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2023年1月28日 (土)

西側各国、一斉に戦車の供与を表明

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山路さん、おかえりなさい!
もうお体はよろしいのでしょうか。お待ちしていました。

さて、ウクライナはいま耐えている状況です。
このウクライナの戦況悪化を受けて、西側各国は最新鋭の戦車の供与を決めました。
単に戦車という装備の供与にとどまらず、核の恫喝にもめげず、西側が結束した意味は大きいでしょう。
おそらくウクライナ戦後についての復興や、ロシア処分、新たな国際的枠組みについて構想が練られる時期に入っているはずです。

ところで森元首相が「こんなにウクライナに力を入れてしまって良いのか。ロシアが負けることは、まず考えられない 」などと放言していたようですが、この男がどう思おうと、プーチンが勝利する可能性は限りなくゼロです。

そもそも「ロシアが勝つ」とは、どういう意味なのでしょうか。
よもやウクライナ全土を征服する、なんて言うンじゃないでしょうね。
再度のキーウ攻撃さえ不可能なのに、広大な西部をどう落とすというのか、森氏にお聞きしたいものです。
百歩譲って、キーウが陥落してゼレンスキーが俘虜になったとしても、西部地域のパルチザンは戦いつづけるはずです。
元々西部のほうがナショナリズムが強いのですから、ロシアは先の見えない泥沼にズッポリと首まで漬かることになります。
いまでも通常戦力の大部分を注ぎ込んでこの体たらくなのに、全土制圧など夢のまた夢です。

それよりもプーチン自身の首を心配したほうがよい。
どこをもって「勝つ」というのか、メドも考えずに戦争を始めたプーチンが愚かなのです。
全体のイメージがないから、今になって終わるに終われない。
こんなことをやっていると、自分が内部の反対派に倒されますよ。

一方ウクライナのほうの「勝つ」イメージは明確です。
2022年2月24日、つまり侵攻前の線までロシア軍を追い込むことです。
あるいは余力があれば、2014年2月23日の時点の本来の国境線を回復することです。
(今気がつきましたが、2022年と2014年は同じ日ですね。ゲン担ぎでもしたのでしょうか)

もはやロシアが勝つ勝たないなどと議論する時期ではなく、どこまでこの地獄をウクライナ国民に味合わせておくのか、いかに早く終結させるか、という時間の問題です。
だから1日も早く終結させるために、西側は戦車という切り札を出したわけです。

「CNN) ドイツは自国の在庫からウクライナに戦車を供与すると発表し、他国からウクライナへの再輸出も承認する方針を明らかにした。ウクライナのクレバ外相はドイツ製の戦車「レオパルト2」を保有する国に対し、「可能な限り多く」の供与を求めている。
ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は先週、CNNの取材に「こうした戦車300~400両」が必要だと説明。これだけの数があれば「戦争のテンポを急加速させ、終盤戦を開始」できると述べていた。
CNNは供与されるレオパルト2戦車の総数を確認できていないが、少なくとも5カ国が供与を約束していることから、ウクライナ軍は数十両を受け取る可能性が高い」
(CNN2023年1月26日)
ウクライナ、レオパルト2を数十両受領へ 各国の約束まとめ - CNN.co.jp

米国も遅ればせながら、M1エイブラムス戦車を31両供与するようです。

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ウクライナフォーラム

「バイデン氏は、「今日、私は、米国がウクライナの1個大隊に相当する31両の戦車エイブラムスを同国に送ることを発表する」と発言した。
同氏はまた、本件はオースティン国防長官の勧告に従って決めたことだと伝えた。
さらに同氏は、「戦車エイブラムスは、世界で最も強力な戦車であり、使用し、サービスを施すのが極めて複雑なものだ。そのため、私たちは、ウクライナに対して、その戦車を戦場で効果的にサポートする上で不可欠な部品と機材も提供する」と発言した。
同氏はまた、米国はウクライナ軍人のエイブラムス運用訓練を開始すると発言した」
(ウクライナフォーラム1月25日)
バイデン米大統領、ウクライナへの31両の主力戦車エイブラムス提供を発表 (ukrinform.jp) 

31両ですか。整備部品と乗員訓練までセットでやるのはさすがですが、一説によれば、米軍部隊からの抽出ではなく、アプグレイド改造中を回すということで、となると夏以降になってしまいます。
遅い、今いるのです。

