北、目下「核大国」へ邁進中
北がまたICBMを実験しました。
「韓国軍合同参謀本部は18日、北朝鮮が同日午前10時15分ごろ、平壌郊外の順安(スナン)付近から東の方向に弾道ミサイル1発を発射したと発表した。大陸間弾道ミサイル(ICBM)と推定されるという。
日本の海上保安庁によると、ミサイルは同日午前11時20分ごろに北海道渡島大島の西約210キロの海上に落下したとみられる。
タイを訪問中の岸田文雄首相は記者団に対し、「北朝鮮が弾道ミサイルを発射し、排他的経済水域(EEZ)内に着弾したとみられる」と述べた。
岸田首相は「これまでにない頻度で挑発行動を繰り返している。断じて容認できない」とし、北朝鮮に厳重に抗議したと話した。
北朝鮮は前日17日にも、短距離弾道ミサイル1発を発射。同国の崔善姫(チェ・ソンヒ)外相は、朝鮮半島周辺地域でプレゼンスを高めようとするアメリカに対して「より激しい」対応を取ると警告していた」
(BBC2022年11月18日)
北朝鮮、大陸間弾道ミサイルらしき飛翔体発射 日本の排他的経済水域内に落下か - BBCニュース
北が淡々と「核大国」への道を歩んでいるといえば、「それだけ」のことです。
日米が訓練したからどうのこうのという馬鹿がメディアにはびこっていますが、ならば止めたら北は核開発を止めますか、絶対に止めませんよね。
昨日などは夕方のニュースに、「北が米国に届くミサイル作ったって、一般国民には関係ありませんよね。今の物価高のほうが問題なんです」なんていうコメンテーターまで登場させていました(笑)。
また中国だけが止められると言っている人がまだいますが、いつまでそんなことを言っているのでしょうか。
中国こそが北の核開発を影で支えていた国で、いわば核の共犯者です。
そしていまやその中国にすらコントロール不能になってしまったのが、正恩の北です。
ですから残念ですが、このままだと、行くところまで行くでしょう。
ICBMを完成させ、水中発射核ミサイルを作り上げ、それに搭載する弾頭の小型化、多弾頭化が終了するまで、続きます。
そうなったら、さすがの米国も手が出せなくなるからです。
止めることができるのは・・・、と考えてがっくりとなるのですが、あえていえば米国がピンポイントでICBM関連と核施設を潰すことくらいでしょうか。
ただ、バイデンにできるかといえば、トランプではありませんが「オレならやらせなかった」というとおり、せいぜい痛くもかゆくもないB-1を飛ばしてアリバイ作りをするくらいでしょうか。
ですから、すっかり足元を見られています。
どうせなにもできまい、バイデンのいるうちに核開発を完了しておくのだ、と正恩にタカをくくられてしまっているのです。
作ってしまえばこちらのもの、というわけです。
このチェ・ソンヒは今は外相の肩書ででていますが、トランプ時代には外務次官として対米交渉をしていた女性です。
いつもフテ腐れているか、怒り狂っているか、ふたつしか表情がない人です。
崔善姫 - Wikipedia
思い出していただきたいのですが、シンガポール米朝首脳会談直前にトランプが「もう止めだ。中止、中止」と言い出したことがありましたが、そのきっかけを作ったのが、この人物です。
その直接のきっかけは、事前協議の責任者であったチェの、「副大統領は馬鹿間抜け」、「核対核で対決」という外交官とも思えない発言でした。
ウチの国の、相手国の利害をもっとも重要視するような外相と外務省におすそ分けしてほしいくらいの鉄面皮な人です。
ちなみに、こういう罵詈雑言を言った後のトランプの答えはこうです。
「あなたは自分の核戦力について語るが、米国の核兵力はあまりにも大規模で強力で、私はそれが決して使われずに済むことを神に祈っている」
(トランプ書簡)
「われわれと会談場で会うか、『核対核の対決』で会うかは、全面的に米国の決心と行動に懸かっている」
(ペンス発言)
