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2022年8月 5日 (金)

尾身氏、事実上の5類見直しを提言

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遅かったくらいですが、しごく常識的な方針転換の要求が、専門家会議の中心メンバーの「有志」から出てきました。
「有志」の代表は、なんと会長の尾身氏ですから、ならば会議名で出せばいいのにと思いますが、なんかあったんでしょう。
内容的にもある意味衝撃的で、要は全数把握を止め、一般外来も受診できるように5類指定にしろというものです。

実施時期も、将来的になどと悠長なもではなく、2段階でというクッションはつけていますが、7波終息まで待てる状況ではない、即座に緩和すべきだと言っています。

「新型コロナウイルス政府対策分科会の尾身茂会長ら専門家有志は2日、今後の新型コロナ対策を巡り、感染者の全数把握の見直しや、診療する医療機関の拡大などの対策緩和を2段階で進める必要があるとの提言を公表した。感染者の全数把握を見直し、重症化が懸念される入院患者らの情報把握に限定することを盛り込んだ。現行法の弾力運用で保健所や医療機関の負担を軽減して流行「第7波」に対応し、その後、法改正による抜本的な対策も視野に社会経済活動を続けられる体制を目指す」
(産経2022年8月2日)
コロナ専門家有志「全数把握見直し」を提言 - 産経ニュース (sankei.com)

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どうなってるの?尾身さんが「有志」としてコロナ対策の緊急提言 | アゴラ 言論プラットフォーム (agora-web.jp)

この緊急提言「有志」はそうそうたるメンバーで、これまでのコロナ対策の専門家サイドの中核メンバーの揃い踏みです。

  • 尾身茂・公益財団法人結核予防会代表理事
  • 脇田隆字・国立感染症研究所長
  • 岡部信彦・川崎市健康安全研究所所長
  • 阿南英明・神奈川県医療危機対策統括官
  • 武藤香織・東京大学医科学研究所公共政策研究分野教授
  • 今村顕史・都立駒込病院感染症科部長
  • 中島一敏・大東文化大学教授

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毎日

2類から5類に変更するという案は、民間から多く出ていたはずですが、それに対して頑固に2類維持を主張していたのが尾身氏でしたからね。
その彼が、緊急に5類へ変更しろ、7波終息なんぞ待っていられるかと言っているのですから、ありりゃという皮肉な気分にもなろうというものです。

この尾身氏の危機感は、感染症の専門家らには共通だとみえて、あの「ダイヤモンドプリンセス号」対処で政府に噛みついた倉持仁氏も、こう述べています。

「倉持氏は現場の状況として、「7月半ばくらいから急速に患者さんが増え出しまして。過去24年医者やっているんですが、過去最大の外来受診者。一人数分、極力短時間で診察して、なんとか400-500人の患者さんを診察している状況が続いていて。いつまで持つのかという感じになっている」と語った」(リアルライブ8月3日)
コロナ感染、軽症の判断で高齢者が亡くなっている?「国は至急戦略を変えて」現場の医師が批判|ニフティニュース (nifty.com)

倉持氏は、国がPCR検査を怠っていると告発してメディアの寵児になっていた人ですので、今でも検査を拡充しろって言っています。

「倉持氏は、国のコロナ対策には「当初からの戦略ミス」があったと指摘。PCR検査の拡充が行われておらず、「重症者のみに検査を絞り、治療対象を重症者だけでいいという方針で戦ってきているので。悪くならないと病院に入れない状況になっている。ですから、まだ元気で軽症のうちに治療介入すれば助かるのに、そういう仕組みになってないんですね」とコメント」
(リアルライブ前掲)

違うと思いますよ。倉持氏が言うように2年前のパンデミック初期に「PCR検査を拡充」なんかしてしまったら、全数把握の感染者数がむやみやたらと激増して、コロナ専門病床はたちどころに埋まってしまい、医療機関は崩壊してしまったはずです。
実際に欧米では検査重視路線でしたので、医療崩壊を起こした国が続出しました。

だからいきなり病院に行かせないで、いったん保健所で状態を観察してからにするというワンクッション入れたのです。
その結果、倉持氏が言うように自宅療養は定期的に医師が往診してくれるのですが、その間に悪化して死亡に至ったケースもあったようです。
そしてそんな病院のまねごとをさせられた保健所職員にも迷惑な話で、こちらもパンク。

