プーチン、なにをやっても裏目となる
執拗にロシアの無差別テロ爆撃は続いていますが、やればやるほど自分の首を締める結果となっています。
ものの見事に全部裏目。
プーチンが、オレってなんという知恵者とウヌボレてやった「住民投票」による4州併合は、国際社会で承認した国ナッシング。
もうクリミア併合の時のようなテは食わないのです。
プーチン得意の絶頂に作ったクリミア大橋が何者かに爆破されて、ろくすっぽ調べもしないでウクライナのテロだと叫んで行ったウクライナ全土への「報復」爆撃は世界から総スカン。
お前のほうこそテロリストだ、と言われる始末です。
核兵器を使うと言い出せば、これも世界から大ブーイング。
そんなマネすりゃ、NATOは直接介入すると約束しました。
いいかげんわかれよな、プーチン。
これだけウクライナの人々を踏みにじっておきながら、しかも隠しようもない負け戦。
来週には東部ドネツクが陥落するでしょう。南部ヘルソンも時間の問題です。
もう眼と鼻の先に冬将軍が来るのですが、冬装備も持たせないで戦地に送り込んだロシア兵らはどうなるんでしょうね。
今度のナポレオン役はプーチンですね。
そもそも当のプーチン自身なんのために戦争をしているのか目的がわからなくなっているのですから、話になりません。
思い出してみましょう。当初、戦争目標は東部2州から「ネオナチ」を排除することだったはずですが、結局領土的野心だとバレて、あげく併合という悪手。
次に南部を落として東部と繋がるロシア回廊を作ろうとして、いまやこれもズタズタ。
負けが込んで、禁断の国民徴用をやろうとしたら、今になって状況がわかり始めたロシア国民が怒りだす。(遅いよ)
せめてクリミアを守ろうとしても、ヘルソンを落とされそうになり、ロシアとの生命線であったクリミア大橋を爆破されてメンツ丸潰れ。
とうとうブチ切れて、ウクライナを無差別爆撃すれば半分を撃墜されてしまい世界を敵にする。
さて、国連総会緊急会合における、ロシア4州併合非難決議の採択結果です。
下写真右側に見えるように、ロシアに味方する国わずか5票という冷厳な数字が、今のロシアの国際的孤立を能弁に物語っています。
国連やNATOで対応協議も…ウクライナでロシアによる大規模攻撃続く|TBS NEWS DIG - YouTube
「【ニューヨーク時事】193カ国で構成する国連総会は12日、ロシアのウクライナ東・南部4州の一方的「併合」は違法だとして非難する決議を143カ国の圧倒的賛成多数で採択した。
総会決議に法的拘束力はないが、「力による国境変更を認めない」という国際社会の意思をロシアに突き付けた。
決議は、4州で9月23~27日に強行された「住民投票」について、「国際法上無効であり(4州の)地位変更の根拠にならない」と宣言。各国や国際機関に併合を認めないよう要求し、ロシアには一連の決定の撤回と軍の即時撤退を求めた」
(時事10月13日)
「力での国境変更」にノー ロシア非難決議に143カ国賛成 国連総会(時事通信) - Yahoo!ニュース
193カ国中、賛成は141カ国。反対はベラルーシ、北朝鮮、エリトリア、ロシア、シリアの5カ国、棄権は中国やインドなど35カ国です。
国連総会の緊急特別会合、露のウクライナ4州併合は「無効」…圧倒的賛成多数で採択 : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)
北朝鮮、アサド政権のシリア、「大ロシア」の一角の独裁国ベラルーシと、いかにもいかにもの独裁国が並びました。
ちなみにエリトリアは、紅海周辺地域でかくれもなき独裁国で、付けられたニックネームが「アフリカの北朝鮮」です。そのいままでの中露の票田だったアフリカが、今回はゴッソリ棄権に回りました。
盟友のはずのイランと中国、そしてカザフスタンのような衛星国でさえも無情にも棄権ですから投了ですね。
この国連総会緊急特別会合の議決には法的拘束力はありませんが、「国際平和への脅威・平和の破壊及び侵略行為」の状況があるにもかかわらず、安保理が常任理事国の拒否権で機能不全になった場合、安保理に代わって行動するために存在しています。
法的拘束力がない代りに、安保理常任理事国も拒否権を行使できません。
なになにこんな決議、無意味だろうって。
だからなんなのです。常任理事会すら中露がのさばって機能停止しているのですから、国連そのものが既に国際学級委員会と化しています。
そう割り切ってしまえば、こういう形で「世界の世論」がキッチリと示されることは今の時期に大いに意味があるでしょう。
