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2023年6月28日 (水)

プリゴジン、ロシアの「戦争の大義」を完全否定

S024

プリゴジンはいろいろなことを言い散らしています。
ゴロツキのアイツの言動から話半分以下で聞くべきですが、今回はホホっーということも言っています。

6月23日の自身のテレグラムで、プーチン大帝の「ロシアの戦争の大義」を全否定してみせたのです。

「ウクライナでの戦争を巡り、プリゴジン氏は軍や国防省を繰り返し批判してきているが、ロシアの「特別軍事作戦」をウクライナの「非武装化、非ナチ化」が目標という政権の説明を今回初めて否定。テレグラムに投稿した動画で、ロシアがウクライナ侵攻を始めた「2月24日に起きたことは日常茶飯事にすぎない。国防省は国民と大統領を欺こうとし、ウクライナからとんでもない侵攻があり、北大西洋条約機構(NATO)全体でロシアを攻撃することを計画していると説明していた」と述べた。
さらに「戦争はショイグ国防相が元帥に昇格するために必要だった。ウクライナを非武装化し、非ナチ化するためには必要ではなかった」と強調。エリート層の利益のためにも戦争は必要だったという見方も示した。
また、ロシアは侵攻に踏み切る前にウクライナのゼレンスキー大統領と協定を締結できたはずだったほか、戦争ではロシアで最も有能とされる部隊を含む何万人もの若い命が不必要に犠牲になったとし、「われわれは自らの血を浴びている。時間は過ぎ去っていくばかりだ」と述べた」
(ロイター6月24日)
ウクライナ戦争、軍上層部の「うそ」が根拠に ワグネル創設者が非難 | Reuters 

ふーん、ロシアの言う「大義」とはずいぶんと違いますね。
尻まくっちゃったんでもういいんでしょうね。あるいは殿への諫言なんでしょうか。
ロシアはウクライナに対して、なんと言って侵略を仕掛けたんでしょうか、思い出してみましょう。
ウクライナは国じゃねぇ、あいつらはネオナチ国家で、ロシア系国民を虐待し、さらにはNATOとつるんでロシアに攻撃をしかけているんだぁぁ、でしたね。
ロシア軍がウクライナの産院を爆撃したのも、あそこがネオナチのアジトだったからだぁ、なんて言ってませんでした。
ネオナチ相手なら、病院を患者もろとも爆撃しても許されるようです。

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駐日露大使館のツイートには、見よ、これがウクライナがネオナチの証拠であるぞよ、と麗々しく写真つきで登場しますが、そんなにネオナチって国家を乗っ取るほどすごかったんですね。(わけねぇだろ)
秘密外交文書を読んだことが自慢の佐藤某など、なにかといえばウクライナはネオナチ国家だと言い続けていましたっけね。
あるいは、例のミンスク合意をウクライナが破ったとも言っています。
https://news.yahoo.co.jp/byline/koizumiyu/20211210-00272010

ちなみにロシア大使館は、日本におけるニセ情報のコントローラーですのでお気をつけ下さい。
多くのロシアンフレンドはここの人間から「秘密情報」をもらってネットに発信し、あとはソースがわからないままエコーチェンバーしていく仕組みです。
この仕組みはソ連時代から変わりません。
日本でも原発事故の時の放射脳の人たちのデマっぷりを思い出せばわかるでしょう。

私はオープンソースを中心にして考える習慣をつけるようにしています。
やっぱり米大統領選での失敗に懲りています。
ですから、私のブログには「裏情報」はありません。
引用ソースには検証可能なようにリンクを貼っておきます。

さて、プリゴジンは「蜂起」直前とみられるテレグラムで、ロシアの侵略の言い分を完全に否定しています。
ロシアの内情を知るにはいい「証言」です。
プリコジンはこの収録された時点ではだれにも拘束されておらず、なにかを見てしゃべってもいません。自分の言葉で自由にしゃべっているように見えます。
戦争当事者の「証言」ですから、彼が正しいことを言っているのかどうかを別にして、一級資料であることは事実です。

