あまりにえげつない西山事件
篠田英朗氏が、「国際政治の研究は面白いが、日本外交は夢なく、つまらないので、今の専門にした。年寄りになって何となく日本のことも書くようになったが、やめたほうがいいかな」とツイートされていました。
私ごときが言うのはナンですが、わかるなぁ。
このブログがついつい国際政治を多く扱ってしまうのは、その世界史の展開を目の当たりにするようなダイナミックさ故です。
コセコセした、宏池会がどーしたのこーしたの、立憲がどこと組んだからウンヌンといった、国内政局なんか見たくもないですからね。
自分の国を卑小化する習慣はありませんが、先日の林大臣の「欠席」問題や、朝日や毎日か「西山事件」を手放しで讃える姿をみると、心底げんなりします。
この「西山事件」とは、沖縄返還に際して日米が密約をしたということを、当時毎日新聞記者の故西山太吉氏がスクープした事件です。
西山氏は先日亡くなったようで、朝日と毎日が顕彰しています。
「沖縄返還の際の日米密約を追及した元毎日新聞記者、西山太吉さんが24日、91歳で心不全で亡くなった。昨年、沖縄返還50年のインタビューで、民主主義のために「国家のうそ」にぎりぎりまで迫る意義を、「新聞記者たるもの」と語気を強めて語っていた。
西山さんは、密約に関わる極秘文書の入手を外務省の女性事務官に頼んだことが秘密漏洩(ろうえい)のそそのかしにあたるとして国家公務員法違反容疑で1972年に逮捕、起訴され、毎日新聞を退社。最高裁まで争ったが、78年に有罪が確定した。密約を政府は否定し続けたが、2000年以降に米側の公文書や元外務省幹部の証言で確認された」
(朝日2023年2月27日)
「国家のうそ」に迫る「哲学」 沖縄密約報道の西山太吉さん [沖縄はいま]:朝日新聞デジタル (asahi.com)
ここで朝日が「国家のウソ」と言っているのは、沖縄返還協定の裏条項のことです。
毎日新聞に西山氏が書いたのは、400万ドルの土地復元費用を日本政府が負担する密約でした。
その後の調べで、米国側条約文書には、VOA移転費用など合計2000万ドルを日本側が肩代わりする密約があったことが明らかになっています。
さらに、沖縄返還協定に書かれた3億2000万ドル以外に、基地の移転費用6500万ドルや労務費3000万ドルなど、別の「秘密枠」もあったとされているようです。
今になると、だからどうしたというんだというていどの「国家のウソ」にすぎません。
条約に裏の付帯条項がついてくるのはよくあることで、世界史にはよく見られることです。
当然のこととして、これはつかみ金的性格のしろもので、いわば立ち退き迷惑料です。
迷惑料ですから算定根拠などないに等しいし、米国からすれば戦争で奪った土地を返すという世界史に前例がないことをしてやっているんだから、このくらい寄こせということにすぎません。
このていどの密約を拒否して、沖縄が半永久的に返らなくてもよい、という選択肢など当時の日本政府にはなかったし、今もないでしょう。
累計で米側に1万1900万ドル払って、戦争で占領された沖縄県を「買い戻した」ということです。
もしいやならば、もう一回戦争をして奪還しますか。
軍事占領された領土は、北方領土のように実力で奪還するか、相手国が国力を疲弊させて手放すまで返ってきませんよ。
日本政府には、沖縄県民を外国の支配下にこれ以上置くことができなかったのです。
これを汚い交渉だ、裏金を払って「国民にウソをついた」とまで非難されれば、佐藤首相(当時)も気の毒です。
朝日は西山氏をいたく崇拝しているようでこうも書いています。
西山太吉氏
朝日
朝日としてはこの人物を「国家のウソ」を暴き、「ぎりぎりまで迫る意義を新聞記者たるもの」の範として讃えたいようです。
この人物が最高裁まで争ったことを、こういう描き方をしています。
「西山さんは、密約に関わる極秘文書の入手を外務省の女性事務官に頼んだことが秘密漏洩(ろうえい)のそそのかしにあたるとして国家公務員法違反容疑で1972年に逮捕、起訴され、毎日新聞を退社。最高裁まで争ったが、78年に有罪が確定した」
(朝日前掲)
これではまるで義人です。西山氏が訴追された国家公務員法違反容疑はについて1978年には判決が下っています。
