• 20250522-022216
  • 20250522-022718
  • 20250522-030230
  • 20250521-004451
  • 20250519-054718
  • 20250519-145622
  • 20250518-093208
  • 20250518-140611
  • 20250518-160806
  • 20250518-162028

« 派閥解消、今後どうなっていくのか | トップページ | イスラエル2週間の停戦を提案か »

2024年1月24日 (水)

ロックスターとしての「トランプ」

S-007_20240123064901

トランプが共和党候補になることが9割9分決まりました。
なんと2位のデサンティスが降りたのです。
これで候補者レースで残るは、ニッキー・ヘイリーだけとなりました。

「ワシントン=坂口幸裕】米南部フロリダ州のロン・デサンティス知事は21日、X(旧ツイッター)で11月の大統領選の共和党候補者指名争いから撤退すると表明した。トランプ前大統領を支持する。共和予備選は前大統領とニッキー・ヘイリー元国連大使の2人に絞り込まれた。
デサンティス氏は21日、Xに動画を投稿し「勝利への明確な道筋が見えない以上、支持者にボランティアや寄付を求めることはできない。選挙戦を停止する」と話した。「予備選に参加する共和有権者の大多数がドナルド・トランプにもう一度チャンスを与えたいと思っているのは明らかだ」と明言した。
15日の共和予備選初戦の中西部アイオワ州党員集会では前大統領に次ぐ2位だったものの、30ポイントほど差をつけられた。同州の全99郡を回るなど最重点州として支持拡大をめざしたが、成果は乏しかった」
アメリカ大統領選挙、デサンティス氏撤退 トランプ氏を支持 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

追記
ニューハンプシャーが開きました。
もちろんハランプの勝利ですが、予想以上にヘイリーーがつけています。


20240124-134421

ニューハンプシャー州予備ライブ:ドナルド・トランプがニューハンプシャー州で勝利し、ニッキー・ヘイリーを破る-BBCニュース

デサンティスはトランプ支持に乗り換えると言っていますから、彼のポイントが上乗せされることになります。
ちなみに、アイオワの得勝率はこのようになっています。

「アイオワ州共和党の発表(集計率99%)によると、トランプ氏の得票率は51・0%。デサンティス・フロリダ州知事(45)が21・2%、ヘイリー元国連大使(51)が19・1%で続いた。4番手の実業家ラマスワミ氏(38)は7・7%に沈み、選挙戦からの撤退を表明した」
(朝日1月16日)
共和党候補者選び、アイオワで号砲 トランプ氏、51%の得票で大勝 [アメリカ大統領選挙2024]:朝日新聞デジタル (asahi.com)

するとなんと72%となってしまい、ウヘェ~という感じで食欲も失せますが、トランプの勝利はもはや絶対不動のものとなっています。
完全にトランプが共和党内を固めきりました。
ヘイリーは副大統領候補をねらうでしょう。
彼女はウクライナ支援についても妥当な考えを示しているので、トランプが次期大統領となった場合に懸念されているウクライナ支援打ち切りやNATOとの決別という最悪な結果には歯止めがかかるかもしれません。

まるでトランプはロックスターのようです。
では、どうしてトランプがここまで強力になってしまったのでしょうか。
トランプは余計なことは言いません。
口にするのは敵対陣営の罵倒と、たったひとつの政策である「不法移民をブロックしろ」「メキシコとの壁を作れ」「グレートアメリカアゲイン」ということだけといっていいくらいです。
一般の候補が作る政策パッケージはそのうち大統領選の本選挙になれば出してくるのでしょうが、予備選挙にはその陰すらありません。
1期目を見ればわかるだろうというとなのか、候補者討論集会に顔さえ出しません。
小粒候補は相手にしないと余裕をかますこともあるでしょうが、討論会でテーマになる諸々の国内外のテーマに応える気がないからです。
しかし、このシンプルな手法のほうが訴える力が強いことをトランプは熟知しています。

