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2023年2月25日 (土)

国連臨時会合、1周年にロシア非難決議を圧倒的多数で可決

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国連総会において、緊急特別会合が開かれ、ロシアのウクライナ侵略を非難する決議案が圧倒的多数で可決しました。
ロシアが併合を宣言した4州についても、無効と認められました。
これで仮にロシアが勝利したとしても、4州のロシア領土化は国際社会では認められません。

「決議は、露軍の即時撤退のほか、電力施設などの重要インフラや民間人への意図的な攻撃の即時停止や、ロシアへ強制移送された子供ら抑留者の帰還などを求めた。また、ウクライナで起きた国際法上の重大犯罪を調査・訴追する必要性を強調した」
(産経2月24日)
国連総会決議、「永続和平」へ露軍撤退求める 賛成141カ国 - 産経ニュース (sankei.com)

このように決議は、和平を双方に促すといった無意味なものではなく、ロシアが行っている重要インフラへの攻撃による生活の困窮や、多くのロシア領に拉致されて洗脳教育をされていると見られる子供たちにまで目配りしています。

【ニューヨーク=平田雄介】国連総会(加盟193カ国)は23日、ロシアのウクライナ侵略を巡る緊急特別会合で、領土保全や主権の尊重など国連憲章の原則に基づく永続的な和平を目指し、露軍の即時撤退などを求める決議案を141カ国の賛成で採択した。反対はロシアや北朝鮮など7カ国。中国とイラン、インドなど32カ国が棄権した。
賛成国の数は、国連総会が昨年採択したウクライナ侵略を巡る決議5本の最多143カ国に迫り、24日で侵略開始から1年となったウクライナへの国際社会の連帯の強さを示した」
(産経前掲)

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世界の勢力図として決議案についての投票動向をみてみます。
反対国は、ロシアとその属国の皆さんです、と言ってあげたいのですが、いまや死なばもろともで、出撃拠点を提供したベラルーシ。
そしてロシアに頼んで自国民を爆撃してもらっているシリア・アサド政権、そして影で弾薬を提供しているとみられる北朝鮮、そして中米のサヨク独裁国家のニカラグアです。

中米ニカラグアは、2021年11月に反米左派オルテガが独裁者となって以降、ロシア軍の兵士や航空機、艦艇の駐留を要請するという決定をしている国です。
かつての同盟国キューバは棄権に回りました。

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国連総会の緊急特別会合、露のウクライナ4州併合は「無効」…圧倒的賛成多数で採択 : 読売新聞 (yomiuri.co.jp)

ロシアが同志と頼んだはずのユーラシア共同体の中央アジア勢(カザフスタン、タジキスタン、キルギス)の3カ国は、ベラルーシを除いてみごとにソッポを向きました。
負け戦はしたくないものです。

いわゆるグローバルサウス(南の発展途上国)の動向はこうです。
グローバルサウスとは・意味 | 世界のソーシャルグッドなアイデアマガジン | IDEAS FOR GOOD

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産経

ザ・クアッドの一角を成すはずのインドは、ことロシアに関してはコウモリで、一貫して棄権の立場を貫いています。
またインドは、中国と並ぶ制裁破り国で、かえって制裁前より輸入を増やしています。

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JOGMEC石油・天然ガス資源情報ウェブサイト

このようなことがわかるにつれてクアッドで自由主義陣営に与したかに見えて高まったインドの国際的評価が、また微妙になりつつあります。
ウクライナはこの決議の成立に心から安堵しているようです。

「ウクライナのクレバ外相は「投票結果はグローバルサウスがわが国を支持していないとの言説に逆らうものだ」と指摘し、「ウクライナの領土と支援の輪を損ねようとするロシアの試みは失敗する」と強調した。
ロシアのネベンジャ国連大使は22日の会合で「反露的な考えが続いている」と決議案への反対を呼びかけたが、同調したのはシリアやニカラグア、マリ、エリトリアなどに止まった。同盟国ベラルーシの侵略行為を否定する修正提案は2本とも否決された」
(産経前掲)

戦場での決着はついていませんが、国際舞台ではロシアの完敗です。
覚悟しておくべきは、好むとこのまざると、この国連決議の賛成-反対-危険の分布に沿って、第2次冷戦の陣立てが決定されることです。
では、今回、このロシア非難決議がなぜ臨時特別会合という変則な形で行われたのでしょうか。
このような戦争についての非難決議は、まずもって国連安保理、それも常任理事国で採択されるべきではないのでしょうか。
本来、国際秩序の維持、すなわち力による現状変更を認めない責任は常任理事国にあるはずだからです。
しかしそうはならないのは、ご承知のとおりです。
原因は、その常任理事国自らが平和を攪乱する元凶と化して、あまつさえその武器として拒否権を利用してるからです。
まさに国連の最大の任務である平和構築の敵に常任理事国がなっているという現実を、改めて検証する必要があります。

