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2023年11月27日 (月)

第1回人質返還

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ハマステロ紛争をめぐって初めて人質が返還されました。

「イスラエルとイスラム組織ハマスとの戦闘休止は25日、2日目を迎え、解放された子どもたちがイスラエルに戻り、家族と対面した。
50日間拘束されていた8歳と12歳の少女は、軍の施設で家族と再会し、安堵(あんど)の表情を浮かべている。
ハマスが解放したのは、イスラエル人の女性5人と子ども8人に加え、外国人4人のあわせて17人の人質で、ハマスが襲撃した際の影響か、松葉づえを使って歩く女性や車で横たわる人の姿も確認できる」
(FNN11月26日)
家族と再会 ハマス50日拘束の少女 - Yahoo!ニュース

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FNN

一方、イスラエルも収監しているパレスチナ人39人を釈放しました。
返還された人質を迎えるイスラエル側が抑えた出迎えだったのに対して、パレスチナ側はまるで英雄の帰還のような歓迎風景でした。
すぐに政治集会が始まって、イスラエルの警備当局と小競り合いが始まっています。
ハマス側はこの人質解放を人道措置としてではなく、政治利用する気マンマンです。

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FNN

イスラエルの解放された人々がすべて無辜の拉致被害者たちであったのに対して、パレスチナ側の釈放者はテロに関わった受刑者たちでした。

「釈放されることになっていたのは、24人の女性と、15人の未成年テロリストたち(最年少は14歳)、計39人である。女性や未成年とはいえ、イスラエル人に対して、ナイフで殺そうとした者など、殺意をもってイスラエル人を襲った人々である。(略)
たとえば、24人の女性の一人、ナファズ・ハマッド(16)は、2021年に東エルサレムのシーカー・ジャラで、隣人だったイスラエル人モリア・コーヘンさんを後ろから刺して負傷させた。12年の実刑を受けていた。
イスラエルには、こうした未然に防いだテロで逮捕したパレスチナ人が7000人以上いるという。単独犯もいるが、ハマス、ファタハ、イスラム聖戦と関係があるテロリストたちが多い」
パレスチナ囚人39人を西岸地区ラマラへ釈放:パレスチナ人は大祝い 2023.11.25 – オリーブ山通信 (mtolive.net) 

いわばテロリストを野に放ってしまったわけで、イスラエル当局にとって忸怩たるものであったと思われます。
イスラエルが拘束していたパレスチナ人は7000人で、そのうち冤罪で捕らえられた者や正式に刑事訴追されないまま拘留延長された者もいるとBBCは伝えています。
これはイスラエルの民主主義のあり方として問題視されるべきでしょうが、いかに多くのテロや暴動が日常的にイスラエル国内で行われてきたかを物語っています。

また、民主主義などかけらもない古代世界的なハマスと、現代世界の民主主義を受け入れているイスラエルの非対称性があります。
これはこの戦争全般にいえることで、ハマスは国際法の枠外で好き放題のやり方ができますが、イスラエルは武力紛争法や国際人道法の枠内で戦うことを求められます。
ですから、ハマスは病院からあるいは避難民の列の中からイスラエル兵を攻撃しても問題視されませんが、イスラエルがそれに反撃しようものなら厳しく批判されます。

「囚人の多くはハマス、ファタハ、パレスチナのイスラム聖戦に所属しているが、中にはどの組織とも関係がない者もいる。
CNNによると、囚人たちが有罪判決を受けた罪状で最も多いのは、投石と「地域の治安を害した」ことだ。

その他の容疑としては、テロ組織支援、違法な武器使用の容疑、扇動などがある」
パレスチナ人女性24人、未成年者15人が刑務所から釈放され、ガザの人質をめぐる最初の取引が始まりました |タイムズ・オブ・イスラエル (timesofisrael.com)

イスラエル当局は、この中から比較的罪が軽いと考えられる300人の名簿を作成し、今回第1次として39人を釈放しました。
うち74人は東エルサレム住民です。

今年1月と2月には連続して東エルサレムでテロが起きています。

「東エルサレムで28日夜、ユダヤ教のシナゴーグ(会堂)が銃撃され、7人が死亡、少なくとも3人が負傷した。現地報道によると、東エルサレムに住むパレスチナ人男性による犯行という」
(BBC1月28日)
エルサレムのユダヤ教会堂で銃撃、7人死亡 - BBCニュース

そして2月には同じく東エルサレムで自動車によるテロで子供が亡くなっています。
イスラエル国内のテロは、このように銃器を使わずに車やナイフなどで殺傷する形が多いようです。
今回釈放された女性は、なんの恨みもない隣人のイスラエル人女性を背中から刺しています。
このような者はただの殺人犯として遇するべきでしょうが、パレスチナはこれを「民族の英雄」として迎え入れたわけです。

エルサレムで10日昼、車がバス停付近に突っ込み、6歳の子どもを含む2人が死亡、数人が負傷した。運転していた男は射殺された。イスラエル警察は、テロ事件として捜査を始めた。AP通信などが報じた。
 救急隊などによると、事件は10日午後1時半ごろに起きた。「バス停で複数の人が車にひかれた」との通報があったという。地元紙タイムズ・オブ・イスラエルによると、男は東エルサレム在住とみられる。
 パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスの報道官は、この攻撃を「英雄的な作戦」と称賛したが、関与については触れなかった」
(朝日2月11日)
バス停に車が突っ込み2人死亡 イスラエル警察、テロとして捜査:朝日新聞デジタル (asahi.com) 

今後、不可避に東エルサレムや西岸地域で暴動やテロが活発化することでしょう。
またこの休戦を利用して、ハマスには戦闘員を南部に撤収させ、逆に民間人を北部に戻そうとするといった態勢を整える時間を与えられます。
そして最大限プロパガンダに利用し、西側メスディアはこれを受けて、「人道的ハマス、悪玉のイスラエル」という単純な図式で報じることになります。

これが人質返還の代償です。

それをよく理解した上でネタニヤフは人質解放交渉に望んだようです。

「ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、最終的に、この取引に伴うリスクを受け入れることを選んだのは、「彼らが得ている利益、つまり、人々が家族と再会する人々の信じられないようなイメージ、その人間性、達成感、そして、より多くの、そして最終的には、すべての人質が帰国する可能性と約束のために、」と彼はNBCの「ミート・ザ・プレス」に語っている」
米国は、より多くの人質を解放するために停戦が「もう1日、2日、または3日」延長されることを望んでいると述べています|タイムズ・オブ・イスラエル (timesofisrael.com)

私はこの政治家をまったくといっていいほど評価していませんが、この言葉には説得力があります。

 

 

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コメント

 ネタニヤフ首相としては忸怩たる思いでしょうが、ここは踏みとどまって良い判断をしたんじゃないでしょうか。
この裏にはガザ地区の戦後の統治をどうするか?という重要課題について、エジプトや米国との間に意見の一致が見られた為だと思っています。

また、「ハマスの完全せん滅」と言っても、これは定義すら難しいもの。
病院の医院長であるハマス、国連職員のハマス。こう言った者たちをどう処分するのか。文字通り地下に潜った戦闘員はイスラエル側の犠牲を最小限にとどめ、時間をかけていぶり殺す他ありません。
それよりも、数年かけてトンネル内を掃除したのち、ガザを非武装地帯として規定し警察権でも残しておく方が賢明でしょう。

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