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2023年2月 3日 (金)

一度「尖閣」を政治から切り離して環境問題で考えてみたらいかがですか

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石垣市が、同市の施政地域である尖閣諸島を東海大学と共に現地調査しました。
今回はドローンを使った空撮と、付近海面の水質調査、漂着ゴミなどを調べました。
画期的なことです。

「沖縄県石垣市は29、30の両日、同市の尖閣諸島周辺で環境調査を行い、ドローンを使った上空からの調査を初めて実施した。尖閣諸島の魚釣島ではヤギの食害などによる自然破壊が懸念されており、市は今後、上空からの映像をもとに実態解明を急ぐ。調査船には東海大の海洋研究チームのほか中山義隆市長や市議らも乗船し、産経新聞記者も初めて同行取材した。
同市による調査は約1年ぶり2回目。平成24年には東京都も現地調査を実施したが、上陸はせず、船上から島の様子を視認するにとどまっていた。今回は尖閣諸島の魚釣島に調査船が接近し、ドローンを飛ばして上空約150メートルから計4回、あわせて30分以上にわたり同島を撮影することに成功した」
(産経1月31日)
尖閣諸島で初のドローン調査 中国公船が領海侵入し、接近 - 産経ニュース (sankei.com)

ドローンを使った尖閣の上空調査によれば、尖閣の生態系の破壊は急速に進行しているようです。

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(16) 尖閣調査 迫る中国公船 - YouTube

「中山義隆市長が会見し、魚釣島の山肌が崩落するなど自然環境が急激に悪化している現状を説明。「早急な対応が必要」と話した。調査チームの山田吉彦・東海大教授(海洋政策)も映像をもとに「生態系を維持できない島になりつつある」と述べ、危機感をあらわにした」
(産経1月31日)
尖閣の上空映像初公開 急激に環境悪化か 石垣市長「早急な対応必要」(産経新聞) - Yahoo!ニュース

尖閣は、かつて某政治団体が放した山羊が繁殖してしまい、草を食い荒らしてハゲ山化させてしまいました。
いったん表土がはがされると、無数のひび割れが生じて、やがて雨水によって地盤の崩落が始まります。
また過剰な山羊の糞によって、リン酸過多とになり、やがて不毛な島と化します。

実際に沢小笠原群島の媒島(なこうどじま)では、野生化した山羊が生態系を攪乱した例があります。

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野生化したヤギ | NHK for School

山羊の食欲は旺盛で植物を選びません。特に棘がない植物が多いこの島では、短期間で喰い荒らされていきました。
かつては美しい緑の島だった媒島では見る見るうちに裸のハゲ山の島に変わってしまいました。

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同上

ハゲ山と化した島の土壌は土を食い止める力を失い、島周辺の海に赤土が流出し珊瑚礁を殺します。
こうなった場合、しっかりと土留めをして、山羊を捕獲するしかありません。

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同上

こうして媒島一帯は見る影もない生態系になっていったのです。

今、小笠原では環境省による再生計画が進行しています。
Microsoft Word - 070613基本計画【決定稿】.doc (ogasawara-info.jp)
尖閣諸島に対しても同様の計画が必要です。

人が長期間立ち入らない無人島と接触する場合、慎重な事前調査が必要で、それ相応の自然環境を保全する知見も必要なはずですが、いきなり外部の生態系から孤島に山羊を放つとは無責任にもほどがあります。
山羊の繁殖力の強さを、なにも考慮していなかったようです。

結果として、この団体は尖閣を防衛するといいながら、その自然を棄損してしまいました。
今回の中山市長のように、専門家のアドバイスを受けてやるべきでした。

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同上

「魚釣島では昭和53年に政治団体が持ち込んだヤギが繁殖し、草木を食べ尽くすなどの被害が指摘されている。調査チームの山田教授は「草木が減ったため山が水をためる能力を失い、崩落が急速に進んでいる。漂流ゴミも多く、危機的な状況といえる」と話した」
(産経前掲)

生態系が危機に貧しているとわかった以上、早急に尖閣の自然を再生せねばならないはずですが、難しいようです。
土地規正法がネックになっているのです。

「安全保障上重要な土地の利用を規制する土地利用規制法の全面施行に伴い、政府が昨年末に指定した第1弾の対象区域58カ所への効力が2月から発生する。政府は土地の利用状況調査に乗り出し、場合によっては利用規制を講じる。ただ、今回の指定対象には中国が領海侵入を繰り返す尖閣諸島(沖縄県石垣市)は入らなかった」
(産経1月27日)
【岸田政権考】土地規制法 尖閣の指定を見送った理由は - 産経ニュース (sankei.com)

