全身をハマスに犯されていたUNRWA
ハマスの10月7日のテロ攻撃に関わったとして解雇されたUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関・アンルワ)12人の職員の続報が、ニューヨークタイムスとウォールストリートジャーナルからでています。
まず、ニューヨークタイムス(1月28日)の記事です。
イスラエル、ハマスを支援したと主張する国連職員に対する請求を詳述 - The New York Times (nytimes.com)
「国連によると、12人のうち1人は死亡が確認され、9人はすでにUNRWAから解雇されたという。2人はまだ調査中である。
イスラエルが訴えた12人のうち、7人はUNRWAの学校教師で、その他は、事務員、ソーシャルワーカー、倉庫管理者などであった。
犯罪の内容については、ニューヨークタイムスが一部、発表したところによると、1人はハン・ユニスの学校カウンセラーで、女性誘拐に関わっていた。また別の1人は、ソーシャルワーカーで、イスラエル兵の遺体をガザへ搬入し、爆弾や車両の手配もしていた。もう1人は、97人の虐殺そのものに参加していたとのこと」
(オリーブ山通信1月29日)
UNRWA職員ハマス協力疑惑:日本もUNRWAへの追加支援停止を発表 2024.1.29 – オリーブ山通信 (mtolive.net)
さらにNYTの同記事は
「・携帯電話の追跡調査によると、6人は10月7日にイスラエル国内にいた。
・携帯電話の追跡調査によると、3人は10月7日に集合場所に来るよう命令するテキストメッセージを受け取り、1人は自宅に保管されているロケット弾を持参するよう指示された。
・12人のうちの1人であるハーン・ユーヌスに住むスクールカウンセラーは、息子と協力してイスラエル人女性を拉致した
・ヌセイラートに住むソーシャルワーカーは、イスラエル兵の死体をガザに運び、攻撃当日に弾薬を配り、車両を調整するのを手伝った。
・1人は97人が殺害されたキブツ・ベエリでの虐殺に参加した。
・12人のうち10人はハマスのメンバーであり、1人はイスラミックジハードのメンバー」
(飯山陽note)
またウォールストリート(1月29日)記事によれば
諜報機関が10月7日の攻撃と国連機関職員のつながりの詳細を暴露 - WSJ
・ガザのUNRWA職員1万2000人のうち約1200人がハマスやパレスチナ・イスラム聖戦と関係を持っている。
・ガザのUNRWAの男性職員のうち23%がハマスとの関係をもっており、これはガザの成人男性のうち15%がハマスと関係を持っていることと比較すると、一般人よりUNRWA職員のほうがより一層ハマスと深く関係していることはわかる。
・UNRWA職員の半数近く(推定49%)は、近親者が過激派組織、特にハマスと公式な関係を持っていた。
(飯山前掲)
WSJは「UNRWA職員1万2000人のうち約1200人がハマスやパレスチナ・イスラム聖戦と関係を持っている」、さらにガザ地区では「ガザのUNRWAの男性職員のうち23%がハマスとの関係」を持っているとしています。
このハマスの含有率の根拠はしめされていませんが、UNRWA職員の10%~23%はハマスであるということになります。
これはガザ地区の一般男性のハマスと関係しているといわれる15%を大きく上回っていて、ハマスメンバーをUNRWAが積極的に採用していたことがわかります。
つまりハマスのUNRWA職員が面接して、ハマスのエージェントを採用していたのです。
というか、むしろハマスは意図的にUNRWAの乗っ取りを企んで、ハマスのエージェントを積極的に送り込んだのでしょう。
でなければここまで浸食されません。
ハマスにとってUNRWAを乗っ取ることによって、経済的には各国から送られてくる1年間1800億円ものカネを牛耳ることができ、かつ政治的には「国連」という公正中立の仮面を被って活動することが可能となりました。
いや一部だ、とあくまで言いたいのが中東学者のようです。鈴木一人氏はこうツイートしています。