彼を正義のジャーリストと言いたいなら、この判決文を読んでからにしたほうがいいでしょう。
この判決文はサイトから読むことが可能です。
裁判例結果詳細 | 裁判所 - Courts in Japan
昭和53年5月31日
最高裁判所第一小法廷
裁判要旨
五 外務省担当記者であつた被告人が、外務審議官に配付又は回付される文書の授受及び保管の職務を担当していた女性外務事務官に対し、「取材に困つている、助けると思つて安川審議官のところに来る書類を見せてくれ。君や外務省には絶対迷惑をかけない。特に沖縄関係の秘密文書を頼む。」という趣旨の依頼をし、さらに、別の機会に、同女に対し「五月二八日愛知外務大臣とマイヤー大使とが請求権問題で会談するので、その関係書類を持ち出してもらいたい。」旨申し向けた行為は、国家公務員法一一一条、一〇九条一二号、一〇〇条一項の「そそのかし」罪の構成要件にあたる。
まずこの部分ですが、最高裁判決は西山氏が外務省女性事務官に「取材に困っている助けると思って審議官が持っている秘密文書を見せてくれ。迷惑はかけないから」と「そそのかした」とされています。
さらに西山氏は、この女性事務官に「関係書類を持ち出しもらいたい」とまで要求をエスカレートさせます。
日米の密約スクープした記者は逮捕された…「沖縄返還は国の形変えた」元新聞記者の視座【沖縄発】 | nippon.com
ただし最高裁は、「そそのかし」が「報道の目的から出たもので法秩序全体の精神」に背かなければ違法とまでは言えないとしています。
よくこの裁判が言論弾圧だというようなことを言う者がいますが、この判決を読んで言っているのでしょうか。
最高裁は国家の秘密を知るために政府関係者に秘密を漏らすことを頼む、いわゆる「そそのかし」は漏洩罪には当たらないと言っているのです。
「六 報道機関が公務員に対し秘密を漏示するようにそそのかしたからといつて、直ちに当該行為の違法性が推定されるものではなく、それが真に報道の目的からでたものであり、その手段・方法が法秩序全体の精神に照らし相当なものとして社会観念上是認されるものである限りは、実質的に違法性を欠き正当な業務行為である」
(最高裁判決前掲)
ただし、ここで最高裁が問うているのは、西山氏が女性事務官に仕掛けた性交渉を用いた行為についてです。
最高裁判決は抑えた調子ながらもこう断じています。
「七 当初から秘密文書を入手するための手段として利用する意図で女性の公務員と肉体関係を持ち、同女が右関係のため被告人の依頼を拒み難い心理状態に陥つたことに乗じて秘密文書を持ち出させたなど取材対象者の人格を著しく蹂躪した本件取材行為(判文参照)は、正当な取材活動の範囲を逸脱するものである 」
(最高裁判決前掲)「二 しかしながら、報道機関といえども、取材に関し他人の権利・自由を不当に侵害することのできる特権を有するものでないことはいうまでもなく、取材の手段・方法が贈賄、脅迫、強要等の一般の刑罰法令に触れる行為を伴う場合は勿論、その手段・方法が一般の刑罰法令に触れないものであつても、取材対象者の個人としての人格の尊厳を著しく蹂躙する等法秩序全体の精神に照らし社会観念上是認することのできない態様のものである場合にも、正当な取材活動の範囲を逸脱し違法性を帯びるものといわなければならない」
(最高裁判前掲)
西山氏は、初めに出稿した記事の扱いが小さかったことに焦って、この秘密文書のコピーをあろうことか当時の社会党の横路孝弘に渡してしまい、国会で追及させてしまいました。
これは取材者に対してのセクシャルハラスメントに並ぶ、信じがたいメディアのルールの逸脱です。
こんなマネをすれば、文書に押された稟議書の決裁印から外務省の安川審議官が特定され、さらには秘書の蓮見喜久子氏まで特定されるまで瞬く間のことでした。
後になされる毎日新聞の「お詫び」にはこう書かれています。
「西山記者は、ニュースソースを秘匿しつつ事実を明らかにすることを意図していたとしながらも、原資料そのものを第三者に提供したことが、結果的には、かえってニュースソースを明らかにすることになりました。この点は、新聞記者のモラルから逸脱したものといわざるをえません。このことは、西山記者の個人的行為であったとはいえ、毎日新聞社は、蓮見さんに多大のご迷惑をかけたことに深くおわびします」
