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2022年12月10日 (土)

カーボンオフセットというダーティトリック

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グレタさんが、去年、COPに噛みつきました。
北部スコットランド・グラスゴー]一刻の猶予も許されない世界の地球温暖化対策の強化と実行を求めるスウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさん(18)が英グラスゴーで開催中の国連気候変枠組み条約第26回締約国会議(COP26)を「失敗」「PRイベント」「グリーンウォッシュ(ごまかし)の祭典」と徹底的にこき下ろした」
(ニューズウィーク2021年11月8日)
https://news.yahoo.co.jp/articles/9c14836f531dc6d6fc964c7a393812378e45265a
グレタさんのあいかわらず「子ども」が大人の社会の不正を告発するというスタイルはいただけませんが、(だって彼女、もう18歳の大人ですからね)、いいところに目をつけました。
 初めてあなたと意見が合いました。
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グレタへの強烈な賛否が映す世代闘争に潜む罠 | 政策 | 東洋経済 

↑怖いよ、グレタさん。

「これはもはや気候会議ではない。北半球の先進国によるグリーンウォッシュの祭典だ。指導者は何もしていない。彼らは自分の利益のために抜け穴を作っている。拘束力のない約束はこれ以上必要ない。COP26が失敗であることは秘密ではない」

いやまったく、よくぞ言った。皮肉ではなく、まったくその通りです。
グレタさんのような過激な環境原理主義者たちが、やっと環境をカネ儲けの手段としか考えていない世界の仕組みに気がついたのはアッパレです。

「グレタさんが攻撃の矛先を向けるのはCOP26最大の争点であるパリ協定6条(排出削減量の国際取引を行う市場メカニズム)のカーボン・オフセット。どうしても避けられない温室効果ガスの排出について、森林保護、クリーンエネルギー事業などの削減活動によって相殺する仕組みである。グレタさんはしかし「公害をまき散らす利益主義者はオフセットを気候変動ゲームにおける『無料で刑務所から出られるカード』と考えている」と糾弾している」(NW前掲)

環境原理主義者の皆さんが、遅まきながらカーボンオフセットというダーティトリックに気がついたのは大進歩でした。
ただしこの政府や企業を敵として告発し始めたことで、グレタさんたちは「純粋な子供世代の告発者」からただの左翼に転落してしまって影響力を喪失するんですが、ま、いいか。

とまれ80年代以降、IPCCの科学者とそのロビイストたちは、地球温暖化によるハルマゲドンのシナリオを持って米国議会を飛び回りました。
いわく「14mの水面上昇が来て南太平洋の島々は沈んでしまう」「北極の氷が溶けてシロクマは絶滅寸前」「巨大ハリケーンが毎年来て海岸沿いには住めなくなるだろう」「毎年気候変動による飢饉が来る」、エトセトラ、エトセトラ・・・。   

そもそも地球が温暖化しているとしても、それとCO2との因果関係は立証されていません。
あくまでも複数存在する原因のひとつであって、CO2削減だけでは地球温暖化は止まらないのです。
ところがCO2削減は、化石燃料撲滅という異常なエネルギー政策に突っ走っていってしまいました。
COPで人類にとって最重要な化石エネルギー源をなくす、という約束を主要国政府がするのですから、もはや異常事態です。
そんな馬鹿な方向に突っ走ったら、その直後にロシアのウクライナ侵略に遭遇して大変な目に合いました。

今後、仮に寒冷化が始まったらいったいどうするつもりだったのでしょう。
火力発電所は放棄してしまってスクラップにしてしまったので動かない、原発は危険だから動かせない、太陽光と風力だけで人類に生き延びろとでもいう積もりだったのでしょうか。
無責任極まる選択でした。

