ユンさん、レーダー照射事件は終わっていませんよ
ユン・ソクヨル大統領は失念されているかもしれないようなので、老婆心ながらひとこと。
自称「徴用工」訴訟だけが日韓の間に刺さったトゲではありませんので、お忘れなきように。
現在、現在日韓は防衛当局間のテーブルが存在しない状況です。
なぜでしょうか。
それは韓国海軍が海自に準同盟国とは思えない狼藉を働いたからです。
海自は、この韓国海軍のレーダー照射事件を、明白な軍事威嚇行為とみなしており、その原因究明と再発防止が徹底されないかぎり、同じテーブルに座るつもりがないのです。
海自は、この問題で韓国が一札を入れない限り防衛当局者間の関係回復はありえないと言っています。
「海上自衛隊トップの酒井良海上幕僚長は15日の記者会見で、平成30年12月に起きた韓国海軍駆逐艦による海自哨戒機へのレーダー照射問題に関し「ボールは韓国側にあると認識している。今後、韓国側から整理された回答があると認識している」と述べた。
酒井氏は、レーダー照射問題と韓国による自衛艦旗(旭日旗)の不当な排斥を日韓の防衛当局間の問題として挙げた上で「2つの問題が明確にされない限りは防衛交流を推進する状況ではない」と強調した」
(産経2022年11月15日)
海上幕僚長「ボールは韓国側に」 レーダー照射問題 - 産経ニュース (sankei.com)
韓国側はとぼけきる気のようですが、レーダー照射事件の原因究明が絶対に必要だということは、ユンが大統領就任前に訪日した政策協議団に対して岸信夫防衛相が直接に伝達しています。
また、6月にシンガポールで行われた「シャングリラ会合」の日米韓防衛相会議の席上、岸防衛相はイ・ジョンソプ国防長官(当時)と目も合わせなかったと伝えられています。
シャングリラ対話で韓国と距離置いた日本、自国でも懸念の声 : 日本•国際 : hankyoreh japan (hani.co.kr)
日本人がここまでするというのは珍しいことです。
要は、日韓関係には自称「徴用工」訴訟だの旭日旗騒動だのと小骨がたくさん残っていますが、このレーダー照射事件も日本側は決してうやむやにする気はないということです。
つまり岸田氏が日韓修復に前のめりになろうと、防衛省は同意できないということです。
「防衛省としては、韓国駆逐艦による海自P-1哨戒機への火器管制レーダー照射について、改めて強く抗議するとともに、韓国側に対し、この事実を認め、再発防止を徹底することを強く求めます。更に、これ以上実務者協議を継続しても、真実の究明に至らないと考えられることから、本件事案に関する協議を韓国側と続けていくことはもはや困難であると判断いたします。
本公表が、同種事案の再発防止につながることを期待するとともに、引き続き、日韓・日米韓の防衛協力の継続へ向けて真摯に努力していく考えです」
(防衛省 『韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案』)
海上自衛隊の哨戒機に火器管制レーダーを向けた韓国海軍艦艇の事件に関|防衛省 (mod.go.jp)
防衛省・自衛隊:韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案(最終見解) (mod.go.jp)
韓国相手の場合、原理主義的対応を取るべきです。
慰安婦、自称「徴用工」問題すべてにわたってそうですが、あいまいにさせない、うやむやにはおわらせない、韓国がら再発防できない限り原状回復はしないという強い意志が必要です。
いままであいまいな「大人の対応」をして何度煮え湯をのまされてきたことか。
ユン・ソクヨル大統領も「関係正常化に意欲」を持っているといいながら、あいかわらず「日本側のスタンス」が問題だそうです。
やれやれ、今さら日本になにをしろというんでしょうか。日本側はその主張を理路整然と証拠資料つきで事件直後から開示しているのですが。
「【ソウル聯合ニュース】韓国の国防部関係者は25日、2018年以降事実上中断している日本との局長級による政策実務会議を再開させる方針を明らかにした。「障害があればそれも改めて検討する協議を本格的に推進する」という。
韓国政府は尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権発足後、日本との外交関係改善に意欲を示しており、国防当局の関係正常化にも乗り出す考えとみられる」
(聯合022年7月25日)
韓国国防部 日本との高官級協議再開推進 | 聯合ニュース (yna.co.kr)
