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2023年1月12日 (木)

米軍と共に尖閣・離島を守る時代へ

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海兵隊のシフトが大きく変化します。
ひと言でいえば、いままで中東やアフガンに展開することに最適化された戦力配備から、中国との軍事衝突を真正面に据えた配備に転換します。
そしてその配備の場所は沖縄と奄美です。

なんだ、いまでもいるじゃん、奄美が増えただけじゃないかと思われないように。
同じ駐屯でも、今はアフリカ東海岸以東の中東、アフガンに投入するための前進拠点でした。
ですから、第3海兵師団でキャンプシュワブに駐屯しているのはその3分の1程度で、過半数は常に外国に出張っていたのです。
その意味で、よく共産党が「海兵隊は沖縄を守るためにいるんじゃない」という言い方は部分的に当たっていないこともなかったのです。
ただし沖縄に米軍陸上部隊がいるというその存在感によって、中国は手が出せなかったのです。

米国は沖縄の地政学的重要性はよく理解していたものの、オバマ時代まで離島や尖閣についての認識が欠落していました。
ですから尖閣防衛について、米国はハッキリ言えば無関心で、お義理で日米安保条約第5条の範囲だとリップサービスはするものの、本心は「米国は固有の領土問題には干渉しない。だから尖閣問題に巻き込まれたくはない」と考えていたのです。

いまやこの考えは大きく変換しました。
沖縄とその離島、奄美、そして尖閣は、中国の軍事膨張を食い止めるための最前線であるという認識にやっと米国も辿りついたようです

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読売

それが今回の海兵隊大改革です。
今までのように本島にだけいるのではなく、奄美や離島にも配備され、直接に島の防衛に当たるようになります。
これは大きい。
従来、沖縄には反米知事と反戦団体の反対によって、自衛隊の配備は有効に阻止されてきました。
結果、中国の侵略を真正面に受けている地域であるにもかかわらず、自衛隊の師団は置かれずに小規模の第13旅団しか配備されていません。
これで米軍がいなければ、手もなく侵略を許していたはずです。

ところで後述しますが、この構想は既に2年前に「フォースデザイン2030」に述べられており、その実施時期が2025年と明確になったわけです。
CMC38 Force Design 2030 Report Phase I and II.pdf (marines.mil)

「米政府は、沖縄県に駐留する米海兵隊を2025年度までに改編し、離島有事に即応する「海兵沿岸連隊(MLR)」を創設する方針を固め、日本政府に伝えた。強引な海洋進出を続ける中国への抑止力と対処力を高める狙いがある。11日に米ワシントンで開く日米安全保障協議委員会(2プラス2)で創設を打ち出す方向で調整している。
複数の日米両政府関係者が明らかにした。アフガニスタン戦争などの対テロ戦が本格化した00年代以降、海兵隊は大規模な地上戦に備えて戦車や大砲などの重火器部隊を増強してきた。しかし、近年は中国が東・南シナ海で軍事活動を活発化させていることを受け、島しょ部での戦いに対応できる体制構築を急いでいる。MLRはこの中核を担う機動部隊で、長射程の対艦ミサイルや防空機能を備えることになる」
(読売2023年1月10 日)
米が沖縄に「離島即応部隊」創設へ…海兵隊を25年度までに改編、対中抑止力を強化 (fmworld.net)

今回の海兵隊のシフトは、海兵隊史上空前の大再編です。
従来彼らに与えられていたFirst to Fight(最初に戦う)という突撃隊的な性格から、長距離対艦ミサイルと対空ミサイルを装備した小規模な部隊に分散して中国の正面となる離島で戦うイメージに変更になります。

「バーガー司令官は「戦力デザイン2030」の中で「18年策定の国家防衛戦略は、海兵隊が中東での過激派対策からインド太平洋における大国間競争に任務をシフトするよう求めた」と説明。「内陸から沿岸、対テロ組織から同格の競合国。このような任務の根本的変化は海兵隊の組織や訓練、装備に大幅な変革を必要とする」と強調した」
(時事2020年7月25日)

 戦車全廃、内陸から沿岸部隊へ 中国にらみ変貌―米海兵隊 )

いままでの海兵隊のイメージは、映画『アバター』に出てくるような巨大な上陸用艦船に乗り込んだ荒くれ男たちが、雄叫びを上げて突っ込んでくる、というイメージでしたが、今回はむしろ守る側のネイティブに近いかんじに変化します。
つまり従来の海兵隊の名称の「MEU海兵遠征群」はなくなり、からMLR海兵沿岸連隊(Marine Littoral Regiment:MLR)への転換は既に始まっているのです

「MLRは1800~2000人規模とみられ、長距離対艦ミサイルや対空ミサイルを装備する。有事の際には島しょ部に分散展開し、陸上から中国軍艦艇を攻撃して中国軍の活動を阻害。米海軍による制海権確保を支援するのが主な任務となる。
海兵隊の構想によると、沖縄を拠点とする第3海兵遠征軍傘下の海兵連隊を軸に再編成を行い、MLR3隊を創設する。バーガー総司令官は、既にハワイでは1隊目の編成が始まっており、沖縄とグアムに設置予定の残る2隊についても「27年までに完全な運用体制が整う見通しだ」と明言した」

(読売前掲)