そもそも、ここでウクライナが構えようとしている春季のガチンコ勝負にたった31両では屁の突っ張りのようなものです。
一桁少ない、バイデン300両くらい供与せんかい。

さて、現時点での各国の戦車の支援は、CNNなどによれば以下です。

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レオパルト戦車

ドイツ      ・・・レオパルト2を14両提供。なお増やす予定。
・ポーランド・・・1個中隊規模の戦車を送る。なお1個戦車中隊は通常10~14両のレオパルト2で構成される。
オランダ  ・・・ドイツからリースしている18両のレオパルト2を購入し、ウクライナに送る予定。レオパルト2A6×18輌。
ノルウェー・・・レオパルト2を4~8両を供与する可能性。
・スペイン  ・・・自国の保有するレオパルト2A4を供与。数量未定。決定できないとしている。
ポルトガル・・・用意があるが数量不明。
・フィンランド・・レオパルト2A4NO×8輌。 
・ノルウェー・・・同上
・フランス・・・フランスの主力戦車ルクレールの供与を「排除しない」。
・英国     ・・・ 主力戦車のチャレンジャーを12両提供。
・イタリア・・・不明。
・米国・・・M1エイブラムスを31両。時期不明。エイブラムス牽引用戦術車輌8両と120mm砲弾の弾薬、訓練、メンテナンス、これを維持するための資金。

とまれ、ドイツが各国のレオパルド供与を事実上阻んでいたことが、やっと撤回されたわけです。
かくしてドイツの重い腰が上がったために、やっとレオパルト戦車の供与が開始されたわけです。
しかしかんじんの製造元のドイツは、メルケル軍縮でボロボロになっており、供与するのは新しいものから出すと言っていても、整備に3カ月はかかるとのことです。
累計生産台数は3500両余り、その大部分を輸出商品としてきたドイツ自身の足元はグニャグニャだったようです。

この調子では、たぶん春の終わり頃でしょうか。

ここまで他国に輸出したレオパルトについてさえ供与を許可しなかったのは、彼らはこのウクライナ戦争にかつての独ソ戦の悪夢を思い出してしまったからのようです。
ドイツが作った戦車を供与してしまえば、ロシアは永久にドイツを恨むだろう、ひょっとして核の報復もするかもしれない、おーブルブル、というわけです。
だから、シュルツは執拗に米国も共に戦車を供与することを、レオパルトの供与許可の条件にしたのです。
赤信号みんなで渡ればこわくない。

とまれ、これで、「欧州の同盟国はレオパルト2をウクライナに提供して40輌で構成された戦車大隊を2つ編成する予定だ」(シュピーゲル)とと述べているように、ウクライナ軍はレオパルト2だけで2個大隊80輌以上になると思われます。

ウクライナは、当初からレオパルト2を名指しで供与の要請をしていました。
それはレオパルト2はなんといっても、西側陣営で最も優れた戦車の1つというだけではなく、もっとも広く使用されている戦車の1つだからです。

現在、カナダ、デンマーク、フィンランド、オランダ、ノルウェー、オーストリア、ポーランド、スペイン、スウェーデン、トルコなど20カ国ほどで運用されているために、部隊からの抽出が可能であり、保有在庫の一部をウクライナ支援に回すことが可能だからです。

また、単一のモデルを大量に運用すれば、ウクライナにとっては乗員の訓練や整備部品、弾薬などの保守管理が容易になります。 

その他、エイブラムスとチャレンジャーで43両。
合わせて、123両ていどの戦力になるかもしれません。

この春からと予想されているウクライナとロシアの雌雄を決する戦いは、第2次大戦型になるかもしれません。
この戦争は、サイパー攻撃、ドローン、ジャンベリン、ハイマースという最新技術の戦争となる一方、いったん膠着状態に入れば塹壕を巡っての戦いというまるで第1次大戦の西部戦線のような様相も見せていました。

しかし最終的には占領地を奪還し、歩兵が制圧する必要があり、ここにおいて再び第2次大戦型の戦闘が起きようとしています。
そのために必要な装備は、まずは戦車であり、大砲です。

日本も他人ごとのよう見ていないで、90式をヨーロッパ各国並に提供したらどうですか。
といっても、現実には日建が作っている地雷除去機になるでしょう。
1月24日、ウクライナ非常事態庁の職員が、山梨県を訪れ、日建が製造している地雷除去機を視察しました。
視察をした職員は「ウクライナでは多くの場所に地雷が仕掛けられているので、60機ほど必要だと考えている」と語り、除去機に乗って実際に操作をするなどの技術体験を行ったそうです。
日建は、1995年から地雷除去のプロジェクトに取り組んできており、製造した地雷除去機は、これまでにカンボジアなど世界11ヵ国で活躍しているといいます。