韓国はそうとうに追い詰められてきており、ムン政権末期にはこのようなことを言っていたと小川和久氏が伝えています。
①火器管制レーダーは照射していない。海上自衛隊の哨戒機がキャッチしたのはほかのレーダーの電波だ。この点は海軍参謀本部の高官に確認している。
②日本側は民間航空機の基準を適用して高度150メートル以上を飛んだとしているが、軍用機には飛行高度の制限はないので、逆に不思議に思っている。
③(反論動画の公開など)韓国側の対応はまずかったと思っている。
④両国の実務レベル協議の開催地をソウルにするか東京にするかで揉めており、これもバカげたことだ。
⑤なぜ駆逐艦があの海域にいたのか、われわれも不思議に思っている。北朝鮮漁船の救助には海洋警察の新鋭巡視船が派遣されており、駆逐艦は必要なかった。
⑥安倍晋三首相は事件を支持率回復の道具に利用しようとしている。
(小川和久2019年1月14日)
軍事アナリストが断言。レーダー照射事件は「韓国の全面降伏」 - まぐまぐニュース! (mag2.com)
韓国は、あのような馬鹿げた世界への発信は失敗だったと思ってはいるようです。
しかし、根本的にぜんぜん歩み寄る気はないようです。
そもそも、まず①でアレは別のレーダー波だということ自体が話になりません。
あのね、航海用レーダーとはまったく波長が違うのですよ。
サーチライトのように強力な電波を対象にぶつけるのです。
下写真の赤線の波動で、いきなり「強い電波を継続して探知」という部分が火器官制レーダーが海自機を照射していた時間です。
ここを認めない限り、それ以下のことを議論すること自体無駄です。
あの事件で、韓国艦艇は火器管制レーダーを海自哨戒機に指向しているのは画像で明らかです。
下写真の赤丸で示したのが火器管制レーダーですが、日本機を指向しているのがわかります。
防衛省
韓国海軍レーダー照射事件について日本側が最終見解を発表(JSF) - 個人 - Yahoo!ニュース
防衛省は補足説明資料で「レーダーの種類と特徴」を解説しており、事件当時の韓国レーダー波を公開して、航海用レーダーとは別種の火器官制レーダーが発射されたことを明らかにしています。
当時P-1は、火器管制レーダーを発射した意図を韓国側にただしましたが、応答はありませんでした。
韓国側は、日本側の無線による問い合わせにも後日、無線が微弱で聞こえなかったとのお粗末な言い訳をしていましたが、日本がキャッチできなかった北朝鮮の漁船の救助信号をとらえているくらいに優れた無線機をお持ちなのに、おかしいですね。
低空で威嚇を受けたと主張しておきながら、頭上で送信されたような日本機の問い合わせ通信を受信できなかったとは(苦笑)。
韓国はいまだ火器管制レーダーのアンテナについている光学観測装置を指向しただけだと言っていますが、これだけ証拠を積み上げられてもこう言っていられる神経を疑います。
返答はしたと言い張っていますが、韓国軍内部ではしていないことがわかっています。
「沈勝燮(シム・スンソプ)韓国海軍参謀総長は7日、韓国の駆逐艦『広開土大王(クァンゲト・デワン)』が所属する海軍1艦隊司令部を訪れ、『外国の航空機との遭遇などの偶発的状況にも国際法にのっとって対応しなければならない』と述べました。
自衛隊機に対して、韓国側から交信を行わなかったことなどを念頭に、現場部隊の不十分な対応を『叱責』したとも取れる発言ですが、韓国海軍はあくまで激励のための訪問だとしています」
(テレ朝2019年1月8日)
では、だれが命じたのでしょうか。
当時CIC(戦闘情報センター)に詰めていた係員のミスという説もありましたが、これは明確な敵対的戦闘行為ですので、よほど韓国海軍の規律が緩んでいないかぎりありえません。
もちろん砲雷長クラスでもダメで、艦長でさえ司令部に命じられてどうにかという高いレベルの判断を要求される事案です。
おそらく艦隊司令部が出しているはずです。
実はムンが指令したものだという文書がでてきてしまいました。
なんと日本にだけは特別な「日哨戒機対応指針」という交戦規定があったようです。おいおい。
「8月17日、与党「国民の力」の申源湜(シン・ウォンシク)議員によると、2019年2月軍当局は「日哨戒機対応指針」を海軍に通達した。これはその年1月に作成した「第三国航空機対応指針」とは別途の指針だ。
「第三国航空機対応指針」は公海で第三国の航空機が味方艦艇に近づいた場合、段階的に対応するよう指示する内容を含んでいる。第三国航空機が1500フィート(約457メートル)以下に降りてきて近くまで接近すれば、味方艦艇は相互を識別した後、通信で警告するなどの4段階の手続きに従って行動するよう定めている。1次警告が通じなければさらに強硬な内容のメッセージを2次として発信しなければならない。
