福島事故において武田邦彦と山本太郎がしたこと
社会が大災害や恐慌、あるいは戦争に見舞われた時、国民の不安心理につけ込んだ煽動家がカルト思想を広めようとします。
12年前の福島事故においても、悪質な流言飛語を流す者が出ました。
彼らはエセ科学を振り回し、極端な思想を広め、その極端な煽動から風評が生まれてさらに社会の傷を大きくしていきました。
風評は暴力です。
多くは匿名性の陰に隠れて、罪なき人々を貶め、リンチにかけ、経済と生活を破壊するのですから、「風評被害」などというなまやさしい言葉でくくってはいけません。
まさにむき出しの暴力であり、許すべからざる憎悪表現です。
私は風評暴力の体験者です。
私の場合、なんと人殺し呼ばわりされたのです。
「毒を撒くテロリスト」と呼ばれ、「農業など早く止めるのが復興の近道だ」とまで言われ、取引先には誹謗中傷を流され、売り上げは激減し、農場は一時壊滅状態に陥りました。
かつて風評を煽った悪人どもを列挙しておきます。
・武田邦彦・「2015年3月には日本に住めなくなる」「東北のものを食べたら死にます」と発言。
・上杉隆・ 「福島・郡山には人住めない。人が住める数値ではない」と発言。
・岩上安身・ 「お待たせしました。福島の新生児の中から先天性的な異常を抱えて生まれてきました。スクープです」と発言。
・早川由紀夫・ 「農家は毒をばら撒くテロリストだ」「殺意があったと解する」「貧乏人は福島の米を食って死ね」と書いた。
・広瀬隆・「 原発事故の拡大はもう止められない。このままでは大量死が出るが、うちの娘のサプリでなおる」と書き、放射線専門家を訴訟した。ちなみにこの娘サプリは偽薬。
・雁屋哲 ・「福島はもう人が住めない。逃げる勇気を持て」という「美味しんぼ」の原作を書いて福島県から抗議を受けた。
・クリストファー・バズビー ・「40万人がガンで死ぬ」と言った。
・山本太郎・震災瓦礫反対運動を煽った。
彼らは、海洋放出と聞きつけると出番だと思ったようで、山本太郎は自らの率いるれいわ新撰組のこんな英文の政府方針反対宣言を出して、中国と「共闘」しようとしています。
れいわ新選組は、2023年8月24日の岸田政権による放射能汚染水放出の撤回を求める声明
一方、武田の参政党は放出反対を主張しています。
武田は2011年の福島原発事故で最も執拗に煽りを続けた人物で、上杉隆、岩上安身、早川由紀夫らに並んで原発デマッター四天王と評されていました。
当時まだ山本は売り出し中でした。
この武田がほかの3人と違うのは、その影響力が圧倒的だったことです。
岩上や、上杉といった左翼ジャーナリストは、その影響力が左翼業界限定だったのに対して、当時無名だった彼は「元原子力関係者」という肩書を最大限使って、一般家庭の主婦に浸透しました。
彼のプロパガンダによって巨大な風評被害が起き、東日本に対する差別が起きました。
福島県産や茨城県産農水産物の不買を生み出し、やがて西日本における被災地瓦礫の受け入れ拒否にまでつながっていきます。
そして武田氏の言説をテキストにした多くの主婦のサークルが生まれ、その中から数万人の自主避難者を出しています。
彼女たちは家族をつれ、時には家族と離別して子供を抱えた自主避難民として、遠く四国、奄美、沖縄へと流れていくことになります。
武田は実に精力的に講演をこなしていましたが、その中のひとつが記録に残っています。
2014年2月の郡山市 講演会は自治体 が主催者だったからです。
今にして思えば被災地自治体が、こんなことをしゃべる人間を招聘してしまうこと自体が驚きです。
過去ログから再収録しておきます。
究極の無責任男・武田邦彦氏の「不都合な真実」: 農と島のありんくりん (cocolog-nifty.com)
「郡山に住むことは法令違反しています」
(2013年7月19日郡山市主催講演会の発言)
東北に済むことが「法令違反」だそうです。
ただし日本の法令ではなく、彼が作れと言っている架空の「法令」に反しているからにすぎませんが。
あるいは、武田氏の主張を知るには、2013年2月14日の武田ブログを見るといいかもしれません。
※http://takedanet.com/2013/02/10_6a83-1.html
原子力と被曝 福島で甲状腺ガン10倍。国は子どもの退避を急げ!
