との関係が構成組織が一丸となって戦うことの困難さを増長させた」などとする総括をまとめ、公表した。連合は衆院選で立憲民主党と国民民主党を支援したが、立民は共産と政権奪取後の「限定的な閣外からの協力」で合意するなど、踏み込んだ協力関係を築いた。
総括は「立民の候補者が立った一部の選挙区で『比例は共産党』と書かれた公選はがきが配られ、混乱もあった」と指摘した」
(産経

連合は、野党共闘で立憲を支援すると、比例を共産党にというチラシが撒かれたことを背信行為としています。
これは共産党の常套手段で特に驚くことではありません。
共産党は1人区で立憲を立てるばあいにも、ちゃっかりと比例は共産党で元を取っていました。
元々1人区で勝てる共産党候補などひと握りにすぎませんから、比例の全国合計で候補を送り込まねばならないからのです。
これでは立憲を応援したはずの連合は、蓋を開ければ半分を共産党に献上したことになってしまいます。

これは今までのように「自民に代わる新しい政治勢力の形成」方針を明確に捨てたことを意味します。
いまや連合が望む要求は、単に賃上げ、職場の労働条件改善にとどまらず、たとえばトヨタ総連などは、今後来る自動運転の法整備などまでに踏みこんでおり、むしろそれに答えられるのは与党であり、共産党は敵対組織だという厳しい認識があります。

「目的が大きく異なる政党や団体等と連携・協力する候補者は推薦しないという姿勢を明確にする必要がある」と、共産党との連携・協力に歯止めとなる一文も盛り込まれていた」
(朝日前掲)

「目的が異なる」という連合の表現の意味は、同じ「野党共闘」という言葉を使っていても、共産党のそれは「綱領に基づく統一戦線の1つの形であり、共産主義社会実現のための手段であることは明確だ」(連合方針)からです。
それは各県の連合に対しても通達され、今までのように街頭宣伝で共産党の桃太郎旗を隠すような姑息な手段は許さないというのが、連合中央の姿勢でした。

「連合新潟としていつ推薦するか。連合本部で1人区に対してかなり厳しい条件が出ている」
1月15日夜、新潟市のホテルで開かれた立憲民主党新潟県連の臨時大会。夏の参院選で改選を迎える森ゆうこ参院幹事長らが並ぶなか、連合新潟の牧野茂夫会長は、半年後に迫る参院選の対応を決められない苦しさをあいさつで吐露した」
(朝日2022年2月13日)
野党共闘の先進地、崩れたバランス 参院選へ立ちはだかる三つの壁 [立憲] [国民] [共産]:朝日新聞デジタル (asahi.com)

今回の連合新潟は、連合方針に逆らったものですから、当然なんらかの処分がでることでしょう。
そもそも、当の連合もかつての集票マシーンではなくなって久しいのです。
支援する候補が立憲と国民民主両党に分かれて対立して戦っている分裂状況で、今回の参院選では、連合の労組としての集票力が衰退していることがあらわになりました。

「立民は5人全員が当選したものの、国民は現職1人が落選。連合傘下の産業別組合は、自治労を除きいずれも票を減らし、集票力の衰えが浮き彫りとなった。
減り幅が大きかったのは、国民側のUAゼンセンが約4万9000票、電機連合が約3万3000票、立民側の情報労連が約3万2000票などの順。
前回、基幹労連が支援した「ものづくり産業労働組合(JAM)」の候補は、国民側から出馬したが落選。今回、JAMが支援する基幹労連の候補は、立民側に切り替えて出馬し、約1万8000票減らしたものの当選した。
国民側の電機連合は、前回に続き当選圏に届かなかった」
(時事7月11日)
立・国、労組票に衰え 自民は主要団体上位に【22参院選】(時事通信) - Yahoo!ニュース

なんとまぁ芳野会長のお膝元のUAゼンセンが票を減らし、左翼色が強い自治労は堅調という構図のようです。
芳野会長としては、こういう結果を見てどう判断するのでしょうか。

とまれ、今回の参院選で、かつて野党が唯一勝利できる手段だと考えられていた野党共闘は確実に終焉に向かっています。
今後野党は、維新や国民がそうしているように政策をたたき上げていくしか方途は見えませんが、野党共闘のぬるま湯に漬かって週刊誌政治にうつつをヌカしてきた立憲にそれができるかどうかでしょうが、レンホー、辻本氏らがいるうちはむりでしょうね。

 

