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2023年5月10日 (水)

ああ、言っちまった、岸田さん

S018

岸田首相が訪韓し、とりあえずこれで二国間関係は完全に正常化したことになります。
岸田氏はたいそう前のめりで、こんなツイートを出しています。

 

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岸田さんは、シャトル外交をするとまで言っていますから、今後定期的に両国首脳と2プラス2(外交・国防)や経済官僚が行き来することになるようです。
まぁ、いったん正常化工程が始まった以上、そうなるのでしょう。
泣いても笑っても、外交の相互主義とはそういうものです。
だから日本国首相が国立顕忠院(無名戦士の墓)に行ったのですから、韓国大統領は次回の訪日の際に外交の相互主義に基づいて靖国神社、ないしは千鳥ヶ淵を詣でねばなりません。
そのていどの覚悟がなければ、ユン氏はここに日本国首相を招くべきではないのですからね。

外交とはただ仲をよくする、話あいをしたではなく、国益の最大化にあります。
日本にとっての対韓外交における国益の最大化とは、韓国の自称「米中バランス外交」、つまりはコウモリ外交を止めさせ、自由主義陣営の一角としてきちんと復帰することです。
その流れに沿えば、自ずとパク・クネ、ムン・ジェイン政権と二代12年に渡ってやってきた極度の反日妄動を清算され、まともな二国間関係となるでしょう。
したがって、この日韓国交正常化の裏のコーディネーターであったはずの米国務省が、しっかりとここを押さえているかどうか、対北日米韓の連携に固執するあまり、なおざりにしてはいないかどうかを、見定める訪韓でもあったということです。

さて、今回の訪韓で私が心配していたのは、実はなにをするかではなく、なにを言わないかでした。
岸田氏が訪韓を外交的成果としたいという「野望」を持っていたことは明白です。

かつての上司であった安倍氏が「壊した」日韓関係を、オレが修復し発展させるというのが彼の望みです。
そうでなければわざわざ安倍・麻生の反対を押しのけて、中韓に親和的な林氏を抜擢するはずがありません。
外交の大枠は、日米の国際関係があるから今さらどうにもなりませんが、脇枝の対韓政策くらいでは脱安部を演じてみたい、それもわかりにくいていどで。

ですから、岸田訪韓はきわめてデリケートに用意されたはずです。
訪韓した実りはあげたい、されどここで正常化の波に押し流されてしまって原則まで見失うと、今までの対韓外交のただの清算になってしまうからです。
一番の焦点だった、新たな謝罪はとりあえず回避したようです。
日韓共同記者会見で、首相はこう言っています。

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令和5年5月7日 韓国訪問-1日目- | 総理の一日 | 首相官邸ホームページ (kantei.go.jp)

私は3月に、尹錫悦大統領の訪日時に、1988年10月に発表された日韓共同宣言を含め、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいると明確に申し上げた。この政府の立場は今後も揺るがない。
令和5年5月7日 日韓共同記者会見 | 総理の演説・記者会見など | 首相官邸ホームページ (kantei.go.jp)

この「歴史認識は歴代の内閣を継承する」は、これでいいでしょう。
安倍氏も使った表現で、今の日本国首相は韓国に対してこういう表現以外しようがありません。

なにを「継承している」のかといえば、当然これは安部氏が慰安婦合意をした際の謝罪の文言です。

韓国に対する謝罪は、2015年12月の慰安婦合意で「最終的かつ不可逆的な解決」に終了しているはずです。
そこでこれをとりまとめた当時の外相であった岸田氏は、なんと述べたのでしょうか。

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慰安婦合意、警戒した安倍氏 前夜も念押し「大丈夫か」:朝日新聞デジタル (asahi.com)

岸田外務大臣
 日韓間の慰安婦問題については、これまで、両国局長協議等において、集中的に協議を行ってきた。その結果に基づき、日本政府として、以下を申し述べる。
(1)慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から、日本政府は責任を痛感している。
 安倍内閣総理大臣は、日本国の内閣総理大臣として改めて、慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われた全ての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを表明する。
日本国岸田文雄外相と韓国の尹炳世長官による共同記者発表(於ソウル、2015年12月28日)

謝罪を日本国がすることは、これで「最終」だと言ったのは、他ならぬ岸田氏です。
そして日本は約束どおり慰安婦財団を設立し、10億円を拠出しました。
そして直ちに元慰安婦には1人あたり約1億ウォン(約1千万円)、遺族には同約2千万ウォンの現金支給をする個人補償までしました。
にもかかわらず、ムン・ジェインが政権を握るや、慰安婦合意は「国民の大多数が心情的に合意を受け入れられないのが現実」と言い出し、二国間で決められていた慰安婦象の撤去はおろか、この慰安婦財団まで解散に追い込み、事実上の白紙化をしてしまいました。
二国間条約に準じる合意を一方的に廃棄するとは、近代国家とは思えない暴挙です。

ですから、この流れを見れば、岸田氏は「歴史認識は継承する」、このひとこと以外なにも言ってはなりませんでした。
甘い「善意の言葉」を言えば、必ず禍根を残す、そして無限ループのように謝罪と補償を請求される、これが日韓交渉の歴史でした。
しかしやっぱりやりましたね。
余計なことを言っているのは、自称「徴用工」らに対するこういうリップサービスです。

