EU、ノルドストリームの流出をロシアの破壊工作と断定か
昨日お伝えしたウクライナ4地域でのロシア「住民投票」とノルドストリーム2の破壊工作について、EUは直ちに反応しました。
EUはこのふたつを、特に後者のノルドストリームへの破壊工作をEU自体への攻撃と捉えています。
「27日、デンマークのフレデリクセン首相は会見を開き「当局は、これは事故ではなく、意図的な行為だと明確に判断している。誰が背後にいるのかを示す情報はまだない」と述べました。
また、スウェーデンのアンデション首相も会見を開き「スウェーデンの諜報機関、そしてデンマークからの情報に基づき、これはおそらく意図的な行為だと結論付けた。おそらく破壊工作だろう」と述べ、事態を非常に深刻に捉えているとしています。
ノルドストリームで起きたガス漏れについて、EU=ヨーロッパ連合の外相にあたるボレル上級代表は28日、声明を発表し事態に懸念を示しました。声明では「あらゆる情報は、このガス漏れが意図的な行為によるものだということを示している」と指摘しています」
(NHK9月28日)
ロシアとドイツ結ぶパイプラインでガス漏れ 原因に関心高まる | NHK | ウクライナ情勢
ドイツ国防研究所のジュリアン・ポーラックはこのように述べています。
ロシアとドイツ結ぶパイプラインでガス漏れ 原因に関心高まる | NHK | ウクライナ情勢
「ガスパイプラインは、特にそれらが非常に新しいときに、偶発的に壊れることは知られていません。
ノルドストリーム1は2011年に操業を開始し、それ以来、大きな事故もなく運営されています。ノルドストリーム2は2021年に完成したばかりです。パイプライン破損箇所はどこの領海でもないがオランダのEEZです。
検証したオランダ専門家はこう言っています。
①技術的に潜水艦と爆弾を仕掛ける潜水夫がいないと起こり得ない爆発である。
②この状況でガス供給市場を不安定化させてメリットがある国は一つしかない。2つの破損はデンマークの排他的経済水域(EEZ)内にあり、1つはスウェーデンのEEZにあります。この地域の海深は約50mです。1)海底ケーブル(パイプラインではない)が船のアンカーや漁網によって中断されることは頻繁にあります。しかし、これは非常に硬い鋼鉄パイプラインではそれほど簡単ではなく、同じ日に3つのポイントでの破損はありえません。
2)ごく最近、#submarine#Belgorod特別な目的を発見しました。
この潜水艦はOSCAR IIIの潜水艦を改造したもので、海底通信を妨害できると言われています。
ケーブルだけでなく、パイプライン破壊にも使用できます。
またもっとも適した仕事は 「母潜水艦」として偵察し、#seabedに干渉する追加のユニットを運ぶことです。
しかし#Balticは、そのような巨大なユニットを海中で検出されずに動作させておくことは難しいので、除外することができます。3)スパイ船、無人水中車両(UUV)、ダイバー。海軍と共にそれを維持すると、ロシアの「調査船」は、#NorthAltanticのように、海底ケーブルの隣を徘徊しているのが頻繁に観察されています。その一例がヤンタルです。
さらに、船舶や潜水艦は、潜伏して戦闘ダイバーや、水面下や海底での作戦のために無人の水中ビークルを展開することができます」
Julian Pawlak Twitter
ロシアがどのような手段を使って破壊工作をしたのかは今後にゆずるとして、EUはロシアの破壊工作だと認識したということが大事です。
ロシアは今回、オランダのEEZという微妙な地点で、ノルドストリーム3カ所を同時に破壊することでEUに強烈な警告を与えたつもりになっています。
NATO第5条にある自動介入条項が発動されないギリギリの線を狙ってEUを攻撃したのです。
市民語に翻訳してみましょう。ロシアはこう言っています。
こるらぁ西側共め、これ以上ウクライナを支援すれば、次はノルドストリームをバッサリと切断してやるぞ。
そうしたらお前らは酷寒にふるえるだろう。
忘れるなよ、オレ様は核も持っているんだぜ、といったところでしょうか。
脚色しましたが、暴力の信奉者であるならず者らしい台詞です。
さて、EUは直ちに反撃を開始しました。
もっとも信頼できるウクライナ観察者のひとりである東野篤子筑波大教授は、このようにツイートしています。
「さきほど発表された欧州委員会の対ロシア制裁案(第8次)、かなり踏み込んでいます。フォンデアライエン委員長は、ロシアによる東部・南部4州の「住民投票と称する行為」が「ウクライナ侵略を新たなレベルに引き上げた」と明言し、ロシアは「このエスカレーションの代価を払うべき」として上記に加えて、
・ 戦争に関する偽情報の流布、あるいは支配地域に対する資金援助なども、制裁の対象となる可能性
やはりEUにとっては、動員よりも「住民投票と称する行為」が制裁のトリガーに。
また、この制裁発表の直前に明らかとなったノルドストリームの件も、EUはロシアによる攻撃とみなしており、対ロシア姿勢をさらに硬化させています」
東野篤子 Atsuko Higashino(@AtsukoHigashino)さん / Twitter
ブリュッセルのEU本部での記者会見に出席した欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長 ウォールストリートジャーナル
