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2023年12月 4日 (月)

愚かな戦闘再開

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残念ですが、ガザで戦闘が再開されました。

「(CNN) イスラエル首相府は2日、カタールで続いていたイスラム組織ハマスとの交渉が行き詰まり、代表団を引き揚げたと発表した。
内容に詳しい関係者がCNNに語ったところによると、イスラエルがハマスに人質の女性らを全員解放するよう引き続き要求し、ハマスがこれを拒否したため、話し合いは2日に決裂した。
ハマスは決裂後、戦闘が1日に再開した責任はイスラエルと米国にあるとの声明を発表。イスラエルは「犯罪的な侵略」の再開を事前に決めていたと非難した」
(CNN12月3日)
イスラエル、交渉団を引き揚げ ガザの400カ所以上を攻撃(CNN.co.jp) - Yahoo!ニュース

この人質をめぐるハマスとの交渉は常に難航したようです。
ハマスは合意を守らずに解放する数を減らしたり、解放時期を遅らせることを続け、とうとう休戦合意期限直前にはロケット弾をイスラエルに撃ち込みました。
ハマスの本心は「ガザの平和」などではなくイスラエルの文字通りの抹殺ですから、戦争をここで終わりにしてもらっては困るのです。

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米 ブリンケン国務長官“戦闘一時停止 イスラエルと引き続き協議” | NHK | イスラエル・パレスチナ

一方中東を回っていたブリンケンは、戦闘が再開されることを望んでいませんでした。
米国はイスラエルの自衛権は認めつつも、イスラエルがパレスチナの市民を保護するための「具体的な措置」をとる保証をイスラエル政府に求めてきました。
たとえば燃料や食糧などの供給、病院施設への攻撃停止などがそうです。
しかしネタニヤフはハマスの殲滅こそ最優先だとして、この米国の要求を一蹴してきたのです。
ちなみにブリンケンはユダヤ人です。
ブリンケンの祖父はロシアでのポグロム(ユダヤ人大虐殺)を生き延び、養父はナチス・ドイツの強制収容所から生還しました。

今回の戦闘再開は、米国は自制しろという忠告をイスラエルがまったく聞かなくなった、ネタニヤフ政権はコントロール不能になりつつあるとブリンケンはとらえることでしょう。
これは言い換えれば、イスラエルが米国という最大の後ろ楯を失う可能性が出たということです。

かねてから、米国は厳しい戦略の修正をイスラエルに求めていました。
ブリンケンとタッグを組んで外交-安全保障を担当するオースティン国防長官は先日このようなことをスピーチしています。

「オースティン米国防長官は2日、パレスチナ自治区ガザでの民間人の犠牲拡大についてイスラエルが警告に耳を傾けなければ、イスラム組織ハマスと再開した戦闘で「戦略的敗北」を喫する危険があると語った。
オースティン国防長官はカリフォルニア州シミバレーで行ったスピーチで、「私はイスラエルの指導者らに対し、民間人の犠牲を回避し、無責任なレトリックを避け、ヨルダン川西岸での入植者による暴力を止めるよう直接働き掛けた」と発言した。
オースティン氏や他の米指導者らは、イスラエルを引き続き支持すると明言してはいるが、民間人の犠牲が増え続ければ、支持継続が困難になりかねないと懸念している」
(ブルームバーク12月3日)
イスラエル「戦略的敗北」も、ガザ犠牲巡り警告無視なら-米国防長官 - Bloomberg

つまり米国の危惧は、イスラエルがこのまま突き進めば「戦闘には勝っても戦争には負ける」だろうということです。
ベトナム戦争において、米国は個別の戦闘では勝利していますが、国際世論から孤立し、国内世論もまた分裂し戦争に破れました。

グレッグ・カールストロムのツイートによれば、ネタニヤフはこうブリンケンに「パレスチナ自治政府認めさせたいならオレが辞めた後だ」と 言ったそうです。

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ネタニヤフ政権の即時退陣要求=モービルアイCEO | ロイター (reuters.com)

「イスラエルのチャンネル12によると、アメリカは戦後のシナリオとして強く求めているが、ネタニヤフは昨日の戦争閣僚会議でブリンケンに、パレスチナ自治政府は私がこの椅子に座っている限りガザには戻らないだろうと語った」
XユーザーのGregg Carlstromさん

この情報の真偽は定かではありませんが、もし真実ならネタニヤフは阿呆か狂人です。
この男にイスラエルを任せておくことは、イスラエルにとって不幸以外なにものでもありません。

