高市氏を何としても追放したい勢力
不愉快なことなので短めに。
今の高市氏へのいわれなきバッシングが続くのは、岸田氏にこの事態を止める意志がないからです。
総務省は既に答弁と文書で、こう言っているのです。
「同席者2名に聞き取りを行った結果。
『この時期にはNHK予算など放送のレクがあったとしてもおかしくないが、個々のレクについては覚えていない。放送の政治的公平性の答弁に関しては、5月12日の委員会前日に大臣の指示を受けて夜遅くまで答弁のやりとりがあったことを覚えており、その前の2月に文書にあるような内容の大臣レクがあったとは思わない』
NHK予算などの時期でもあり、この時期に放送のレクがなんらかあったとしてもおかしくないが、8年も前のことであり、個々のレク時期や内容は記憶にない。この2月13日付の大臣レク文書に記載された内容のレクについても記憶にない」
はい、終了。これ以上なにかあるのでしょうか。
まわりくどい言い方をしていますが、総務省は「2月に文書にあるような内容の大臣レクがあったとは思わない」と答えています。
大臣レクなるものがあったなかったという議論にはなんの意味もありませんが、これでオシマイです。
総務省は「小西文書」にあった2月13日付けの「大臣レク」などなかったと言っています。
ところがメディアはあいもかわらず、この部分を報ぜずに、こういう書き方をしています。
「放送法上の「政治的公平」をタテに、安倍晋三政権時代、総務相として同政権に批判的な番組に圧力をかけようとした疑いがもたれている高市早苗・経済安全保障担当相。今月上旬に問題発覚以降、「文書は捏造ねつぞう」と叫んでいるが、その答弁の迷走ぶりが目に余る。一部からは擁護論も飛び出したが、それも筋違いで旗色は悪くなるばかり」
(東京3月18日)
「捏造だ」→「確認できない」高市早苗氏の答弁が迷走中 それでも国民民主・玉木氏が擁護する理由は:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)
おいおい、なにが「安倍晋三政権時代、総務相として同政権に批判的な番組に圧力をかけようとした疑いがもたれている高市早苗」ですか。
「小西文書」にすら、そんなことはただのひとことも出てこかったし、総理と電話したていどのことにすぎません。
唯一、放送法解釈について、高市氏が登場するのは5月12日の委員会答弁だけで、これはとうに公開されている議事録を意味ありげに添付してあったただけのことです。
その委員会答弁も実にマイルドなもので、従来の見解を踏まえつつこう言っているだけことです。
正確を期するために当該部分をそのまま抜き出します。
●平成27年5月12日 参議院総務委員会 高市総務大臣答弁
放送法第4条第1項第2号の政治的に公平であることに関する政府のこれまでの解釈の補充的な説明として申し上げましたら、1つの番組のみでも選挙期間中またはそれに近接する期間において、殊更に特定の候補者や候補予定者のみを相当の時間に渡り取り上げる特別番組を放送した場合のように選挙の公平性に明らかに支障を及ぼすと認められる場合といった極端な場合におきましては一般論として、政治的に公平性であることを確保しているとは認められないと考えられます。
選挙期間中に特定候補の利益となったり、逆にことさらディスる報道のような行き過ぎは認められない、と言っているだけのことで、このどこが東京新聞が言うように「同政権に批判的な番組に圧力をかけようとした疑い」なのでしょうか。教えてほしいものです。
単に高市だったら、安部のお気に入りだから放送法解釈を改悪する気だという憶測でモノを言っているにすぎません。
つまりは印象による誘導です。
そもそも当時安部氏には放送法改正の意志はありませんでした。
総理とは無関係に補佐官が問い合わせたていどのことです。
その磯崎氏についても、総務省は「精査」文書の中で「強要はなかった」、解釈変更しろとは言われていない、と書いています。
それを新しいネタなんぞないのにグダグダとどこまでも粘着しやがって、どうにかしています。
ところが、今回の茶番を長引かせているのは、左翼メディアと立憲の粘着もさることながら、問題はむしろ岸田首相が傍観者きどりでいることです。
自分が任命したはずの閣僚が孤立無援の戦いを強いられているのに手を貸そうともしない、総務大臣に調査も命じない、ともかくなにもしない。
初めは、岸田氏特有の様子見でもしているのかと思いましたが、どうも違うようです。
岸田氏は意識的に高市氏を潰したいのです。
自分には火の粉が及ばない、任命責任を問われたら更迭を匂わすくらいはしたい、大方そんなところです。
岸田氏にとっては、安部政権時代の政策はできるだけ変更し、その遺産は使えるものはもらうが、理念は切り捨てようということです。
とくに岸田氏と高市氏の政策が鋭く食い違ったのは、増税政策を巡ってでした。
財政再建派=増税派である岸田氏は、防衛予算を増やすためには増税を主張して国民から呆れられたように、麻生副総裁を最高顧問に据えて自民党内に総裁直属の財政健全化推進本部を設置してまで、増税路線を突っ走る気でした。
麻生氏は安部氏の盟友といわれながら、財政・金融政策では正反対の立場でした。
高市早苗氏「正規なものならびっくりする」…放送法文書巡り辞任要求を拒否 : 読売新聞 (yomiuri.co.jp)
これに真正面から叛旗をひるがえしたのが高市氏です。