ロシアは先日の「部分動員令」演説で西側の「脅威」を叫び、真の敵はウクライナではなく西側なのだと言い始めました。
「国民向けのビデオ演説でプーチン氏は、ウクライナ政府を支援する西側諸国によって、ロシアの「領土的一体性」が直接脅かされていると述べた。
また北大西洋条約機構(NATO)に対し、核保有国であるロシアはあらゆる兵器を使って、西側の「核の脅迫」に対応できると警告した」(BBC9月22日)
【解説】 ロシア軍の予備役部分動員、何を意味するのか? - BBCニュース
ここでプーチンが言う「領土的一体性」とは、まことに都合いい表現で、おそらく今回の「住民投票」で併合する地域まで含んでいると思われます。
ロシアは軍事占領したウクライナ領土はすべて「神聖不可侵なロシア領土」であり、これを奪還しようとしているウクライナ軍とそれを支援するEUや米国はロシアの「領土的一体性を攻撃する」、つまりロシア領土を侵略する許しがたい敵と見なしています。
ああ、なんてアブナイ発想。
ほんとうは自分の侵略がそもそもの発端なのにそれを認めず、自分はネオナチに攻撃されている被害者なのだ、と突然被害者ヅラを始め、大敗すると今度は国民に神聖な祖国を守る為に立ち上がれ、全員徴兵だぁとやってしまう。
妄想に陰謀論が加味されただけでも十分に居直り強盗なのに、負けているとわかると有り金残らずそこにつぎ込もうとする、まともじゃありません。
負けているのにエスカレーションラダーを自分からどんどん登っていってしまうのですから、危険な馬鹿です。
ウォールストリートジャーナルは、制裁についてこう報じています。
「欧州連合(EU)の幹部は、海上ロシア産原油の国際価格上限を可能にするために法改正を推し進めると述べ、ウクライナの新しい部分を併合するというクレムリンの最近の動きに続いて、ロシアに対する新しい制裁パッケージを提案した。
欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長は水曜日、記者団に対し、新しい措置は、EUへのロシアの販売の70億ユーロ(約70億ドル)の輸入を禁止すると述べたが、詳細はほとんど明らかにしなかった。27の加盟国すべての承認を必要とするこのパッケージは、ウクライナでの戦争で軍が使用できる多くの商品のロシアへの輸出も禁止するだろう、と彼女は言った」
(WSJ9月28日)
EU Proposes New Sanctions on Russia Over Ukraine Annexation Plan - WSJ
第8次ロシア制裁の内容はこのようなものになりそうです。
・ロシアからの鉄鋼および鉄鋼製品の全面輸入禁止
・紙、機械および器具、化学薬品、プラスチックおよびロシアのタバコの輸入の禁止
・輸出禁止としてタイヤやブレーキなどの航空に使用される商品、製油所で使用される褐炭、電子部品
・クレムリンが支援するウクライナの国民投票と戦争に関与したとされる約30人の人々に対する制裁
・EUはまた、自国民がロシア国有企業の取締役会で職に就くことを禁止することを提案
ちなみに外相のラブロフが、突然日本に対してもこんなことを言い始めました。
「タス通信によると、ロシアのラブロフ外相は28日、第2次大戦の歴史をめぐり「日本の軍国主義の犯罪は時効がないものであり、忘れてはならない」と表明した。
ラブロフ氏は日本について「残念なことに、アジア太平洋地域の国々への侵略に対する反省の弁がない一方、全く根拠のないばかげたロシア非難が聞こえてくる」と指摘。「歴史に対するこうしたアプローチは、国連中心の世界秩序を損なうもので、受け入れられない」と主張した」
(時事9月28日)
「日本の戦争犯罪に時効なし」 ロシア外相、歴史でけん制(時事通信) - Yahoo!ニュース
どの口で言うのか、ラブロフ。
いつ我が国がロシアと「戦争」をしたというのでしょうか。
我が国は、ロシア(旧ソ連)によって一方的侵略を受けて、多くの満蒙開拓団の婦女子を虐殺され、50万人にも及ぶ日本兵が強制労働に拉致されたのです。
しかも5万人は帰らぬ人となり、北方領土は奪われたままです。
また、ロシアは国葬に合わせてウラジオストクの日本領事を逮捕しました。
しかも外交官なのにもかかわらず頭を押さえつけ手錠をかけ、取り調べ風景まで撮影し、あまつさえそれを公開しています。
ウィーン条約で保護されている外交官特権に対する重大な侵害行為です。
「ロシア連邦保安庁は、報酬のために秘密情報を受け取った在ウラジオストク日本国総領事館領事、Motoki Tatsunoriの拘束について報告した。同秘密情報部は、日本の外交官が「ロシアとアジア太平洋地域のある国との協力関係、沿海州の経済状況に対する欧米の制裁政策の影響など、話題性のある情報を金銭報酬のために限定的に受け取っている最中に現行犯逮捕された」...とビデオで自白した」
ロシア保安庁が日本国領事を逮捕拘束の現場動画❗️ | Indigo 1st -syugen (ameblo.jp)
これをただの抗議にとどめておいてはいけません。
ロシアに理解できる外交言語は、抗議ではなく制裁なのです。
我が国も直ちに欧米の第8次制裁に準じる制裁に入るべきです。
●デジタル献花は50万人突破!まだの人はぜひ。
ありがとう 安倍元総理 デジタル献花プロジェクト
ウクライナに平和と独立を
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