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2023年5月22日 (月)

広島サミットがかいま見せた「シン国連」

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G7広島サミットが終了しました。巨大な会議でした。これを実現した首相以下の関係者に感謝いたします。
素晴らしい成果の数々で、これを総括するまでしばらく時間がかかるでしょう。
このサミットは、広島を舞台した外交のデパートであり、21世紀の国際政治を再定義した会議でした。
ともかくメンツがスゴイ。

・G7として、日本、イタリア、カナダ、フランス、米国、英国、ドイツの7カ国
・招待国として、豪州、ブラジル、アフリカ連合(AU)議長国のコモロ、太平洋諸島フォーラム(PIF)議長国のクック諸島、G20議長国のインド、ASEAN議長国のインドネシア、韓国、ベトナムの8カ国
・国際機関として、の国連、国際エネルギー機関(IEA)、国際通貨基金(IMF)、経済協力開発機構(OECD)、世界銀行、世界保健機関(WHO)、世界貿易機関(WTO)

これだけ枢要な国々の首脳が、一同に会することだけでも惑星直列のようなものでした。

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G7広島サミット最終日 ゼレンスキー大統領参加で首脳会談 午後には平和公園で献花し記者会見 | TBS NEWS DIG

そしてゼレンスキーを合流させ、この一同に会した世界首脳に合わせて一致した方向性を策定するとは、心憎い演出でした。
野党諸君、これがほんとうの外交です。

ところでひょうきん者のムネオという人がゼレンスキーを連れて来るならプーチンも呼べぇ、なんて喚いてましたが、彼、国際刑事裁判所で逮捕状でてますから。
もし日本に来たら、うちの国はローマ規程の締約国として、謹んで空港で身柄を拘束し、国際刑事裁判所に突き出す義務があります。
だからどうぞプーチンも来て頂きたいものです、ムネオさん。

それはさておき、この広島サミットで現れたのは、崩壊学級の国連とはまったく違うまだ見ぬ「シン国連」の原型でした。
前大戦後の戦勝国中露の全体主義を容認した国連の無力さが露わになって、とうとう正真正銘の侵略戦争を起こしてしまいました。
しかし国連は、常任理事国の悪人たちに牛耳られているために動けない。
だから世界は今、国連の外に新たな秩序再編を欲しているのです。

「シン国連」がありえるとすれば、それは「法の支配」が基軸概念となることでしょう。
単に大戦の勝者であることによってのみ「国際社会で名誉ある地位」を受ける現体制ではなく、侵略戦争を禁じた国連憲章の理念を引き受け、「法の支配」を誓える国々が集まって集団安全保障体制を構築の屋根を国際社会にかけようというのです。

広島宣言にはそのことが謳われています。

「G7首脳はいかなる時もさらに一致団結し、目下のグローバルな挑戦を迎える決心をし、さらによりよい未来の道を切りひらく。我々の任務は国連憲章と国際パートナーシップ関係の尊重に根差すものだ」
「われわれは共同の努力で、自由で開かれたインド太平洋を支持し、いかなる一方的な武力や恫喝による現状変更のたくらみにも反対する」
「以下の方式で国際原則と共同の価値観を防衛する。法治を基礎とした自由で開放的な国際秩序を維持、強化し、国連憲章を尊重し、大小国家を幸福にする。世界のいかなる地域においても、武力や恫喝により一方的な方法で、平和に確立されている領土の地位を変えようとするいかなるたくらみに強く反対する。同時に武力による領土奪取の禁止を繰り返し述べる」
(2023年5月20日 共同コミュニケ)


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中国に深刻な「懸念」、ロシアも非難 G7首脳声明 - 産経ニュース (sankei.com)

