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2022年11月25日 (金)

ノルウェーが世界一の脱炭素国になれたワケ

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なんにでも裏があるというとありきたりですが、ノルウェーが世界一のEV(電気自動車)普及国になった理由を考えると、いまのヨーロッパの脱炭素事情がわかってきます。

あまり知られていないかもしれませんが、ノルウェーは世界有数の脱炭素国家です。
エネルギー資源分布を見てみましょう。
赤色が石油、紫色がバイオ、青色が水力です。

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ノルウェーの国情および原子力事情 (14-05-06-01) - ATOMICA - (jaea.go.jp)

ノルウェーでは、石油・天然ガスエネルギー資源は主に輸出用であり、自国の電力は水力発電によって賄われる。渇水時等で電力不足が発生した場合は、スウェーデンなどの隣国またはロシアからの輸入電力によって不足分を補う。ノルウェーには原子力発電所はないが、1950年代から原子力の基礎研究を行っている」
ノルウェーの国情および原子力事情 (14-05-06-01) - ATOMICA - (jaea.go.jp) 

上図でわかるように、ノルウェーが北海油田を抱える世界有数の石油産出国と聞くと、サーモンとノーウェジアン・ウッドの国なんて思っていた私はビックリしましたが、なんとこれを全量輸出に当てて、自分の国のエネルギー源としては使っていないと聞くと二度びっくりしちゃいました。
自国の石油資源を使わずに全量輸出してしまうなんて、原油が一滴もとれず、常に中東諸国にもみ手している国の民族には想像を絶する国です。
水力が主力ですが、渇水期には電気を輸入してでも、原油だけは輸出するという根性の座りっぷりです。

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ドイツのエネルギー資源-自給率。輸入依存度、輸入先 ‐ドレスデン情報ファイル (de-info.net)

たとえば上図のように、ドイツなどはこのノルウェーからガッポリと石油を買い込んでいます。
中東なんぞよりはるかに多くのノルウェイ産原油に依存しているのですから、たいしたものです。
ノルウェー産原油は、ウクライナ戦争前で既に2、3位でしたから、ロシア産なき後いまや原油輸入の最大手ではないでしょうか。

「2019年の原油輸入量は約8,587万トン。最大の輸入相手国はロシアで31.5%、次いで、英国(11.9%)、ノルウェー(11.3%)、など。
中東諸国の割合は全体で5.4%にとどまる。その中ではイラクが最大で、3.1%を占める」
(ドレスデン情報ファイル)

つまり、ノルウェーは世界有数の産油国でありながら、自国ではまったく使わずにドイツなどに輸出している、という非常に「意識高い系国家」なのです。
つまりは、悪魔の化石燃料は全部ヨソさんの国に売ってしまう、自分はクリーンな水力で暮らす。
ヨソで出たCO2は知らん、というわけで、なかなか見上げた根性です。
さすがはノーベル平和賞を選ぶ国だけあります。
でも、それってエコミーイズムじゃないかしら。

これを頭に置いて、ノルウェーのEV自動車の普及率をながめてみましょう。

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日経

「【フランクフルト=深尾幸生】ノルウェーの2020年の新車販売(乗用車)で電気自動車(EV)が初めて全体の半分を上回った。ノルウェー道路交通情報評議会(OFV)が5日発表した同年のEV販売台数は19年比27%増の7万6804台で、シェアは54%と12ポイント上昇した。単月では過半に達していたが通年で超えるのは初めてだ」
(日経2021年1月6日)
ノルウェー、EVシェア通年でも過半に 20年54%: 日本経済新聞 (nikkei.com)

販売車上位はアウディのEV「e-tron」、米テスラ「モデル3」、独フォルクスワーゲン(VW)「ID.3」だそうです。
なんと売られている車は半分がEVで、プラグを差して充電するプラグインハイブリッド車(PHV)ののシェア20%を加えると7割以上がEVです。
確かにヨーロッパでは急速なEV化が進行しています。
水色がEV車、オレンジがガソリン車です。

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アゴラ研究所

「欧州においては官民一体でのEVシフトは急激に進んでいる。先月2021年11月のドイツのEV(純電気自動車:BEV、プラグインハイブリッド車:PHEV)のシェアは34%を超えてガソリン車を超えた。これは北欧などの小国を除くと初めてのことだと思う。またその他英国やフランスのEVのシェアも20%を大きく超えてきている」
(黒木照弘2021年12月28日)
欧州、特にドイツにおける電気自動車の急激な普及 | アゴラ 言論プラットフォーム (agora-web.jp)

ちなみに我が国は、ハイブリッド車が37%であるに対して、EV普及率はわずか0.4~1.2%でまったく低調で、いま日本で電気自動車買うのは意識が高い好事家しかいません。