ちょっと驚かされたのは、重くてかさばる装備をあっさりと捨ててしまったことです。
伝統的な重装備であるM-1A1戦車は全廃され、マリーンの象徴的装備だったAAV-7両用強襲車と後継装備は大幅に縮小され、いまウクライナで気を吐いているM-777榴弾砲さえ縮小の対象になります。
オスプレイは縮小ないしは廃止されるので、普天間の代替であったはずのが返野古に飛行場ができる頃には、とうにオスプレイそのものがいなくなる可能性もでてきました。
といっても、有事の増援部隊を受け入れるスペースが返野古にはないので、簡単になくなすわけにはいかないようですが。

M777の代替になるのは、遥かに射程が長いNSM(海軍打撃ミサイル)です。
索敵用にはドローンを考えているようです。

まるで空母のような強襲揚陸艦もマリーンの象徴的装備でしたが、これも海兵隊が敵前上陸するという思想自体が変化して、敵に先んじて部隊を揚陸させる発想に変わったために、海兵沿岸連隊の輸送用として満載排水量は最大4000tていどの小型輸送船に変わるようです。

MLRは、沿岸や離島での戦闘に特化した部隊で1800~2000人ほどの規模を予定しています。
連隊は3つの部隊で構成される。

・沿岸戦闘チーム(LCT)
・沿岸対空大隊
・沿岸兵站大隊

この中で重要なのは沿岸戦闘チームです。
LCTは長距離対艦ミサイル部隊と歩兵大隊を中心に編成されています。
実はこのLCTは、いま自衛隊が奄美、石垣、宮古に展開している対艦ミサイル部隊と相互補完する部隊です。

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沖縄本島にミサイル部隊/地対艦 攻撃対象になる危険 (jcp.or.jp)

南西諸島では、地対艦ミサイル部隊は地対空ミサイル部隊とともに、2019年に奄美(鹿児島県)、宮古島(沖縄県)両駐屯地に配備済み。新編される石垣駐屯地(約570人)に22年度中、勝連分屯地には23年度中に追加配備されます。
この海兵隊のMLR構想自体が、自衛隊の対艦ミサイル部隊展開構想に影響されたものです。

 MLRは1800~2000人規模とみられ、長距離対艦ミサイルや対空ミサイルを装備する。有事の際には島しょ部に分散展開し、陸上から中国軍艦艇を攻撃して中国軍の活動を阻害。米海軍による制海権確保を支援するのが主な任務となる。
 バーガー総司令官は、自衛隊が水陸両用車や輸送機オスプレイ、最新鋭ステルス戦闘機F35など相互運用性のある装備を保有していると指摘。「(海兵隊と)完全に補完し合う関係だ」と強調し、南西諸島での自衛隊との合同演習にも意欲を見せた」
 (時事前掲)

自衛隊も海兵隊の再編に歩調を合わせて、陸自を那覇市の第15旅団(約2200人)を3000人前後の師団に格上げすることを決めるなど、強化を急いでいます。
決まってはいませんが、水陸機動団も分遣隊を本島に置くかもしれません。
なお、米海兵隊はスリム化するので、むしろ在沖米軍の兵員数は縮小されるはずです。

とまぁ、かつて尖閣を米国が守るといっているが信じられないと、口角泡を飛ばしていたのが嘘のような変化ではあります。
沖縄とその離島、奄美、尖閣は米軍と共に防衛する時代に入ったのです。
とはいえ、沖縄と離島・尖閣を守るのはあくまでもわが国であって、米軍は自国を守らないような国とは共に戦いませんので、念のため。

 

 

 

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コメント

架空戦記モノでは大体が「米軍は関与しない」から始まり、迫り来る(あるいは既に占領を開始した)中国軍に自力でいかに抗うかを描くのが定石でしたが、現実が創作を追い越し始めましたね。

この期に及んでウチの知事の危機感のなさと言ったら…
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/20230112/5090021530.html

日本有事と急がれる改憲、大変恐縮に存じますがどうかこの危機を皆様に知って頂きたいです

日本存亡に関わる台湾有事危機が高まる中、
敵国が望む改憲阻止の為、中韓と連携し野党メディアが倒閣へ扇動をかける状況にどうか気付いて頂きたいです(09年は扇動が成功)

国防妨害一色の、メディアが全力で守る野党は、北と韓国政府から資金投入の朝鮮総連、殺人の革マル等反社勢との連携、大炎上中のcolabo等は一切報じぬ裏で、

中朝は核の標準を日本に向け、侵略虐殺を拡げる現在、日本の尖閣に侵犯を激化する中、改憲せず攻撃力を持たずの現防衛力では、

多くの日本人を銃殺した韓国の竹島不法占拠、北の日本人拉致、中国の尖閣侵犯にも、9条により日本は国を守る為の手出しが何一つ出来ない事が示しています。

中韓の間接侵略は、野党が法制化を目指す外国人参政権や日本人のみ弾圧対象ヘイトスピーチ法、維新道州制等、多様性と言う"中韓の声反映"に進んでおり、

野党メディアが09年再現へ世論誘導をかける今、中韓浸透工作は最終段階である事、
日本でウクライナの悲劇を生まぬ為、一人でも多くの方に目覚めて頂きたいと切に思い貼らせて頂きます。
https://pachitou.com/2021/10/29
長文、大変申し訳ありません。

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