核の共同文書について、共産党が文句をつけているようです。
ま、共産党とか中国に褒められるようなら失敗なんですがね。

「共産党の志位和夫委員長は20日、東京都内で講演し、先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)で発表された核軍縮に関する共同文書「広島ビジョン」について、「真っ向から裏切る内容になった。許しがたいことは、核抑止論が公然と宣言されたことだ」と批判した。  
 志位氏は「首脳らは原爆資料館で一体何を見たのか。被爆地から核兵器に固執する宣言を出したことは許しがたい」と述べ、日本政府に対し核兵器禁止条約への参加を求めた。  位氏は「首脳らは原爆資料館で一体何を見たのか。被爆地から核兵器に固執する宣言を出したことは許しがたい」と述べ、日本政府に対し核兵器禁止条約への参加を求めた」

(時事5月20日)
共産・志位氏、広島ビジョンを批判(時事通信) - Yahoo!ニュース

いつものポジショントークで、なにが「許しがたい」ですか。
要は、核兵器禁止条約に入れとキシダが言えということでしょう。

では、共同文書でなんと言っているのか当たってみます。かなりの長文ですのではしょります。

まず冒頭部分はこう始まっています。
ここが非常に大事で、ここを読みとばすと、ただの「核なき世界」、全員スタンディグオベーション、はいそれだけでオシマイという一般論になってしまいます。

「我々は、77年間に及ぶ核兵器の不使用の記録の重要性を強調する。ロシアの無責任な核のレトリック、軍備管理体制の毀損及びベラルーシに核兵器を配備するという表明された意図は、危険であり、かつ受け入れられない」
■核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン
G7初の独立首脳文書【全文仮訳記載】TBS NEWS DIG 

この部分は明確にロシアの核による脅迫、ベラルーシへの核配備についての強い非難です。
ウクライナ戦争が、いままでのそれと一線を画したのは、核大国が核兵器の使用を口にし、かつ同盟国のベラルーシにそれを置くと言ったことです。
核を現実の戦争において使用をほのめかしたという戦後唯一の戦争となりました。
たぶんこのプーチンの核の脅迫がなければ、ヨーロッパ諸国はここまで団結してウクライナ支援に踏み切ることはなかったでしょう。

だから、G7各国首脳は被爆地広島でのサミットで、資料館見学と共同の献花をしてみせることで、はっきりと「核兵器の使用禁止」を謳いあげる必要があったのです。

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G7首脳、原爆慰霊碑に献花 - 産経ニュース (sankei.com)

いいですか、「核兵器使用の禁止」であって、「核兵器禁止」ではありませんよ。
そこを混同すると共産党になってしまいます。
では、なぜ「核兵器禁止」ではいけないのでしょうか。

サーロー節子氏という被爆者が「広島サミットは失敗だった」と言っています。
この人はただの被爆者市民ではなく、ICANという核兵器禁止条約を推進している反核団体の運動家です。

Top

「暗闇に絶望しない」コロナ禍の被爆者 サーロー節子さん|広島・原爆の戦跡 薄れる戦争の記憶 NHK

「サーローさんは昨日、G7サミットがまとめた核軍縮に関する「広島ビジョン」を巡り「自国の核兵器は肯定し、対立する国の核兵器を非難するばかりの発信を被爆地からするのは許されない」と批判。核兵器禁止条約の締約国との協働など期待していたが、「広島ビジョンでは全く無視されている」としていた」
(中国新聞5月21日)
被爆者サーロー節子さん、広島サミットは「失敗」(中国新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

サーロ氏の「自国の核は肯定し、対立する国の核は非難する」とい認識そのものが間違いです。
これではまるでG7が、自国の核だけが肯定されるべきだと言っているように聞こえます。ちがいます。
ちゃんと読んでいるのですか。広島ビジョンが非難しているのは、核を他国や国際社会を脅迫の具として使うこと、そして核軍縮からの離脱、あるいはそもそも参加していないような国々、そして核を拡散させることを非難しているのです。

その理由も共同文書は書いています。

「我々の 安全保障政策は、核兵器は、それが存在する限りにおいて、防衛目的のために役割を果たし、 侵略を抑止し、並びに戦争及び威圧を防止すべきとの理解に基づいている」
(広島ビジョン前掲)

