死せる安倍氏、岸田氏に:憑依か
まるで岸田さんに、死せる安部氏が憑依したかのようです。
いままでの検討と先送りの姿勢が姿をひそめ、国葬、原発再稼働などで凛々しい対応を示し始めたのです。
どうしちゃったの、岸田さん。
「岸田文雄首相が14日、参院選の街頭演説中に銃撃され死亡した安倍晋三元首相の「国葬」を秋に実施する方針を表明した。昭和42年の吉田茂元首相の国葬以降行われておらず、戦後2例目。政府内にも慎重論があったが、首相が押し切る形で決断した。
「最初から国葬でやると決めていた。法的な問題を詰めていた」
首相は14日夜、周囲に語った。政府関係者によると、内閣法制局などと調整し、実施のメドが立ったのは記者会見前日の13日だった。
平成5年の初当選同期で、第2次政権では外相として安倍氏を支えた首相自身、追悼方式には強いこだわりがあった。官邸関係者は「(首相は)安倍さんに対し、周りが思う以上の思いを持っている」と語る」
(産経7月14日)
「国葬」慎重論 首相が押し切り決断 - 産経ニュース (sankei.com)
事件当日、安倍氏暗殺について官邸で答える岸田氏の目は充血していました。
安部氏と岸田氏は1993年同期当選の仲で、事件後、下の写真をインスタグラムにアップしました。
この写真は1997年に、若手政治家の登竜門とされた青年局長を安部氏から引き継いだ時のものですが、安部氏はそんなに変わらないないが、岸田さん若い!
たしか長銀だったとおもいますが、いかにも銀行員。ぜんぜん頼りにならないかんじが一緒(失礼)。
「岸田文雄首相は8日夜、銃撃で死去した安倍晋三元首相とのツーショットの写真を自身のインスタグラムに掲載した。「多くの時間を共にした良き友人」とのメッセージも書き込み、別れを惜しんだ。笑顔で握手する若かりし頃の両氏の姿が写っている」
(日経7月9日)
岸田首相、安倍氏との写真掲載 「良き友人」別れ惜しむ: 日本経済新聞 (nikkei.com)
岸田首相、安倍氏との写真掲載 「良き友人」別れ惜しむ: 日本経済新聞 (nikkei.com)
かつて安倍氏は、こんなことを言っていました。
「安倍氏は、首相、茂木氏と初当選同期だとして、「同期一番の男前は岸田文雄、一番頭がいいのは茂木敏充、そして性格が良いのが安倍晋三と言われている」とあいさつし、笑いを誘った」
(日経2021年12月14日)
「同期一番の男前は岸田」「頭いいのは茂木」と語った安倍氏、最後に「そして性格良いのが安倍」 : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp) 。
安部氏か冗談好きなのは有名で、ゴルフで負けるのはダジャレを考えていたためという話があるくらいです。
国民に哀惜されるのは、政治的功績だけではなく、安部氏のこういう柔らかい人柄があるのでしょう。
岸田氏と安部氏は、党内で対局に位置すると見られていましたが、実はあんがい強い絆で支えあっていたのかもしれません。
安部氏は、常々自分の後継首相は岸田氏だと言っていたようで、早い時期から岸田氏を閣僚に登用し、最後は外相として遇しています。
この岸田氏の温かい思いがなければ、国葬についてかくも早いスピードで実現する段取りにはならなかったはずです。
ところで、この国葬こそ自民党がもちこたえねばならない一線でした。
今までの自民党は、安部氏と岸田氏を中心に回っている二重星的太陽系のようなものでした。
ふたりはリベラルと保守に役割分担することで、自民党を幅広い支持層を持つ国民政党にしていたのです。
対局にいるように見えて、岸田氏は安保法制など枢要な政策では安部氏を支えていました。
ですから、二つの恒星のひとつが消えたいま、残ったもうひとつの恒星である岸田氏がなんとしてでも自民党をまとめきらねば、バラバラに分解し派閥に閉じこもるようになっていきます。
その派閥でさえ、安部派は中心を失って危機にさらされています。
また自民支持層も、岸田自民党に絶望して大量に離反していくことでしょう。
実はその試金石が国葬だったのです。
いま左翼メディアがワイドショー民をどう煽っているかといえば、こうです。
「実際、旧統一教会の政界への浸透は凄まじい。日刊ゲンダイは旧統一教会と関係のある国会議員112人のリストを入手。ジャーナリストの鈴木エイト氏が長年の調査によってリストアップしたものだ。
「統一教会との関わり方は様々ですが、議員本人のイベント出席や秘書の代理出席、祝電など、教団系メディアの生配信やネットに残っている公開資料等で確認できたものをリスト化しています。公になっていないだけで、関りのある議員は他にもいると考えられます」(鈴木氏)
リストを見ると、やはり自民党議員が圧倒的に多い。衆院議員78人、参院議員20人が統一教会系の団体等との何らかの関わりが確認された。野党でも立憲民主党6人、日本維新の会5人、国民民主党2人が関わりを持っていた。そのうち閣僚、党幹部の経験者だけでも34人に上る」(日刊ゲンダイ7月16日)
旧統一教会と「関係アリ」国会議員リスト入手! 歴代政権の重要ポスト経験者が34人も|ニフティニュース (nifty.com)
この日刊アベヘイトは、表まで乗せて自民の統一教会汚染がこんなにありましたよ~、アベが殺されて当然だよね、といわんばかりです。
そしてもう一方で、山上の叔父まで登場させて、しっかりした優秀な若者だった、家族が離散しなければ、ううっ、可哀相なテツヤちゃ~んと泣いて見せます。