自宅療養を指示された者は外出も禁じられているので、買い物にもいけず、ドーンと自治体から送ってきた食料品が入ったダンボールの中身で食いつなぐことになります。
経験者によれば、カップラーメンやおかゆのレトルトが入っていたとのこと。
そして感染者についても保健所が陽性判定者をカウントして全数把握して国に上げる仕組みになっています。

では、ダイレクトに病院に行けばいいのかといえば、現行の法的立て付けではコロナはエボラや結核と同じ2類対応ですから、陽性判定を受けると、重症あらば即刻隔離病床行きとなります。
いまや季節性インフルエンザより無害化したBA5に、こんなエボラ対応もどきが要るのか、という話です。

現行の仕組みは、それなりによくできた仕組みではあるのですが、ガラス細工のようなものでした。
感染者が数百人の時にはきれいに回りますが、いったん数万人の桁になるともういけません、完全にショートします。

これが今の段階です。コロナ対応の病院は完全にショートしかかっています。

ただし重症者や死者は増えていません。
感染力は以上に強力だが毒性が低い、これがオミクロン株の特徴だからです。
そのうえちょっとした街には気軽に検査できるブースが増設されましたから検査数自体が増え、いっそう見かけの感染者数は史上空前の数を計上します。

メディアは大喜びで世界一の感染爆発だぁ、と煽っています。もちろん重症者や死者は増えていません。

「国内では3日、新たに24万9812人の新型コロナウイルス感染が確認された。1日当たりの新規感染者は7月28日の約23万3000人を上回り過去最多を更新した」
(時事8月4日) 
国内感染、最多24万人超=東京3万8940人―新型コロナ|ニフティニュース (nifty.com)

これ完全な誤報、甘く言ってもミスリードなのですよ。
だって世界の主要国はとっくに全数把握はおろか、カウント自体を止めていますから、馬鹿正直に全部数えていますというのはうちの国くらいなもので、そりゃ「世界一の感染国」になりますがな。
どうしていつもいつも自分の国を貶めたいのか、病気だね。

明らかにコロナは感染力を強めに反面、毒性をなくしていく、という従来から知られてきた感染病のコースを辿り始めたのです。
ですから、尾身氏は自説を変更するかのように、将来ではなく今の感染激増期にやれ、と言っているわけです。

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「尾身氏は記者会見で、「感染が収まってからやるというのは、今の状況にはふさわしくない」と述べ、早急な対応を求めた。
新型コロナは感染症法で「新型インフルエンザ等感染症」に位置付けられ、危険度が2番目に高い「2類相当」の措置に加え、より厳しい対策も実施している。しかし、流行「第7波」では感染者が急増。保健所などを通じた全数報告や、行政が指定した医療機関による診療が立ちゆかなくなっている。
提言は①医療現場②保健所・行政③感染状況④高齢者福祉施設⑤旅行者-の5項目について、直ちに行うべき「ステップ1」と法改正による抜本的な見直しを想定した「ステップ2」の2段階に分けて対応をまとめた」
(産経前掲)

専門家会議の中もまとめられないで、なにが会長だ、いままで言ってきたこととの整合性がないだろう、などとテレビのコメンテーターは怒っているようですか、いいじゃないですか、過ちは改むるに憚ること勿れです。
そういう個人の責任論などは、今はどうでもいいことで、終わった後に検証しましょうよ。
今のコロナ対応がズレきっていることを、他ならぬ尾身さんが認めて、メンツを捨てて修正を提言しているのですから、一歩前進じゃないですか。

 

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コメント

 2種から5種への移行に反対する人は「患者の自己負担が増える」を根拠にしてますが、この点はどうなるのでしょうか。
 まあどれだけ現行より負担増になるか、次第ですが。

錚々たるメンバーですね。ああやはりこうだよなと。2年経って感染力は凄いけどようやく弱毒化してるのに日本だけまだエボラ並み扱いしてるのか、と。
2年前に「ただの年寄り風邪だ」と散々やってから去った方の言い分に、ようやく現実が追いついた状態です。
尾身さんには同情しますね。政府の委員会会長だからというだけで何を言ってもメディアに叩かれるんだから。見た目からずいぶんゲッソリと老け込んじゃった。
今回の提言はちゃんと国費負担ですぐやるべきステップ1を噛ましてるのが見事です。
5類への変更では個人負担の問題があるのでそこがキモだったんですけど、ちゃんとフォローしています。

