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2023年6月 7日 (水)

カホフカダムが破壊される

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急遽記事を差し替えました。

ウクライナ軍は、ロシア軍がヘルソン州にあるカホフカ水力発電所(ノーバ・カホフカ水力発電所)のダムが破壊されたと発表しました。
BBCが詳しい報道を出しています。

「ウクライナ軍は6日、南部ヘルソン州でドニプロ川に設置されているカホフカ水力発電所のダムがロシア軍によって破壊されたと発表した。
この地域は現在ロシア軍の占領下にあるが、ダムが被害を受けたことで下流の住宅数千棟が浸水。水は同日午後、ヘルソン市内にも達した。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はメッセージアプリ「テレグラム」で同日午後、政府と公共サービスは「人を救うために最大限の努力をしている」と書いた。80以上の町村が被害にあう恐れがあると明らかにすると共に、「危険地域」に暮らす人たちには緊急避難命令が出たことを確認した。
大統領府はさらに、ダム破壊によってドニプロ川は150トン分の工業用潤滑剤で汚染されたと明らかにした」
(BBC6月6日)
ウクライナ南部ヘルソンのダム破壊、住民避難 ウクライナはロシアを非難 - BBCニュース

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Geoff Brumfiel Twitter

下水域の地域や畑は大量の水をかぶり、洪水は既にヘルソン市にまで及んでいます。

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https://twitter.com/i/status/1666050733773299714

またダムからの水には大量の工業用潤滑油が含まれており、二次汚染が拡がるだろうと見られています。

「ウクライナ国会がSNSに投稿した洪水現場の動画では、建物が増水した川に流される様子や、冠水で取り残された犬を救助する様子が映っている。RBCウクライナ通信によると、下流域では住民の避難が始まり、国営ウクライナ鉄道が避難列車の無料運行を始めた。ヘルソン州のドニプロ川西岸の一部地域には、約1万6000人が取り残されているという」
(読売6月6日)

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https://twitter.com/i/status/1666050733773299714

ダムの位置は、ウクライナ南部のヘルソン州ドニプロ川のカホフカ水力発電所のダムです。
サポリッジャ原発が上流にあり、カホフカ貯水池がの水位が著しく低下した場合、原発の冷却水が危険にさられます。

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BBC

去年10月、ゼレンスキーは、ロシア軍がこのダムを破壊しようとしていると警告したことがありましたが、現実になってしまったわけです。

「ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、彼の軍隊が戦争の最も重要な戦いの1つでモスクワの軍隊をヘルソンから押し出す準備をしているときに、ウクライナ南部の帯を氾濫させる巨大なダムを爆破することを計画しているとしてロシアを非難した。
金曜日遅くのテレビ演説で、ゼレンスキーは、ロシア軍がウクライナ南部の大部分を支配する巨大な貯水池を抑える巨大なノヴァカホフカダム内に爆発物を仕掛け、それを爆破することを計画していると述べた」
(アルジャジーラ2022年10月21日)
ウクライナのゼレンスキーは、ダムを破壊する計画でロシアを非難します|ロシア・ウクライナ戦争ニュース |アルジャジーラ (aljazeera.com)

この地域はロシア軍支配地域です。
ウクライナ軍の攻撃によりロシア軍はヘルソン市内からは撤退しましたが、その際10万といわれる市民をロシア国内に拉致しました。
そしてロシア軍は市内の生活インフラであるテレビ放送施設、通信施設、ボイラー、火力発電施設や給水施設、そしてダムすら破壊の対象としました。
この時、ヘルソン州のカホフカ水力発電所のダムの一部が破壊されたことは、下の当時衛星写真で確認できています。

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このヘルソンのダム破壊を当初、ロシアはウクライナの仕業だといっていましたが、偽旗作戦です。
今回もまたロシアが迫り来るヘルソン州やクリミアへの攻撃を遅らせるための焦土作戦だと思われます。
いうまでなく国際法違反です。
「ダム、堤防及び原子力発電所」の「危険な力を内蔵する工作物及び施設」についても、たとえそれが「軍事目標である場合であっても、これらを攻撃することが危険な力の放出を引き起こし、その結果文民に重大な損失をもたらすときは、攻撃の対象としてはならない」(ジュネーヴ条約第1追加議定書 )
(『国際法から見たロシアによるウクライナ侵攻⑥』 2022年4月23日)

ロシアはウクライナの仕業だといっていますが、無視してかまいません。
ウクライナ外相が言うように、情報とプロパガンダを並べて報じるな、です。

プーチンは俗にいう息を吐くほど平気で嘘をいう連中です。
いまやロシアはサイコパス国家と成り果てました。

今回の破壊について小泉悠氏は、この爆破はダム構造物の相当下部で爆破しないと起こらないと指摘しています。

「カホフカダムはかなり巨大な構造物なので、あれをミサイル何発かでふっ飛ばすのは極めて難しい。つまりダムの深いところまで潜って爆薬を仕掛けないと、あれだけの結果にはならない気がする。ロシアがやったと考えるのが現状では説明がつきそうだが、何のためにそれをしたのかなかなか見えにくい。恐らくロシア軍の陣地も相当水に流されてしまう」
(日テレ6月7日)
“タイミング悪い事故”可能性も? ロシア占領下のダム決壊…考えられることは(日テレNEWS) - Yahoo!ニュース

