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2023年11月 1日 (水)

反ユダヤ人暴動起きる

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大変に危険な兆候がうまれています。
ユダヤ人排斥の動きです。
ハマスの煽動に乗って世界各国で反イスラエルの大規模デモが起きています。

ハマスのテロの目的は「ガザ難民救済」ではありません。
それは彼らの野望の一部で、真の目的は世界の秩序を転覆するイスラム原理主義革命を起こして、世界中をイランのような国家にすることです。
イスラム版世界革命といっていいでしょう。

だから世界中のイスラム教徒に、イスラエルと戦え、ユダヤ人を追放しろ、これはジハードだと呼びかけています。
このハマスの呼びかけに連動して、ヒズボラ、アルカイダ、フーシ派、そしてISが世界中で「決起」しています。

この呼びかけに応えて、ロシアでは反ユダヤ暴動に発展しました。
ロシアはポグロム(ユダヤ人虐殺)の歴史があります。

「日曜日の夕方、何百人もの人々がロシアのダゲスタン地方の主要空港に乱入し、イスラエルからの飛行機に乗っていたユダヤ人の乗客に立ち向かおうとして着陸場に押しかけた。ガザ地区におけるイスラエルとハマスの戦争のさなかに勃発したイスラム教徒が大半を占める地域での暴力は、イスラエルがロシアに自国民の保護を求めるきっかけとなった。
ソーシャルメディアやロシアのRTやイズベスチヤ・メディアに投稿された動画によると、抗議者の多くは「アッラーフ・アクバル(神は最も偉大なり)」と叫び、ドアや障壁を突き破り、一部は滑走路に飛び出した」
暴徒がロシア・ダゲスタンの空港を襲撃し、イスラエルからの航空機に搭乗したユダヤ人を捜索 |タイムズ・オブ・イスラエル (timesofisrael.com)

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XユーザーのNEXTAさん: 「#Dagestan 年、テルアビブからの飛行機からユダヤ人を探すために、群衆がマハチカラ空港の建物に押しかけました。https://t.co/TaBvakBKIE」 / バツ (twitter.com)

この日、ロシア航空会社のレッドウイングスが、テルアビブを出発し、このマハチカラ空港に午後7時に到着し、2時間のトランジットを経て、モスクワへ向かう予定になっていました。
この飛行機には、イスラエルで医療処置を受けたダゲスタン人の子供たちが乗っていたようですが、これを群衆はユダヤ人と誤認して殺害しようとしました。
暴徒はパレスチナ国旗を持ち、「お前はユダヤ人か」と言いながら乗客の中からイスラエル人を探し出そうとしました。

この反ユダヤ人暴動に先立つ29日には、建設途上にあるダゲスタンのユダヤセンターが放火され、「ユダヤ人に死を」という文字が壁に書かれていました。

「タス通信によると、ダゲスタン共和国と同じ北コーカサス地方にある露南部カバルダ・バルカル共和国の首都ナルチクでは、建設中のユダヤ人センターが放火された。ロシアではイスラム教徒が多い地域で反イスラエル感情が高まっているとみられる」
(読売10月30日)
ロシア南部の空港で群衆が暴徒化、イスラエルからの乗客標的か…当局が60人拘束(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース

ところで、ロシアにはユダヤ人虐殺を意味する「ボグロム」という暗黒史があります。

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「ポグロム(погром、パグローム)とは、ロシア語で「破滅」、「破壊」を意味する言葉である。特定の意味が派生する場合には、加害者の如何を問わず、ユダヤ人に対し行なわれる集団的迫害行為(殺戮・略奪・破壊・差別)を言う。
歴史的にこの語は、ユダヤ人に対して、自発的計画的に広範囲に渡って行われる暴力行為と、同様な出来事について使われる。ポグロムは標的とされた人々に対する物理的な暴力と殺戮を伴っている。
ロシアには、歴史的に反ユダヤ主義があり、社会の問題の吐口として、ユダヤ人たちを虐殺した「ポグロム」という土壌がある。ダゲスタン共和国の首都マハチカラでは、昨年、ウクライナ侵攻を続けるロシアからの30万人招集令を受け、暴動にまで発展していた」
ポグロム - Wikipedia 

このポグロムは、帝政ロシア政府が社会的な不満の解消先をユダヤ人排斥主義に誘導したことによって生まれましたが、今、プーチンはロシア内のイスラム圏共和国に過大な徴兵を強いています。
この反ユダヤ人暴動が起きたロシア・ダゲスタン共和国からは、多くの兵士が徴兵されてウクライナ戦線に投入されており、すでに300人を超える戦死者が出ています。
プーチンは政治基盤に直結するサンクトペテルブルトやモスクワなどの大都市近辺からの徴兵を見合せ、その代わりに辺境のイスラム圏から多くの動員をかけるという歪んだ徴兵政策をとりました。
今回のタゲスタン反ユダヤ暴動の背景には、プーチンが30万人ものさらなる大動員を命じたことが背景にあります。