さて、意外に知られていないことですが、国連憲章23条1項に述べられている安保理常任理事国は、アメリカ、イギリス、フランス、Republic of China(中華民国・台湾)、Union of Soviet Socialist Republics」(ソ連)の名を現在も明記しています。

●国連憲章第23条
安全保障理事会は、15の国際連合加盟国で構成する。中華民国、フランス、ソヴィエト社会主義共和国連邦、グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国及びアメリカ合衆国は、安全保障理事会の常任理事国となる。総会は、第一に国際の平和及び安全の維持とこの機構のその他の目的とに対する国際連合加盟国の貢献に、更に衡平な地理的分配に特に妥当な考慮を払って、安全保障理事会の非常任理事国となる他の10の国際連合加盟国を選挙する。

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つまり、本来「中華人民共和国」と「ロシア連邦」は常任理事国ではありません。
それがいつの間にか、「中華民国」と「ソ連」がすり替えられてしまっており、この「いつのまにかすり変わった」二国こそが、世界の平和秩序の破壊者でした。

ソ連の拒否権乱発により機能不全となった国連常任理事国制度に替わってG7が生まれました。
そしてロシアを含めたG8体制になる短い蜜月は、ロシア2014年のクリミア侵略で撤回され、そのまま並立した状況となっています。
一方、新興国G13を含めたG20体制は全く機能せず、いまや形骸化しています。
BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国、南ア)はどうかといえば、インドと中国は地域的戦争状態にあり、その地域覇権をめぐり、中国とインドは敵対関係にあります。
つまり、いまや世界はG7、そしてそこから派生した「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)という価値観を共有した結びつき以外、秩序を守る意志と能力を持った組織はないに等しいのです。

2022年6月の総会で、ウクライナのキスリツア国連大使は、ロシアの代表権の正統性を否定しこう述べています。

「ロシアはこれまで、国連における自らの存在を正当づける努力をしてきたが、ソ連の後身加盟国としての適格性が総会で認められたことは一切ない」

まったくそのとおりであって、国際秩序の擁護者たる常任理事国が率先して拒否権を武器にして国連を無能な存在としている現状を改革しない限り、国連はカラッポの学級委員会のままになることでしょう。
この根本原因が国連安保理常任理事国にあり、本来座るべきではなかった「中華人民共和国」と「ロシア連邦」にある以上、国連憲章第23条1項どおりに正しく運用するべきなのです。

つまり憲章を変更せよと言うのではなく、規約どおりに運用しろ、ということです。
したがって、第23条1項どおりにするなら、「ソ連」は消滅してこの世にない以上抹消。「中華民国」は文言どおり中華民国、すなわち台湾にすればよいのです。
憲章の文言を一言一句変える必要がない以上、国連総会事案ではありません。


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ウクライナに平和と独立を

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コメント

反対がロシア··北朝鮮·シリアの他にはニカラグア·マリ·エリトリアって、政情不安に付け込んでワグネルが浸透してるところばかりですね。
インドはクアッドに入ったけど安いガスと石油が欲しいという関係ですね。

正直ここまで中央アジアやアフリカがロシアにそっぽ向くとは思いませんでした。一年前のウクライナ侵攻開始直後だったら、ずいぶんと違っていたでしょう。。

 「やれやれ」と言った感じですが、一応ほっとしました。
グローバルサウスの国々への説得に関しては、我が国の林大臣も一応の役割を担う事が出来たようです。(地味すぎて、存在感を示すまでには至りませんが)
こうした決議など無意味なように言うむきもありますが、決してそうではありません。最終的にはロシアに対する「人道に対する罪」の形成と、差押え資産のウクライナ復興に不可欠の賠償引き渡しの法的根拠へとつながる有力な第一歩となります。

また、独特の立ち位置を示すインドや南アフリカですが、ここはあまり心配しないで良いのではないでしょうか。
ブリンケンが言うように「旧ソ連時代から長年関係を築いて来た国々があり、こうした関係を一挙に断ち切るのは困難であろう」と理解を示しつつ、現実は「(武器など)ロシア依存から脱却し、米国や他の国々とのパートナーシップに移行する軌道に乗っている」としています。
南ア政策についての米国の失敗も一部認めつつ、何事も一朝一夕では行かない点は理解に難くありません。

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