小泉氏の疑問は分からないではありませんが、ロシアが好む伝統的焦土作戦のように見えます。
ウクライナのメリットは皆無です。国土を荒廃させ、進軍を遅らせます。
またクリミア半島の水源を断つという目論見だという者もいるようですが、クリミアはロシア本土と直接クリミア大橋でつながっているために、渇くのはウクライナ人だけです。
そもそも独裁者は民が飢えようと渇こうと関心がありません。
ロシア軍の目的は、今、始まった様子の総反撃の矛先をクリミア半島に向けさせないことです
そのためにはヘルソン州を水浸しにして戦車やトラックなどの軍用車両を足止めにしてしまうと同時に、ヘルソン市民の救助にも力を分散させることが考えられます。

「BBCのポール・アダムス外交担当編集委員は、ウクライナが反撃時にダムを使ってドニプロ川を越えてくることをロシア側はおそらく懸念していたと思われるため、それゆえにダムを破壊したと考えるのが最も論理的な説明だと指摘する」
(BBC前掲)

ダムが去年の損傷によって、水圧に耐えられず自然破壊したという説もありますが、ダムはロシアが管理していたはずです。
そして当時満水状態でした。
本来なら適時排水すべきをそんな危険水域まで溜め込むこと自体、なんらかの故意があったと見るべきでしょう。

とまれ、とんでもないことをしてくれたものです。

 

 

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ヘルソン解放 「まだ戦争が終わったわけではない」とウクライナ政府  - BBCニュース
ウクライナに平和と独立を

 

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コメント

去年秋の爆破は西岸の上部だけで堤体は無事。あー、あの時はロシアも本気で壊す気は無かったなと。だってクリミヤ半島の水源ですし、ロシア軍は必死で防衛線構築をしていた時期。
小泉氏指摘の通り、ダムってのは非常に堅牢な作りなので負荷のかかる堤体内部の点検通路の中央下部にでも大量の爆薬を仕掛けなければこんな壊れ方はしません。ロバート·ショー主演「ナバロンの嵐」を思い出しました。こんなこと出来るのは占拠しているロシア側だけです。せっかく構築した防御線丸ごと水没です。ウクライナ軍の反攻阻止には確かに有効ですけど、随分とバカなことをしたもんだと。。
ウクライナ側としてはダム破壊はなんのメリットもありません。
たぶんザポリージャ原発だってヤバくなるぞ!というロシアの脅しかと。

また東部戦線でウクライナの大規模反攻作戦が始まったとショイグが会見していましたね。
先週末に「ショイグ死亡説」が出てから顔を出さなかったので、まさか?と思いましたがガセでした。

一方でプリゴジンのワグネルはフレンドリーファイア食らったとしてロシア兵を拘束したのだとか。ちょっと事態が読めなくなってます。

鈴木宗男は何て言うんでしょうかね。やっぱり「ウクライナが悪い」「反転攻勢なんて生意気するからこうなった」とでも言うんですかね。

 このタイミングでワシントンポスト発で「バイデン政権はノルドストリームのガス漏れ事故はウクライナが計画した事を知っていた」なんてニュースが流れてますが、真相はどうなんでしょうね。
 何せタイミングが「あれ」ですので。

 もともと非戦闘員や住民の生命など顧みない非道さが、ロシアの際立った武器だと言う事でしょう。
独裁者を頂く国家の特質でもあるが、ロシアは誇大妄想的に脅威を拡大解釈して捉える性向が強い国。反攻作戦をくじくつもりでやったのでしょうが、その効果など微々たるもの。パニックにでも陥っているのかも知れません。

このような戦争犯罪、国際人道法違反を犯す事にためらいはないほどロシア軍は疲弊していて、後先が見えないほど混乱しているのだと思います。
いずれにせよ「ロシアの侵攻による結果」(グレーデス事務総長)なので、この償いはロシア国民にとっても重いものになるでしょう。

地質学に深い造詣をお持ちの藤原かずえ氏によれば、カホフカダムはアースダムなのだそうです。
アースダムとは盛土を固めて造るダムですから、降雨や貯水池面の波にも侵食され易く、地震にも当然攻撃にも脆弱ですね。
・以前にロシアが侵略して2度も攻撃しなければこれほどの浸透破壊は起きなかった、侵略者ロシアの支配地域となりロシアが管理しているダムで、悪意、または超絶うっかりでロシアがやらかした。
・自国の農業壊滅と土壌汚染、住人も避難させず動物をたくさん死亡させることも厭わない、そこまでの作戦をウクライナが選んだ。

どちらに、より合理性があるだろうか?
…などと考える現時点。

藤原氏の意見は地質や工法の見方が一方的だと思います。
地震が少なくてあんなだだっ広い平原ならアースダムが最適な工法です。土手の厚さがたっぷり取れるし表面はコンクリートで固めているので侵食に弱いとは言えません。
東日本大震災でいわき市の農業用ため池ダムが崩壊しましたけど、あれは開拓期の土むき出しアースダム。
また、去年の爆破も相当な規模でしたが爆発は上に抜けるので派手な割に堤体には問題無く、今回の破壊部とは全く位置が違っています。

ただしソ連時代の建造物ですので元々欠陥があったとしても驚きはしませんけど。
近年だとシベリアの油田にある石油タンクの基礎打ちがデタラメで、永久凍土が溶けたらタンクが歪んで倒壊したなんてのも。

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