(毎日 1972年4月15日)
この事件により毎日新聞は社会的信用を失墜し、一気に経営難に陥ることとなります。
機密文書が漏洩したことに怒った外務省は東京地検特捜部に起訴して、蓮見と西山を国家公務員法違反で逮捕しました。
特捜部の捜査によって、西山氏は女性事務官の関係が明らかになっています。
裁判官が書いた「黒の事件簿」といったあんばいですが、判決文はこう述べています。(改行したくとも句読点で繋いであるので切れません)
「二 これを本件についてみると、被告人は、従前それほど親交のあつたわけでもなく、また愛情を寄せていたものでもない前記Bをはじめて誘つて一夕の酒食を共にしたうえ、かなり強引に同女と肉体関係をもち、さらに、同月二二日原判示「ホテルC」に誘つて再び肉体関係をもつた直後に、前記のように秘密文書の持出しを依頼して懇願し、同女の一応の受諾を得、さらに、電話でその決断を促し、その後も同女との関係を継続して、同女が被告人との右関係のため、その依頼を拒み難い心理状態になつたのに乗じ、以後十数回にわたり秘密文書の持出しをさせていたもので、本件そそのかし行為もその一環としてなされたものであるところ、同年六月一七日いわゆる沖縄返還協定が締結され、もはや取材の必要がなくなり、同月二八日被告人が渡米して八月上旬帰国した後は、同女に対する態度を急変して他人行儀となり、同女との関係も立消えとなり、加えて、被告人は、その情報源が外務省内部の特定の者にあることが容易に判明するようなその写を国会議員に交付していることなどが認められる。
そのような被告人の一連の行為を通じてみるに、被告人は、当初から秘密文書を入手するための手段として利用する意図で右Bと肉体関係を持ち、同女が右関係のため被告人の依頼を拒み難い心理状態に陥つたことに乗じて秘密文書を持ち出させたが、同女を利用する必要がなくなり、同月二八日被告人が渡米して八月上旬帰国した後は、同女に対する態度を急変して他人行儀となり、同女との関係も立消えとなり、加えて、被告人は、本件第一〇三四号電信文案については、その情報源が外務省内部の特定の者にあることが容易に判明するようなその写を国会議員に交付していることなどが認められる」
(最高裁判決)
このへんの男女の経緯は、後に蓮見氏側が週刊新潮に告白文を出してもめたのですが、少なくともこのように最高裁は事実認定をしたということです。
要するに、西山氏は既婚者の女性事務官をセクシャルハラスメントを仕掛けて、抵抗できなくして情報を吸い上げ、秘密文書を盗んで来いと命じたわけです。
そして、用がなくなると「態度を急変させて他人行儀になった」として関係を断ってしまいました。
冷血なまでの利用主義です。この人物のどこに「哲学」があるというのでしょうか。
セクシャルハラスメントの定義はこうです。
「セクハラとは、セクシャルハラスメントの略語で、職場において、労働者の意に反する性的な言動が行われ、それを拒否するなどの対応により、解雇、降格、減給などの不利益を受けることや、性的な言動が行われることで職場の環境が不快なものとなったため、労働者の能力の発揮に悪影響が生じることを言います」
パワハラ・セクハラについて | Yahoo!しごとカタログ
西夫馬氏は蓮見氏に行った行為については、蓮見氏側のインタビューが存在します。
週刊女性自身 昭和49年2月9・16合併号
クリックすると大きくなります。
この蓮見氏のインタビューによれば、西山氏は蓮見氏に対して、「オレがこの職場に来るのはきみがいるからだ。きみは個性的で美しい」と接近し、私鉄ストの夜に「送って行く」と言って騙して男女関係を迫ったようです。
そして何度となく不倫関係を迫り、拒めなくなったところで安川審議官の持つ機密文書の持ち出しを命じました。
そして役にたたなくなると捨てたというわけです。まさに詐欺師の手法です。
そして女性側の職場と家庭を徹底的に破壊したのです。
まさに絵に書いたような定義どおりのセクシャルハラスメントです。
朝日ご愛顧のフェミニスト上野千鶴子氏がよく怒らないものです。
私には西山氏はただの人間のクズにしか見えませんが、朝日や毎日にとってはこのような男が、「ぎりぎりまで真実に迫った正義の人」と写るようです。
