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2022年9月 1日 (木)

ヘルソン奪還作戦始まる、ゲームチェンジャーの登場

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長い膠着状態を打ち破って、ウクライナ南部戦線で大きな動きが出たようです。
ロシアによって戦争初期に占領された、南部の枢要な都市ヘルソンの奪還作戦が始まったことは確かなようです。

詳細は軍事機密としてウクライナ軍も秘匿しているために不明ですが、ロシア軍の第1防衛ラインが突破され、ヘルソン近郊のいくつかの街を落とされたことは確実なようです。
このウクライナ軍の攻勢によって、自称「ドネツク人民共和国」軍は逃げ出し、この支援に当たっていたロシア空挺部隊も撤退をしたようです。
動画ではロシア兵が「多くの損失があり、ヘルソンを失うリスクがある」と言っているものまで発信されています。
ウクライナ軍は、ヘルソン地域におけるロシア人の防衛の最前線を突破|ウクライナ・プラウダ (pravda.com.ua)

ISW(米国戦争研究所)はこのように述べています。

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ウクライナがヘルソン奪還へ前線突破か「作戦終了まで市民は隠れて」 [ウクライナ情勢]:朝日新聞デジタル (asahi.com)

「ウクライナ軍当局者は8月29日、ヘルソン州でウクライナの反撃を開始すると発表した。ウクライナ当局者は、ウクライナ軍がヘルソン州の不特定地域での防衛の最前線を突破し、何週間にもわたるウクライナのHIMARS攻撃によって引き起こされたロシアの地上通信回線の混乱を利用しようとしていると報告した。
ウクライナ当局者はロシア占領地の解放を認めなかったが、ロシアのミルブロガーや西側の報道機関と話している匿名の情報源の一部は、ウクライナ軍がヘルソン市の西と北西、インフレーツ川に架かるウクライナの橋頭堡の近く、ヘルソンとドニエプロペトロフスク州の国境の南にあるいくつかの占領地を解放したと述べた」
(ISW 2022年8月29日)
戦争研究所 (understandingwar.org) 


ウクライナ軍参謀本部は、いままでロシアの情報攪乱を警戒して、一貫して厳しい情報統制を敷き、自軍の作戦行動については沈黙を続けてきました。
今回のヘルソン奪還作戦の詳細についても、固く口を閉ざしており、国民に忍耐強さを求めている。
ただし、地域司令部はわずかに報告を公表しており、それによればこのような状況のようです。


「8月30日には、ウクライナ軍の「南部」司令部が「陣取り合戦」が続いていると報告。ドニプロ川にかかる3つの橋を破壊し、使えなくしたという。ウクライナ軍はこのところ、アメリカから供給された高機動ロケット砲システム「ハイマース」を使い、ロシア軍が架けた浮橋や司令塔、武器庫などを攻撃している。
こうした動きは、ドニプロ川西岸にいるロシア軍を孤立させ、部隊や武器の供給を断つのが目的だとみられている」
(BBC2022年8月31日)
ウクライナ軍のヘルソン奪還作戦で「激しい戦闘」 長引く可能性と専門家 - BBCニュース

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HIMARS - Wikipedia

ウクライナ軍は、米国らから供与されたHIMARS(ハイマースM142 高機動ロケット砲システム )による攻撃を仕掛けており、大きな爆発がノーバ・カホフカで上がっている動画が確認されています。

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HIMARS はまさにゲームチェンジャーの名にふさわしい兵器で、戦局を大きく転換するだけの力を持っています。
ウクライナ軍がこの数カ月、大きな作戦行動をとらなかった理由は、このHIMARSの前線への到着を待っていたためだと思われます。
米国はこれを20両提供し、クリミアやロシア領内を攻撃可能な長距離射程のATACMも提供したようです。

HIMARSは、射程70km超のGPS誘導ロケット弾GMLRSを6発、あるいは約300kmもの射程を有するATACMS(陸軍戦術ミサイルシステム)1発を発射できます。
当初は面制圧兵器で無誘導のロケット弾を雨あられと降り注ぐものでしたが、いまは一発一発にGPS精密誘導装置がつけられた精密爆撃兵器に進化しています。
そして装輪式なために、大きな機動力を持ち、発射した後、直ちに陣地変換が可能です。

ウクライナ軍はこれをドニエプル川にかかる橋梁攻撃に使用し、完全に破壊したと思われます。
これでクリミアとヘルソンにを占領するロシア軍は、補給路を遮断されました。

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ウクライナ軍のヘルソン奪還作戦で「激しい戦闘」 長引く可能性と専門家 - BBCニュース