「このダゲスタン共和国からはすでにウクライナ侵攻に大勢の兵士が派遣されているもよう。BBCロシア語による最近の分析では、ロシアの他のどの連邦構成主体よりも、ダゲスタン出身の兵の戦死が多い。戦死広報などをもとにした今月初めの集計によると、ダゲスタンから派遣された兵士301人がウクライナで死亡している。これはモスクワ州の10倍にあたる。実際の死者数は、これよりはるかに多いものと考えられている」
(BBC9月26日)
ロシア南部ダゲスタンで動員令に抗議 警察と衝突 - BBCニュース

ロシアにおける1903年、1906年にかけての度重なるユダヤ人殺戮は、ユダヤ人の自衛運動としてのシオニズム運動を作り出しました。
ユダヤ人は、ポグロムをこう総括しました。
「武器を持って戦わなかったから、我々民族が絶滅しかけたのだ」

このポグロムやホロコーストにおいても、いやそれ以前の長い歴史の中でもユダヤ人は武器をもって戦ったことがありませんでした。
ユダヤ人は迫害と殺戮の中で、生存の権利さえ奪われても耐え忍ぶことで生き延びようとしてきたのです。
この受忍の歴史を根本から変えたのがシオニズムであり、それから生まれたのがイスラエルなのです。
このポグロムの歴史を知らないで、イスラエルという国を語れません。

この忌まわしいポグロムが、ふたたびハマスによって世界中に蘇ろうとしています。
ユダヤ人が多く住む米国でもこのような動きが出ています。

「アメリカのユダヤ人団体は、この3週間でアメリカ全土でのユダヤ人への嫌がらせや暴力などが、去年の同じ時期に比べて4倍近く増えたと公表。
世界の都市で最も多くのユダヤ人が暮らすニューヨークでもヘイトクライムは急増し、現地当局によると、ニューヨーク州でユダヤ人を標的にした犯罪は30件を超えているということです。
この礼拝所も、「イスラエルは毎日ガザで子どもを殺している」などと落書きされていました」
(2023年10月31日 17時02分TBS NEWS DIG
全米でユダヤ人への嫌がらせ・破壊行為・暴力が急増 NYの礼拝所では落書きも…「世の中は“善人か悪人か”というシンプルなストーリーを求めているがそんな単純な話ではない」|ニフティニュース (nifty.com)

一方、このような声もあります。
ハマス創設者の息子であるモサブ氏はこう言っています。

「モサブ氏は、もしハマスが取り除かれたら、ガザのパレスチナ人が祝いをするのを見るだろう。パレスチナ人たちは、まずは、イスラエルに感謝し、ハマスが永遠にいなくなったことを喜ぶと確信する。さらには、イスラエルを否定するという思いを永遠に持たなくなると思うと語った。
ハマスを支援する人々はハマスの犯罪に加担していると知るべき
モサブ氏は、純粋なパレスチナ人として言わせてもらうが、海外から何をすればいいか言ってもらう必要はない。私たちはハマスに乗っ取られたのだ。その犯罪者のハマスを支援するということは、ハマスの犯罪に加担しているということだ。

ガザの市民が死んでいるのは、ハマスが、彼らを盾にしているからだ。ハマスは、イスラエルの警告で避難しようとする市民を妨害している」
世界で広がる大規模反イスラエルデモ:ハマスの息子がパレスチナ人として激怒 2023.10.31 – オリーブ山通信 (mtolive.net)

また、国連のイスラエル大使は胸にホロコースト時代にユダヤ人に貼られた黄色のダビデの星をつけて出席しました。

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オリーブ山通信

「イスラエルのエルダン国連代表は、ホロコーストの時代にユダヤ人を識別する目的で徴用を強制したダビデの星のバッジをつけて、30日の国連安保理に出席。
エルダン氏は、自らの祖父一家が住んでいたルーマニアの村にナチスが来て、叔父一家はじめ全ての人を虐殺し、村を絶滅させたことを証した。あの「2度と起こらない」はずのことが、今起こったのだと訴えた」
黄色ダビデの星装着のエルダン国連代表:イスラエルは残虐なナチスと共存しない 2023.10.31 – オリーブ山通信 (mtolive.net)