また、先日国際人道法にふれましたが、ロシアは欧州評議会から、「テロ国家」の輝かしい称号を与えられてしまいました。
どの国もロシアのクリミア大橋を爆破したのはウクライナのテロだ、なんていうヨタ話は信じなかったようです。
President of Ukraine PACEに向けて演説するゼレンスキー大統領
「欧州評議会の議会は、ロシア連邦をテロリスト政権と呼ぶ決議を採択した。(略)
「この侵略は、それ自体が犯罪として、国際法違反として、そして国際の平和と安全に対する大きな脅威として、明確に非難されなければならない」と述べている。
決議は「ロシア連邦をテロリスト政権と宣言する」ように修正された。投票中、79人の議員が支持し、2人が反対し、1人が棄権した」
(ウクライナプラウダ10月13日)
PACEは、ロシアをテロリスト政権として承認することに関する決議を採択|ウクライナプラウダ (pravda.com.ua)
欧州評議会(Council of Europe )は、EUと違って民主主義や人権、法の支配といった価値観を共有する西欧10か国が、加盟国間の協調拡大を目的としてフランスのストラスブールに本部を持つ国際機関で、ここにも法的拘束力はありません。
かつてはロシアすら加盟していた時期がある、全欧にまたがる機関です。
もっとも大きな機能は、基本的人権の擁護です。
「欧州評議会においてもっとも知られている組織体は、人権と基本的自由の保護のための条約(欧州人権条約)を適用する欧州人権裁判所と、ヨーロッパでの医薬品の品質水準を定める欧州薬局方委員会である。欧州評議会は基準、憲章、条約を定めることで、ヨーロッパ諸国の間での協力を構築して統合を進めるという機能を果たしてきた」
欧州評議会 - Wikipedia
この欧州評議会と同時期に開かれたNATOの会議では、この間のロシアの核の恫喝について、いままでと違って明確な判断基準を設けました。
「(CNN) 北大西洋条約機構(NATO)の高官は12日、ロシアが核兵器を用いて攻撃を行った場合、ウクライナの同盟国や潜在的にはNATOからの「物理的な対応」を「ほぼ確実に」引き起こすだろうと述べた。
同高官は、ベルギーのブリュッセルで開催中のNATO国防相理事会を取材している記者団に対し、核兵器の使用はロシアに「前例のない結果」をもたらすと警告した。
同高官は、ロシアによる核兵器の使用について、「ほぼ確実に、多くの同盟国から、そして潜在的にはNATO自体から物理的な対応を引き出すだろう」と語った。
同高官はさらに、ロシアは主に、ウクライナの同盟国や他の国々がウクライナでの戦争に直接参戦するのを抑止するために核の脅威を利用していると指摘した」
(CNN10月13日)
ロシアが核攻撃なら「物理的な対応」は「ほぼ確実」 NATO高官 - CNN.co.jp
ロシシアが核を使えば、「NATOからの「物理的な対応」を「ほぼ確実に」引き起こす」という言葉をとうとうプーチンは引き出してしまいました。底抜けの馬鹿ですね。
プーチンの目論見では、ノルドストリーム2を破壊することでエネルギーの恫喝をかけ、核を電光石火使うと言って核の恫喝を加えたのですが、全部裏目です。
ヨーロッパは賢明にロシア産以外のエネルギー供給源を確保に奔走し、いまやなんとかこの冬を乗り切れるアテがついたようです。
そして核の恫喝については、「物理的対応」、すなわち航空戦力を用いたロシア軍への攻撃を明言しました。
ボレルEU外相はストレートにこう言っています。
「【10月14日 AFP】欧州連合(EU)の外相に当たるジョセップ・ボレル(Josep Borrell)外交安全保障上級代表は13日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナに核兵器を使用すれば、欧米の軍事的対応によってロシア軍は「壊滅」すると警告した。
ボレル氏はベルギーの外交アカデミーで「プーチン氏は脅しではないと言っており、彼にそんな余裕はないだろう。だからウクライナを支援する人々、EUとその加盟国、米国、北大西洋条約機構(NATO)もはったりを言っていないと明らかにしなければならない」と述べた」
(AFP10月14日)
プーチン氏が核使えばロシア軍「壊滅」 EU外相 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News 。
EUのこの核に対しての明確な態度表明で、ロシアの敗北は決定的になりました。
NATO加盟の20カ国と米国が結束して、通常兵器で一挙にロシアの陸海空軍事施設、ウクライナに侵攻している部隊、そして武器弾薬などの兵站、通信、司令部を壊滅させるでしょう。