一方で同情を引きながら、一方で山上家を地獄に落とした巨悪の統一教会に自民がこんなに汚染されているっ、その頭目がアベだったんだ~と、まるで殺人を正義の鉄槌に見せかけるアンバイです。
朝日の川柳コーナーですが、川柳なのにまったく笑えないどぎつさです。
こうして、何もないところに煙が立つのです。
いままでさんざんモリカケ桜で見せられてきた、左翼の伝統芸です。
こんなことばかりやって、まともな政策論争をしないから劣化したのです。
志位氏や辻本氏などが、国論を二分したアベの国葬ハンタイなどといっていますが、二分したならどうしてこんなに選挙で惨敗ばかりすんの。
いま彼らがやっているのが、安部が撃たれても当然だ、さらには山上、よくやった、お前はこそヒーローだという世論です。
そのうち山上減刑嘆願署名くらいやりそうです。
やれやれ困ったもんだ。
そもそも統一教会なんて前世紀の遺物、とっくに今の自民への影響力なんて消滅しているですから。
残っているのは、選挙の票目当てのえげつない議員だけです。
磐石の選挙基盤を持つ安部氏には、統一教会票など不要なことはいうまでもありません。
ここで岸田氏が持ちこたえたことは、高く評価できます。
彼が「聞く耳」を持って、法制局のように法的根拠がないから、外務省のようにこんな巨大な国際イベントをやったことがないから、財務省のようにカネはどうするんだという反対の声に屈していたら、その時点で自民党の保守票は維新か国民に去っていったはずです。
オレがなんとかする、安部氏の死は国葬で遇さねばならないのだ、という岸田氏の一念がそれをくい止めたのです。
岸田氏については、もう少し様子を是々非々で判断させてもらいます。
この安部憑依が本物であることを祈ります。
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まず国会議員や政治家は新興宗教に近付かないようにすべきです。公明党は無理だろうけど。統一教会系なんかはカルト指定するような法整備が必要になります。
で、ゲンダイ記事ですが圧倒的に自民党が多いなんて当たり前じゃないですか(笑)
カルトは権力と繋がりたいから力有る者に食い付く。当然の話。
でもそんなこといくら騒ぎ立てても、安倍氏を暗殺した免罪符には全くなりません。
投稿: 山形 | 2022年7月18日 (月) 06時10分
岸田首相が覚悟を決めるのに期待するのは私も同じです。
しかし、原発再稼働については、元々既定路線だったものを発表したに過ぎないようです(それでも、反原発な人々が煩いことを考えれば、これまでの岸田さんにしては頑張った気はします)から、過剰な期待は禁物ですね。
それにしても、左翼の劣化はひどいもんですし、これじゃ右翼も腐敗します。対抗馬がこんなアホだと、腑抜けていく一方ですから。
投稿: リンデロン | 2022年7月18日 (月) 10時53分
参院選では保守票の自民党離れが前回割れに落ち込んだ原因と言われています。維新といわず、NHK党や参政党に流れた票も多かったよう。
クールに言えば、こうした結果の反省だったと言えなくもないですが、安倍さん国葬は国益にかなうものだし、原発再稼働にはずみをつけるべく政権の意思表明をハッキリさせた事は評価できます。
けれど、当初から岸田さんの人事に安倍さんが警戒していたのは間違いありません。具体的にはアベノミクス路線の継続を否定する木原誠二氏に官房副長官をまかせ、当初は安全保障補佐官まで重任させていた事を危惧していた。
やがて8月の人事の結果で明らかになるでしょうが、萩生田さんをのぞけば清和会の非保守的な議員だけが重用される人事になるのだろうと思います。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2022年7月18日 (月) 17時21分
岸田首相への希望は管理人さんと同じく私も持ちます。
左派も右派も極端方面に行ってしまった人や社はターゲットを恐怖で縛ろうとしますが、国民として政治家を有効に使い倒すことを彼らの専売にしておくことはないので、中庸で静かであった多くの国民も、例えばこの度の絶えない献花の列であったり、官邸や政治家や当該部署への品性あるメールであったり、何か横着しないで希望や評価の意思が伝わる行動、表現は随時必要と考えます。
原発、原子力政策については、安倍元首相ができなかったことを貴方がやるのだ、と岸田首相に申し上げたいです。
「安倍元首相の成功を、後継者は素直に受け止めていくべきだろう」と結論づける篠田英朗教授のこちらの寄稿
https://news.yahoo.co.jp/articles/7963601b7dfe06cdb48ac9c180cd31128de7b886
は、これまでの歴史から安倍元首相の何がどう違っていて、どうして諸外国から評価されるのかが書かれてあり、新成人や20代の皆さんにも、両極端方面に誘い込まれない理解の助けになるのではと思い、僭越ながらリンクさせて頂きまする。
ところで。
亡くなった方に対する下品な悪口を慎まない人たちや社の習慣には全然馴染めませんが、あれは一体何処で教わるのでしょう?
ああいうことをやっていいとは、躾けられていない人が多いと思うのですがねぇ。
投稿: 宜野湾より | 2022年7月18日 (月) 18時32分
この川柳は酷いね。ロハスの行き着く先はこういう世界か。俺も気をつけよう。
投稿: 通りすがりの関西人 | 2022年7月19日 (火) 08時04分