岸田さん、どうせあなたに戦車の供与など言う度胸はないだろうから、せめてこの地雷除去機の緊急、かつ大量供与を、すぐにキーウに行って表明していらっしゃい。
そもそもヨーロッパのときになぜウクライナに行かなかったんでしょうか。
息子遊ばせるために行ってるんじゃないゾ。

いちばんためらっていたドイツでさえ腹を括りました。
日本は森氏のような、「ウクライナに肩入れしすぎれば日ロ関係が崩壊しかねない」などという古い認識を改めることです。
この戦争がいかなる形にになろうとも、元の関係には戻りません。
いままでのような北方領土交渉は二度とないのです。
そこをわからずに、連綿と過去の自分とプーチンの仲を回顧しているとは見上げた馬鹿者です。
その意味で、とっくに森氏が描く日露関係もまた破綻しているのです。

 

 

 

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マリウポリ市民数千人、ロシアに「連行された」 ウクライナが非難 - BBCニュース

ウクライナに平和と独立を

 

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コメント

山路さんオカエリナサト!

まずはしっかり養生して下さいね。そちらはまず暖かくて身体はゆっくり出来るのが羨ましいという、雪は少ないけれども近年に無かった大寒波で大変な山形です。北海道や岩手内陸並みには冷えない地域ですけど、外の水道には止水栓付いてて、室内への水道管には電熱器まで入れてるのにマジで2日連続で凍結してます!それも一昨日は給湯管が凍ってボイラーからのお湯がキッチンまでは通水したけど配管先の風呂場はダメ。シャワー使えず。
逆に今朝はお湯の配管凍結対策で夜中に何度か通水したけど、まさかの普通の水道管が凍ったというね。。
電気代と灯油代とLPG代が跳ね上がってますわ。この時期だけは毎年「沖縄って本当に羨ましい!」と。

で、戦車です。
ドイツはアメリカとの政治交渉で「アメリカもやるなら」という大義名分を受けてレオパルド2を14輌供出。レオパルドは主にEU各国に輸出されたけれども、ドイツ陸軍はメルケルババァの軍縮で酷い状態。現在の定数が140輌ほどで、実働してるのが60輌程度なので、14出すでも大変というかつての面影すらない戦車大国。。
各国からウクライナにかき集めるにしても絶対数が足りませんね。英米と合同の情報戦とそれでどこに投入するのか?ウクライナ軍の手腕次第ですが。。陸戦兵器なんてものは基本的に数揃えてナンボのものですから。。

アメリカが送るエイブラムス2は、既に生産ラインが閉じているのでアップデートして使い回すサイクルの中で海兵隊で廃止される分をウクライナに回すようです。
あと、記事には無いけどカナダもエイブラムスを供与···4輌って、アメリカに付き合わされただけだな!
エイブラムスはガスタービンで燃費悪いし整備も独特なので兵站負荷が大変です。アメリカならではの装備なんですけど(エジプトがかなり持ってるが)、そこはアメリカが面倒を見るようで。。
その辺もウクライナが「レオパルド2をくれ!」と要求した塩梅ですな。

日本ならレオパルド2と全く同じラインメタル120ミリ滑高砲を持つ90式戦車があるんですけどね。流石に輸出は出来ないので。

お隣の「いつも被害者面な先進国」はポーランドやノルウェーに戦車や自走砲を売りまくる「死の商人」になってるんですけど、左寄りの方々は誰も突っ込まないのね。K9なんて延坪島砲撃事件でマトモに動かなかったけど、ちゃんと維持整備さえすればNATO標準規格の格安兵器という判断がされたのか?


