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2023年6月21日 (水)

自由主義陣営の韓国が帰ってきた

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先日の6月7日、韓国政府は「国家安保戦略」で北朝鮮を「最大、最優先の安保脅威」とし、戦略の土台に米韓、日米韓の協力強化を改めて位置付けました。

「3大目標として「国家主権・領土守護と国民安全の増進」「朝鮮半島の平和定着と統一未来の準備」「東アジア繁栄の基盤づくりとグローバル役割拡大」を掲げた。
また、米中間戦略競争の深化、北朝鮮の核・ミサイル能力の高度化及び新安保イシュー(サプライチェーンリスク、気候変動、パンデミック、サイバー攻撃など)の浮上など、急変している安保環境を評価し、このような安保環境の変化に対応するための戦略基調、分野別課題を具体的に提示した」
(Koreaネット6月8日)
大統領室「尹錫悦政権の国家安保戦略」公開 : Korea.net : The official website of the Republic of Korea

まず外交分野では、韓米同盟や韓米日協力を強化することに集中したいという方針を示しました。
いやー、やっとまともな国になったか、韓国。

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Koreaネット

「韓米同盟は「グローバル包括的戦略同盟」の実現にを目指し、「地理的外延を、グローバル規模の範囲まで拡大させていく」とした。特に、今年4月に発表された「ワシントン宣言」について、「韓米軍事同盟は、核兵器を含め、新しいパラダイムの軍事同盟へと深化することになった」と評価した」
(Koreaネット前掲)

さらっと書くとあたりまえに書いていますが、この部分は重要です。
比較するとわかります。ムン・ジェイン政権の時の安全保障戦略はこうでした。

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Koreaネット

「韓国政府は20日、外交や安全保障に関する政策指針「文在寅(ムン・ジェイン)政府の国家安保戦略」を公開した。
指針書には、北朝鮮核問題の平和的解決、韓半島における恒久的な平和定着、北東アジアや世界の平和・繁栄に寄与、国民の安全と生命を保護する安心社会作りなどの国家安保の目標が含まれている。
特に、「平和を守る」ことを越えた「平和を作る安保」の実現に重点を置いた。これに向けて、韓国の「主導的役割」を強調した」
(Koreaネット2018年12月21日)
韓国、文政権の安保戦略指針を公開 : Korea.net : The official website of the Republic of Korea

当時のムン政権にとっての北朝鮮とはひたすら南北会談などを通じて融和の対象であり、その「主導的役割」として自国を位置づけ、離米反日外交を続けました。
「平和を作る安保」という名の下に韓国軍を骨抜きにしていく過程であり、「バランス外交」と自称した二股外交でした。

当時のアジア情勢は、中国の巨大な台頭と後退を続ける米国、停滞に陥った日本という構図でした。
ムン政権時の中国市場は、毎年8%から9%という驚異的勢いで発展してしいたために、韓国人には中国が蜜と乳が流れるパラダイスに見えたようです。

21世紀は中国の世界で決まりだ、そう韓国は見たのですね。
そして半島国家の伝統芸である典型的な勝ち馬乗りをします。
米国から中国に乗り換えたのです。

国内市場が貧弱で輸出が頼りの韓国にとって中国とは間違っても悪い関係になりたくないので、当時の米政府が始めていたアジア回帰政策は実は困ったことだったのです。
韓国にとって米国は、亭主元気で留守がいいではありませんが、米韓安保があっても実態はスカスカがいちばん好ましかったのです。

そして韓国はお家芸の二股外交を始めます。
中国から弾道弾迎撃ミサイルを撤去しろと命じられれば、はい仰せのとおりにと丸飲みします。
日米豪印のクアッドは中国包囲網だから、あんな奴らとくっつくんじゃないぞ、と命じられれば、アイアイ、マスター。
世に名高い「三不の誓」がこれです。

