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2023年6月26日 (月)

「ワグネルの乱」終わる

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BBCのモスクワ特派員ステーブ・ローゼンバークが「いったいあれはなんだったんだ、と言うしかない」と言っていましたが、まったく同感です。
「ワグネルの乱」は武装蜂起を呼びかけ、モスクワに200キロと迫りながら、元の鞘に収まってしまいました。
あれだけ口汚く罵っていたのですから、いつかやるとは思っていましたが、結局このザマですか。
竜頭蛇尾、尻切れとんぼ、頭でっかち尻つぼみ、有頭無尾 。

降伏ではなく再契約だそうです。ウソに決まっているでしょうが。
いったん武器を手放したらオシマイだよ、ワグネル戦闘員諸君。

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【ロシア】ワグネル撤収、プリゴジン氏亡命へ-米も事前に情報把握か - Bloomberg

「(CNN) ロシア大統領府のペスコフ報道官は記者団に対し、民間軍事会社ワグネルのトップ、エフゲニー・プリゴジン氏との間で結ばれたモスクワへのワグネル部隊の進軍中止に関する合意の詳細を明かし、希望する者はロシア国防省と契約することになると述べた。
ペスコフ氏は「これは進軍に参加しなかった者に関するもので、実際そのような部隊はいた。最初期から考えを変えて戻っていった。いつもの陣地へ戻るため交通警察などの支援による護衛まで要請した」と述べた。゛ペスコフ氏は、ワグネルの戦闘員が進軍に参加したことで法的措置を受けることはないとも語った。大統領府はウクライナの前線での「彼らの英雄的な行動にいつも敬意を払っている」とした」
(CNN6月25日)
ワグネルの戦闘員、基地に戻り軍と契約へ ロシア大統領府 - CNN.co.jp

ワグネルの指導者のブリゴジンは、ベラルーシに逃亡したようで、罪に問わないとのことです。
ベラルーシのルカシェンコが暗躍したとされていますが、彼にはそんな政治力はないはずです。
たぶん、ルカシンコを中に入れてのプーチンとの直接交渉のはずですが、予定調和の匂いがプンプンします。
まるで立て籠もり強盗が、カネを懐にして要求どおりヘリで外国に逃げるみたいなもので、自分の私兵を「武装蜂起」に駆り立てた反乱軍の頭目すら、罪に問われないというのですから失笑します。

なんというご都合主義。結果オーライの人治の国であることよ。

ロシアが戦勝記念日を設けたといまだに言っている「ファシズム国」日本において、2・26事件では決起した皇道派将校17名全員が銃殺、加担した民間人2名も死刑に処されています。
その間、陛下の御意志によりいかなる司法取引も行われませんでした。

ところがブリゴジンは、にこやかに南部軍管区司令部から退出して、ベラルーシに逃亡遊ばしました。
かつてソ連崩壊時にクーデターを起こして、エリツイン政権を打倒しようとした共産党保守派ですら自殺してるのと対照的です。
なにが取引されたのか知りませんが、ブリゴジンの要求であったショイグもゲラシモフも無傷です。
初めからそんな「要求」は見せかけだったのかもしれません。

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BBC
「ワグネル」プリゴジン氏、モスクワへの前進中止を発表 ベラルーシ大統領が仲介とロシア報道 - BBCニュース

ブリゴジンはテレグラムで、この中止を説明していますが、だれもよく理解できないでしょう。

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ブルームバーク


「「彼らはPMCワグナーを解体しようとしていた。我々は6月23日、正義の行進に参加した。一日でモスクワから200キロ近く離れたところまで歩いた。この時、我々は戦闘員の血を一滴も流さなかった」 「今、血が流れるかもしれない瞬間が来た。だからこそ、一方の側にロシアの血を流した責任を理解し、我々は計画に従って軍団を引き返し、野営地に戻るつもりだ」https://twitter.com/wartranslated/status/1672658620671041540 」