尹錫悦大統領の決断により、3月6日に発表された措置に関する韓国政府による取組が進む中で、多くの方々が過去のつらい記憶を忘れずとも、未来のために心を開いてくださったことに胸を打たれた。私自身、当時、厳しい環境のもとで多数の方々が大変苦しい、そして悲しい思いをされたことに心が痛む思いである。
(共同記者会見前掲)

ああ、やっちまったってかんじです。これでは事実上の謝罪です。
どうせ韓国はナニを言ってもくさすのですから、自称「徴用工」原告に対して、「多くの方々が過去のつらい記憶を忘れずとも、未来のために心を開いてくださったことに胸を打たれた」なんて言う必要はまったくありません。
それにしても、なんつう偽善臭漂う甘ったるい表現だこと。
さすがは宏池会、と合いの手を入れたくなります。

こういうことを再び始めたら、内田樹氏のようなことを言わねばならなくなります。

「だから理屈は簡単なんです。先方が「謝られた」と実感してくれさえすればいい。「謝罪しろ」と言われる前に「すいませんでした」と言って頭を下げる。「なんだよ、何度もがたがたうるせえな、一度頭下げたんだから、もう十分だろう」と言うのを「謝る」とは言いません。謝らないから謝罪要求がエンドレスになる。ドイツの大統領なんて見て下さいよ。ヨーロッパ中どこに行っても謝罪し続けですよ」
日本は謝り続けないといけないのでしょうか?──内田樹の「ぽかぽか相談室」 | GQ JAPAN

このようなコトを言っている人になにを言っても始まりませんが、相手が満足するまでエンドレスで謝罪しつづけたかったら内田氏おひとりでどうぞ。
そもそも個人的謝罪と国家対国家の謝罪は別です。
まぁ、実際やった大馬鹿野郎もいますけどね(笑)。
内田氏がやるならまだしも、元首相の肩書でやるんですから、パスポートを返納させて下さい。

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「ひざまずいて謝罪した日本の元総理」…韓国メディアに消費される“良心的日本人”とは?|FNNプライムオンライン

これで今後も、風物詩のように個人請求権が蒸し返され、謝罪とカネを要求されることでしょう。
日本政府は、そのつど韓国の「市民団体」と日本の左翼メディアに悪玉のように罵られるのでしょうね。

 

 

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コメント

今後の行方は注視しますが、ねじれたようなパラドックスが、宏池会的にして旧西ドイツ的な「気持ちでまとめる」文体のせいで起きています。
日韓の民主党側があれは謝罪じゃないと言い、日韓両政府でも謝罪の扱いはしない。
日本の保守派だけが謝罪だと言う。

そしておそらくほとんどの人々が、ユン政権が揺らぐか終わるかすれば日韓共闘はおじゃんになるとわかっている。
何年間くらい持たせるか、政治も安全保障も目安時間とのセットで動いている事を、国民にも探せばキッカケくらいは分かるような発信をすることを、官邸に望みます。

 尹大統領は信頼できるのだと思うし、旧弊(この場合は反日国家であり続ける事)による機会損失から早急に脱却したいのも本心でしょう。
ただ、宮家邦彦さんですら国内情勢によって「手のひら返し」があり得るの延べていて、岸田政権は「ギリギリの譲歩」をしたんだと。
いや、「一線を越えてしまっている」と考えるのが普通でしょうが。

一方、中国側の反応はやはり批判的であって、「排他的小グループへの参加を懸念」とか、要するに中国包囲網を形成されつつある事への不満タラタラですね。「日本は侵略の歴史を真摯に反省する必要がある」などと常套句も忘れていません。


文化的バックボーンのまったく違うお国柄ですんで、いわゆる和解なんて永遠に無理ですわ。米国が市民に対して無差別的な核投下(死ねい、黄色いチビ猿ども!)をしても、日本人は良くも悪くも世俗的なんで、戦後しばらく経つと「アメ公、この畜生め、地面にドタマ叩っ付けて謝りやがれ!」という感情とは無関係に生きている人がほとんどです。

日本人は、日本将棋の駒のように敵の駒を取ったら味方の駒として使えるがごとく、寛容というか節操がないというか、昔はどうだか知らないが今現在が良いならそれで良いではないか?という「水に流す」という思考を好む。対して大陸や半島には、先祖宗族の仇は子々孫々まで仇であって決して忘らりょか!そうしないと先祖が浮かばれない、先祖に合わす顔がない、という観念がある。こうなると日本では怨霊の思考というものになって、現生の人間の扱うものではなくなる。

お互いにいわゆる「バカの壁」があるので、相互理解は絶対に未来永劫に不可能だという事実を認めた上で、両国の外交のヤリトリをしないと事がこじれますわ。もちろん、各国とも個人は色々な個性の人がいるんで、個人的な関係は篤い友情でも損得関係でも何でもいいのですが、国家となると国民性というものが影響して当然ですわ。

宏池会というか左翼というかリベラルというか、そういう人達は優しくて情にもろい正義の味方という理想像があるんで、ついエエカッコしてしまうクセがあるんですわ。非情のディールに徹して欲しいですわ。両国とも米国に、「中国包囲網がイチバンなんだよ、他の事は忘れろ、優先順位をつけるんだよ、メンドー言ってると傘に入れてやらんぞ」と言われているハズなんだから。

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