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2022年11月12日 (土)

トランプのひとり負けです

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トランプのひとり負けです。
彼があのような勝利前パーティなどをぶち上げて出馬宣言をほのめかさなかったら、あるいは違う展開もあったかもしれませんが、彼が約束した「赤い波」が来なかった以上、負けは負けです。

今回の中間選挙には勝者はいませんでした。
バイデンは勝利宣言もどきを言って再選を言い出していますが、共和党が躍進したのはまちがいないことで、今後議会とのねじれを抱えたレームダックとなるでしょう。
共和党は勝てる勝負を勝ちきれませんでしたから、苦い勝利のはずです。
そして最大の打撃を受けたのは、ある意味で中間選挙の主役とも言えたトランプでした。
しかし結果は、13勝10敗では、トランプのパワーに限界が見えたとされても致し方ないでしょう。

トランプは共和党内でいわば「トランプ私党」を作ってしまい、みずからが推薦する候補を勝たせることで党を支配しようとしてきましたが、これが陰ったのですからバッシングを浴びることになります。

「トランプ氏は、上下両院と知事選で計約200人を推薦し、応援で全米各地を飛び回った。描いていたのは、息のかかった候補を多数当選に導くことで存在感を高め、次期大統領選への弾みとするシナリオだ。
しかし、ふたを開けてみれば、共和党は予想外の接戦に持ち込まれた。米メディアのアクシオスによると、トランプ氏が推薦した候補は、注目された上下両院と知事選では13勝10敗(9日夜現在)となっており、苦戦も目立つ。ペンシルベニア州では上院選と知事選の両候補が敗北した。ジョージア州上院選の候補は世論調査では僅差でリードしていたが勝ちきれず、決選投票が行われる」
(読売11月11日
[スキャナー]トランプ氏へ抵抗感強く、共和党伸び悩む…復権戦略に狂い : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)

今回もまたトランプは選挙不正疑惑を言い出しています。
トランプの仇敵のCNNが言っていることですから、表現に揶揄とディスリがありますのでご容赦。

「(CNN) 米国のトランプ前大統領は8日、ソーシャルメディア上で今年の中間選挙について、大規模な不正が起きる可能性があるとの見方を示唆した。根拠は挙げていない。同氏は2020年の大統領選挙で大規模な不正があったとの誤った主張を繰り返し展開。今回も同様の事態が起きかねないとの認識を示した。
「選挙不正に関して同じことが起きているのか、2020年に起きたように???」と、トランプ氏は8日午後、自身の運営するトゥルース・ソーシャルのプラットフォームに書き込んだ。
20年の大統領選で、大規模もしくは結果を変えるほどの不正が行われた証拠はない。また22年の中間選挙でも、8日の初期の段階でいかなる重大な不正の兆候も確認されていない」
(CNN2022年11月9日)
米中間選挙 トランプ氏が大規模な選挙不正の可能性に言及、証拠示さず - CNN.co.jp

トランプさん、ダメですって、この不正選挙疑惑糾弾を今やってしまっては。
これは大統領選の時のように、不正疑惑糺弾とは公式に負けを宣告された側が、選挙に疑義ありとして言い出すことなのです。
まだ決したわけでもないのに、ここでそんなことを言い出せば、みずから負けを認めたのも同然となります。

山路さんもご指摘のように、今回も怪しげなことが複数報告されています。
しかし今、それを言い出す意味がありますか。
選挙ボランティアや支持者が言うのと、当のトランプが言うのとはわけが違うのです。
こういう負けモードになると、トランプの持っていたマッドマンセオリの負の側面ばかりが露出することになります。
いい時は、信じられないくらい果断にして憎いまでに巧緻なんですが、いったん悪くなると人一倍強いパワーが逆噴射してしまうようです。
その典型があの議会選挙事件でした。

もう思い出したくもない、あの議会襲撃事件は、大統領選挙の結果に不満を持つ、トランプの支持者らが議会に乱入し、選挙結果を実力で覆そうとした事件でした。
2021年当時、さまざまな選挙疑惑が噴出してきており、疑惑を糾弾する人たちは異常な票の動きがあるとしました。

