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2023年2月17日 (金)

トルコ・シリア大地震・救助から支援へ

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トルコ-シリア大地震は4万を突破し、国連は5万人という途方もない犠牲者数になろうとしていると警告してます。

「トルコ南部の被災地を視察した国連のマーティン・グリフィス事務次長(人道問題担当)は11日、死者数は5万人近くに達するとの見方を示した」
(読売2月14日)
トルコ地震、国連「死者数5万人近くに」…氷点下の避難生活 : 読売新聞 (yomiuri.co.jp)

現地は氷点下であり、仮に長時間倒れた建物などの下敷きになったまま動けなかった人が救助されたとしても、「クラッシュ症候群」と呼ばれるショック症状を呈して死に至るケースが多いとされます。
身体の一部が長時間圧迫され続けた結果、筋肉からカリウムなどが一気に全身に運ばれ、腎不全や不整脈などを引き起こすようです。

被災者も、適切な避難所に収容されていない場合も多く、コンクリートのがれきに座ったまま放置されていると、身体内部の体温(深部体温)が35度以下となり28度以下になると死亡します。
避難施設も多くがテント生活を強いられており、氷点下で長期間生活することによる犠牲が心配されます。
下の写真は、被災地のジュンダリスにおいて、支援団体が食糧を届けているところですが、ご覧のように工場跡地のような場所に身を寄せ合って暮らしています。

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Mays al Reem(@Mays_al_Rim)さん / Twitter

一方、救助活動は続けられているものの、既に地震発生から1週間が立っており、救助から支援の段階になりつつあります。

「トルコ当局は13日、南部で6日に発生した大地震で、3万1600人以上が死亡したと発表した。また、国連も13日、隣国シリアで5700人以上が命を落としたと発表。死者は両国で計3万7000人を超えた。生存者の救出が相次ぐ一方、地震発生から1週間がたち、一部地域では捜索活動が終了し、がれきの撤去が始まった」
(時事2月14日)
トルコ大地震、救出続くも一部で捜索終了 死者3万7000人超に―シリア、越境地点増設に合意:時事ドットコム (jiji.com)

治安状態は急速に悪化しているようで、一部では強盗や盗みが起きています。
盗みが横行するのは、支援物資が来ないためです。
しかしさらに深刻なのは、食料、医薬品以外の商品が強盗にあっていることで、こういう強盗などの現象が現れ始めると、治安が崩壊し始めていることを現しています。
救出活動が行われる一方、ATMが破壊されたり、商品が根こそぎ奪われたりする略奪や強盗が頻発していて、この1週間で98人が逮捕されています。
治安悪化を理由にドイツの救助隊が撤退しました。

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テレ朝

「“治安悪化”理由に…ドイツ救助隊が撤退
 救出活動が行われる一方、ATMが破壊されたり、商品が根こそぎ奪われたりする略奪や強盗が頻発していて、この1週間で98人が逮捕されています。
 商店経営者:「私の店はここです。裏から入って来て、引き出しから7万トルコリラ(約49万円)の現金を盗んで行きました」 住民による自警団が疑わしき人物を血まみれにしています。(略)
こうした治安悪化を理由に、ドイツの救助隊は撤退を決めたということです」
トルコ大地震 “182時間ぶり”に子ども救出も…“治安悪化”でドイツ救助隊が撤退(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース

被災地での強盗のような犯罪は、わが国では考えられないだけに(それもそれで世界的に希有なことのようですが)、救援リソースをこのような治安維持に回さねばならないことがなんともやりきれません。

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読売13日、トルコ南部アンタキヤの市街地で、治安悪化に伴い警戒する軍兵士ら

「多数の建物が倒壊した南部アンタキヤでは地震後、損壊した建物の店舗などから金品が盗まれる事件が相次ぎ、発砲事件も起きた。
中心部で乳製品店を営むヤクープ・クシャクさん(52)が13日、地震後初めて店を訪れると、ほとんどの商品のほか、事務用のパソコンもなくなっていた。「みんな腹をすかしているので食品がなくなるのは仕方ない。でも、パソコンまで盗まれるとは。全く油断できない状況だ」と嘆いた。
治安悪化を受け、アンタキヤでは、倒壊した建物で救助活動にあたっていた軍兵士らが、通りごとに巡回を始めた。装甲車も配備されていた」(読売2月14日)
トルコ被災地で治安悪化、16万人が他地域に避難…「手抜き工事」責任追及も:写真 : 読売新聞 (yomiuri.co.jp)

今までどこに行っていたのかと思われていたトルコ軍がようやく被災地に登場したようですが、任務は治安維持が主なようです。

一方シリアの被災地の状況に至っては、どうなっているのかさえ掴めてていませんでしたが、ニューヨークタイムズは、なんとご機嫌な様子のアサドについて伝えています。

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NYT

「10年間彼を避けていたアラブの指導者たちは、電話を取り、電話をかけた。国連の高官が彼の事務所を駆け巡り、支援を提供し、写真を撮った。ロシア、イラン、中国などの同盟国だけでなく、以前はアルアサド氏を倒そうとしている反政府勢力に援助(と武器)を送っただけだったサウジアラビアもそうだ。
十数カ国からの大量の援助も到着した」
シリアのアサドは災害外交を利用して世界の舞台に戻る-ニューヨークタイムズ (nytimes.com)

シリア内戦中において、自国民を残虐に爆撃し拷問したことで長い間国際社会から制裁を受けてきたアサド政権にとって、世界からの同情、援助ほどおいしい果実はなかったようです。
アサドはこれを踏み台にして、制裁を解除させ、国際社会に復帰しようとしています。
シリア国民の震災被害は、アサドには念頭にはまったくないはずです。
潰れたビルや破壊され被災地で苦しんでいるのは、アサドから見れば汚らわしいクルド人の反政府派だからです。
むしろ死んでくれたほうが、爆撃する手間が省ける、支援物資は全部オレのものだ、とさえ思っているでしょう。

シリアでは、軍が自分の倉庫に支援物資を集めてしまったことが報告されています。
被災地への救援は本来はシリア国内から行われるべきですが、被災地域がクルド人支配地域のために放置されたままになっているようです。
やむをえず国際機関がトルコからの救援ルートを拓いています。
3本のトルコからの救援物資搬入ルートをアサド政権が許可したと、国連は喜んでいるようですが、トルコルートの国境検問所はすべて反アサド勢力が掌握しているところですよ。
アサドはなにもしていません。

「国連の声明によると、ダマスカスは「人道援助のタイムリーな配達を可能にするために、トゥルキエからシリア北西部へのバブアルサラームとアルライーの2つの交差点を最初の3か月間開放する」ことに同意したと述べています。一週間遅れましたが、大きな安堵です」
Emma BealsさんはTwitterを使っています

広範囲に被災地が分散し、交通と情報インフラが破壊されたことが、いっそう救援を困難にしています。

日本は物的支援だけではなく、耐震建造物のノウハウや、大規模災害時に備える軍についても情報提供すべきでしょう。
エルドアンが聞く耳を持てばですが。

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コメント

トルコに関してはそれなりの耐震基準は設定していたようですが、当然のように守られてはいなかったようですね。
独裁国家の「失敗から学ばないどころか無かった事にする」果てが今回の大被害なのでこれをもって国民が為政者をどう判定するかでしょう。

とりあえずシリアに関してはしれっと反アサドの区域を優先して支援しちゃえばいいと思うけど、そうはいかないんだろうな…

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