こういう北にとって分かりやすい言語、すなわち核脅迫に対しては核で答えるといういう話法で臨まないと、正恩には状況を正しく理解できないのです。
ですから、今ならば同じようなことを、バイデンが言うのがもっとも効くでしょうね。
ま、絶対に言わないが。
チェの役割はおそらく北の利害をあからさまに、いや増幅して言うことです。
この時、チェは北朝鮮政府は「米国に対話してほしいとお願いなどしないし、会談に出席するよう説得もしない」(BBC2019年5月24日)とまで言い切っていました。
これだけのことをひとり独裁国家の北が、一外交官に言わせるとは思えないので、チェの役割は本音で米国を攻めて、ハードルを持ち上げるだけ持ち上げる瀬戸際戦術の役割です。
ですから、この人の言うことを聞いていると、明日にも戦争になりそうです。
いわく、もうダメだ、もうオシマイだ、もう米国をやっつける長距離ミサイルは完成してんだから、さぁ戦争だ、戦争だ、そうなったら困るのはお前らだ、と叫ぶことがお仕事です。
この瀬戸際外交を見破ったのが、トランプでした。
おまえがマッドマンのふりをするなら、オレの方がはるかに上手だとばかりに、これ以上ない軍事的圧力と制裁をかけ続けたのです。
そして米朝会談に正恩を引きずり出しましたが、ここでも北はゴネまくったのですが、トランプに(というよりボルトンにですが)あっけなく見破られて、交渉の席を蹴られてしまいました。
チェに「交渉は終了だ。米国の要求に応じる気はない」と言わせましたが、その陰で長距離核ミサイルの開発を続行していたこともバレていました。
●シンガポール合意2 米国と北朝鮮は、朝鮮半島の持続的で安定した平和体制の構築に共に取り組む。
3 2018年4月27日の板門店宣言を再確認し、北朝鮮は朝鮮半島の完全な非核化に向け取り組む。
したがって履行する義務は、すべて義務を怠った北にあると解釈されます。
現状はこの米朝合意が事実上反故にされたまま宙ぶらりんのまま、核開発の事実だけが積み重なっている状況です。
この状況の責任の一端はバイデンにあります。
バイデンはなんとしてでもトランプがやったことを全否定したいために米朝交渉を打ち切り、さらに朝鮮半島自体に対して関心をなくしてしまいました。
そのために不完全なまま米朝合意が風化しかけていたのです。
北には、この2018年6月のシンガポール合意に戻ってもらいましょう、と米国が言えばよいのです。
そのためには、いま進行し続けている核開発を凍結する、なにもいま直ちに核全廃交渉をしろと言っているのではありません。
交渉に応じるように言うだけのことです。
そのくらいの交渉ができなくて、なにが「外交に強いバイデン」ですか。
核はいったん完成させてしまえば、ロシアと同じで「核保有国同士の戦争はない」状態となってしまうのです。
つまり米国の軍事力は事実上使用を封じられて、手も足も出なくなります。
バイデンが北に対して、2018年6月の米朝合意に戻るための第3回米朝首脳会談交渉の提案を一度本気で北にしてみたらどうですか。
でも、やらんだろうな。
そもそもバイデンには北の核開発を止めようという熱意がないし、正恩にもいまさら眼前にある保有国のドアノブから手を放す気はないでしょうから。
すべてが遅すぎました。2年間遊んでいたバイデンの責任です。
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コメント
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北朝鮮が暗号資産を2年で10億ドル盗み、それを大量破壊兵器資金に当てたとニュースでやってましたね
人件費はゼロみたいなものなので、かなり安く兵器を作れるそうです。
日本の隣国は異常な国ばかりで滅入ります。
投稿: 多摩っこ | 2022年11月20日 (日) 00時10分