G7諸国は現状では、核兵器が存在すること、核が存在することによって核を使用を抑止し、戦争の防止に寄与しているからです。
「核なき世界」というお題目にとらわれず、少し考えてみればわかるはずです。
いいでしょうか、G7各国が核を放棄するか、核の傘から離脱したらどうなるのか。
はい、答えは簡単ですね。いまでも核兵器を使うゾと脅迫し、新戦略兵器削減条約(新START)からの脱退の構えをみせるロシアや、初めから一切の核軍縮のテーブルにつこうとしない中国、そして核保有国への道を邁進する北朝鮮、イランのみが世界の支配者となってしまいます。
彼らは絶対に自ら核を手放すことはしないでしょう。

つまりロシア、中国、北朝鮮、イランのみが核を独占して保有し、それによって世界を脅し上げ、すべての要求を通すことができるというジュラシックワールドとなるのです。
ブルブル、志位氏はこのような世界がお望みのようです。あたしゃ絶対にイヤダ。

アイキャンのようないわゆる反核団体は核の使用を口にするロシア、核軍縮に加わらない中国、国際社会の批判にもかかわらず核保有を進める北朝鮮やイランといったならず者たちをまったく批判しません。
その代わりに、口をきわめて罵るのはわが国です。
わが国がまるで「核なき社会」の妨害者であるかのように主張してさえいます。
これではほんとうに「核なき社会」への道がひらけるはずがないじゃないですか。

「我々は、新戦略兵器削減条約(新START)を損なわせるロシアの決定を深く遺憾に思うとともに、ロシアに対して、同条約の完全な履行に戻ることを可能とするよう求める。同時に、中国による透明性や有意義な対話を欠いた、加速している核戦力の増強は、世界及び地域の安定にとっての懸念となっている」
(広島ビジョン前掲) 

だから「広島ビジョン」は、ロシアや中国、北朝鮮の核兵器に対して「防衛目的の役割を果たす」ことにおいてのみ、核保有は維持せねばならないとしています。
これが志位氏が大嫌いな「核抑止論」であって、これが理解できないと話になりません。
核兵器禁止条約は、一方的にロシア、中国、イラン、北朝鮮を利して、ならず者国家だけが核保有国となるので、わが国は無視し続けているのです。

次に大事なのは、これ以上核保有国を増やさないようにしようというのが「核の不拡散」です。
「核兵器の不使用」と「核不拡散」によってこのならず者4カ国を包囲し、「核軍縮」のテーブルにつかせるというのが「核なき世界」への道筋です。
現在、核兵器は好むと好まざるとにかかわらず存在します、そしてそれはならず者国家が核を独占して世界を脅迫することを抑えています、以上を認めたうえでで、これ以上核保有国は核兵器を増やさないように核軍縮に参加してください、そして核実験もしてはいけません、さらに今核兵器を持とうとしている国には核を持たせないようにしましょう、それが継続されて核で世界を脅迫する国がひとつもなくなれば、将来的には「核なき世界」になるでしょう、ということです。
実に迂遠ですが、これしか方法がありません。

 

 

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コメント

ぬぬっ!

G7首脳の長崎訪問は叶いませんでしたが、先立った長崎保健相会合に出席した各国閣僚は長崎の平和公園で献花しています。
これほど数々の要人を迎えて、警備は完璧或いは理想通りではなかったかもしれませんが、そこに関わった皆さんは、胃に穴が開きそうな思いだったことでしょう。お疲れさまです。
ゼレンスキー大統領の日本広島訪問は先方からの強いご希望であったと聞きますが、そうであったとしても、諸々段取りをしてそれを実現できたことは、大変に良かったことですね。
安倍晋三元首相の対ロシア政策や姿勢は失敗であったと言えるわけですが、改めて振り返ると、あの当時に日本がロシアに厳しくあたることを選んでも、米欧がそれに加勢、ないし同調してくれたかどうかは怪しいものでもあったと思います。
「侵略はよくないが」を枕詞にして後に何か続けるならば、「そのお陰で法の支配のもとの結束が得られる」であって、安倍晋三外交唯一といっていい失点を今回で取り戻し、岸田首相が既にブチャを訪問し見ていることも、その裏打ちを厚くしました。