山路さん、おかえりなさい!
台湾や尖閣のあたりが嫌な感じですから冷や冷やですよね。
韓国軍なんて当てになりませんしねー。


森喜朗の発言、酷いもんです。
鈴木宗男もそうですが、自分達が今までロシア相手に動いてきたことを否定されたくないのでしょう。
時代や時局を読めず頭が固くなり考えを切り替えることが出来ない、老害と言われても仕方がない。

ドイツの市民のインタビューなどをみたら戦車供与否定派がそれなりに存在しています。
これは親ロシア的な人なのか、大戦後の平和教育の賜物なのかもしれません、日本でも何かしら武器を供与するとしたらマスコミを始め色々な連中が大反対することでしょう。
この辺を振り切って供与する決断をしたことは大きく評価できます。
供与が始まれば各国からレオパルド2が続々と集まる気もします。
山形さんもおっしゃってますが、アメリカのエイブラムスはどうなんだろう、燃費リッター600mでしたでしょうか、メンテナンスも複雑ときてるし、補給も混乱しそうで、んー。
ブラッドレーとの相性はいいのかな。

今ロシア軍はバクムット方面に守備側のウクライナ軍の5倍の兵力を投入して猛攻してます。
突撃の連続で1日に大隊一つ分のロシア兵が無力化され、ウクライナ軍も弾薬が枯渇し疲労困憊との話です。
多勢に無勢、そろそろ後方へ撤退するようでしょう。
これで味を占めたロシア軍は他の場所でも人海戦術よろしくで昼夜通しての突撃作戦の嵐になるやも知れずです。
囚人兵5万人が1万人に減ったとの話もあり、命の儚いこと。
ロシアは大義もなく損害に見合う戦果もなく不毛な戦いは続く。

早く終結することを祈ります。

戦車供与、政治的象徴でなくちゃんと使うなら弾や燃料が共通でロジが確立しやすく、訓練込みで提供できる体制が望ましいそうですね。
日本の地雷除去の技術と経験値は進軍時の地雷撤去のみならず、そこにまた人が住み耕作が可能になるまでやり切った知見があるとのこと。急いで始め、長い期間かけて支援することを望みます。
山路さんお元気になられて何よりです!
記事の復活も心待ちにしております!

 皆様、ありがとうございます。
まだまだ腰の付近に痛みがとれず難儀しておりますが、自宅に帰れた幸せをかみしめております。いや、自らを「若いもの」と固く信じていましたが、全くの間違いでした。もう、無理は禁物ですね。(笑)

ロシアの勝利はすでになく、プーチンにとって「落としどころ」を探る展開になっている事に変わりないものと考えます。
300両の戦車の必要との事は、新たな作戦遂行のためのもの。おそらく多くてもその三分の一程度の調達しか可能性がなく、しかし他にも装甲戦闘車両の供与もあるので、どこまでやれるかハラハラです。
岸田さんは一刻も早くウクライナに訪問すべきで、記事中の地雷除去器だけでなく、連帯を示す声明もちゃんとすべきです。
そして、少しは男を上げて帰って来てもらいたいものです。

すみません完全に乗り遅れました。
山路さんご退院おめでとうございます。
このところ冷えてますね。
先日夜半に窓を軽めのノックで5回連打されて不思議に思うものの、酔ってるしなぁとそのままにしていたら、しっかり動画に撮ってアップした方があり、新聞記事にも。「氷あられ」らしいといいます。
宮古島の浜では魚類・甲殻類が仮死状態になっていたそうですね。
堪える寒さですので引き続きご自愛くださいませ。
そして管理人さんや県外の皆様、沖縄でこれですので、さぞかし冷えていることと思います。皆さまもどうぞ暖かくなさってくださりませ。

ウクライナから帰国して、「世界情勢を知らない者達が巣食うから日本は遅れを取るのだ」と発信したデヴィ夫人にまで粘着する親ロシア勢の人たち。
その「世界情勢を知らない者達」が新聞・テレビでもネット上でも間違いや偽情報を流し、それを撃破する日々の東野先生や稲葉のよっちゃんさんやJSFさん etc.
EUがウクライナへの7回目の支援で5億ユーロ(710億円)の追加を決め、スイスは自国製武器のウクライナ輸出を禁じる法律に、地雷除去用の装備品供与とその利用に関して例外を設けることを決めたといいます。
岸田首相本人の希望がどうあれ、上から下まで関わる官僚それぞれの実力と胸中がどうであれ、諸々段取りを完璧にして行動予定が知られた上でしか組み立てられない現状の我が国には、電撃訪問など夢のまた夢か。

今さら変換選択ミス発見。
Twitterアカウント「稲葉のよっちゃん」さん、ではなくもちろん、「因幡のよっちゃん」さん、です。
ご覧の皆様と稲葉義泰氏にお詫びして訂正します。失礼いたしました。

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