海洋放出案件は馬鹿判定器です
なんだあの決勝戦は。つまらない。最低最悪。
ケーオー、あれだけ騒げば守備妨害だぞ。
酒は止めていたのですが、あの悪夢の5回をみていたら、シラフでは見られませんでした。
今日は二日酔い。
さて処理水の放出が始まります。
もはや科学の次元からナマ臭いな政治の局面へと入ってしまったようで、たまらんなぁ。
中国サマは自分が日本の数倍のトリチウムを出していることを棚にあげて、お怒りの様子です。
くどいようですが、中国のトリチウム排出量をおさえておきましょう。
「日本政府は、中国の原子力エネルギーに関する年鑑や原発事業者の報告書を基に資料を作成した。それによると、2020年に浙江省・秦山第三原発は約143兆ベクレル、21年に広東省・陽江原発は約112兆ベクレル、福建省・寧徳原発は約102兆ベクレル、遼寧省・紅沿河原発は約90兆ベクレルのトリチウムを放出していた。
東電は、福島第一原発の年間放出総量を22兆ベクレル以下に抑える計画で、放出後のトリチウムの濃度は、世界保健機関(WHO)などの基準をはるかに下回るとしている」
(読売6月21日)
中国の複数原発がトリチウム放出、福島「処理水」の最大6・5倍…周辺国に説明なしか : 読売新聞 (yomiuri.co.jp) 。
読売
福島第1からの処理水に含まれるトリチウム濃度は年間2.2兆ベクレル、方や秦山第三原発1基だけで143兆ベクレルですからなんと65倍。
ケタが違ううえに、海洋放出しているのは泰山原発だけではなく4基もありますから、あわせれば447兆ベクレルにも達します。
おいおい203倍じゃないか。
よもや稼働時に出たトリチウムは安全だが、廃炉作業の工程で出たトリチウムは危険だとでも言うんでしょうか。
いいトリチウム、悪いトリチウムってわけでしょうか。
バカバカしい。もちろんどこから排出されようと、まったく同じです。
いやマジでそう思っているから、自分が排出しているのには目もくれず、日本のそれだけを指して「核汚染水を人類の公共財産の海洋にながすな。海洋は日本の下水ではない」なんて環境運動家みたいなことを言い出しています。
「中国外務省の汪文斌副報道局長は7日、原発処理水放出を巡って言葉を強めた。中国メディアは、大半の放射性物質を取り除いた「処理水」ではなく、「核汚染水」と呼んでおり、批判的な報道を連日続けている。汪氏は「海は世界の公共財産だ、日本の下水道ではない」といった、感情的な発言もいとわない」
(朝日6月17日)
「海は日本の下水道ではない」 原発処理水放出、「安全」認めぬ中国:朝日新聞デジタル (asahi.com)
そして今回も重秀夫日本大使を呼びつけて同じことを言っているようです。
「【北京共同】中国外務省の汪文斌副報道局長は22日の記者会見で、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出決定に「深刻な懸念と強烈な反対」を表明し「日本が誤った決定を正し、核汚染水の海洋放出計画を撤回することを強く促す」と述べた。日中関係筋によると、孫衛東外務次官は同日、日本の垂秀夫駐中国大使を呼び出し抗議した。
垂氏は中国側の抗議に対し「科学的根拠に基づかない主張を行っていることは残念だ」と反論した」
(共同8月22日)
中国、大使呼び放出抗議 香港、10都県水産物禁止 (共同通信) - Yahoo!ニュース 。
原則をしっかり言うことができる重大使でよかった。
これが民主党政権が選んだ丹羽宇一郎大使なんぞだったら、その場で平伏して泣きじゃくりながら、政府方針を撤回させてみせます、ごめんなさい、ごめんなさい、なんて言いかねなかったですからね。
原則的、かつ科学的に淡々とこういうバカには反論していくしかないのです。
日本メディアは「世界各国割れる反応」なんて書き方をしていますが馬鹿言っちゃいけない。
反対しているのは、中国以外はお約束のロシアのヤクザ連合。
そして国家ではない自由なき香港特別区とマカオだけです。
中国さん、韓国がムン政権じゃなくて残念でしたね。
だとしても領土問題と一緒で、バカになにいっても始まらない、どうせポジショントークなんだからと思って反論しないのが一番いけません。
沈黙すると、それは国際社会では中国の妄言を認めたことになりますからね。
そして対抗措置として日本の農産物の輸入を制限を開始するそうです。
「中国税関総署は7日、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出について「高度の警戒を保つ」とする談話を発表した。「事態の進展を見て、適時、一切の必要な措置を講じて中国消費者の食卓の安全を確保する」とも強調し、海洋放出が実行に移されれば日本からの食品輸入規制を強化することを示唆した」
