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2022年11月26日 (土)

ノルウェーのエコミーイズム

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ノルウェイの急進的なEV政策について、もう少し詳しく見ていきましょう。
昨日見てきたように、脱炭素するにはカネがかかります。
膨大な数の充電施設をつくらねばならいので、インフラ整備から始めねばなりません。
そもそもEV(電気自動車)など、ただの自動車として見た場合、性能的には百年以上の歴史のあるガソリン車に及ぶべくもない未完成の技術です。

特に問題なのは、バッテリー技術が追いついていないことです。
フル充電まで実に8時間もかかりますから、使いたいときに使えるとは限りません。
そのうえフル充電しても、通常バッテリーで連続走行すると320㎞、大型バッテリーでも450㎞ていどです。
行った先に充電施設がなければ、牽引してもらうしかなくなります。
つまりは未完成のインフラの上でしか動けない不便にして、未完成のハンチクな車なのです。

ウクライナ戦争でガソリン価格が高騰したからEVのほうが有利だと言う人もいますが、下図のWTI原油先物市場を見ればわかるように、原油価格が高騰したのは一時的なもので、再びバレル80ドル前後まで下落して落ち着いています。

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マーケット|SBI証券 (sbisec.co.jp)

ですから、EVの意義があるとすれば、唯一「脱炭素」という一点だけに限定されてしまいます。
しかも脱炭素という以上、消費末端の車だけ脱炭素しても無意味です。
エネルギー源から末端まですべの行程で脱炭素しなければなりません。

ですから、脱炭素のエースとなっているEVは、発電から化石燃料を排し、製造工場の電力源も非化石燃料で賄わねばならないわけで、けっこうこれが大変です。
だって一国のエネルギー構造を根本から変えねばならないんですからね。

日本のエコ趣味者がいくらEVに乗ろうと、それを動かす電気が化石燃料を燃やして作っているのですから、ただのファッションです。

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EVのソーシャルデザイン革命、日産リーフ×坂本龍一さんインタビュー - ITmedia ビジネスオンライン

ノルウェイはさすが北欧の世田谷、自他ともに認める意識高い系国家ですから、こんなベタなことはしません。
発電から一貫してエコです。ほぼすべてが水力。

ノルウェイは北海油田という宝物を抱えている国でありながら、すんなりこの原油を自分の国で使わずに、「悪魔の化石燃料」はドイツに押しつけてそこでじゃんじゃん燃やさせています。
ノルウェイの空はキレイになっても、ドイツの環境は汚れてもよいということのようですが、もちろんこれでは地球全体のCO2は減りません。

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株式市場が注目!海外企業:ノルウェーの最大手エネルギーのエクイノール、原油高で業績好調とロシア撤退の背景=小田切尚登 | 週刊エコノミスト Online (mainichi.jp)

ところでノルウェイ最大の輸出品 は、原油と天然ガス、石油製品まであわせると86%にもなってしまいます。
日本で有名な魚介類などわずか10%にすぎません。

「2021年の最終四半期には、ノルウェーの石油とガスの輸出は月額1,000億ノルウェークローネ(115億米ドル)以上に達しました。これは、前年同期のほぼ3倍です。2021年の石油生産量は1億200万標準立方メートルに、天然ガスの生産量は1,130億立方メートルに増加しました。
ノルウェーは現在、ノルウェーの大陸棚で利用可能なすべての石油およびガス資源の約半分を抽出しています」
ノルウェー:2021年に石油とガスの輸出収入を記録!他にどのように彼らは大規模なEV補助金に資金を提供することができたでしょうか?– (wattsupwiththat.com)


  数 十億 %  
原油  $     29.6 43%  
天然ガス  $     23.0 34%  
石油精製品  $        6.1 9% 86%
鮮魚  $        6.8 10%  
生アルミニウム  $        2.9 4%  
トータル  $     68.5 100%  
欧州経済開発委員会

   wattsupwiththat.com

ですからノルウェー石油局のイングリッド・ソルベリ局長は原油の需要と価格が急上昇した年には、手放しで「素晴らしい年だった」と式典で叫んでしまったそうです。
もちろん彼女はこのスピーチで、ただのひとことも「気象変動」とか「脱炭素」などには言及しませんでした。
なかなかのプラグマチストぶりです。