なにを言っているのやら。
「われわれ戦争員の血を一滴も流さなかった」って言っても、ロシア軍ヘリを7機も落としているのですから、それだけでも充分に重罪です。
「ロシアの血を流した責任を理解」するなら、直ちに原位置のドネツクに戻り、武装解除を受け、司令官以下の将校は出頭するか、ロシア軍憲兵に拘束されるのが筋です。
実際に、ワグネルはロシア軍が無抵抗のまま南部軍管区司令部のあるロストフ・ドヌーを実効支配してるので、そのまま北上すればモスクワの外周に接近するはずでしたが、謎の中止でした。
それにしてもドネツクからロストフまでヘリの抵抗だけで車列を作ったワグネル部隊がまかり通るとは、呆れてモノが言えません。
この国の国境警備はどうなっているのでしょうか。
OSINTtechnicalT-90S and BMP-2 on heavy equipment transporters. https://t.co/lnFF0S4R3i」 / Twitter

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西日本新聞
ロシア・ロストフ州、ロストフナドヌー、ボロネジ州、リペツク州、ワグネルの動き - 「正義の行進だ、モスクワに向かう」 ワグネル反乱、プリゴジン氏の主張 - 写真・画像(2/2)|【西日本新聞me】 (nishinippon.co.jp)

そもそも、プーチンはこの「ワグネルの乱」が起きた時点でこう言っているはずです。

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プーチン大統領、ワグネルを「裏切り」と緊急演説で非難 プリゴジン氏は「死ぬ覚悟」 - BBCニュース

「プーチン大統領はテレビ演説で「われわれが直面しているのはまさに裏切りだ。過度な野心と個人的な利害が反逆につながった」と非難。反乱を組織し、準備し、仲間に対して武器を取った者たちは、ロシアを裏切ったのであり、その罪を償うことになると述べ、「このような脅威から祖国を守るためのわれわれの行動は厳しいものになる」と訴えていた」
(ブルームバーク6月24日)
【ロシア】ワグネル撤収、プリゴジン氏亡命へ-米も事前に情報把握か - Bloomberg

これは6月24日午前の時点の演説ですが、「われわれロシアの背中を刺した裏切り者」という最大級の表現でワグネルを非難し、「罪を贖え。われわれの行動は厳しいぞ」と警告しています。
つまり、これ以上の武装蜂起」を続けるなら、ロシア軍を使って鎮圧し、首謀者は銃殺刑だという意味です。
ある意味、当然の対応で、内乱罪はどの国おいても死刑以外ありえません。

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【フォト】ワグネル、モスクワ進軍停止 衝突回避、ベラルーシヘ - 産経ニュース (sankei.com)

ブリゴジンと2万5千の兵は、それを百も承知で「武装蜂起」という最終手段に訴えたのですから、いったん始まった以上、完遂するしか選択肢はないのです。
蜂起という戦略概念はもてあそぶには熱すぎ、口から出るや、それを最後まで引受けねばならないのです。
ですから、このプーチンの演説に対してブリゴジンがこう答えたのは至極当然です。 

「この演説後にプリゴジン氏は、ワグネルが降伏することはないと断言。ワグネルに対する攻撃はプーチン氏の「深刻な誤り」で、「大統領の要求に応じて投降する者は誰もいない」と主張。ワグネルは政府の求めに応じてウクライナでの戦争に加わった「愛国者」であり、ロシアが「汚職と欺瞞(ぎまん)、官僚主義にまみれた」国であり続けてほしくないと語っていた」
(ブルームバーク前掲)

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Oryx Blog - ジャパン: シェフズ・スペシャル:2023年「プリゴジンの乱」で各陣営が喪失した兵器類(一覧) (spioenkopjp.blogspot.com)