ムンジェインはノムヒョンの生まれ変わりとまで評されていますが、このノムヒョンが北の核開発をどのように捉えていたのか、言行録から見てみましょう。 


・「北が核開発をするのは、先制攻撃用ではなく防御用だ」(2006年5月30日)
・「(核実験について)こんな小さな問題」(2006年10月10日)
・「北朝鮮はカンウォンドのどこかでハムギョンプクドに向かってミサイルを打ち上げている。そのミサイルが韓国に飛んでこないのは明白な事実ではないか。戦争は起きないという話だ」(2006年12月22日)
・「(北が弾道ミサイル実験をするのは)米国に譲歩を要求する政治的行為であり、それは世界中が知っている」(2007年7月15日)

このようなノムヒョンとその弟子のムンジェインの北融和政策に助けられて、とうとう北は弾道ミサイルを完成させてしまったのです。 
毎日新聞(2018年9月18日) など「非核化の進展なるか」なんてタイトル打っていますが、真逆で、ムンジェインは「民族の防衛兵器」たる核を兵器開発を手助けに行ったのです。
ムンの夢は、韓国の作った戦略原潜に北の核ミサイルを積むことでした。

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文大統領、平壌到着 金委員長がハグで歓迎 : Korea.net : The official website of the Republic of Korea

こういった中で起きたのが、韓国艦艇によるレーダー照射事件でした。
韓国が反論動画として出した画像の中に映り込んでいたのが北の工作船でした。

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産経https://www.sankei.com/world/news/190104/wor190104

下写真は同じ時刻に日本側から撮ったものです。
北の「漁船」と韓国艦艇が接舷せんばかりで、ゴムボートが往復しています。

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北の「漁船」と称する船には漁船に不要ないくつものアンテナが林立しており、たぶん日本近海で見られる不審船と呼ばれるものです。
それがベタ凪の中で接近し、なにやらやっていたので、海自哨戒機が接近したのです。
推測の域をでませんが、韓国海軍と北はなんらかの瀬取りをしていたと思われます。
見られたくないものを、こともあろうに「敵」の日本に見られた、それで逆上しFCレーダーで追い払おうとしたのでしょう。
ここまで軍の腐敗は進んでいたのです。

それがいまやユン政権は日本をこう位置づけています。

「日本に関しては「自由民主主義や市場経済という普遍的価値を共有し、安保・経済など多様な分野で協力する近しい重要な隣国だ」と明記。共通の利益や価値に合わせ、協力を強化していく対象と位置づけた」
(産経2023年6月7日)
韓国が安保指針 日本は「協力強化」へ180度転換 - 産経ニュース (sankei.com)

まさにムンの描いた「夢」とやらのテーブル返しです。
そのうえで、北朝鮮を改めて「真の脅威」と呼び、国防に力を注ぐと言明しました。

南北(韓国と北朝鮮)関係に対する尹政権の国家安保戦略は、北朝鮮の核と大量破壊兵器(WMD)を「安全保障上最優先の脅威」と定義し、「北朝鮮の脅威に対応する画期的な力量を備えなければならない」と表明した。具体的には、キルチェーン(Kill Chain)、韓国型ミサイル防御(KAMD)及び大量反撃報復(KMPR)を含めた韓国型3軸体系能力の確保や戦略司令部の新設、情報監視偵察能力の強化などを挙げた」
(Koreaネット前掲)

けっこうなことです。
やっと少し眼が醒めましたか。
そしてこのような韓国の国防強化を担保するように、国軍改革を開始しています。

「大統領はこれに先立ち、自らが委員長を務める国防革新委員会の副委員長に「北朝鮮を震え上がらせた軍人」として知られる筋金入りの強硬派、金寛鎮(キム・グァンジン)元国防相(73)を抜擢(ばってき)し、韓国軍を「圧倒的な戦闘軍」に立て直す「第2の創軍」を行う指針を示した。文在寅(ムン・ジェイン)前政権で緩んだ韓国の国防は、一気に引き締めと革新の時代を迎えた」
(久保田るり子 
【久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ】韓国の国防改革、中心は「北朝鮮を震え上がらせた軍人」 - 産経ニュース (sankei.com)