ところで「日航空機対応指針」は「第三国航空機対応指針」と比べると、1段階さらに追加された5段階となっている。日本軍用機が2次警告通信にも応じず近距離を飛行した場合、「追跡レーダー照射」で対抗するように規定した。追跡レーダーは艦艇で艦砲やミサイルを狙うために標的の方向や距離、高度を測定するレーダーだ。射撃統制レーダーと称したり、日本では火気管制レーダーとしても使う」
(中央日報日本語版2922年8月18日)
文政府「日本哨戒機に追跡レーダー照射しろ」…事実上の交戦指針(1) | Joongang Ilbo | 中央日報 (joins.com)
なんと「日機」にだけは、他の国への対処とは違ってレーダー照射してよいという方針です。
軍事的に緊張関係にあるはずのロシア、中国には第三国と同じで警告通信はをするところまでですが、日本にだけはその先の戦闘行為をしてもよい、というお達しです。
ロシアは、早期警戒機A-50が2019年7月23日に、彼らが領土だと言っている竹島上空を2回侵犯し、韓国空軍がスクランブルをかけています。このときは警告射撃までしています。
しかも当時、韓国の防空識別圏を、ロシア戦略爆撃機Tu-95と中国戦略爆撃機H-6が編隊を組んで侵入していました。
にもかかわらず、その中露には警告だけでよい、日本は丸腰の哨戒機にレーダー照射だというのですから、どっちを向いて仕事をしているのか、この軍隊は。
戦争をしたくてたまらない韓国軍の実態がわかります。
軍の判断ミスではなく、ムン大統領府からの指示な以上、根が深いのです。
ちなみに韓国が「救助活動」をしていたという海面は、初めは大荒れといいながら、実は下の写真でもわかるようにベタ凪でした。
救助対象の北朝鮮の漁船らしきものには、日本近海に出没した不審船によくみられるアンテナが林立しているといった具合に、いったいなにしていたのやら。
まぁ、常識的に考えれば、他人さまに見られたくない密事をしていたと考えるのが妥当でしょう。
おそらくは、北となんらかの瀬取りをしていたのだと憶測できます。
それが物資なのかヒトなのかはわかりませんが、日本に見られたくはなかったことだけは確かです。
海自の哨戒機が能登半島沖を監視飛行していたのは、この海域で韓国艦艇がなんどとなく不審な動きをしており、それが北の瀬取りと関連があると推測していたからです。
この当該の駆逐艦クァンゲト・デワンは4回も監視活動に引っかかっていて、この船が出す電波情報は哨戒機によって、何回となく正確にモニターされていたと考えられます。
おそらく、既に火器管制レーダーすら複数回照射されていたかもしれません。
あえてレーダー照射事件の公開に日本が踏み切ったのは、かねてから不審な動きがあった韓国艦艇が、北の不審な「漁船」とドッキングしていた現場を押さえたからです。
ユン氏はいま精力的に親北のスパイを狩りだしています。
けっこうなことですから、ぜひ軍部にも司直のメスを入れて下さい。
たぶんウジャウジャと北朝鮮のスパイが芋づる式に出てきますよ。
日本と防衛当局間の回復をするのは、それからです。
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昨年ムン大統領の命令でのレーダー照射だったとの話が出てましたね。
大統領の命令ですと素直に答えればいいのに、敵対行為をやっておいてヤベー何とか誤魔化そうという卑怯な国です。
駆逐艦が瀬取りの警備、北朝鮮の下僕たる大統領、色々と明るみになるに従って怒りが込み上げてきます。
諸問題は全て韓国が解決することであり、日本は何もすることは無いです。
これまでと同じように韓国に利する変な妥協をするとしたら岸田総理は売国奴ですよ。
投稿: 多摩っこ | 2023年1月27日 (金) 11時47分
日米、米韓の防衛協力は必須の最重要事項です。
最初から存在しもしない徴用工問題や慰安婦問題などにかまけるあまり、最重要のレーダー照射問題が全く解決しないのであれば、伊政権の目指すところも妄想にすぎないもの言わざるを得ません。
いまだに国際基準と合致しない文時代の大統領安保室新基準を改正出来ないのは、伊政権も「事実」を直視出来ないから。
メインメディアでは何だか融和ムードが言われていますが、信用に足らない韓国軍相手では地域の防衛協力など絵空事です。
投稿: 山路 敬介(復帰しました) | 2023年1月27日 (金) 19時02分