(産経7月7日9日)
中国、食品輸入規制の強化示唆 日本の処理水海洋放出で - 産経ニュース (sankei.com) 。
食品の輸入禁止は10都道府県ですが、群馬、長野、栃木は内陸で海なし県、新潟は北陸、このどこが「核汚染水」と関係あるのでしょうか。
言えば言うほど、やればやるほど馬鹿全開です。
日本の野党はどうでしょうか。
選挙公報なんかより、よほどいいいい馬鹿判定器になりますね。
「維新の藤田文武幹事長は韓国野党の主張を「プロパガンダ」と非難し、国民民主の榛葉賀津也幹事長も「『汚染水』ではなく処理水だ」と反発する。公明党の石井啓一幹事長は、中国の姿勢について「冷静に科学的根拠に基づいて判断してほしい。IAEAがお墨付きを与えた」と疑問を呈する。
一方、立憲民主党の泉健太代表は28日の会見で、中国の主張に関し、「IAEAが出した結果については同じ評価がなされるべきだ」と述べた。ただ、長妻昭政調会長は20日の会見で、「汚染水」という呼称を用いた上で、「それぞれの政治家がいろいろな考えで使っている」と許容する考えを示した。来日した韓国野党議員の記者会見に同席し、放出計画に反対する共同声明を出した議員もおり、チグハグな対応が際立つ」
(産経7月30日)
処理水放出 与野党、中韓偽情報の対応割れる 立民ちぐはぐ - 産経ニュース (sankei.com) 。
維新と国民は合格。正しく科学を理解しています。
公明はいちおう中国にはひとこと言ってはいるものの、夏は海水浴シーズンだから放出するなとかわけの分からないことも言っていました。
そういうこと自体が風評を呼んでいることに気がつかないようでからダメ。
立憲は、韓国の抗議弾に同調した議員がウジャウジャ出た上に、それを掣肘すべき長妻政調会長までもが「汚染水」と呼んではばからないのですからこまった人たちだ。
「汚染水」とは、ALPS浄化装置をとおさず、そのまま海洋放出するという意味ですから、重大な風評拡散です。
共産党、社民党は、いつもどおりの平常飛行で風評推進派。
参政党は、「東日本は滅亡。ここの食品は食べたら死にます」と言って2011年当時、東日本の住民の敵だった武田邦彦がいるせいか風評推進派。
メディアは妙に情緒的に漁民の「政府に裏切られた」というひとことを拡散しています。
あのね、漁民はこう言うしかないの、こう言わないと容認したことになっちゃうから。
容認したら補助金交渉がうまくいかないから。
これだけ漁連は反対したが、実行されてしまった、という負い目を政府に与えないとダメなの。
あの東京新聞はこんなことを書いていました。
「福島の海はなーんでも捕れる宝庫。こんな海はないよ」。福島県沖の漁船上で漁師の声は誇らしげだった。東京電力福島第一原発事故から9年半が過ぎ、復活途中の福島の漁業に再び暗い影がちらつく。原発から出る汚染水を浄化処理した後の水について、政府は近く、海洋放出の方針を決定しようとしている。反対の声を上げる漁業関係者の思いの底にあるのは、被災者と向き合わない国と東電への怒りだ」
(東京2020年12月3日)
福島の漁師は言った「漁業やる人がいなくなっと」 近づく汚染処理水の海洋放出方針決定:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)
3年前ですが、堂々と「汚染水」という言い方をして「政府と東電への怒り」を煽っています。
こういう「汚染水」というバイアスのかかった言い方を使って、漁民をこんな心理に誘導しているわけです。
「トリチウム水と呼ばれる処理水は他の原発も放出していると説明を受けた。だが福島第一の処理水は、事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)に触れた汚染水を浄化したもので、他の放射性物質が残る。「どんなに薄めても気持ちのいいものではない」
(東京前掲)
ならば取材者が説明すればいいではないですか。
デブリに仮に触れた地下数も、すべてALPSに通されて浄化され、残ったのはもっとも無害なトリチウムだけだと。
それも飲用水基準以下に海水で希釈して流すのだと。
そしてこれをしない限り廃炉作業は挫折するのだ、と。
それをしないのは、腹黒いか、馬鹿かどちらかです。たぶん両方でしょう。
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