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2023年12月 6日 (水)

イスラエル軍の南部侵攻始まる

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イスラエル軍が南部に侵攻を開始しました。

「[ガザ/カイロ 3日 ロイター] - イスラエル軍は3日、地上部隊がパレスチナ自治区ガザ全域で活動していると明らかにした。ガザを実効支配するイスラム組織ハマスは、南部の都市ハンユニスから約2キロの地点でイスラエル軍と衝突したと述べた。
イスラエル軍のハガリ報道官は「ガザ全域でハマスの拠点に対する地上攻撃を引き続き拡大している」と述べ、南部で地上攻撃を開始したことを示唆した。
ガザ南部にはこれまでの戦闘を逃れてきた住民も多く、新たな地上攻撃の開始を懸念する声が聞かれた」
(ロンター12月4日)
イスラエル軍、地上部隊がガザ全域で活動と表明 南部侵攻を示唆 | ロイター (reuters.com)

イスラエルの今後の長期作戦計画を、英国フィナンシャルタイムズ(FT)が12月1日付けで報じています。
たぶんこの情報も、先日の「エリコ文書」と同様に、米国政府からのリークだと思われます。

そうだとすると、米国政府はこのネタニヤフの長期戦戦略を支持していないということになりますが、今の時点では確かなことは言えません。
昨日も書きましたが、米国政府はここでいったんイスラエルは矛を収めて、長期停戦交渉に移るべきだと考えているのに対して、イスラエルはハマスの徹底殲滅を目指しています。

この辺の現地政府と米国との考え方の違いは、実はウクライナにも出ています。
バイデン政権は、ウクライナが領土からすべてのロシア軍を追い出すまで戦うことには賛成していません。
そのようなことになると、1年2年では終わらず、先が見えないような長期戦となるからです。
この違いが、現地政府からは米国の日和見に見え、米国からは国際情勢の温度を知らない猪武者に見えるということになります。

イスラエルは、というよりネタニヤフがというべきかもしれませんが、目指すのはハマスというテロの病根を根こそぎ除去し、後顧の憂いを断ち切ることです。
もちろん、自分のテロの先制攻撃をまともに受けてしまった自分の失態を隠したい気分はあるでしょう。
彼は、この際ハマスの主力と指導部を徹底的に壊滅させようとしています。
そのために新たにハマス幹部の暗殺専門部隊「ニリ」を創設したほどです。

「イスラエルの諜報 機関シンベットとモサドは、パレスチナ自治区ガザからの越境攻撃に携わったイスラム主義組織ハマス幹部や戦闘員を捕らえて殺害するための特殊部隊「ニリ」を新設した。イスラエル紙エルサレム・ポストなどが伝えた。
ニリ設立は、「ホロコースト以来の悲劇」(地元紙ハアレツ)とされるユダヤ人の虐殺に報復するのが狙いだ。第1次世界大戦中にオスマン帝国に対抗したユダヤ人地下組織にちなみ、ニリと名付けられた」
(読売10月23日)
イスラエル諜報機関、報復へ特殊部隊「ニリ」新設…越境攻撃携わったハマス戦闘員の殺害図る : 読売新聞 (yomiuri.co.jp)

これはミュンヘン五輪でPLOのテロによってオリンピック選手を殺害された報復と同等の暗殺でハマス指導部を追跡するというものです。

「FTは情報筋を引用し、イスラエルが高強度地上作戦をした後、「転換・安定化」のために低強度軍事作戦をする多段階戦略を構想していると伝えた。高強度地上作戦には、イスラエル軍がガザ地区南部まで深く進入してハマスの最高指導者ヤヒヤ・シンワル、ムハンマド・デイフ、マルワン・イッサの3人を殺害する暗殺作戦も含まれた。
高強度地上作戦に数カ月かかるという見方があるが、米国とイスラエルの対話に詳しいある人物は「数週間しかかからないだろう」と予測した」
「イスラエル、1年以上の長期戦計画」…2地域を集中攻撃へ(中央日報日本語版) - Yahoo!ニュース

北部ガザを細かいグリッドで分けて、グリッドごとに徹底したトンネル捜索を行い、見つけ次第潰します。
グリッドごとに市民には避難指示を出して、市民の脱出ルートを明示しているようです。
ですから、よくいわれるような無差別攻撃というのはあたりません。
ただし、この地図でしっかり避難ルートが理解されるかどうかは別で、住民はこれではわからないという声が多く上がっているようです。

シファ病院のトンネルも塞がれましたが、それは見せたくないからではなく、基本的にイスラエルのトンネル対策はブルドーザーで潰して、コンクリートで入り口を封鎖してしまうことだからです。
硫黄島で懲りた米軍が、沖縄戦でとった戦法です。
イスラエル国防軍は公式サイトでこう言っています。

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良いアイデア」:イスラエル国防軍の司令官、軍がガザのトンネルを海水で氾濫させる可能性を示唆 |タイムズ・オブ・イスラエル (timesofisrael.com)