では、ノルウェーはどうしてこんな極端ともいえるEVシフトが可能だったのでしょうか。
キャノングローバル研究所・杉山大志氏『「EV先進国」ノルウェーを支えているのは"北海油田"という矛盾』(20022年2月22日)がその謎を解いてくれています。

EVは実は大変なカネ喰い虫です。だってそうでしょう、急速充電施設だけで気が遠くなるような数が必要です。
EVはこの充電施設がないかぎりただの鉄の箱でとなってしまいます。
これを今のガソリンスタンド以上に全国津々浦々に作らないと、EVは普及しません。
この無理を押して普及させようというのですから、国策としての優遇策を取りました。

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「EVシフトは綺麗事ばかり」電気自動車先進国の「悲惨な現状」とは | MOBY [モビー] (car-moby.jp)

「だがこの背景を探ると、その強引さが目立つ。石油には重い税を掛ける一方で、電気自動車は税の減免を受けている。EVは駐車料金や高速料金も割引されており、バスレーンの利用などの優遇措置も手厚い」
(キャノングローバル研究所・杉山大志氏『「EV先進国」ノルウェーを支えているのは"北海油田"という矛盾』20022年2月22日)
「EV先進国」ノルウェーを支えているのは"北海油田"という矛盾 | キヤノングローバル戦略研究所 (cigs.canon)

EVは取得減税、駐車料金は割引、高速道路を走ってもタダ同然、バスレーンも走りたい放題ですか、スゴイね。

 ●ノルウェイのEV優遇策
  ・購入・輸入時の税金がかからない(1990年~)
 ・ 購入時の25%の付加価値税を免除(2001年~)
 ・道路税(1996年~2021年)の免除。2021年から軽減税率。2022年からは全額課税
   ・有料道路やフェリーの料金が無料(1997- 2017)、フェリー料金は定価の50%以下(2018年~)
 ・ 有料道路の料金は最大で定価の50%(2019年)
 ・ 市営駐車場の無料化(1999年~2017年)、 駐車場料金の上限を定価の50%以下(2018年~)
 ・ バスレーンの利用が可能(2005年~)
 ・ 社用車税を50%減税(2000年~2018年)。軽減率を40%(2018年~)、2022年からは20%に引き下げ
 ・ リースにかかる25%の付加価値税を免除(2015年)
 ・ 電気ワゴン車に変更する際の石油ワゴン車の廃車に対する補償(2018年)

                                                                                                                     (杉山前掲)

ここまでしても、ノルウェイという人口500万人ていどの小国ですら肝心要の急速充電装置が足りないのです。
不足が特に露になるのが、人口が多い都市部です。

「人口が多いノルウェー南部では、EVシフトの悲惨な現実が浮き彫りになっています。ノルウェーの高速道路には多い所で20基以上の急速充電設備が設置されていますが、それでもお盆や正月は、交通量が増えて大規模な充電渋滞が起こります。
充電設備の数はおおよそ日本の20倍ほど設置されていますが、これだけ整備されても一切のストレスなくBEVを使うには不足する様子。充電渋滞は同じくEV先進国である中国でも問題になっています」
「EVシフトは綺麗事ばかり」電気自動車先進国の「悲惨な現状」とは | MOBY [モビー] (car-moby.jp) 

大都市では500万人の国でも急速充電器の前に長蛇の列。
たぶん中国はEVにひとかたならぬ力を国策として投じていますが、あのだだッ広い国でいったいどれだけの急速充電装置が要るのやら。

上海のような2500万都市で、共産党がEVしか認めん、なんてやったら暴動が起きるかもしれません。
わが国でも、たとえば東京都でEV化などしたら、たちまち大渋滞が一斉に起きて都市交通がマヒするでしょう。(小池さんならやりそうなのでコワイ)

普及率が幸いにも低い我が国でも、EV充電器はいつも大混雑です。

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EVスマートブログ

「充電は一般的に30分かかりますので(スポットにより異なります)、1台待ちが出ている場合には平均的に15分待った後、充電を開始しますので、通常は30分で済むところが45分かかることになります」
電気自動車の充電スポットは混雑していて、待たなきゃなんない? - EVsmartブログ

そしてこのEV優遇策が可能だったのは、杉山氏によれば、ズバリ北海油田が生み出す潤沢な収入があったからです。

「そして、このような大盤振る舞いがなぜ可能かというと、北海油田の石油・ガスの輸出から潤沢な収入が得られるからだ。現状では、EVは実力で普及しているのではなく、政策的に強引に導入されているに過ぎない。ノルウェーを見て同じようなことがすぐ日本でもできると思うのは早計である」
(杉山前掲)

つまり急進的なEVシフトには優遇策があって、その財源は原油輸出なのです。
化石燃料を売って脱炭素国家を作る、おお、これを矛盾に感じないのですからさすがと言ってあげましょう。