これについては、今なお疑惑は完全に払拭されたとはいいがたく、今後もくすぶり続けることでしょう。
私は今も単純な陰謀論だとも思っていない反面、その後の調査でも結果が覆らなかったことから、不正操作はあっても一定規模以下だったと思うようになっています。

とまれ、この「選挙が盗まれた」とするトランプ支持派の怒りの可燃性ガスが爆発したのが、大統領を指名する上下院会議でした。

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東経

「クルーズ米上院議員を含めたグループは1月2日、米大統領選挙の選挙人投票に関する完全な認定を延期し、不正が行われたとされる主張について10日間の調査実施を求めた。クルーズ上院議員らのグループは、「調査委員会が設置されない限り、疑惑のある州の選挙人は合法的に認定されていないと見なし、1月6日の投票で拒否する意向」との声明を発表している」
(ロイター2021年1月14日)
1月6日の米上下両院合同会議に対する関心高まる | Reuters

ここで突如スポットライトを浴びことになったのが、副大統領にして上院議長であったペンスでした。
ペンスはこの上下両院会議においては副大統領ではなく、ブレジデント・オブ・セネター、直訳すれば「上院大統領」として憲法が保証する強い裁量権を持っていたのです。
ペンスは、合同会議を通過儀礼として、すでにバイデン勝利とで出ているとおりを読み上げるか、さもなくば上院議長の権限で不正があったとトランプ派に糾弾されていた7州を、正当な選挙が行われなかったとして無効にすることも理論上は可能でした。
ただしそれをやれば、ペンス自らが言ったとおり、「副大統領が大統領を選ぶことになる」のです。
これはある種のクーデターであり、民主主義のルールに反しています。
私は当時から、このペンスの決断を支持していました。そうするしかなかったのです。
トランプはこのペンスの対応を許さず、後に追放します。

結果として、ペンスは賢明にも前者の常識的対応をとりましたが、ここで起きてしまったのがこともあろうに議会を占拠すという暴挙でした。

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時事

トランプ政治の特徴であり、最大の欠点だったのは、大衆を直接動員する手法でした。
トランプはこの土壇場で、この大衆動員で議会に迫るという手法を選択してしまいました。
大規模な応援集会やデモをするところまでは、大衆のやりきれなさを具現化する大統領として有効な政治手法でしたが、このような議会審議に圧力をかけるために支持者を集めるとなると話は違います。
これは民主政治の仕組みそのものを、大衆デモの力を借りて有利に運ぼうとするものであって、ひとたび間違えるとこのような一部の暴徒を押えきれなくなってしまいます。
トランプは「大衆の力」の使い方を土壇場で間違えたのです。

常日頃は理性的に行動する人が、群衆心理に流されて暴力を振るうのですが、これは主催者側であるトランプ陣営が充分に予想できた事態でした。
想像していただきたいのですが、目の前にガソリンタンクがあるとしましょう。
これは、選挙不正や度重なるフェクニュースに憤って怒りのガソリンをたっぷりとため込んだ万単位の人々です。
しかも彼らの多くは、大統領の呼びかけに応じて集まった無統制な人々で、コントロールをする者を欠いていました。
そこに誰かわかりませんが、意図的にガソリンタンクに着火しようとする者が現れれば、ガソリンタンクは大炎上するでしょう。

トランプは議会を占拠しろなどとは発言していませんし、むしろ「家に帰ろう」と抑えにかかっていましたが、遅すぎました。
このことでバイデン勝利は確定的となってしまったのですから、完全なトランプの戦略ミスです。
いまなお、トランプはこの議会選挙で強い批判にさらされて、司法機関から捜査対象となっています。

そして不正選挙疑惑を言い出せば、自ずとあの忌まわしい議会襲撃事件がトランプと重なって、必ずトランプという異形の政治家と二重写しにし、さらに共和党とも重ね合わせてしまいます。
バイデンがそこを執拗に攻めたてたのは、敵としては当然の戦略でした。
今回は得た票とおなじくらい忌避されています。