この土地規正法は、原発や自衛隊基地周辺の土地や離島が外国人に取得されたりすることに対する法律でしたが、これは原則として私有地を対象としています。

「同法の対象となる国境に近い離島は、国が現在、保全・管理を行っている島のうち、原則として国と地方公共団体以外が所有する土地を含む島となっている。
魚釣島や北小島、久場島など複数の島々で構成される尖閣諸島は、すでに大半の島が国有化されており、同法の対象は個人所有の久場島に限られる見通し。その久場島も国が借り上げている。第三者が土地を買ったり借りたりするなど、具体的な動きができない状態にあるのだ」
(産経前掲)

まったく馬鹿げた話で、これでは安全保障の為に作られた法律によって、尖閣が守られないということになってしまいます。
尖閣の自然保全が急務なことはわかりきったことで、法の運用などは政府の判断でどうにでもなる問題ではないですか。
要は、中国を刺激したくない、当たらず騒がず、臭いものには蓋、決断は後の政権に先送り、といういかにも岸田政権らしい及び腰が原因です。

しかし中国は待ってくれません。
今回も、中国海警察が調査水域で待ち構えていました。
しかし今回画期的なことには、日本の調査船を海保が「艦隊」で全力ガードしたことです。

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同上

「レーダーの中央に位置する調査船の左右と後方に、船影が3つ浮かんでいる。海保巡視船だ。少し離れた左側にも船影が2つある。これは中国公船だ。しかし別の船影2つがぴったりと張りついている。海保巡視船がスクラムを組み、中国公船を調査船に寄せ付けないでいるのだ」
(産経前掲)

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同上

この日、海保は管区外からも警備船を集結させて、押し寄せる中国海警との間に防壁を作って徹底的にガードに努めました。
日頃の日本漁船の保護といい、海保には頭が下がります。
まさに守護神です。

しかし実にこの間11時間もの間、中国海警は領海侵犯を続け、このような「警告」を海保に発していたそうです。

「海上保安庁「こちらは日本国海上保安庁巡視船。尖閣諸島は日本の領土である」
中国海警局「こちらは海警船。貴船の主張は受け入れられない。釣魚島およびその付属の島々は、古来から中国の固有領土である。その周辺12海里は中国の領海である。貴船はわが国の領海に侵入した、直ちに退去してください」
(産経前掲)

ちなみに中国中央電子台はこのような妄想ニュースを流したそうです。

[北京 30日 ロイター] - 中国海警局が30日、尖閣諸島(中国名:釣魚島)周辺の海域から日本の船舶5隻を追い払ったと、中国国営中央テレビ(CCTV)が報じた。
報道によると、海警局の報道官は5隻が「釣魚島周辺の領海に違法に侵入」し、海警局の船によって追い払われたと指摘。「日本側に対し、この海域でのあらゆる違法行為を直ちに停止し、このような事態が二度と起こらないようにすることを求める」とした」
(ロイター1月31日)
中国海警局、日本の船舶追い払ったと主張 尖閣周辺で=国営TV | ロイター (reuters.com)

なにを言っているのやら。

そもそも政府が国有化に伴う責任を果たそうとせずに、事実上放置してきたことがこの尖閣問題をいっそうこじらせてきました。
日本の立場は一貫して「領土問題は存在しない」です。
なにもない以上、おかしな中国への忖度は無用のはずです。
尖閣の調査と山羊の捕獲、植林、サンゴなどの自然再生、同時に灯台の設置、付近海域の調査などは、国土保全、海上交通の安全確保としてとうぜんの国としての義務です。

それらの作業をするために一定数の公務員の常駐も必要でしょう。
なぜしないのか、そのほうが不思議です。
今のように、国有地であることがやらない理由になるようでは困ります。
一度政治から切り離して、尖閣の生態系保全を考える時なのです。
切り離して淡々と環境保護をすることが、中国へのもっともよい態度表明となるはずです。

いいかげんにしゃっきりしたらいかがですか、岸田さん。

 