 

« 安倍氏を悪魔化し、「殺して」喜んでいた人々 | トップページ | 安倍氏が残した最大の試練、改憲 »

コメント

新潟は象徴的でしたね。
岩手でも小沢の乱(93年政変)以来、ついに保守復活。
山形はどう見ても「なんでコイツ立民じゃなく国民なの?」な知事一族とベッタリの舟山康江が3選。どう考えてもこの人が改憲支持なんかするわけないのに。。春の予算成立に国民が協力したので自民本部は対抗馬出さない方針で、県連会長が岸田の総裁選の選対本部長だった遠藤利明。小選挙区移行してから広い県内では反発が大きくて地元以外では力がありません。
早く準備出来ていたら結果は違ったでしょうね。

うーん、自動車労連や電力労連は国民や自民支持。
JPや自治労系は立民や共産支持。
分かりやすく分裂しましたね。。

安倍さんが逝かれたことで喪失感は大きく、改憲も出来ず非常に心残りでしょうが、あの世から「もう休ませてくれ。私に頼るな」という声も聞こえてきます。安倍さんに依存しすぎる観もありましたので。
安倍さんを殺したのはネットです。左翼や陰謀論者が、それは統一教会と安倍氏を結び付けておとしめようという執念はすさまじいものがあった。それを間接的にそそのかしたのがいわゆる「アベガー」勢力でした。大学教授など「お前は人間でない。叩き切ってやる」などと豪語し、朝日新聞はひたすら記事で独裁者のように罵倒しました。

共産党も本当に酷いんですよね。

開票特番で、ニュースゼロ?のキャスターが立民・国民・共産の党首に「維新の松井さんは選挙敗北の際に『責任を取ってやめる』と言っていたが、貴方達は今回の結果を受けてどうしますか?」という問いに対して、

志位和夫は「それはその…大会が決めることですので。私は大会の決定に従って、20何年間頑張ってきた訳でして」のような回答。
当然キャスターから「志位さんご自身の気持ちとしては?」と聞かれたら、
志位「それは………大会が、決める、ことですので」と同じ言葉の繰り返し。

そこで再度攻撃しないところが、マスコミのお優しいところではありますが、以前こちらのブログで書かれていた通り、本当に民主主義のカケラもない、(中国?)共産党の党大会が決める、個人の意志も信条も権利も何もない、狂った団体なんだなぁ…それを恥ずかしげもなく晒すんだなぁ…、と思いました。

蓮舫、辻元、小西、福山が議席を得たことにはがっかりですが、救いは森ゆうこ、有田芳生の二人がめでたく落選したことですか。森ゆうこに至っては屑新聞のデマ記事をネタに、現在は一民間人でしかない原英史氏の名誉を毀損し、あまつさえネット上で原氏の現住所を晒してしまうという有り得ない事態まで引き起こしています。

しかし一部を除きメディアは報道しない自由を決め込む始末で、某政党と一部メディアが裏で握っているとしか思えない状態です。

安倍氏がからむと荒れます。さすが暗殺に際しては厳粛に振る舞うかと思ったのですが、ダメなようです。
くだらない陰謀論としか言いようのないことを何度も何度も投稿してきています。
荒しコメントは削除済ですが、しばらくまた承認制に戻ります。

>>安倍氏はいきなり地面が崩壊したような感覚でした。
 
心中、お察しいたします。
私自身も、父が亡くなった時のようにショックでした。
まさしく、日本国民の父であったように思います。
 
安倍さんは、戦後レジームからの脱却を目指しておいででしたが、既に戦後は終わり、戦前となりました。
次こそは過ちを繰り返さず、わが国が世界を良き方向に導かんことを望みます。
 
それはそうと、今回の参院選で印象に残ったことですが、国民民主が10代、20代の指示を集めており、地道に頑張っていったら伸びそうだなと言う点と、最大得票で当選したのが、表現の自由を掲げる漫画家だった点です。
 
支持層の年齢を見ると、自民党が比較的幅広く、立憲は学生運動世代、維新は氷河期世代、国民民主が若者と、政党支持が左右の軸ではなく、年代で綺麗に分かれつつあるのかもしれません。
後者は、漫画や小説など個人で発信する国民が増えた結果と、過激な運動に走ったフェミニストやLGBTの自爆でしょうね。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 安倍氏を悪魔化し、「殺して」喜んでいた人々 | トップページ | 安倍氏が残した最大の試練、改憲 »