これまでの感染拡大の周期、先行していたBA5の海外での流行具合をみていたら7月からの感染拡大懸念は素人でもおぼろげに予想出来ていました。
どう見ても参議院選挙に忖度して波風を立てたくなくてこの動きにストップをかけていたようにしか見えないのですよね。
んで予想以上のBA5の感染力の強さを目の当たりにして「こらマジで医療崩壊してしまう」とばかりに7波収束後に出そうと思っていた発表を前倒ししたのでしょう。

5類移行での患者の負担は新型コロナのみ特別に国が負担する方向でまとめようとしているみたいですね、これがアナウンスが遅れた理由のひとつにしてますけど個人的には理由にすらなっていません。
以前にも書きましたがこのタイミングでの発表はマスコミやそれに毒された方々の袋だたきにあうことは不可避ですが、それが専門家の矜持に反して政治に忖度したツケですのできちんと責任を取っていただきたいと思っています。

頑張って全編会見動画を観ました。長かった…
質問側が「国と分科会と今回の有志の対立となぜ今とステップ12の頓珍漢な問い」を他社に答えているのに重ねて聞き続ける姿勢に辟易しましたが、私の知りたいことは記事にはなくとも会見では語られていました。

・国と対立していない。医療現場からの要望もあり緊急対応を広く提言したかった。政府が召集する分科会(学者の側から開催召集はできない)を待たずに今回広く発表する。国へも伝えてある。
・今急にではなく何度もブラッシュアップしながら国に提案し続けているものの最新版である。政府はこの中で良いと思うものを採用すればよい。分科会内の多数派意見であるが違う考えのお方もいる。
・インフルエンザ並を目指す、インフル並に扱う、という表現は語弊があり、インフルエンザ自体も軽い病気ではないという認識である。
・提言は社会と医療を両立するためにこれまでの戦果を元にオミクロンに有効な対策を絞るもので、緩めるものではない。既に何度も同様の提言をしてきた。
・ステップ1について
全数調査の体制を変えて保健所の負担を軽くする。
換気を確保する事が大前提で、初期のようなフル装備ではなく気道を守るエアロゾル対策を整えて診療できる医療機関を増やす。
抗原キットの国主導の充足で限りある受診リソースを高リスク者へ回す。
・ステップ2について
高額なコロナ薬代は保険適用ではなく今迄同様公費を。
既存の高額医療補償制度は最初は立替払いで事務手続きも多い。3割としてもあまりにも高い。
件数が増えるも処理部門に負担が生じる。
法改正ではなく適用範囲の変更が必要になるかもしれない。

ちなみに提言中、有志側からは一度も今2類、今2類相当、5類にする、5類相当にする、という言葉はありませんでした。媒体によっては、質問して否定されたにも関わらず望んでいた答えがあったような記事が今回も見受けられます。
本人達が何を言おうとメディアが書いた方がニュースソースになる、というなら話はまた別ですが。二度手間だからもう記事はAIが書けよとすら思います。

下記記事は提言会見されていなかった医師のものですが、会見とほぼ同じスタンスが語られています。

https://t.co/Q3HGx5PpL1

個人的に、医療保険特約の自宅療養給付の対象を外す時期がくるのか、全数把握しなくなった場合の証明書の形式等も気になります。

連投すみません。上のコメント中で記事と書いたのは新聞等メディア発の記事のことです。間違ってもこちらの記事のことではないですからね。

尾身氏が本当に5類へ移行を提言したのか疑問に思っていたので、
ふゆみさん、ありがとうございます(動画を見直さずに済んだと言う意味で)

今のコロナは特措法下で柔軟に対応が変えられるはずで、分類はあくまで結果論というか後付けされるものと思っておりました
なので分類をどうすべきかという議論はあまり好ましくありません

提言は発熱外来の逼迫を受けてのことかと思うので早くても2週間前くらいでしょうか、変節しているとも思いません

柔軟に対処する必要はあると思います。重症は少なく軽症が多いというのはそのとおりなのですが、実際の医療現場と世間が大きな乖離があるようです。

子供の重症はほとんどないとのことですが、オミクロンの特徴である喉の痛みで高熱が出ても水分摂取すらできずぐったりして入院なんてケースも「軽症」です。

どうもこウイルスは糖尿病や血管疾患を悪化させることが多いようで、糖尿病、心疾患、腎疾患、脳血管疾患等の増悪で入院せざるをえなくなったが、肺炎像なく酸素飽和度も下がってなかったら、全身的に重症でも「コロナは軽症」という扱いとなります。

新型コロナの重症度分類では見えない重症者が増えているのが現実です。医療現場だけでなく、あらゆる職種で症状のない濃厚接触者を効率よく隔離期間を解除することが必要かと思います。

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