では、まずは聞いてみることにしましょう。
誤訳が流布しているようなので、ナザレンコ・アンドリー氏が逐語訳をつけてくれた動画がありますので、スクショごと引用させていただきます。ありがとうございました。
ナザレンコ・アンドリー

この動画で「特別軍事作戦」なるものがどうして始まったのかについて、プリゴジンはこのように述べています。

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「ドンバス周辺のちょうどわれわれ(ワグネル部隊)が突破しようとしていたところに確かにウクライナ軍はいた。
この部隊は志願兵というか、ナショナリスト(注アゾフ連隊のことだと思われる)によって編成されていた。
彼らはウクライナ正規軍とも戦って。われわれは彼らと2014年から22年の4年間を戦った。
砲撃戦は強弱があったが、2022年2月24日までなにひとつ異常なことはなかった」
この部分は重要です。キエフ合意違反はしていないと、対戦相手が言っているのですから、これほど確かなことはありません。

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しかし突如としてこの「特別軍事作戦」が始まり、状況は一変します。
その理由についてプリゴジンは、「国防省が世論と大統領を騙している」と決めつけています。
もっとも私は、そうは思っていません。
あの専制主義国家でプーチンの意志を離れたところで意思決定はできないし、仮に騙されていたとしても、ショイグごとき小物に騙されるだけの狂気に陥っていたのはプーチンの側なのです。

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それはたとえば、先の駐日ロシア大使館やロシアンラバーがよく言っているように「ネオナチがロシア系市民を殺している」とか「NATOが後ろ楯となってロシアを攻撃している」「ミンスク合意をウクライナは破っている」、という「大義」でした。
しかし、プリゴジンは、ウクライナは破ってなんかいないぜ、と言ってしまっています。

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プリグジンはこういう「大義」を嘘だと決めつけ、市民への攻撃はウクライナ側からなく、あったのはロシア軍やワグネル部隊に対してだけだったとしています。
つまりミンスク合意は守られていたという証言です。
そしてこの「特別軍事作戦」を起こした理由は、「国防省のクズ共が勲章や星を増やしたいために起こした」と断言しています。

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特に「ショイグ国防大臣は元帥になりたがっていたために、この戦争をPRの場に使ったのだ、ショイグの元帥昇進の命令書はすでにできていた」、としています。
ショイグが2つめのロシア連邦英雄勲章をもらい「平時に2つの英雄油勲章と元帥のくらいを得た偉大な軍師」として君臨したかったのだと述べています。
この辺はショイグに対する妬みですね。

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そしてこれは「歴史に名をきざみたい野望を持った男」が起こしたもので、ロシアを衛ためのものでもなければ、ウクライナの非ナチ化のためでもでもない」と言い切ります。
この部分で、完全にロシアの戦争大義は真正面から否定されています。

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プリグジンに言わせると、プーチンはショイグに騙されたのだ、ということのようです。
あいにく私はまったくそう思っていませんが、彼の忠誠心は不動のようです。
後はダラダラと恨み節ですから省きますが、興味ある方は元の動画をごらんください。

「プリゴジンの乱」の「面白さ」は、ロシアの権力構造の内側を暴露しまくったことです。
プリゴジンは、なんせあのおしゃべりで落ち着かない男ですから、「蜂起」前後からモスクワのオリガルヒ仲間や民間軍事会社のボスたちに携帯しまくったようです。
それはもちろん完全に米国に傍聴されていましたから、情報機関の連中は腹を抱えて笑いころげていたでしょう。
これでプーチン政権の内幕は完全に暴露されました。
とりあえずベラルーシには逃げおおせたみたいですが、この男はプーチンの中東、アフリカ工作の裏側すべてに関わってきた人物です。
「知りすぎた男」は元秘密警察長官の国では長生きできません。

 

※お断り、今回から「ブリゴジン」表記をあらためて「プリゴジン」としました。
Yevgeny Viktorovich Prigozhinですので、プリゴジンのほうが正確でした。申しわけありません。

 

 

 

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Рубрика(@rubryka)さん / Twitter
ウクライナに平和と独立を

 

 

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