蓮見氏はこの後すぐに離婚していますが、女性ひとりの人生を破壊しておきながら「正義のジャーリスト」を気取らないでいただきたいものです。
そしてこの西山氏は92歳で死ぬまで、自分は絶対正義だ、自分は正義のジャーナリストだと信じて疑わなかったのですら、いい気なものです。
共産主義がソ連崩壊によって1991年に崩壊するまで、日本においても社会主義幻想が活きていました。
それにもっとも強く支配されていたのが、日本のメディアと野党です。
理念を喪失した彼らは、その後政権批判だけが拠り所となって、今に至ります。
それがメディアの「政権の監視」論であり、野党の「反自民」です。
滅亡に向かいつつある左翼メディアにとって、彼らが社会主義の理念に確信を抱き、かつ時代を支配できたと思えた黄金期を懐かしみたいのかもしれません。
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コメント
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社会党のプリンスと呼ばれた横路氏も先日亡くなったし、ある意味で「戦後が本当に終わった」という感想ですかね。
正直、西山氏をなんでこんなに持ち上げて半世紀も経ったのかが不思議なくらいですけど。毎日系のTBSではモックン主演でドラマまでやってたし。
国家機密情報をホイホイと流す公務員や、それを野党議員に横流しする連中なんて信じられませんよ。しかも内容が正直大したことが無い!「密約」なんて報道すると大事みたいに聞こえるけど···沖縄返還にようやくこぎつけた当時の政権が良く頑張った結果だとしか。
一方で、利用された側の不遇な女性事務官さんが実はドエロで西山氏のチンコを繋ぎ止めておくために情報を流してたなんて書いてる当時を知るという知識人もおられるようですが···はっきり言って「どうでもいいわ!」と。
何にしても情報取得の手段としてはあってはならないこと。しかも印やナンバーを伏せることもせずにコピーして横流ししたら···完全にアウトだって話です。
現在だったらLINEで不倫のスクショが流れる芸能人程度のことですね。ああいうのも誰がリークしてるのか怖いですが。。
投稿: 山形 | 2023年3月 4日 (土) 07時57分
戦争を経ずに領土の返還を実現したんですから、この程度では大仰に「密約」と呼ぶ事すらはばかられる内容です。
あと、あまり故人をいたぶるのもなんですが、西山は報道の矜持云々とか、表現の自由がどうたら言った動機でやった行為ではないです。
その目的は倒閣のためであって、新聞記者という名を借りた運動家であったというのが西山の本質。それは事件後の西山の人生を見ても明らかな事。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2023年3月 4日 (土) 09時40分
>社会主義の理念に確信を抱き、かつ時代を支配できたと思えた黄金期を懐かしみたいのかもしれません
そんなパヨクのマスター何とかの為に自国を嘘やデマで貶める事自体正気の沙汰ではありませんが、パヨクは元から正気じゃなかったですね。
糾弾されるべき「密約」とは慰安婦問題での河野談話に絡むそれですが、マスゴミはこの時は産経以外は何処も追及しようとしませんでしたね。
投稿: KOBA | 2023年3月 4日 (土) 13時54分
なんらかの「正義」のために法や社会通念に反する行いを為す、それを選択する自由はある。
そうやって明らかにした「何か」そのものに価値が有るか無いかとは全く関係なく、その「正義」とは主観によるものであり、やったことに応じた咎を負うのは当然。
ただそれだけのことですが、その覚悟や自覚があるのか、それとも「正義」の旗を持つ己は許され認められて当然と思うのか、そこに高い壁があると考えます。
1861年生まれの米国のジャーナリスト/コラムニスト、ドロシー・ディックス(Dorothy Dix・ペンネーム)は、
懺悔は弱さのあらわれ
厳粛なる魂は己の持つ秘密を守り、沈黙のうちに自身への罰を受けいれる
Confession is always weakness.