ネタニヤフがハマスの襲撃計画を事前に知り得る立場にあったことが、ニューヨークタイムスによって報じられています。

「(CNN) 10月7日に発生したイスラム組織ハマスによるテロ攻撃を巡り、米紙ニューヨーク・タイムズは11月30日、イスラエル当局が襲撃の1年以上前にハマスの戦闘計画を記した文書を入手していたと伝えた。文書やメール、インタビューをもとに報じた。
文書の翻訳を調査したタイムズ紙によると、約40ページの文書に襲撃の日付は記されていないものの、ハマスが10月に実行したようなイスラエル侵入作戦の概要が項目立てて記述されている。
イスラエル軍と情報当局者は、ハマスが実行するには難度が高すぎるとの判断から、この計画を重大視しなかったという。
イスラエル当局が文書に付けた暗号名は「エリコの壁」。ガザ地区周辺の防御壁の突破、イスラエルの都市の制圧、主要軍事基地の狙い撃ちといった襲撃の内容を詳しく記述している。タイムズ紙によると、ハマスは10月7日、この計画に正確に従って襲撃を行ったという」
(CNN12月1日)
イスラエル当局、ハマスの攻撃計画を1年以上前に認識 米紙 - CNN.co.jp

NYTは、「エリコの壁」の文書はイスラエル軍や情報機関の指導者の間に広く出回っていたが、ネタニヤフをはじめとする政界の最高指導層が目にしたかは不明だ」としていますが、軍人上がりで、人質救出作戦に参加した経験さえあるネタニヤフが知らなかったと思うほうが不自然です。
推測の域を出ませんが、たぶんネタニヤフは「エリコの壁」文書を読んでいましたが、過少に評価し、むしろ小規模のテロならやらせてから叩く口実に使ったほうがよいと考えたのでしょう。
またこの時期に「エリコ文書」がNYTにリークされたのは、米国がネタニヤフに見切りをつけたということなのかもしれません。

いまやイスラエル国内では、従来の支持層からもネタニヤフ解任の動きが始まっているようです。

「シャシュア氏は、ネタニヤフ政権が、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスから7日に奇襲攻撃を受けて以来、数々の失敗や足並みの乱れ、無能さを露呈した罪は重いと糾弾した。
さらに「われわれは、迅速に『損切り』をしなければならない。イスラエルが現在置かれている状況を打開する唯一の道は政権交代で、今すぐ行われるべきだ」と訴えた。
シャシュア氏によると、ネタニヤフ政権は国益よりも自分たちの政治的な延命に関心が向いている様子で、今の国会議席の枠組みでも新たな連立を形成し、選挙を経ず混乱を最小限に抑える形での交代は可能だという」
(ロイター10月30日)
ロイター (reuters.com) 

ネタニヤフはイスラエルを世界から孤立させ、泥沼の戦争に引き込むことでしょう。
それでなにか解決するのでしょうか。いや、まったくなにも解決せずに、ハマスの萌芽はそこら中に飛び散るだけです。
まるでネタニヤフの背中を押すように、ハマスがロケット弾を発射しました。
こういうのを阿吽の呼吸とでもいうのでしょうか。

 

 

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コメント

 平和は両想い、戦争は片思い という言葉が浮かびました。平和は両者の合意が纏まって成立するものですが、戦争はどちらかが望んで攻撃をすれば始まります。ハマスが戦争を望んでいる以上、イスラエルも止めることはできないでしょう。
 現在、ネタニヤフ首相の支持率が落ちていて、野党代表のベニー・ガンツ氏が支持を上げているそうです。彼が代表を務める「青と白」は対話派と言われているそうですが……。

 ハマスによる停戦・休戦やぶりは過去34回。
停戦を!という人は次から「どうやってハマスに停戦を守らせるか?」をセットで言わねばならないくらい。

ハマスは戦闘状態を続ける事で幹部が金員を得ているし、パレスチナも犠牲や民衆の悲惨さが増すほどに各国からの援助額が増える構造になっているので、本当には早期建国など望んでないんじゃないかと思いますね。

また、ネタニヤフと言えど米国の懸念にはしげしげと耳を貸してます。
ブリンケンが注文を付けた「ガザ市民の保護計画」にしても、ガザ地区を詳細に分けて番号を付した地図を配布、そこには攻撃予定の場所を指定していて、その他の場所への避難を促したりしています。

ただ、現時点での西岸地域への入植は頂けません。宗教シオニズム党など本物の極右が内閣にいるので、せっかく工夫しても風当たりが強くなる事もやっちゃってます。

ウクライナが長引くなか、ガザはなるべく早く終わらせる事だと思います。アメリカはアジア・太平洋に注力してもらわないと困る。
これは我々が日本人だから言うのでなくて、中華の戦略的絵図でもあのではないか?十分疑ってかかるべきでしょう。

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