ウクライナ一国にすら負けかかっているロシアに抵抗する力がそんな体力が残ってるはずがありません。
こんなことがわからないなら、宮殿に戻ってピアノでも弾いていなさい。
いまでも十分に戦争犯罪人ですが、仮に核を使えば極刑も免れないかもしれません。
そしてロシアは、ソ連崩壊に次いで二度目の亡国確定です。
一方米国も、「世界最終戦争にもっとも近づいた時期」だと認識したうえで、「核報復を含まない攻撃をする」と発言しました。
「バイデン米大統領は11日のCNNの単独インタビューで、ロシアによる威嚇は壊滅的な「誤り」や「誤算」につながりかねないと語った。ただ、ロシアのプーチン大統領がウクライナの戦場に核兵器を配備した場合、米国がどのように対応するかは明言を避けた。バイデン氏は先週、「核のアルマゲドン(世界最終戦争)」の危険性が過去60年間で最も高まっていると警告していた」
(CNN前掲)
ウクライナの航空優勢すらとれないロシア空軍ですから、NATOと米国の航空攻撃を受けたらどうなることやら。
だいいち、核なんぞ使ったら間違いなくロシア亡国まで突き進みますが、ロシア国民がどこまでついてくるのやら。
おまけにヤケのヤンパチで大動員をかけた20万(実際は百万)の徴用兵たちの使えなさかげんたるや、凄まじいもののようです。
ウクライナ・プラウダ」によれば、捕まったロシア兵捕虜はこう言っているようです。
(307) Цикл «життя» мобілізованих окупантів 12 днів – і вони в полоні - YouTube
「捕虜となった兵士はロシア連邦ウドムルト共和国の出身で、ロシア軍の招集に応じて先月13日にウクライナ国境に近いロストフ州ミレロボ(ロシア東部、露軍空軍基地がある)に到着。小隊の一員としてウクライナ東部のドンバス地域へ送られ、最終的にハルキウの前線に行き着いた。
ロシアで戦闘訓練を受けた期間はわずか2日間だった。戦車の乗組員でも最長10日しか訓練を受けていないといい、そんな短い時間で兵を訓練するのは不可能だ、と率直な考えを語った。
ウクライナ兵と対峙した経験について「武器も豊富で、兵はしっかり訓練されていた。2人に1人は無線機やサーモグラフィー、暗視スコープを持っていた。彼らは我々の隊を1分で丸ごと壊滅させた。1分で20人の兵士が殺された」
(ウクライナプラウダ)
わずか1分間でこの新兵のいた部隊は全滅したといいますが、ウクライナのプロパガンダを差し引いても、訓練しない兵隊などただ殺されに来たようなものです。
英国国防省によれば、9月上旬時点で、ウクライナでのロシア兵の死傷者数は9万人を突破しました。
今年四月には侵攻1カ月で1万5千人に達し、その死傷者数はアフガン戦争9年間すべてに匹敵しています。
そしていまや実にその6倍の9万人。
こんな大損害をだしていて、国民が気がつかないはずがありません。
「ロシアのメディア筋が発表した数字は、9月上旬に英国国防長官ベン・ウォレスが公開したデータに近い。長官によると、ウクライナでは25,000人以上のロシア兵が殺害されており(9月5日現在)、負傷、捕虜、または脱走した人々を加えると、総数は80,000人以上と推定される可能性があると指摘した。
ロシア国防省が最後に損失を報告したのは9月だった。当時、セルゲイ・ショイグ国防相は、ウクライナで5,937人のロシア軍人が殺害されたと述べた」
(ウクライナプラウダ10月12日)
ロシア軍は既にウクライナで90,000人を殺害し、負傷させている可能性があ|ウクライナプラウダ (pravda.com.ua)
アフガニスタン侵攻は1979年12月から1989年2月まで続き、足かけ9年間で約1万5千人が戦死して国内に大きな厭戦ムードを作り出し、それからわずか数年後にソ連帝国は崩壊しています。
独裁国家は、一見強固のように見えますが、いったん潰れだすと瞬く間に崩壊します。
プーチン、完全に詰みました。
包囲下の製鉄所で結婚した女性兵、3日後に夫が死亡 ウクライナ - CNN.co.jp
ウクライナに平和と独立を
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5時すぎにヤフーニュースにアップされた東洋経済オンラインの共同通信のロシア圏専門家のトップの人の記事が、殆どというか全く同じ見立てで「マジか!?」と。
こっちの方が捕虜の証言まで網羅していて勝っちゃって(勝ち負けではないが)ます(笑)
トップの白鷺の写真、タイミング完全に押さえて高速シャッター!一眼レフならではな見事なモノです!