「ウクライナ軍は13日、ロシア軍が占領する南部ヘルソン州で移動に欠かせない主要な橋をまたひとつ破壊したと発表した。ウクライナは、ロシアが侵略開始から間もなく占領したヘルソン州を奪還しようと、激しい戦闘を展開している。
ウクライナ軍によると、ノヴァ・カホフカのダムにかかる橋はもはや通行不能だという。この主張の客観的な検証はされていない。南部軍管区はフェイスブックに、「ノヴァ・カホフカのダムにかかる道路橋の破壊が確認され、使用できなくなった」と書いた。
ウクライナ軍は7月末にも、ヘルソン州を流れるドニプロ川の渡河に重要なアントニフスキー橋を通行不能にした。西側消息筋は、アメリカ製の高機動ロケット砲システム「ハイマース」によって、この橋は「使用不能になった」としている。
イギリス国防省は13日、連日定例の戦況分析で、ウクライナ軍による8月10日の精密攻撃で、重い軍用車両はノヴァ・カホフカの道路橋でドニプロ川を渡ることができなくなったと指摘した。ノヴァ・カホフカは、ヘルソン市から約55キロ北東にある」
(BBC2022年8月14日)
ウクライナ軍、ロシア占領の南部ヘルソンで主要な橋をまた破壊と 移動に不可欠 - BBCニュース

またヘルソン近辺の街の軍事目標にもHIMARSを投入しており、独有の連続した爆発が観測されています。 

HIMARS はまさにゲームチェンジャーの名にふさわしい兵器で、戦局を大きく転換するだけの力を持っています。
ウクライナ軍がこの数カ月、大きな作戦行動をとらなかった理由は、このHIMARSの前線への到着を待っていたためだと思われます。

とまれ、まだまだ長い時間かかるでしょうが、ウクライナ全土解放まで一歩進んだようです。


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戦うウクライナに平和と独立を


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コメント

あのテの陸戦ロケット兵器は、むしろ昔からロシア陸軍の面制圧の十八番だったんですけど、ソ連時代から進歩しとらんようですね。
HIMARSは昨日日本でも訓練でぶっ放してました。ATACMSは射程が長いからロシアを刺激しないようにしてたはずですけど、供給されたのなら実に頼もしい。
オデーサ近郊からセヴァストポリ港まで届きます!

ハイマースと合わせて、対レーダーミサイルをウクライナの戦闘機に載せて限定ながらも運用できるようになったのも、大きいみたいですね(JSF氏情報)。このままロシア軍をすり潰せますように。

 攻守交替というか、ウクライナが主導権を握ったように見えますね。
すくなくも戦場の場所を選択するのは、もはやウクライナ側のようです。
実際、西側からはそこそこの武器供与がある程度で、各国政治家の口先支援はあっても援軍と言えるような補給は来ていないのが実情でしょう。そうした中、「量より質」、ハイマースのような最新兵器が果たす役割は大きく、それを縦横に使いこなせるウクライナ軍の能力は凄いです。

また、ロシア贔屓の人たちは「時間がロシアに味方する」との考えを捨てていないようですが、最近のロシア国内の状況や今だに次々と将軍たちをクビにする「妄想に取りつかれたプーチン」を見ていると、これはもうロシアの勝利はないように思います。

ヘルソンはともかく、クリミアの奪還まではほど遠いのでしょうが、ある時点からクルッと戦況が一方の有利に傾くのも「戦争」です。
独裁的プーチンの戦争指導が健在で、国家の崩壊を招く恐れを回避するための「軍事作戦」であるかぎり、ロシア軍はじり貧的な戦いを続けるよりないかも。

また、今回の戦争で特筆すべき事柄として、西側・ロシア双方間の「核抑止力」はとてもバランスよく作用していると言っても良いのではないでしょうか。

ハルキウの北側で激しい戦闘中、イジュームでは西側と南側からウクライナが手薄になったロシアへ圧力を掛けてます。

以下の場所はロシアの攻撃がかなり激しいです。
バクムット北東と東、南東方面はウクライナがこの2週間ロシアを撃退し続け、ロシアはかなりの損害を出している割には少ししか前進が出来てません。
コデマへもロシアが3方向から部隊を次々に繰り出して昼夜攻撃を仕掛けてます。
ドネツクの北や西側でもロシアが連日攻撃していますが、ほとんど前進してません。

ザポリージャ南部は砲撃戦で大きな動きはなさそうです。

ヘルソン方面はロシアも必死に反撃してますので、ウクライナは一進一退、ミコライウからヘルソン市を目指して進撃している部隊は激戦の最中です。
補給が断たれ備蓄も爆破された割にロシアの抵抗が激しく、どれくらいの期間でヘルソンを奪還出来るのか予測ができませんね。

イランからロシアへ提供された大量のUAVが不調なことはウクライナにラッキーです。

とりあえずヘルソンが早く奪還出来ますよう祈ってます。

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