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2023年6月 3日 (土)

北朝鮮、ロシアに大砲の弾出して、小麦をもらう

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北朝鮮にロシア産小麦が大量に入っているようです。

「各地からは深刻な飢えの状況が伝えられている。子どもたちは学校にも行けず、家族のために毎日山に入って山菜採りを余儀なくされる事態に。
一方で当局は、穀物輸入を盛んに行っていると伝えられている。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。
平安北道(ピョンアンブクト)の情報筋は、5月中旬から新義州(シニジュ)一帯で中国から輸入されたと見られる小麦粉が多く出回っていると伝えた。
2キロ入りの袋で、表面にはロシア語と中国語の表記がある。製造はロシアのノボクズネツク小麦粉工場、輸入は泰和翔(大連)供給鍵管理有限公司となっている。中国経由で輸入されたロシア産の小麦粉で、賞味期限は生産日から12カ月となっているが、日付は記載されておらず、どれほど古くなったものかわからないと情報筋は述べた」
((デイリーNK2023年6月1日)
餓死者発生の北朝鮮に大量流通し始めた「ロシア産小麦粉」|ニフティニュース (nifty.com)

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北朝鮮、今年の食糧不足は過去5年間で最悪 : 政治•社会 : hankyoreh japan (hani.co.kr)

かつて金正日は金日成が「人民が白米と肉の入った汁を食べ、絹の服を着て、瓦屋根の家に住めるようにならなければいけないと言ったが、わが国はまだこの目標を達成できていない」と言ったそうですが、その原因は金王朝の国是である核武装道楽が原因ですから、だれも恨めません。

毎年のように相当数の餓死者を出し、北朝鮮と別ちがたくある飢餓イメージはこの農業を省みない国策から来ています。
北朝鮮は自国民の飢餓を恥じるどころか、「崩壊カード」として国際的な援助を得るために切りまくってきたというスットコドッコイの歴史があります。
積極的に水害や天災をアピールし、まるで不可抗力の天災によって痛めつけられている可哀相なボクたちを助けて、と宣伝しました。

もちろんそうではなく、農業政策が根本からまちがっていたために、このような飢餓国家が生まれたのですし、国際食糧機関などを通じて送られた食糧援助の大部分は軍人の腹の中に消えていきました。

ところで、この飢餓農業が変わるチャンスは、ただ一回だけありました。
それは2代目正日が死んで、正恩の叔父である張成沢(チャンソンテク)が正日が残した幹部をことごとく処刑して実権を掌握した2016年のことです。

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産経

「張成沢は、李英浩を排除するとともに、経済立て直しに全力を傾ける。企業や農民が生産物の一部を自由に扱えるようにした「6・28措置」や、民間が蓄えた外貨をはき出させるため、住宅売買を合法化する措置を取る」
(産経2016年4月26日)
【秘録金正日(73)】後見人、張成沢処刑の真相 正恩「地球上から痕跡なくせ」 最期に「わずかな時間でいい。妻に会わせて…」(2/5ページ) - 産経ニュース (sankei.com)

中国型開放改革に乗り出す気マンマンでした。
張は農産物の一部自由化を進め、2016年には50人を超える代表団を率いて訪中し、経済特区の共同開発と10億ドルの緊急借款と投資拡大を中国に持ちかけます。
その時、張が持ち出したオファーは驚くべきものでした。

「通訳だけを介し、1時間以上行われた胡との密談で、成沢は「場合によっては、核を放棄することもできる」と表明。金正恩に代えて異母兄の金正男(ジョンナム)を擁立する可能性にも言及したとされる」
(産経前掲)

つまり張は核放棄と正恩を排除して正男を据えるというのです。
核は米国にだけ向けられているわけではありません。
核ミサイルはグルリと照準を変えれば、北京も射程に入れられますから、中国への牽制でもあったのです。
いやどちらかと言えば、そちらのほうが強いでしょうね、金一族は中国が大嫌いですから。
だからこそ、張の核放棄の意味は大きかったのです。

しかも、この二国は相互依存関係にあるからややっこしいのです。
憎悪しながらもたれ合う、軽蔑しながらたかる、この辺境の極貧国めと罵りつつメンドーを見る、核についてもすこしだけ教えてやる、・・・そういう不思議な仲なのです。
その証拠に、中国の北朝鮮への輸出は国連制裁決議にしたがっていれば減らねばならないはずが、むしろ順調に推移しています。

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上のグラフで2015年に北の対中国貿易の伸びが落ちたのは、経済制裁とは関係なく、中国経済の減速が原因です。
中朝両国の貿易関係は、北が極端なまでに中国に依存している構造が成立しています。それを示したのが下のグラフです。 

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上のグラフを見れば、北朝鮮貿易は2015年には実に9割までが中国に依存しているのかわかります。 
中国は北への石油パイプラインのコックを締めれば、北の経済が崩壊してしまい、自国の金融機関が振り出した巨額の融資が一気に焦げつくのを恐れています。
いわば中国にとって北朝鮮は不良債権なのです。
ここに「唇と歯の血盟」などという共産主義イデオロギーとは無関係の、中国と北の経済における相補関係、いや共犯関係ができ上がっています。