軍・自衛隊・海保・警察とその武器兵器、消防隊や救急隊とその装備は、活躍する時が無いのがいちばんだけれど、我々が持たなくてはならないもの。持ちながら、活躍せざるを得なくなる事態を減らしたいもの。
コインの表と裏、或いは車の両輪のようなことだと小学生でも理解できます。
英国や豪州などきちんと「核の不使用」を押さえて報道していますが、我が国の記者ときたら、「核兵器は廃絶しなきゃいけないのに持っているのはおかしい」とか、会見終わり間際の岸田首相に「逃げるのか!」と捨て台詞を投げるとか(ちなみにそんな常套手段を使われた岸田首相は戻って「広島アクション・プラン」の詳細を説明)、ゼレンスキー大統領に「もっと和平についての話をすべきという声にはどう答えるか」なんて質問するとか、大人なのに脳内ネットワークがまだスカスカなんだなと、彼我の差を気の毒に思います。
不戦反戦話し合え!とデモすることも全然構いませんが、それをいう相手を明確にロシアや中共にする方が、切実さが世に伝わり、より多くの共感を得られるだろうと思います。
「アンチであること」を目的にしてしまうと道理や現実がわからないままになるようですが、そこからの成長を悠長に待てるほど時間があるわけでもないので、今回の力による現状変更の試みを、語弊を恐れず言えば奇貨として、思考を先へ進めていきたいと考えます。

シン国連ですか、出来上がるといいですね。
古い国連は捨てて新しい国連から世界平和を目指す。

ゼレンスキー大統領は単純比較はできないが「ウクライナの街は原爆資料館で見た風景と似ている」「広島の街が復興したように、(略)バフムートも同様に復興することが出来ると感じた」と語ったと。
今の広島の街をみて希望を持たれたものと思います。

防衛省はウクライナの要請に応じ、新たに自衛隊車両100台(1/2tトラック、高機動車、資材運搬車)を提供。準備が完了した車両から順次提供するそうです。
非常用糧食約3万食も追加提供予定。
これでも一部の人達は戦争に加担するのかと騒ぐのでしょうが、そんなのは放置プレイしましょう。
なんなら更に防空システムの一つも出してはどうなんだと思います。パトリオットのミサイルだけでもいいです。

武器の供与がよろしくないなら、復興協力は日本が音頭をとりたいところです。

 広島宣言のいうところでは、「すべての者にとっての安全が損なわれない事が担保されないかぎり、核抑止力は必要」としていて、妄想の話ではないですよね。
そうした現実論とは別に、理想論として核軍縮・核廃絶はあるのであって、史上初めて核で恫喝するロシアのような国が現れた以上、恫喝を受けた側のウクライナに断固寄り添うのが反核運動の正しい道でしょうに。
その恫喝屋ロシアがまた、国連常任理事国だというのですから、これまた最悪のブラックジョークです。

そしてこのサーロー女史の複雑な内面は我々日本人には迷惑なほど、多分に民族主義者的色合いが濃いですよ。
ノーベル賞受賞時のスピーチの際も、自らの受賞を「反米・民族解放闘争側の勝利」と位置付けていました。

F16供与が始まるだろう中、またしてもロシアの外務副大臣は暗に核を含めた対応を示唆しています。狂ったメドベージェフや国会議長だけではありません。
こうしたロシア側の姿勢を徹底的に批判しない以上、核廃絶運動や核軍縮など茶番に過ぎない戯言のたぐいと思われて当然です。

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