「ガザ地区での地上作戦が始まって以来、イスラエル国防軍の兵士たちは、ハマスの地下トンネルに通じる800本以上の立坑を突き止めた。約500のトンネル立坑が、爆薬やブロックなど、さまざまな操作方法で破壊されている。
トンネルシャフトの一部は、地下トンネルネットワークを介してハマスの戦略的資産を接続していた。さらに、何マイルにもわたるトンネルルートが破壊された。
トンネルの立坑は民間地域にあり、その多くは学校、幼稚園、モスク、遊び場などの民間の建物や構造物の近くまたは内部にあった。
イスラエル国防軍の兵士は、いくつかの坑道の中に大量の武器を発見した。これらの調査結果は、ハマスがガザ地区でのテロ活動の隠れ蓑として、民間人やインフラを意図的に利用していることをさらに証明している」
プレスリリース 戦争が始まって以来、ガザには800以上のトンネルシャフトが設置されています。これまでに500台が破壊された |イスラエル国防軍 (www.idf.il)

イスラエル軍はこの北部掃討作戦には自信を持っているようで、そんなに時間はかからないだろうと見ているようです。

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イスラエル、ガザ南部に侵攻 全土に戦闘拡大 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

元・陸自中央即応集団司令部幕僚長の二見龍元陸将補は、南部と北部の性格の違いをこう説明します。

「北部は、ハマスがトンネルで待ち受ける戦闘地下要塞エリアです。分断した南部はハマスの司令部、地下工場、兵站施設があります」
 (shueisha.co.jp)

南部地域への攻撃はハンユニスとラファの両地域に集中すると、FTは報じています。
すでにイスラエル軍地上部隊は、ハンユニスに侵攻しているようです。

「国軍はまた、ハマス指導部の多くが潜伏しているとみられるハーンユニスへの地上攻撃の拡大も推し進めた。
火曜日の午後遅く、イスラエル国防軍は、部隊がガザ南部最大の都市ハンユニスの中心部に到達したと発表した。南部軍司令官のヤロン・フィンケルマン少将は、部隊は1カ月以上前に地上侵攻が始まって以来、最も激しい戦闘に巻き込まれていると述べた」
イスラエル国防軍:ハーンユニス中心部で戦闘、ジャバリヤのハマス治安本部を襲撃 |タイムズ・オブ・イスラエル (timesofisrael.com)

「パレスチナ自治区ガザ南部に地上侵攻を拡大したイスラエル軍は5日、南部の最大都市ハンユニスの「中心部にいる」と発表し、部隊のハンユニス入りを認めた。部隊の規模は不明。軍は4日にハンユニスへの空爆や砲撃を強化していた。ハンユニスでの空爆は戦闘開始以降、最大規模とみられる」
(産経12月6日)
イスラエル軍、ガザ南部の最大都市入り 空爆も強化 - 産経ニュース (sankei.com)

ハンユニスはガザ地区で2番目に重要な都市であるだけではなく、ハマスガザ地区の軍事部門トップであるヤヒヤ・シンワルの故郷です。
イスラエルは、10月7日の攻撃を首謀したのがシンワルだと断定して、必ず殺害すると明言しています。

「イスラエル側は、同国史上最悪の襲撃事件となった10月7日の攻撃を首謀したのがシンワル氏だと断定し、同氏を「死刑囚」と呼んでいる。奇襲があった同日以降、姿を見せていない」
イスラエル奇襲を首謀か ハマスのガザ地区指導者シンワル氏 AFP

いまもシンワルがハンユニスにいるとは思えませんが、解放された人質は南部で彼を見かけたと証言しています。
もうひとつのラファはエジプトとの国境地域にある街で、ガザ地区-エジプト国境と地下密輸トンネルが多く張りめぐらされています。
このふたつ地域の地下には、大規模なハマスの軍事施設や工場、倉庫があり、それはトンネルで結ばれていると考えられています。
大規模施設には大型排気口が必ずありますから、イスラエル軍はこれを赤外線センサーで見つけて、バンカーバスターでしらみ潰しにしていくことでしょう。

そしてこの南部への攻撃は地獄の蓋を開けることになるのです。

 

 

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コメント

 ウクライナとしてはプーチンの目的がウクライナ征服である以上、イスラエルとしてはハマスの目的がイスラエル消滅である以上、アメリカ様が言ったからと言って矛を収めることは容易にはできないでしょう。たとえその先に茨の道が続いていようとも。
 日本の場合、アメリカに尖閣を諦めろと言われたら、そうするかもしれませんが……。

ネタニヤフはどこまでもやる気ですね。どちらにせよ自分が後に政権を追われて悪名を残すことまで折り込み済み。

地下トンネルなら出入り口を丁寧に全部塞ぐか、それこそ水攻めやガス攻め(さすがにやらんだろうけど)が極めて有効です。
人質も丸ごともろともになりますけど、どうせ返還する気が無いハマス相手ならやるでしょ。
一応民間人?への犠牲は最小限にしたい思いは伝わってきますけど、やるなら徹底的にという態度ですね。

なんか「進撃の巨人」終盤の地ならしのような話です。エレンはネタニヤフだったのか??

 革命体制の維持のため米国と軍事対決したくないイランと、米軍の能力を拡散消費したくないバイデン政権の思惑が、「イスラエルを押さえるべき」という点で一致しているように見えます。

 それでも元々バイデン嫌いのネタニヤフは肝心の部分には馬耳東風で、「戦争を早期に終結させる唯一の方法は、圧倒的な圧力をかけてハマスを壊滅させることだ」と述べています。
また、人質家族を前に「全員を取り戻す可能性は現時点でない」とか言えるのはさすがに引きますね。
しかし、取り戻した人質の状態や証言から見ると、あるいはパレスチナ人に対してすらも虐待やリンチを恒常的に行う鬼畜のハマスどもであってみれば、ネタニヤフが掴んでいる情報が確からしいものとも思えます。

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