ムン政権によって軍と情報機関は徹底的な骨抜きを図られました。
須田慎一郎氏はそれについて、このように指摘しています。

「韓国の軍隊にしても情報機関にしても、今はアノミー状態(=社会の規範が弛緩・崩壊することによる無規則状態)、つまり統制が取れていない状況に入って来ているとのことでした。その方も退役されたのは、同僚が例えば逮捕起訴されたり、あるいはパージされたりする中で、今の文在寅政権ではやってられないということで、辞表を叩きつけて辞めている方なんです。
今、韓国の軍隊や情報機関においてもそういう現象が続出している。特に国情院、大韓民国国家情報院については4年以内に組織を解散するという話が持ち出ていて、やる気を失ったひと達が多い」
(ニッポン放送飯田浩司のOK! Cozy up! 2018年12月24日) 

韓国は、全身をくまなく従北派に支配されて、北朝鮮の傀儡国家となってしまっていたのです。
あともう1期極左政権が続いていたら、韓国は北に「高麗連邦」の一部として吸収されていたかもしれません。
ユン大統領は、「国防革新委員会」を作り、その責任者に金寛鎮(キム・グァンジン )を任命しました。
キムは陸軍士官学校出身のドイツ留学組で、ゴルフもせず軍一筋の野戦の硬骨軍人で、合同参謀本部議長を最後に08年に退役していますが、その後国防大臣、国家安保室長を経て、ユン政権で国軍改革の責任者に就任することになります。
敵への反撃を語るときの強い語調と鋭い眼光から、ついたあだ名は「レーザー・キム」。

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金寛鎮国防革新委員会副委員長
金寛鎮 - Wikipedia

「委員長である大統領の意志を具体化する副委員長に「北朝鮮を震え上がらせた軍人」として知られる金氏を任命した。
この人事は韓国内だけでなく、米国など関係国の耳目も集めた。金氏が北朝鮮に対していかに強硬か、その実績が米韓両軍で知られているからだ。
金氏が2010年の国防相時代、強硬策で北朝鮮の挑発を止めた事案はワシントンで「金寛鎮効果」と言われた。北朝鮮では、金氏の仮面をかぶせた人形を的に射撃訓練を行い、北から金氏に暗殺予告の脅迫状が届いたこともある」
(久保田るり子前掲)

北はキム・グアァンジンの写真を的にして射撃訓練をしたそうな(笑)。分かりやすい連中。
キムが有名になってのは、例の2010年11月に起きた延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件後にとった強硬策でした。
彼は当時のイ大統領に国防長官に使命されるや、「北朝鮮の気を折らなければやられる」という考えの下に、軍事訓練をしかけてきた北に対して実弾を搭載した戦闘機を出撃させ、「戦闘機にはミサイルを搭載した」と宣言したそうです。

またパク・クネ政権時代には、国防相から国家安保室長に就任し、非武装地帯に仕掛けられた北朝鮮の地雷で韓国軍兵士2人が負傷し、さらに射撃を受けた時には、155ミリ榴弾砲を29発を撃ち返したそうです。
このようなやられたら即座に10倍にしてやり返す、譲歩はしないというキムの対応におそれをなした北は、渋々譲歩して南北高官級会談で遺憾の意を表明したといいます。

かつてキムがムンに睨まれて起訴された時、中央地検の検事長だったのがユンでした。
このとき、ユンはキムの硬骨漢ぶりに眼を止めたようです。

「実は尹氏と金氏には因縁がある。金氏は17年、軍刑法違反容疑でソウル中央地検に逮捕されたことがある。軍のサイバー司令部にネット上で革新系野党を非難させた政治工作の疑いで、このときの中央地検の検事長が尹氏だった。対北強硬派だった金氏は文政権ににらまれ捜査対象となった。裁判は最高裁まで争われ、現在は判決差し戻しの状態。だが、金氏は尹氏の要請に「役に立つなら力を貸す」と快諾したという」
(久保田るり子前掲)