この典型は米国でした。
オバマ政権は、この地球温暖化の火付け役がクリントン民主党政権の副大統領のアル・ゴアだったために、入れ込み方はハンパではありませんでした。
第1期の目玉政策をグリーンニューディールに置き、包括的エネルギー・温暖化法(2008年11月)まで作りました。
おっ、出てきましたね、グリーンニューディールという名の政策が。
そうなんです、今、バイデン(当時オバマの副大統領)がやろうとして、なにもしないうちから挫折しかかっているグリーンニューディールはオバマの二番煎じなのです。
元祖グリーンニューディールは、09年1月に始まりました。
政府施設から先行して省エネを実施し、風力や太陽光、バイエタなどの再生可能エネルギー(再エネ)を倍増させて、約50万人の雇用を増大すると表明しました。 
また7870億ドル(約72兆円)にのぼる米国史上最大の景気対策のうちから、年間150億ドル(約1兆4000億)円を投資すると宣言しました。
オバマの目論見では、経済と環境の同時解決という画期的な政策になったはずでした。

ただしこのオバマのグリーンニューディールが始まった2009年は福島事故の2年前で、原発はCO2削減の切り札とオバマ自身は考えていたようです。
ここが第1次グリーンニューディールと、今のものとの大きな違いです。

では、CO2は削減されたのでしょうか?
いえ、世界のCO2は増加に歯止めがかかりません。

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唯一落ち込んでみえるのは、リーマンショックで経済活動が低迷した時期だけです。
去年のコロナの時期も減りました。
理由は簡単。経済が半身不随だったからで、人類の大きな不幸が来ると、CO2は削減されるのです。
中国の空がキレイだったのはコロナの時だけだったでしょう。
中国が削減されなければ、世界のCO2排出量は変わりません。

では国別のCO2排出の増減を見てみましょう。

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見にくくて恐縮ですが、米国は下から3番目位にある赤い線で、たしかにマイナス5%ほど減ってはいます。
日本も健気にマイナス8%削減しています。
ただし新興国はあいかわらず出しまくっていて、中国と並んで世界のCO2排出量を押し上げる大きな原因となっています。

「世界全体の二酸化炭素放出量は、2000年〜2005年の期間の年平均で72億トンと推計されており、1980年代の54億トン、1990年代の64億トンに比べて、明確に増加してきている。国別には米国の排出量が最も多く、中国、ロシア、日本がこれに続いているが、近年の動向をみると欧州地域の排出増加が抑制されているのに対して、アジアを中心とした発展途上諸国の排出量の増加が著しい。ただし、発展途上諸国の一人当たり排出量は先進諸国に比べてまだかなり小さく、所得格差と同様に大きな南北ギャップがある」
(資源エネルギー庁2020年8月14日)
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/co2_sokutei.html

この国別のCO2排出量は、「生産ベースCO2排出」と呼ばれる推計を用いて測られています。
私たち一般ピープルは上のようなグラフを見せられると、直接に計測装置を使って大気中のCO2を測定していると思いがちですが、そうではありません。
経済統計上のガソリン・電気・ガスなどの使用量といった活動量に、排出係数をかけ算して求められています。

これにはトリックが隠されています。
この消費国ベースでCO2排出を推計すると、実情よりも過剰に先進国は減少傾向・新興国は増加傾向と出てしまうのです。
なぜなら、先進国は経済活動が盛んですからエネルギー消費も盛んなのに対して、実際に先進国に多くの輸出品を出しているのは新興国だからです。
これら発展途上国は、多くの老朽化した石炭火力発電を使い、運搬手段も排気ガス規制などない国がほとんどのために、CO2排出は著しい増加傾向にあります。

ですから地球温暖化を少なく見せるには、CO2排出量の「付け替え」をすればよいのです。
CO2が多く出そうなモノは発展途上国で作り、先進国は輸入するだけにすれば、先進国は排出量が減ったようにカウントされます。
これがガラガラポンでCO2が減るというカーボン・オフセットとか炭素会計などの手品です。
あるいは、実際に減らさなくても他国からCO2排出枠を買うという排出権枠売買すら認められています。
その規模たるや毎年4兆ドル。
こんなにおいしい物件にソロスなどの投資家が食いつかないはずはありません。
いまやCOPとは、なんのことはない温室効果ガスをみんなでごまかす技術の品評会と化してしまいました。

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米国オバマ大統領の「グリーン・ニューディール」とは何か

話をオバマのグリーンニューディールに戻しましょう。
結局、このオバマのグリーンニューディールで判ったことは、いくら政府が再エネの太鼓を叩いても景気の回復にも雇用の増大にもつながらなかったという事実です。
それはそうです、太陽光ハネルはほぼ100%メイドインチャイナですからね。
そして外資がメガソーラーや風力発電施設を買収して、遠慮なくカネ儲けに走りました。
単に国富が外国に流出しただけだったのです。