中国は本心から言えば、張事件ではしなくも露呈したように、北朝鮮を傀儡国家にしてしまいたいと考えているでしょう。
そうすれば、半島半分まで勢力圏を伸ばせることは外交的に大きい。
そこで張に極秘でに手を伸ばし、核を手放し、正恩を殺せとそそのかした、正男はただの軽い神輿。
張は中国の傀儡政権の事実上のボスとなったことでしょう。
成功していたなら、今頃平壤には高層ビルか立ち並んで、高級スポーツカーに乗った党幹部のどら息子たちが闊歩していたかもしれません。ああ、おぞましい。
ただし農業も自由化で、息をつけました。

しかしこのクーデター計画は漏洩し、張と正男が悲惨な最後を迎えたことは知ってのとおりです。
張は高射砲でバラバラにされ、正男は外国で暗殺されました。
私は中国型農業改革を評価しませんが、飢餓農業よりもましではあったでしょう。
張が失脚したことで、北朝鮮の農業が変革されるチャンスは奪われました。

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北朝鮮 張成沢氏 写真特集:時事ドットコム (jiji.com)

とまれ、この張のクーデターによる中国流開放改革路線は頓挫し、正恩は権力の座から追放される恐怖から経済の自由化を止め、軍と党の力はを強化する方針に回帰しました。
後にトランプは米朝直接会談という大胆なディールを仕掛けて、核放棄・自由化を迫りました。
一気に西側に取り込む腹づもりだったのです。
正恩もだいぶ心は動いたようですが、張事件がトラウマで最後までうなづかなかったようです。

とはいえ、飢餓が解消されたわけではないので、北朝鮮は中国から2019年には中国から年間16万トン超のコメを輸入しましたが、それもコロナで国境封鎖したために途絶え10年1月末に開放されるまで中国からのコメ輸入は2年以上停止した状態でした。
今年3月に再開し、10月の約1万6450トンを含め、同月までに計約2万7350トンを輸入しているようです。
なんと言って支援を引き出したんですかね、また「崩壊しちゃうぞ」でしょうか。
おっといけない、今日は中国ではなくてロシア相手の話でした。

さて正恩は新たな食糧調達先としてロシアにすがりました。
この中露両天秤は金家の伝統芸なうえに、今回あろうことかあの傲慢なプーチンのほうから砲弾分けてくれやと言ってきたのですから、笑いが止まりません。

いままでは小僧っこ扱いで鼻もひっかけてもらえなかった正恩は、たっぷりと恩に着せたことでしょう。
プーチンにとって何万発かの砲弾は高い買い物についたわけです。

[ワシントン 2日 ロイター] - 米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は2日、北朝鮮がロシアに対し、ウクライナ戦争に使用する砲弾を「相当数」、密かに供給していることを示す情報があると述べた。
北朝鮮は中東や北アフリカの国々を経由することで、ロシアへの武器輸送を隠しているという。
カービー氏は、北朝鮮が供給した砲弾が実際に受け取られたかどうか監視するとし、供給の責任を巡り国連と協議すると述べた。ただ、北朝鮮による砲弾の供給が戦争の行方を左右するとは思わないとした。
北朝鮮は9月、ロシアに武器や弾薬を提供したことはなく、その計画もないと表明している」
(ロイター2022年12月3日)
北朝鮮、ロシアに「相当数の」砲弾を供給=ホワイトハウス | Reuters 

すでに砲弾は4月末から5月初めの間に 北朝鮮北東部・ラソン(羅先)の豆満江駅からロシア沿海州のハサン駅を経由して、極東ウラジオストクまで輸送されたという情報もあります。
おそらく様々なルートで砲弾を中心としてロシアに提供しているはずで、今回のロシア産穀物はその見返りだと考えられています。

ちなみに、正恩は睡眠不足だそうで、かえって太ってしまってナント140キロ台だそうです。相撲取りか。

「国家情報院の5月31日の国会報告によると、39歳とされる正恩氏は最近、目の下のくまが目立ち、アルコールや喫煙によるニコチンへの依存度が高まっている。北朝鮮は4月、海外で「最高位級の人物の不眠症治療のため」として睡眠導入剤「ゾルピデム」を購入し、医療情報を集めた」
(読売6月1日)
金正恩氏が「睡眠障害」、体重140キロ台か…目の下にくま・腕にひっかき傷(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース

このロシア産小麦の供給がいつまでつづくかわかりませんが、行くところまで行くつもりでしょう。

 

 

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コメント

 2000年代に、「北にコメを送っても上層部にネコババされるだけ、下々にはほとんど届かない」とコメントしたらパヨクが火病って罵詈雑言をぶつけてきましたが、当然のことながら事実だった事が後に明らかに。
 さてパヨクは未だにこの「事実」から目を逸らし続けているのでしょうか。

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