鈴木氏によれば、UNRWAの「一部であり全部ではない。UNRWAはガザの支援物資を配給できる唯一の組織だから日本政府が支援を止めてはいけない」としています。これと同様の主張を中東学者と国際政治学者のいつもの方々もしています。
しかし組織の12~23%もハマスエージェントに支配されており、彼らは直接にテロ攻撃に参加して、虐殺にも手を染めていたわけです。
鈴木氏が言うように「一部の不心得な者」たちがだけとはもはや言えないはずです。
では10月7日にイスラエルのクファル・アザのキブツで一体なにが起きたのでしょうか。
「車や家には火が放たれ、子供を含む遺体があちこちにころがっている。現場にあったのは大人200人と、乳児40人ほどの遺体だった。乳幼児の遺体の一部は、残虐に斬首されているものもあった。
ちょうど仮庵の祭りの最終日でまだスッカがあった。子供の自転車が血まみれになってころがっているような中に、遺体が散在していた。
3日も経っているので、あたりは死の匂いに満ちていたという。首相府担当官によると、記者たちの中には、取り乱したり、嘔吐した人もいたとのこと。
記者たちを案内したイスラエル軍司令官は、メディアに対し、「これは戦争ではない。戦場でもない。赤ちゃんとその母、父親がベッドルームで、シェルターの中で殺されている。これは大量虐殺の現場だ」と語った」
イスラエル、外国人ジャーナリストを連れてクファル・アザの虐殺現場を視察 |タイムズ・オブ・イスラエル (timesofisrael.com)
このような民間人虐殺と拉致に「国連機関」が直接に関与していたのです。軽く見るわけにはいかない。
この問題をセキュリティクリアランスの問題に矮小化している者もいますが、これらの人にかかると「おかしな奴はどこの組織にでもいるものさ」ということになります。
冗談ではない。ひとりふたりではありません。
実に組織の2割以上の千人を超えるハマスエージェントを抱えた「国連機関」は、骨絡みでハマスに浸食されていたはずです。
このUNRWAの活動を回していく資金として集まった献金は、2022年度で、11億7000万ドル(約1800億円)にも達します。
これはパレスチナ難民は世界の難民の中でも一種の特権的な位置にあって、国連を含む世界から支援金を受けていることを示しています。
パレスチナ難民は約70万人ですが、世界には難民が溢れていますが、一地域の難民救済にひとつの専用の国連組織が作られ、しかも桁違いに巨額の支援金を75年間も得てきたような地域は他にありません。
しかもパレスチナ難民支援は、本来は自立を支援することが目的であるのに、UNRWA設立から75年たっても貧困から抜け出せず、ハマス幹部だけが大富豪になっている、ということの理由を知りたいものです。
「ウィーン発コンフィデンシャル」の長谷川良氏はこのように述べています。
「それでは国際社会から難民救済資金を得たパレスチナ自治政府はそれでパレスチナ人の生活向上、教育、国民経済の発展に投資しただろうか。現実は、ハマスはそれらの資金で武器を購入し、イスラエルへ侵入するためにトンネルを建設してきた。一方、アッバス議長が率いるパレスチナ自治政府には腐敗、汚職の噂が絶えない、といった具合だ」
「難民」はパレスチナ人だけではない : ウィーン発 『コンフィデンシャル』 (livedoor.blog)
全身をハマスに犯され、人道支援で送られてきたカネで武器を買い、テロに参加し、拉致を行い、日常的には国連が作った学校でテロリスト教育をしている状態であるということは、単に支援に依存をしているだけではなく、完全な失敗だったということです。
ここまでハマス汚染されたUNRWAは一度解体して、ガザ難民には別途な方法で支援を考えるしかないでしょう。
その意味で、G7各国とに協調して日本がUNRWAの支援を一時停止したのはまったく正しい判断でした。
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