当時、政調会長だった高市氏は直ちに直属の財政政策検討本部を作って対抗し、昨年7月の参院選前には、経済政策の補正予算編成をめぐって麻生氏や茂木敏充・幹事長と大げんかを演じました。
官邸は党の意見に介入できませんから、岸田氏は発信力がある高市をなんとかしないとまずいと思ったのでしょう。
そこで政調会長という党役職ナンバー2から、官房をもたない経済安全保障大臣という実体のない閑職に飛ばしたのです。
閣僚にすれば、総理の自分に抵抗できないと踏んだからです。
しかし高市氏は、それでもひるまず増税については、罷免されても言うことは言うという反骨ぶりを発揮しました。
岸田氏は、閣内を財務省派で固めています。
今回の「小西文書」で、高市氏に不利な材料を出している松本総務相でした。
松本大臣は、ここまで総務省文書が問われている時期に、なんと第三者調査をしないと言ってしまいました。
産経
「松本剛明総務相は22日の閣議後記者会見で、放送法が定める「政治的公平」の解釈を巡る行政文書について、第三者による調査を実施することに否定的な考えを示した。「総務省で精査を進め、説明、報告できることはしてきた。これからも総務省でしっかり対応したい」と述べた。
総務省は、令和3年に発覚した同省幹部への接待問題の調査では、元検事の弁護士らによる外部有識者委員会を設置し、接待が行政に影響を与えたかどうかを調べた。松本氏は、第三者が調査した当時との違いを問われ「(今回は)総務省における法律の解釈にかかることだ」と説明した」
(産経3月22日)
放送法文書、第三者調査せず 松本大臣「総務省で対応」 - 産経ニュース (sankei.com) 。
ここまで国会が空転している責任は総務省にあります。
総務省の官僚が小西氏に漏洩した疑いがもたれているのに、どの口で「解釈の問題だ」といえるのでしょうか。呆れたもんです。
松本氏は総務大臣として公正な第三者による調査をせねばならない立場なのにシラっとしてなにもしない。
これでは小西一派となんら変わりません。
松本氏のボスは財務省閥のドンである麻生氏です。
この松本氏自身も、父の十郎氏は大蔵官僚出身の閣僚でした。
つまりは財務省閥に属する人物です。
「岸田官邸を表向き仕切る筆頭総理秘書官の嶋田隆氏は元経産事務次官で、財政には一切、口を出さない。政策立案は事実上、財務省から出向する秘書官・宇波弘貴氏の仕事だ。年次は茶谷氏の3年下、同じ主計局畑を歩んできた右腕である。ある自民党ベテラン議員が語る。
「いま総理の周りを固めるのは、政治家も大蔵省出身者やその縁戚ばかり。特に宮沢喜一元総理の甥で、30代まで大蔵省で過ごした党税調会長の宮沢洋一さんには、茶谷と宇波が連日、足しげく通って報告を入れています」
岸田文雄が「財務省のポチ」になることは「東大に3回落ちた」ときから始まっていた(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース 。
このように岸田官邸は財務省に完全に支配されています。
このような空気の中で、増税反対を言うことはいかに勇気が必要だったのか想像がつくでしょう。
とまれ、岸田政権の財務官僚出身の側近たちは、高市氏を憎悪しています。
ですからこの「小西文書」を流したのは官邸だとまでは思いませんが、少なくともいい気味だ、メディアに袋叩きになって閣僚辞任しろ、そして次の総裁選挙をあきらめるくらいぶちのめされればいい、くらいは考えていても不思議ではありません。
おお、いやだ。
岸田さん、これを続けたらあなた、自民の鉄板保守層の支持をごっそり失うよ。
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かたやWBCで、未来の子供達へ繋いでいく姿勢が今回の結果を産んでいく中で、官僚や総理大臣をはじめ政治家たち、マスコミは小賢しい、矮小な姿を晒していく。こんなことが将来の日本にどれだけ良い効果が生じるというのだろう。自分たちをきちんと客観視して、恥じてほしいものです。
投稿: ひだか | 2023年3月24日 (金) 08時29分
「(保守派の間で言われるようには)高市は萩生田と違って、増税反対派ではない。岸田首相に対して「ガス抜きだった。強い言葉を使った事をお詫びしたい」と恭順を示した、というような粗雑な報道がありますね。
たしかに高市は岸田が党内議論をすっとばした点を問題としたのであって、そのことは官邸側が譲歩。結果的に来年の議論に望みをつなでいます。
そうなれば当然のマナーとして、内閣の一員たる高市が総理に謝意を示すのも当然の事でした。
岸田個人がどう考えているのか私には分かりませんが、なりふり構わず増税路線を突っ走る側にあるのは明らか。
増税決戦は来年度に持ち越しなので、高市がここでやめるワケもありません。だいいち、仮に小西文書がすべて真実だとしても、高市にはなんの責めもありません。
面白いのは、共産党が小室文書の内容に疑いを持っているように見える事です。ここが立憲と違います。
共産党は首謀者の三人を国会に呼んで事実を明らかにし、高市よりも総務省の責任を追及したい考えのよう。
総務省を守って大事にしたくない政府自民党が、派閥の後ろだてのない高市の辞任で事を収めたいと思っても不思議ではありません。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2023年3月24日 (金) 10時50分