The grave soul keeps its own secrets, and takes its own punishment in silence.
との言葉を遺しました。
「これには理由がある」と美化しながら昔からある「羽織ゴロ」と呼ばれるような言い草や仕事ぶりの人も、全くそうではない人も、頭に留め置きたい言葉です。あ、ごろつきには所詮無理か。
投稿: 宜野湾より | 2023年3月 4日 (土) 16時42分
近年では「ドラマ」新聞記者をまるでノンフィクションかのうようにメディアは取り上げ、そのモデルとなった望月衣塑子はまるで巨悪と戦う正義の戦士かのようでしたねw
その後、その内容について遺族の方と何やら揉めていましたが一切無視。
自分らのやりたい事は全て正しい、都合が悪くなれば切り捨てるという見事な左翼しぐさでした。
これも何年かしたら都合の良い所だけ抽出して正義の女性ジャーナリスト望月衣塑子として祭り上げられるのでしょうか?本当にゲンナリします。
投稿: しゅりんちゅ | 2023年3月 4日 (土) 18時17分
西山はスパイ映画の主人公にでもなった気分だったのでしょうか。
国賊でも天寿を全うできるスパイ天国日本で良かったですね。
それよりも大事なのは、本件が今後の日本の北方領土返還のための方略とトラップとして大きな教訓である、ということだと思います。
投稿: プー | 2023年3月 4日 (土) 22時49分
「国内政局なんか見たくもないですからね」という風になったのは、そんなギインさん達を選んだ私ら国民が悪いんですわ。ロークオリティな朝日や毎日が大手を振っていられたのも同根で、受け手である私ら国民に大人の判断力が無かったんです。
近代日本が生まれた明治当初の国民の多くは江戸時代には字も読めない百姓だったし、その明治以降も天皇陛下を頂点とするムラ型全体主義教育を受けていて、民主主義の自由な個人という意味ではあまりにも盲目で無邪気でしたわ。
最悪なのは敗戦後で、マッカーサー元帥閣下が「日本人は12歳の少年のようだ」と言ったと聞いて、未熟な国民は「そうだ、そうだ、純朴な俺たちは邪悪な旧軍部にダマされていたんだ」とまったくの被害者のように装い、東京裁判で決まったワルモノ以外は「1億総懺悔だ」という空気の中で禊を果たしたことになってしまいました。
そんな無責任な敗戦総括?の後なら、何でもアリですわ。反旧軍部、その先の反権力反政府ならば何でも許されたし、多くの純朴な国民はそれについて合理的な判断をする能力も無かったんで、戦争でヒドイ目に合った感情と気分だけで迎合したんですわ。
実際のところ一般の日本人にとって、社会主義や共産主義なんてどーでもよくて、世上の憂さ晴らしに騒ぐ口実程度に過ぎない。それを煽ると儲かるので、サヨク界隈のビジネスが発達してきたんですわ。その程度なんで、インターネットでエンタメの増えた現在、わざわざカビの生えた政治思想に熱くなる御仁は少ないので、サヨク系マスゴミはもうお払い箱ですわ。
西山事件って、「密約」とか姑息なコトバや「エロ不倫」要素も取り入れられていて、いかにも昭和の臭いがプンプンします。往年の夜のワイドショー『ウイークエンダー』の再現フィルムには持ってこいだったのに。
投稿: アホンダラ1号 | 2023年3月 4日 (土) 23時18分