彼ほど強いカリスマ性を持たない政治家であったなら、ここで彼の政治生命は終わったはずですが、トランプの人気は変わらず、今回の中間選挙まで保たれていました。
しかしこのトランプ待望論は、この中間選挙で終わりになるかもしれません。
一貫して共和党支持だったFOXすらこう言っています。

「多くの保守派は、共和党の圧倒的な中間選挙の結果が不十分であり、全国のトランプ候補が就任できなかった責任をドナルド・トランプ前大統領に向けた。
多くの保守的なコメンテーターは、共和党がトランプから離れる時が来たという兆候として選挙結果を受け取った。コメンテーターは、トランプが簡単な勝利を接戦に変え、接戦を敗北に変える風変わりな候補者を支持したと主張した。他の人々は、トランプが全国で勝利を確保できなかったことを、ロン・デサンティス知事のフロリダでの共和党への支持の大きな波と比較した。
「私の保守派と共和党のチャンネルでのすべての会話は、私が見たことのないようなトランプへの怒りです」と、ナショナルレビューのシニアライターであるマイケルブレンダンドハティはツイッターに書いた」
 (FOX2022年11月9日
保守派は、共和党の圧倒的な選挙結果の後、トランプを指さします:「彼は決して弱くありませんでした」|フォックスニュース (foxnews.com)

「見たことがないトランプへの怒り」ですか。
まぁ、こう言われてもしかたがないでしょうね。

ウォールストリートジャーナルは、トランプが推薦した多くがろくでもない者たちばかりだったから落ちたのだ、と突き放しています。
トランプは共和党内でいわば「トランプ私党」を作ってしまい、みずからが推薦することで党を支配しようとしてきましたが、これが陰ったのですからバッシングを浴びることになります。

「トランプ氏は、上下両院と知事選で計約200人を推薦し、応援で全米各地を飛び回った。描いていたのは、息のかかった候補を多数当選に導くことで存在感を高め、次期大統領選への弾みとするシナリオだ。
しかし、ふたを開けてみれば、共和党は予想外の接戦に持ち込まれた。米メディアのアクシオスによると、トランプ氏が推薦した候補は、注目された上下両院と知事選では13勝10敗(9日夜現在)となっており、苦戦も目立つ。ペンシルベニア州では上院選と知事選の両候補が敗北した。ジョージア州上院選の候補は世論調査では僅差でリードしていたが勝ちきれず、決選投票が行われる」
(読売11月11日
[スキャナー]トランプ氏へ抵抗感強く、共和党伸び悩む…復権戦略に狂い : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)

こういう負けキャラモードになると、トランプの持っていたマッドマンセオリの負の側面ばかりが露出することになります。
大変に残念なことです。
私は下の写真を見るたびに、鼻の奥がツーンとなります。

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安倍晋三さんはTwitterを使っています: 「令和初の国賓としてお迎えしたトランプ大統領と千葉でゴルフです。新しい令和の時代も日米同盟をさらに揺るぎないものとしていきたいと考えています。 https://t.co/8ol8790xWY」 / Twitter

私もトランプが、米朝会談に引き込んだ手際や、アブラハム合意を作った姿、そして安倍氏の最大の盟友としての友情に満ちた笑いをもう一度見たかったのですが、残念ながらいまのトランプにはその力が失われてしまったようです。

トランプさん、気を落ち着かせて後継者を探してください。
その意味で、まだ終わったわけではありませんから。

 

 

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コメント

 期待したレッドウェーブが起こらなかった事を指して、「トランプの終焉」とかいう論調が報道では主ですが、全く違うと思います。
CNNの出口調査では「トランプに好感を持つか?」に対する回答は36%程度でしたが、共和党に限れば95%行っています。
デサンティスにはカリスマ性がなく、経験も浅い。このままトランプが共和党の候補者になる確率が高いです。

たしかにトランプ派候補は中々毛色の変わった人たちであって、共和党主流派はそれらが落ちて、自分たちの候補が当選したことをもってトランプ非難をしますが、もともと予備選挙を通過して来たのはトランプ派候補です。
予備選で敗退した候補の方が本選で当選したハズなどとという確証などあり得ませんし、投票した共和党員の意思を無視した言いぐさです。
トランプ派候補は当初、本選では無理と見られていたものが、互角の勝負を繰り広げるまでに至りました。それが至らなかったのは民主党陣営の最終盤での資金集めが物凄く、トランプ派候補の選挙区に集中投入出来たからです。