もちろん雇用は生まれず、むしろ失業率が上昇しました。
下図は米国の失業率推移を見たものですが、オバマがグリーンニューディールを始めた2008年(グラフ右端から5番目)から失業率はむしろ急増しています。

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失業率が戦後最悪の水準に(アメリカ:2020年5月)|労働政策研究

そもそも、太陽光発電や風力発電施設など、一度作ってしまったらなんの雇用も生まず、むしろ環境公害を生む地域のやっかい者と化しています。
儲かるのは投資家だけです。
それが分かってオバマは2期目はシェーガス革命の成功を大宣伝した影で、ひっそりとグリーンニューディーを止めてしまいます。

しかし、いったん行政化されたものは簡単にはなくなりません。
フェードしないものがありました。そのひとつがバイエタ(バイオエタノール)です。
このバイエタを制度化したのはオバマではなくブュシュ(息子)でした。
2007年に始まったバイエタ政策により、バイエタ生産を当時の50億ガロンから一挙に7倍の350億ガロンに生産拡大しました。
下図のバイエタ生産量推移グラフで、米国(紫色)は2007年から一気に急上昇しているのがわかります。

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この目標に掲げた350億ガロンのバイエタを製造するためには実に122億ブッシェルものトウモロコシが必要となり、今の米国で生産されるトウモロコシ全量をバイエタに回してもまだ足りない馬鹿げた数字でした。
にもかかわらず、このバイエタ政策が単なる努力目標値や期待値ではなく、法的に再生可能燃料基準(RFS)として義務づけられたためにバイエタには多額の投資資金が流入し、今やトウモロコシを作ることは食糧生産ではなくバイエタ生産であるかのような倒錯した構図が生れてしまいました。
バイエタは、作れば作っただけ再生可能燃料基準法で使用されるのが確実なために消滅するどころか、かえって増大していきました。

ゴアが種を蒔き、ブシュが地ならしし、オバマが育てたのがバイエタだったのです。バイエタは狂ったように穀物を食い散らしたのです。
全米で生産されるトウモロコシの相当部分は、資料や人の食用に回るのではなく、皆燃やされて車のガスに消えていったのですから、罰が当たります。
しかも、これで二酸化炭素が現実になくなるわけではなく、単に穀物の生育期の二酸化炭素消費とゼロサムになるだけ、つまりは単なる数字操作だというのですらから呆れたものです。 

バイエタが盛んなブラジルでは熱帯雨林を伐採して、「地球に優しい」バイエタ農産物を作っています。 
ヨーロッパでは菜種が燃やされています。
かくして、本来は人間や家畜の口に入るべき穀物は燃料として燃やされてしまった結果、多くの人々が飢え、数千万人が貧困に逆戻りしました。 

これがグリーンウォシュ、というかグリーンロンダリングです。
グレタさんがこの炭素会計の嘘に気がついたのはよかったのですが、ここで悪どい儲けをしている連中こそがあなたのスポンサーだということをお忘れなく。

 

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コメント

英国スゲェな!
日本·イタリアと共にかなり頑張ってる国がF-X共同開発ですか。。ユーロファイターでもイタリア担当尾翼部材に問題続出したので「混ぜるな危険」臭がしますが···そこは日本がしっかりチェックしないとね。
エンジンはIHIなのか実績のR&Rか気になります。

そして、排出量計算の欺瞞もねえ。
まず石炭だって日本の最新の超臨界水型に排熱利用までやればLNG発電と大してCO2排出量は変わらんのですよ。さらにアンモニア混焼って奥の手もあるし。

まず、「地球は温暖化している」という今や何かに付けて枕詞なのを疑うことが必要なのと、もし温暖化しているとしてCO2排出による影響はどの程度で、他の要因はどれだけあるのか?ちゃんと分けて考えるべきです。

 所詮国際環境問題なんて欧州シロケダモノの胸先三寸、ご都合三寸で決まる訳でも無し、ここはさやか嬢が自国でしてからでも遅くは無いんでしょ。

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