世の中は単純ではありません。
イスラエルも頭を冷やさねばなりませんが、世界も冷静にならねばなりません。

 

 

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コメント

ハマスに踊らされすぎだろ!
ダゲスタンの空港の件なんか、早速ロシアのペスコフから「ウクライナによる扇動」だなんて利用されてますし。
2000年に渡って世界中がどんだけユダヤ人が嫌いというか、国内政治のために利用されて迫害してきたわけで。ポグロームなんて、正に日露戦争の時代で「明石機関」は見事に利用。
19世紀から「シオニズム」というユダヤ人の独立国家構想が台頭した。

で、トルコのエルドアンが仲介に乗り出すとかいう茶番劇。もう1つの国家無き民族であるクルド人を徹底的に迫害しといて何を言ってるのか?と。。

90年代のSFトンデモアニメ「紺碧の艦隊」だと日本の政治力が強すぎて(笑)、樺太に東方イスラエル国建設まで至ってましたが。

 イスラエルによる病院爆撃という事実誤認が広まったとき、ハマスのノリド・マシャルとイスマイル・ハニヤ両最高幹部は世界中のアラブ人とイスラム教徒に対し、「イスラムの大義の為に立ち上がれ」と煽りまくりました。
いまだに病院爆撃がイスラエルの仕業による憎悪犯罪で、500人以上が殺害されたと信じて疑わない人たちがいて、そういう人たちがこういう暴動に参画している。
一方、プーチンはと言うと、「今回のこのような暴動はウクライナとイスラエルの関与が明白だ」と言っています。
ウソにウソをかさね、それをプロパガンダに利用し、そしてまたロシアがウソを重ねて世論を形成しようとするワザにはほとほとウンザリします。

そういう中、ロシアメディアでハマスの幹部がインタビューを受けている面白い記事もありました。
記者曰く、Q「ハマスは民間人を南部に避難させる事に反対したが、それなら500㎞及ぶと言われる地下に退避させるべきでは?」
A「地下道は戦闘のためのもので、ハマス戦闘員が使うべきもの」という回答をしています。
ハマスにとってのガザにおけるパレスチナ住民の価値は、イスラエルの(我々から見たら)乏しい人道感覚よりも下である事が良く分かる内容です。

 昨日のプライムニュースで木村太郎氏が変な事を言ってました。
木村氏は、「ガザの地下道対策のために、米軍がイスラエルに毒ガスを多数渡した」と述べていました。
別コメンテーターの大使が否定しましたが、ちょっと考えればすぐに分かるこんなウソを木村太郎クラスのインテリが信じ込んで発信するのですから、受け手の我々はよほど注意が必要です。

これほどユダヤ人・ユダヤ系が弱くなったのか、と思いました。

アメリカの大手IT企業の創業者やCEOは殆どがユダヤ系とのことですから、襲撃の火種となる情報なんて簡単に握りつぶせたでしょうに。

今は産油国、特にサウジアラビアはサッカーで多くのスター選手を抱え、2034年W杯開催も決定的です。今は彼らが世界最強に思えます。

悪と認定される強者は、もう強者ではありません。世論を抑える力を失ったから叩かれるのですから。ジャニーズもそうでした。
既に別の強者に取って代わられた、ということなのでしょう。

山路さん。
木村太郎はダメだべ。
昨年2月の開戦の時には世界の制裁で「6月にはロシアという国家が消滅する」と断言。その後も「今年中には云々」。見事な外しっぷりです。
私もかつてNHKのニュースセンター9時キャスターだった時代はファンでしたけど。
あの人は有能な頭脳を持ちながらも、軍事や世界情勢の変化には無知すぎます。

イスラエルという国にとっては大事なことでも星バッヂはパフォーマンスとしては下策のような気もします
メディアのフォーカスが過去になってしまう
今にハマスが星バッチつけたりしますよ

イスラエルは最悪の民間人攻撃を行ったハマスの処遇をどうするのかと訴え続けるべきです
ハマスはテロ組織、ということすら共有できていないのですから

加えてモサブ氏のコメントですが
パレスチナ人の総意がモサブ氏の通りだったらどれほど良いかと思います
ハマスとパレスチナは違うとは言うけれど実際は濁水のように区別できるようなものじゃないでしょう
私には武装していないパレスチナ人がどれほどハマスに協力的か、あるいわ否定的か見当もつかないです

パレスチナ人の総意など知る術はありませんが、イスラエルへの憎しみのあまりハマスすら許容してしまうようだともはや取り除く手段がありません
沈静化は遥か彼方ですがいずれは停戦となるでしょう、その時にガザの統治が第二のハマスでは意味がありません、必ず真っ当な統治が必要です

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