ところが、ご承知のようにブリゴジンが要求していたショイグもゲラシモフも更迭されたという報道はありません。
ワグネルは再契約すると言っていますが、そんなことをするほどプーチンがお人好しとは思えません。
主要メンバーは、調査と称して収容所送りとなるか銃殺されるはずです。
すくなくともそれがいままでのロシア流だったはずです。

鶴岡路人氏はこう感想を述べています。

「ひとたび化けの皮が剥がれ、王様が裸だとバレてしまうと、再びそれを隠すのは難しいのでしょうね。プーチンは「強い指導者」のはずだったのに、実は「弱い指導者」なのだと分かったことが、今回のプリゴジンの一件の最大の成果か」
Michito Tsuruoka / 鶴岡路人(@MichitoTsuruoka)さん / Twitter

ブリゴジンは「恩赦」をもぎとったことで、軍事的敗北、政治的勝利と総括するのでしょう。
一方、プーチンの政治的敗北は確定的で、マッチョなプーチン象は粉々に砕け散りました。
プーチンが強い指導者ならば、南部軍管区のロシア軍を総動員してでも反乱軍を徹底殲滅したはずですし、仮に南部軍管区が使い物にならないとしてもカディロフのチェチェン人部隊が付近にいたはずです。
ロシアはこのふたつの傭兵部隊を戦わせることで、ブリゴジンの野望を阻止し得たはずでした。
しかしこれもしない。
ドネツクからまったくほぼ無抵抗で南部軍管区を落とされてしまうというのは大失態です。


とはいえ、この冷酷漢は、ベラルーシにその「長い手」を伸ばして惨めな死を与えるでしょう。
独裁者を裏切った人間に安逸な日はおとずれないのです。

なお、ウクライナ戦争との関係は次回にします。

 

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コメント

軍事作戦の失敗をショイグ、ゲラシモフに擦り付けて、戦況を変えるために、ワグネルをベラルーシに展開させて(ワグネルはロシア軍でもベラルーシ軍でもないため)ベラルーシ側から攻撃するための、プリゴジンとプーチンの芝居、ということはないでしょうか。

 とんだ茶番でしたね。
小心翼々のツァーリ、プーチンの化けの皮が剥げ、海坊主の愛国心とやらも詐欺師の命乞いに過ぎなかった。
こんなんなら、下らないTVドラマでも見ているほうがマシ。
命がけの「ロシアの威信」なんてものは、最初からありゃしません。
弱いものイジメと無辜の民に対する残虐さ、予定調和にどっぷり浸かった妥協だけがプーチンの戦争というものです。

転覆は無理だとしても、もう少し粘って、ロシアを大混乱させてくれれば良かったのに。たった1日、ヘリコプター数機で済んでしまったら、ウクライナにはそこまで足しにはならなそうですね。

本当に何の役に立たない奴。嘘つきプーチンからも「許すと言ったけど、やっぱアイツ暗殺しろ」と指令が出てるらしいですし、何も成し遂げずに誰の役にも立たずにあっけなく死ぬのでしょうね。

盛大になにも始まらなかった

プリゴジンの目的が部隊を切り捨てての自己保身のみならばこの帰結も少しは理解が及ぶかも?
ベラルーシ国外からさらに逃亡する伝手でもあるんでしょうかねえ

でも部隊は何故こんな未来の無い行動に付き合ったのか、とか
南部軍管区の無反応は反乱に与しないというより消極的に味方したようなもんに見えるけど、粛清無しなんだろうか、とか
疑問は付きませんけど。

国というよりヤクザの集合体、とか
ネットじゃこの顛末が色んな例え話にされてて面白いっすね

ド派手に花火を上げてもらいたかったです。
一晩で800キロ進んだところでおしまいとは残念。
モスクワでの潰し合いを期待したのですが、これからワグナーの粛清が始まりますね。
場合によってはショイグやゲラシモフが関わる傭兵会社へ入れ直して前線送り。
阻止せず通過させた連中も粛清しないとプーチンの権威回復はないような。

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