国は直ちに次の事が必要です。
1)高濃度被曝地の子どもを疎開させる(除染は間に合わない)、
2)汚染された食材の出荷を止める、
3)ガンになった子どもを全力で援助する。
4)除染を進める。また親も含めて移動を促進する。
5)「福島にいても大丈夫だ」と言った官吏を罷免し、損害賠償の手続きを取る。
6)日本の未来を守るために、大至急、予防措置を取ることを求めます。
ものすごいですね、こっちも。「甲状腺ガン10倍」「福島に居ても大丈夫と言った役人は罷免」だそうです。
そして「福島は全員疎開」です。
このような煽動を武田は、事故直後から執拗に行っており、「東日本の農産物は食べるな」と煽動したために、大きな風評被害をもたらました。
今でも武田邦彦と聞いただけで、吐き気がするという福島県、茨城県の農業者はたくさんいます。
そして彼の周辺には北関東を中心に多くの母親の信奉者サークルが生れ、彼女たちの中から多くの自主避難者が出ました。
その数は千所帯を超えると言われています。彼らは関西、九州、四国、遠く沖縄にまで逃げて行きました。
ひとりの人物の煽動 が これほどまで多くの家族の運命を変えたことは、希有なケースではなかったでしょう。
かたや山本は震災瓦礫搬入反対運動の音頭を取りました。
当時、被災地で処理できない瓦礫は山を成して積み上がり、支援物資を運ぶ道路すら開通できない地域すら出ていました。
この被災瓦礫を被災しなかった自治体が引き受けていこうとする善意の動きに反対したのが、彼らの運動でした。
彼らは、「核のゴミを持ち込むな」と叫び、人々に恐怖心を植えつけていました。
受け入れを表明した自治体処分場の入り口には、反対派が阻止線を張り、車両の下にまで飛び込むといった「市民」の狂態がそこここで繰り広げられました。
出典不明
受け入れた後も、延々と処理場周辺の住民に鼻血が出た、頭痛が絶えないという流言蜚語が流されました。
下のまんがは例の雁屋哲の『美味しんぼ・福島の真実』のひとこまですが、「市民団体」が流したデマをそのまま真実に祭り上げてしまっています。
スピリッツ
そして雁屋は、厳かにこのように結論づけます。
同上
こんな者たちが原発反対を主張し、今はメニューを替えて放出反対を煽っているのですから、その正体が知れようというものです。
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怒ってらっしゃる!
ホント今でも吐き気しますね。
武田邦彦は福島は線量が「管理区域」レベルなので、出入りの度に計測と除染が必要だと言いながら自分は平気で新幹線に乗って講演して回って稼いでいましたね。テレビでもずっとレギュラーで言い続けてましたが、稼ぎ時過ぎた(言ってたような惨事には成らないと分かった)14年夏辺りで、放射能関連発言をピタッと止めて逃げちゃいました。最低な野郎です。あの男のせいでどれだけの人間の人生が狂わされたのやら。。
群馬大学の早川由紀夫は火山学者。火山灰飛散に基づいた放射性粉塵(1mmが前提)の飛散シュミレーション図を発表したまでは良かったんだけど、変にメディア受けしたせいか耐性が無く、上杉のインタビューを大学内で受けようとして大学側からダメ出しされていきなり赤くなった!自分のシミュレーション図だと前橋周辺がホットスポットだったという皮肉。
投稿: 山形 | 2023年8月31日 (木) 05時59分
管理人さんの放射線に関する記事には共感を持っていて、福島の事故以来毎日この欄を見させてもらっています。 福島事故での空間線量はもちろん事故ですので通常よりは高いのですが、それしき人間は何の問題もなく暮らせます。 ICRPもそのことを言っているのに、日本政府はそれを無視して、疎開させてしまいました。 その結果生活が変わり病気になる人が増えたのですが、東大の中川恵一先生は、その方達の診療を行いながら疎開させずに自宅で暮らす方がよっぽど健康に良いと言い続けておられました。 武田某は放射線医学の知識など全くなく、私は初めからこの人は風評をばら撒く科学者としてあり得ない偽科学者ではないかと思っていました。 そして、その後、どこの自治体でも原発事故が起こった時に逃げることばかり検討していますが、逃げる必要がないことも含めて、はたして福島での事故後の対策が良かったのかどうかの検証が必要だと思っています。人間はさほど放射線に弱くはない。 理論ではなく現実を見ればわかるし、放射線検査など日常茶飯事に行われています。
投稿: ライアイマック | 2023年9月 1日 (金) 21時03分