やっと自由主義陣営に帰ってきた韓国には、彼のような頑固者が必要なのです。
ユンの権力は薄氷であり、今後、このまま平坦な道が拓けているとは思えません。
またムン・ジェインのような狂った極左の時代が来る可能性も充分あります。
振り幅が極端なのが、この国だからです。
だからこそ、仮に再び権力が極左に移動しようとも、簡単に清算に走らせないような「レンガ積み」をしておかねばなりません。

 

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コメント

レンガ積みをどうするかですね。

やっとマトモな国際感覚があるヤツが出て来た!と思ったイ·ミョンバク政権ですら末期は酷いもんでしたから。。
ユンさんも国内ではどうなるか分からないです。親北反日ばかりがスローガンだったムンのドキュメンタリーは韓国でかなり不評なようですが、あの国はちょっとした事でもネット拡散が異常で同調圧力がかかるのでどっちに振れてもおかしく無いですからね。

お久しぶりです(笑)

中国、北朝鮮、ロシアという厄介な国々と近所づきあいをせねばならない日本にとって、日米韓がタッグを組むというのはあるべき姿だと思います。
しかしその韓国は件の火器管制レーダー事件に関して謝罪はおろか存在すら認めていないわけです。喉に刺さった大きな骨を残したままやれホワイト国復帰だの通貨スワップ再開だのと日韓融和の道を辿ることが本当に正しいとは到底思えません。

米国からの圧力という話も聞きますが、そうなればいよいよ日本は米国のポチ、属国と呼ばれても仕方がないと言えます。

火器管制レーダー事件棚上げは、なにより自衛隊員の士気に影響しないかと心配でなりません。

安保や外交政策に関しては西側陣営としてまともな政権だと信用できるのですが、いかんせん国内経済がボロボロなので保守政権がこのまま継続できるかは怪しいのが残念なところです。
スワップの復活もあるかもという噂はありますがあくまでも信用ができるのはユン政権であって韓国ではないという事を肝に銘じて欲しいのですが…岸田総理さん。

相対的に韓国がましに見えるくらい
ロシアと中国が暴れまくっているという惨状です。

国連は機能せず。
日本の世論は当然の初期トラブルである
マイナのトラブルに大騒ぎ。

いい加減にしてほしいです。

「火器管制レーダー照射してました、明らかに狂った敵対行動でした、ごめんなさい、関係者は処分しました」
「そもそもアレは北朝鮮への瀬取り行為を見たかったことによる逆ギレ行為でした、ごめんなさい、関係者は処分しました」
この2つをきっちり認めて、正式に謝罪しない限りは、いつまた揺り戻しになってもおかしくないと思います。それをやって初めて、自由主義陣営への復帰と呼べるのでは。

上記の2つにしたって、「全部、バカでアホでクズで欲に塗れた売国奴のムンの仕業です。あのアホは失脚させて、韓国は生まれ変わりました」と言えば、別にユンの立場が崩れる訳でもないでしょうに。

 最近の尹大統領の対中国スタンスは好感が持てます。
わが国の林外務大臣には、彼の爪の垢を煎じて飲んでもらいたいくらいです。私とて、尹大統領は総選挙前には手のひら返しするのじゃないか?と疑っています。けれど、少なくとも尹大統領には世界情勢が見えているし、彼の向く方向に「国民の力」も結集しつつあると見ます。

レーダー照射事件の真相にフタをする事には疑問を感じますし、振れ幅が大きい韓国政治にも懸念があります。
けれど私は、尹政権にとって致命的に困難な経済状況に対して、スワップのような手助けをしてあげる事も必要だと考え始めています。
アジア民主主義の真のリーダーなら、かつては同じ国だった日本の立ち位置は鷹揚に見えるくらいの余裕も必要ではないでしょうか。

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