よくよく冷静にみれば今回の選挙、トランプばかりが騒がれますが「民主党が負けた選挙」でしかありません。
下院を落とせば議事堂襲撃事件の責任追及は終わり、政策は進まず予算も通らない。
もともと、上院は改選部分の多くが共和党の議席でした。
賢いバイデンは「民主主義の勝利」とか言って勝利宣言などしちゃってますが、民主党の目標はバイデン二期目阻止のはず。
民主党はハンターカードを用いなければバイデンを阻止出来ないかも知れず、その前に共和党下院で調査委員会が設置される動きになるはずです。

 >山路さんもご指摘のように、今回も怪しげなことが複数報告されています

 確かにこんな事を公言する民主党支持者がいますし。

 https://twitter.com/netsensor1/status/1590889962744213505?s=20&t=eKCEMFlS3oiIhNjXthtebQ

中間選挙は与・党側が負けるものと相場が決まってるのでいつもの結果に落ち着いたというだけの話ですね。(与・党がスパムになるのは本当にどうにかならないものか…)
トランプのカリスマでより大きな勝利になるかと思いきやそうではなかった。
これがトランプの影響力の低下なのか実質分裂状態の共和党への信用低下なのか単純に声が大きいトランプ支持者にマスコミが騙されただけなのかまではわかりません。
しかし多くの中間層がバイデン政権のやらかしによる高インフレには不満があるが現状の共和党により大きなイニシアティブを取らせるほどでもないと判断した結果であるのは間違いありません。
つまりトランプ色が強くなるほど共和党は中間層の票を取る事が厳しくなるのではないかという見方をされるのは当然のことかと思います。

共和党の分裂状態がこのまま継続し結局トランプがゴリ押しで立候補、対する民主党が勘違いをしているバイデンの続投、不人気ハリスの擁立といった悪手を回避してまともな人物を候補に持ってくるという状況になれば共和党にとって苦しい大統領選になるのではないかと予想しています。

うーん。
なんと

ヒトの能力は大幅にまちまち、選挙の一連のシステムも自治体によって違うとなれば、当然いろんなことは起きますし(当然でいいのか問題はあります)、そこから人が受ける印象によって争いごとも起きる、アメリカ合衆国は巨大な田舎、とも言われる面のひとつ。
人の行動のみで見れば、そこには良いことも悪いこともあるわけですが、ロン・デサンティス氏を貶すトランプ氏の姿は、ライバルは早々に削っておく動機ならある意味合理的ですが、(程度はわかりませんが)自身への今後の波も削るかもしれません。
かつてトム・クルーズがアカデミー賞を取り損ねた時に、演技だとしても全身で受賞者へ拍手する姿が賞賛されましたが、人がgood loser,good winnerであることに価値や道徳を見出す無党派層の人々はいまだ多いでしょうから。

安倍晋三元首相がもし今ご存命であればという話をするつもりがないので、トランプ氏の大統領在職当時に限った話として、少なくとも対北朝鮮政策においてそれは、凶獣プーチンは使えなくとも、狂獣トランプ使いの才があった安倍ちゃんがいてこそのものであったろうと考えています。
合衆国がどちらの党の政権であろうと、誰が大統領であろうと、時の我が国指導者の実務能力と、できれば「人たらし」才能、それらが十分にあって状況にフィットして…いてほしいです。

 我々日本人から見れば、ハンターバイデンの悪事が表に出ないなんて考えられないことです。これは異常であり決して容認できないものですね。アメリカって良くわからないところがあります。

 不法移民も私たちには良く分からないことです。

 マリファナって麻薬ではないのでしょうか? 私の知り合いの知的なアメリカ人の女性は、マリファナは無害だと言っておりました。マリファナのことについてお知りの方はどうぞご教示ください。民主党知事の州の大都市にはドラッグ中毒者が溢れているそうですが、これはマリファナ中毒ではなくて他の種類のドラッグの中毒者なのでしょうか? 

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