では化石燃料を輸出しまくって炭酸ガスを排出していることを恥じて減産するのかとおもいきや、ノルウェイは原油価格の上昇に気をよくして増産するそうです。

[オスロ 6日 ロイター] - ノルウェー政府予算案によると、同国の来年の石油生産は15%増加する見通し。ヨハン・スベルドルップ油田が年内に増産する予定。
政府は「ノルウェーの大陸棚はこの厳しい時期に引き続き欧州に安定的、長期的に石油・ガスを供給しなければならない」と表明した。
来年の天然ガス生産は1210億立方メートルとなる見通し。今年は1220億立方メートルと予想されている。
ノルウェーはロシアのガス輸出削減を受け、欧州最大のガス供給国となっている。ヨハン・スベルドルップ油田で産出される原油は、ロシア産ウラル原油の代替として利用されている」
(ロイター2022年10月6日 )
ノルウェーの石油生産、来年15%増加へ=予算案 | ロイター (reuters.com)

なぜ、原油市場が高騰したのかといえば、対ロシア制裁によって供給が減ったからです。
このロシア制裁は軒並みヨーロパ諸国にエネルギー不足をもたらしました。
特にノルドストリームで、ロシアとガッチリ結ばれていたドイツなど真っ青になったようです。
しかしご心配なく、ノルウェイがその分を補ってくれています。
ドイツが青くなれば、ノルウェイは上機嫌になるという仕組みです。

では、このアコギとも言えそうな化石燃料商法で稼ぎだした収益は、どこに入っているのでしょうか。
石油事業はすべて国営ラインで運営されています。
政府系石油企業が採掘し、収益は国の財政を経由して政府系ファンドに化けます。
EV化にかかる膨大な支援金は、すべてここから支出されています。

「ノルウェーは世界で最も経済的に豊かな福祉国家の一つとして知られるが、それにはエクイノールが大きく貢献している。原油の売上高による収益の大半はノルウェー政府年金基金として積み立てられ、国際金融市場に投資されているためだ。同基金はこうした原資で国民の年金資産を運用しており、21年末時点の運用総額は12兆3400億クローネ(約172兆円)と政府系ファンド(SWF)では世界最大だ。
エクイノールの21年12月期の売上高は909億ドル(約11兆4534億円)であった。その80%がノルウェーで、米国(14%)とデンマーク(5%)を加えた3カ国が売上高のほぼすべてを占める。商品別では石油とガスがほぼ半々の比率である」
(エコノミスト2022年5月2日)
株式市場が注目!海外企業:ノルウェーの最大手エネルギーのエクイノール、

ここに出てくるエクイノールとは、ノルウェイに本拠を置く北欧最大のエネルギー企業です。
その売り上げたるや2021年には11兆4534円だそうです。
ちなみにトヨタが31兆3700億円ですから、その約3分の1という超大企業で、しかも国営です。
ノルウェイ最大手の企業が国営というのですから、まるで社会主義国のようです。
エクイノールは世界の石油企業ランキングでも9位です。

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オイルメジャー・石油開発業界の世界市場シェアの分析 | ディールラボ (deallab.info)

このエクイノールこそが、ノルウェイの脱炭素の財源です。
ノルウェーの石油・ガス等の生産量は日量400万バレルに達し、日量400万バレルと言えば日本の石油消費量とほぼ同じです。

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ノルウェーの石油・ガス生産量(1971年~2022年)
via www.npd.no

しかもノルウェイはロシア制裁を奇貨として前年同期の約3倍にあたる大増産をかけています。

このペースで増産するなら、15兆円もの輸出になるそうです。
おいおい。エコ大国が炭酸ガス増やしてどうすると思いますが、彼らの脳内では整合性があるらしく、石油・ガスの生産で収入を得て、それでEVを導入することで帳消しのようです。
まるでマフィアが、人を殺して教会に駆け込んで懺悔するみたいな話です。

こんな急速なEV導入は日本では無理です。
日本にはノルウェーのような油田がありませんから、相当の経済負担をせねば不可能だからです。
岸田さんなら「有識者」を集めてエコ税などを答申させそうですし、小池さんなら来年度からは都内でのEV以外の新車販売を禁じます、なんてやりそうです。
こういうカラクリとは無縁なわが国でこんな馬鹿げたEV化は不可能なのです。

 

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コメント

 ノルウエーのやり方はまさに「マッチポンプ」。
 結局EVも化石燃料にその存在を頼らざるを得ないと言う事実を政府も小池知事も直視しているのでしょうか。

脱炭素なんぞ金と時間と物資の無駄です

EVやら自然エネルギーやら、技術としては研究すべきものですが、インフラを作り変えるほどの国策にするなど一体なにを勘違いしているのやら、昨今の風潮にあきれ返るばかりです

原発再稼働の理由にして、そのあとすっぱり忘れるのが一番マシな取り組み方でしょう

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