まぁあたしゃゼッタイにEVなんか買わんね。こんな不完全なインフラしかない未完成な技術のEV買ってどないする。
排気ガス対策を
重ねた、日本のガソリン車は世界でもっとも完成された自動車技術です。

 

 

 

 

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コメント

ハイブリッド車ではトヨタプリウスが25年前に登場し、量産EVなら日産リーフと三菱i-MiEVが世界初だったんですけどね。
政府の購入補助金をつけても狭い日本ですらこんなに普及しない。全然エコじゃ無いし。
EUはお気楽に2000年代にはユーロ5やユーロ6といった最新排ガス規制をしながら最新ディーゼルの素晴らしさを謳ってハイブリッドを排除しようとし、フォルクスワーゲンのディーゼルゲートが起きたら今度はいきなり純EVしか認めないぞ!と。
露骨な利益誘導ですね。
ヨーロッパの本音が出てます。まるでスポーツのルール改変。ヨーロッパ発祥の誇りが高すぎて他圏で台頭した陸上の十種競技の配点を変えたり、スキージャンプの規定変えたりと同じです。

ノルウェーは人口が少ない上にロシアとの国境に近い北極海で海底油田·ガス田があるのでかなり特殊な事例かと思いますが、「自国内」でのCO2排出は無くそうと本気でやってます。水素燃焼仕様でパワーが半分以下になったMAZDAのRX-8を政府が購入したり。
そりゃあカネがある(国民所得と社会保障が高い)国ならではの北欧らしさですが···海底資源を輸出して得た所得で成り立っているのでは、全くの偽善的行為ですね。

 気候変動問題ってのは、効率的に発展途上国に富を移動させるために考えられたWOKEさんたちによる自己満足のための方法論にすぎないと思いますね。記事のノルウェーの例などまさに顕著で、偽善的な印象しかありません。

また、北米では一昨年比で電気自動車は11%減り、ハイブリッド車が65%の伸びを示しているとの事です。
そもそもEV車は環境にやさしいワケではないし、使い勝手も悪い。
さんざん税金を投入してEvあげをしてみたところ、単なる流行で終わりそうな気配が濃厚です。

日本よりやや広い国土で人口は福岡県より少し少ない500万人、少なくとも日本と単純比較は出来ないですね。

COP何回やろうとも、参加者は航空機を利用して行くし、開催地が低緯度地域だったら、会場でもホテルでも車でもエアコン効かせまくりでしょう。
たぶん誰も、所謂「地球温暖化」を、絶対に自分らの手で取り除かねばならない脅威だとは、本気で思っていないのだと思います。
暑い寒いをコントロールして、「死なないor/andより快適に」を求めて文明を享受し、稼いで生活していく。
それは文明を持つヒトが手放せない秩序で、秩序をつくりだせば熱力学第二法則によって、エネルギーを使った分エントロピーが発生します。
そのエントロピーは今だと炭酸ガス問題なわけですが、何をエネルギー源にしたってエントロピーはどこかに発生するのですから、我々ヒトは幸福や満足や快適や我慢をどのくらいで適当適切としていくのかって話。
すぐに全人類のコンセンサスが得られるわけもなく、仕組みを理解して長い時間をかけながら、最適解なり折り合いなりを探して考えて見つけていくしかない話。
そういうことを我々ヒトは、「衣食住が足りている」状態でないと満足にできないのですから、空疎な理想や建前は捨てて、お互いぶっちゃけながら節度ある大喧嘩して見出していくしかないように思いますが、それすらただのの理想か。

 雪国でEV車を購入するなど、車輪付き棺桶を買うようなものです。

脱炭素国の矛盾はその通りですが、資源を使わず売るというスタンスは見上げたものかと。

我が家は昨年新車に買い替えましたが、ガソリン車ですよ。
まだガソリン車でいいーべ、エンジン音が聞きたいしということくらいで、ガソリン車でなけりゃ駄目だという確たる理由などありません。

調べてみると、ガソリン代と電気代を比べれば電気代の方が安い。
エンジンオイルなどの交換も不要で音が静か。
条件が合えば購入の補助金が貰える、税金の減免がある。
電気自動車はメリットの方が多いと思います。
買い物や通勤など街中を乗り回すだけなら電気自動車が有利になるでしょう。

バッテリーは8年くらい保証されるそうですが、交換は90万〜かかる。
5〜6年で買い替えるのがいいかもしれない。

一戸建てなら自宅にコンセント(1〜2万)や充電スタンド(10万〜)を設置すれば、わざわざ充電に出掛けることも無く、電気代も安い。
太陽光パネルが設置の家なら尚更お得です。

集合住宅にお住まい方は、並ばないとなりませんね。
これが集合住宅の多い都市部でなかなか普及が進まない要因か。

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