投稿: 山形 | 2022年10月15日 (土) 06時26分
いまだに親露派の方は
「実際に制裁に賛成している国はごくわずか」
「クリミア侵攻にはたいした問題にしてなかったくせに」
などなど苦しい擁護を続けてますね。
国際政治における正義の基準はコロコロかわりますし
その基準はいかに互いにとって都合の良い情報を広く流布できるかで決まります。
今回の侵攻に関しては完全に下手を打ち「悪者」という認定をされた時点でロシアの負けが決まったように感じられます。
近年の紛争はイメージ戦の重要性がどんどん高まってきていますね。
投稿: しゅりんちゅ | 2022年10月15日 (土) 11時24分
プーチンは血に狂った歴史観に染まった野蛮な〇し屋であるだけでなく、行動は低劣な脅しを専門の業とするギャング同等であって、病的で恒常的なウソつきである事が世界中にバレてしまいました。
それを恐れる者など西側指導者にはもう存在せず、友邦にも見捨てられ続けている現状を必死に押し隠そうとしていますね。
かようにプーチンは今やその正体が捲れまくっていて、いまだに変わらぬ演技性たっぷりの姿勢を映像で見るだに、むしろ憐憫すら感じてしまいます。独裁者の悲哀の末路というか、でもまだケツをまくって逃亡しないだけアッパレなのか,と。
ただ、西側に浸透したロシアプロパガンダに引っかかって勘違いしてままの右翼プーチンシンパには要注意で、ここで「停戦」を言う自己利益引き寄せ型の仲介者の存在にも目を配っておくべきかと。
ここで譲歩した中途半端な停戦協定はプーチンの思うツボ。より悲惨で血なまぐさい未来が待っているだけで、それをゼレンスキーは良く分かっています。停戦協議には、まず前提として、クリミアを含むウクライナ領全土からのロシア軍の引き上げが最低条件です。
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投稿: 山路 敬介(宮古) | 2022年10月15日 (土) 15時12分
プーチン「ウクライナへのミサイル攻撃当面行わない」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221015/k10013859451000.html
とりあえず手持ちの弾尽きた。
再開するまでどのくらいか。
クルーズ・ミサイル造れるのか?
どうする北朝鮮、どうするイラン。
店仕舞いする機会だとは、プーチンやっぱり思わないのですかねぇ。
ウクライナは侵略された分をしっかり取り戻す、支援できる諸国は支援の手を緩めない、ロシア国民に事実が届け、プーチンの心を折りまくれ。
ロシアン・プロパガンダの手羽先が、繰り出す言説を丁寧な指摘で潰されるので、東野篤子氏やJSF氏に執拗に絡みついていますね。
「自己利益引き寄せ型の仲介」を目論む人たちも、繰り返し「どっちもどっち論」を世の中に流し、他人に粘着しているのでしょう。
けれども東野氏もJSF氏も怯まない。
というか怯む理由が無い。
目指すはロシアの全面撤退一択。
投稿: 宜野湾より | 2022年10月15日 (土) 18時22分
まともな訓練を受けていないロシア兵は、戦闘中も散開せずにまとまって移動するようで、撃ち易いそうです。
歩兵大隊に配属されたウクライナ兵、気付いたら機械化歩兵大隊に変化していたという話には驚きました。
鹵獲車輌がそのまま配備され、戦闘を繰り返すうちに部隊がグレードアップしてるんですなー。運転手がいないとダメですけど、ゲームの世界ですかー。
ウクライナ兵も9千〜1万人が戦死していて、決して有利とは言えないが侵略された国土を取り戻すという強い目標がある。
プーチンはウクライナ人のみならず、ロシア人もあの世へ送る死神となりましたね。
ウクライナへ各国から戦車などが供与される影で、韓国がポーランドとちゃっかり武器輸出の契約をしているのが悔しいところです。
これは大きな商いです。
投稿: 多摩っこ | 2022年10月15日 (土) 18時27分