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コメント

昭和53年に、よりによってヤギを放ったというバカ右翼!ついでに粗末な灯台も建てたけどすぐに壊れたんでしたっけ。
当時すでに小笠原では兄島が戦前のヤギで禿山になったこととか知見があったはずですけどね。駆除するのにどれだけかかったのか。トカラ列島の例も。
兄島は父島のそばで比較的平坦な地形なのでいっそのこと1800メートル級滑走路を作って父島にはロープウェイでアクセスなんていう壮大な計画も、90年代には出てましたね!ホントやらなくて良かった。

追記。

尖閣諸島を「国有化」した当時の野田政権は、じゃあそれならすぐに灯台建設や環境調査員の常駐施設を作らなったのか?という。「領土問題は存在しない地域」なんですから。後ろ盾が故仙石さんとかで「民主党」とは名ばかりで学生運動時代を引きずったゴリゴリの赤い人達が政権を握っていた時代ですから、中国を刺激出来なかったってか。。それを左翼メディアにお返しブーメランで「忖度」って言うんですけどね。それこそ第二次安倍政権の前ですよ!

領土問題など存在しないのですから岸田さんもノラリクラリしてないで、さっさと灯台建設してヤギの駆除と自然調査のベースくらいは「国の責任」としてやりなさいよ!と。。

日本固有の領土なのに、何故そこまで中国に気を使うのか?中国海警にいいように領土侵犯されているのに、日本の外相は中国外相と電話会談で、両国の友好と中国訪問を話し合ったとか?林ホウセイと岸田というか、宏池会が政権中枢である間は、中国に文句の一つも言えないのでしょうね。情けない政府です。政治の世界は色々あるのでしょうけど、一国民としては、何とかならないの?と思うの今日この頃です。

八重山日報
https://yaeyama-nippo.co.jp/archives/20203
https://yaeyama-nippo.co.jp/archives/20216
あったことを淡々と。

八重山毎日
https://www.y-mainichi.co.jp/news/39190
中山市長が強調したことのひとつに、
>中国に対するハレーションについては「日本の領土、領海であり、自国のエリアを調査することに関しては何の問題もない」
を記述。「野党が『火種になるおそれ』と反対」との文で締め。

東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/228434
対中共にまつわる中山市長の言葉として八重山毎日にあった「自国のエリアを調査することに関しては何の問題もない」が無く、
>「調査は施政権を主張するためではない」と強調。
を記述。

記事に何を拾うか取捨選択をしているのでしょうが、それぞれの中山市長の言葉が事実として、「自国のエリア」だから「何の問題もない」ので「施政権を主張」する必要はないのですけどね。
尖閣海域で漁業や観光業を普通に営めるようになってほしいですが、これまで有志が民間漁船で尖閣へ行くことで海保にリソースを消費させることに、それでいいのだろうかと考えていました。
今回は市の調査船ですから、海保の皆さんも万全を期して集まってくださったと思いますが、有難いことです。
中山市長のツイートに寄せられる反応は概ねマイルドで好意的です。
海警は言葉のみで妨害行為などはしなかったとのこと。
一部の勇ましい人々が溜飲を下げるようなことではなく、地味(と言ったら失礼かも)だが当然かつ間断ない実績の積み上げは必要と考えます。

八重山の住民を守る立場の中山市長はいろいろと行動起こしますね。うちの知事さんどうでしょ?八重山は沖縄であるという意識がないんじゃないかと訝しく思いますわ。

昨日のモーニングショーで玉川氏のコーナーで与那国島をやってました。
よく聞いてなかったのですが、監視部隊でドンパチは無いというから賛成したけどミサイル部隊がくるのは話しが違う、狙われる、最前線みたいだなど島民のコメントを出してました。
自衛隊基地が無くても最前線だろー、周辺環境は目まぐるしく変わるんだよと心の中でツッコミを。
たぶん中国の軍艦が肉眼で見えるところに来ても何もされないと思っているんでしょうね。
インタビューに出てた人達には、台湾有事は対岸の火事、Dr.コトーの島は安泰なんです。
まして尖閣なんか無人ですから与那国島の人らにとっては他人事かもしれない。

こんなこと言うと叱られそうですが、尖閣は無人だから自衛隊を配備し易い気もします。
中国から相当なアクションがあるでしょうけど、今の政権ではねー

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