チョンガル橋攻撃を受ける
コメントにもいただきましたが、6月22日にチョンガル橋がストームシャドーの攻撃により破壊されました。
「ヘルソン、ウクライナ、6月23日 (AP) ― モスクワが一方的に併合したクリミアの知事代行は6月22日、ミサイルによる爆撃を受けた同半島と、ロシア軍占領下のウクライナ南部を繋ぐ道路の被害状況を視察した。
ロシア軍は、占領下のウクライナ南部へルソン州と半島を繋ぐチョンガル橋を、主要補給路とみており、モスクワが任命したボロディーミル・サルド知事代行は、問題の橋は、英国がウクライナに供与した巡航ミサイル「ストームシャドー」の直撃を受けたと述べた」
(AP6月23日)
クリミア半島の橋にミサイル チョンガル橋の路面に大穴が(AP通信) - Yahoo!ニュース
産経
ロシア側も認めているように、落下したミサイルの破片からこれは英国が供与したストームシャドーによる攻撃です。
Su-24から発射したとみられます。
西側兵器を東側航空機から発射することは普通はできませんが、ウクライナは苦心惨憺してこのSu-24でそれを実現したようです。
AP
ロシア側はポンツーン(臨時架橋)で代替しようとしているようです。
ポンツーン橋は木・鉄・鉄筋コンクリートなどで造った箱船をつなぎ合わせたものですが、しょせんは代替品なので重量物や車幅のある車両は通れません。
鉄道橋も破壊されたようですので、当分この補給線はつかえなくなります。
ウクライナ軍は南部チョンハル橋付近のポンツーン橋に対処する=報道官 (ukrinform.jp)
「ポンツーン橋は固定橋の絶対的代替、完全な代わりではない。私たちは、それが橋の代わりを担う緊急手段であることを理解せねばならず、私たちはこの場合、アントニウシキー橋の経験を知っており、カホウカ水力発電所沿いの作業の経験も知っている」
(ウクライナフォーラム2023年8月1日 )
また7月24日には、ロシアの占領下にあるウクライナ南部クリミア半島の北部ジャンコイから南へ1.5キロメートルほど下ったノボステプネという場所にあるロシア軍用車両集積所がストームシャドーの攻撃を受けて破壊されました。
ここはウクライナ南部で戦闘を行っているロシア軍部隊の損傷した車両の修理工場でした。
特に集中的に狙っているのは、クリミア半島と南部をつなぐ補給路です。
橋を攻撃し続けているのは、これを切断すればクリミアは孤立するからで、陸上戦力によるロシア回廊分断のための第1攻撃軸 ザポリージャ州西部軸を助ける意味も持っています。
いままで破壊された橋を青線で囲ってみました。
上からヘルソンのアントノフ橋、今回のチョンハル橋、去年10月に大破したクリミア大橋です。
BBC
去年8月までに、ウクライナ軍はロシアの補給路に当たる橋を次々破壊していました。
これらの橋は上図でもわかるように鉄道線路(点線) が走っていて、ロシア軍の戦車、歩兵戦闘車、砲弾などの重量物の重要な鉄道による兵站線でした。
「ヘルソン州でロシア軍がドニエプル川以西への補給に使う4つの橋のうち、最後の1つを12日に破壊したと明らかにした。一方、ゼレンスキー大統領は長期戦に備え、戒厳令と総動員令の延長を議会に求めた。
英国防省によるとロシア軍は渡し船などで補給を続けているという。同省は、ロシア軍が今後修復に成功しても、橋が「重要な弱点であり続ける」と指摘した。
ロイター通信によると、ヘルソンの奪回を目指すウクライナ軍の広報担当者は12日、南部にあるロシア軍の補給路はほぼ全て攻撃可能だとも語っていた」
(日経2022年8月14日)
ウクライナ軍、南部でさらに橋を破壊 ロシアの補給妨害 - 日本経済新聞 (nikkei.com)
ウクライナはこのロシアの弱い脇腹を撃ち続けることでしょう。
ロシア兵を待つのは「死のみ」 ウクライナ兵、疲弊も前進誓う 写真15枚 国際ニュース:AFPBB News
ウクライナに平和と独立を
※お知らせ
来週8月7日から9日までの3日間夏休みを頂戴いたします。
このメチャクチャな熱波にジジィは息も絶え絶えです(大げさ)。
再開は、10日(木)からとなります。
« まだ「汚染水」なんて言っている立憲長妻氏 | トップページ | 3貨物船、ロシアの穀物封鎖を突破 »
補給を断つことが勝利に繋がる、クリミア内はどこも射程内、毎日のように爆発が起きている。
ゆっくりではあるがウクライナ軍は前進している。
話は変わりますが、台風の影響下の皆さんの無事を祈ります。
投稿: 多摩っこ | 2023年8月 3日 (木) 10時56分
ウクライナ軍は徐々にではあるが、着実に前進していますね。
兵站を破壊し、輸送回廊を断ち切るという作戦も確実に成果が見られます。いよいよロシア軍は虎の子の空軍の出撃率が上がってきましたが、
ウクライナ軍も謎のルーマニア製多連装ロケットを導入するなど、防空網を強化中。そこで手の薄い民間施設をねらう汚いロシア軍の作戦は、いよいよ裏目に出て世界中から干される有り様です。
早くF16、それからATACMSもあれば、と逸るものの、ここはじっくり攻めた方が得かもしれません。プーチンの国際政治的な死をまずは完全にして、それを戦果を合わせるのが効率的かと。いずれにしても、大枠で時間はウクライナに味方していると思います。
多摩っこさん、
お見舞いありがとうございます。
うちはようやく停電も解け、冷たいものも摂れるようになりました。
今回の台風では、むしろ本島南部の方々の方が大変だと思います。
じっと我慢で頑張りましょう。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2023年8月 3日 (木) 19時35分