古くからの共和党支持者である政治学者のピットニーはこう言います。

「共和党の人々はトランプの言うことが好きなんだ。殆どが『不法移民がアメリカの血を汚している』という発言を支持している。多くの人が、それが世界史の非常に酷い章(ヒトラーの著作)と似ていると指摘しても、共和党員はそのレトリックから目を背けようとしない。(中略~かつては富裕層が共和党を支持していたが)最近は主に大学教育を受けていない白人が支持する政党になった」
(TBS1月22日)
可能性高まる“もしトラ” 何故アメリカはトランプを選ぶのか?【報道1930】|ニフティニュース (nifty.com)

「不法移民がアメリカの血を汚している」ですか、頭を抱えるような差別発言です。
「血を汚す」などという表現には、ナチス優生学の亡霊が蘇ったような嫌悪感さえ感じます。
しかしこういうリベラルメディアが絶対に容認しないような修辞が、彼を労働者階級のヒーローにしています。
それを聴く大衆は、今の米国で我が物顔のポリコレをものともしないトランプ親分にしびれるわけです。
メディアが叩こうとどうしようと、ワーキングクラスはニューヨークタイムスなど読まないからです。

アイオワ州で長年共和党の下院議員を務めたウォルター・コンロンはこう言います。

「昔は金持ちは共和党に投票し、中間層は民主党に投票し、貧困層は選挙に行かないもんだった。(中略)これまで10年連続でトランプ支持者以外の共和党員が支部などの運営をしていたが、直近の執行部の顔ぶれは大半が親トランプ派に取って代わった。
多くは共和党の会合で見たこともない人たちだ。(私はトランプ支持ではないが)バイデンとどちらかを選ぶことになったらトランプのレバーを引くよ。引く時に指に鎮痛剤を注射してね。
仕方なくトランプを選ぶが、(ホントは)他の人の方がずっといいと思っている」
(TBS前掲)

このへんが共和党知識層の平均的な塩辛い見方でしょう。
つまりトランプは、いわばブランドとしての「トランプ」と化していて、生身のドナルド・トランプではないのです。
経済学者のスティーブン・ムーアは、マーチャンダイジング(商品化計画 )の「商品としてのトランプ」をいみじくもこう評しています。

20240123-110958

TBS

「彼はロックスターのようだ。人々は彼を愛している。特に労働者階級の人たちは彼が自分たちの代弁者だと感じている。トランプは並み外れてカリスマ的な男だ。みんな彼の頭の良さを過小評価している。彼は素晴らしい男、ゴルフが大好きで、庶民的で、テレビをよく見る。彼はアメリカを理解している。マーケティングの天才だ。彼は“トランプ”をブランド化した。それは素晴らしいブランドで、彼は偉大なプロモーターで、好感が持てる人物…。つまりトランプには多くの人が知らない面があるのだ」
(TBS前掲)

米国選挙は沿岸部を中心とした青い州(民主党)、伝統的に保守的な赤い州(共和党)そして、選挙によって左右するスイング州という構造だといわれています。

20240123-100800

 

〈米大統領選2024〉投開票まで1年、「揺れる州」増す重み - 日本経済新聞 (nikkei.com)

前回大統領選の構図はこうでした。

20240123-113603

基礎からわかるアメリカ大統領選挙 : 読売新聞 (yomiuri.co.jp)

全国的には、共和党3割、民主党3割、中間層4割だといわさています。
しかし現在の世論調査では、スイング州(激戦区)とされる8州すべてが共和党優勢という結果でやりようがない状況です。
元来は民主党支持だったイスラム系も、米国のイスラエル・ハマス戦争方針を嫌って離反していると伝えられています。

大げさにではなく、トランプが次期大統領になるならないではなく、なった場合どのように対応するのかを考えねばならない状況になってきました。

 

« 派閥解消、今後どうなっていくのか | トップページ | イスラエル2週間の停戦を提案か »

コメント

 前回に比べれば上乗せ出来たとはいえ、ニューハンプシャーを落としたヘイリーは、今後どこの州でもトップになる事はむずかしい状況のようです。金も続かなくなるだろうし、撤退を考える時期に来てるんじゃないでしょうか。

私としては共和党はマケインのような伝統的保守であって欲しく、したがってマルコ・ルビオやテッド・クルーズのような人たちに大統領になってもらいたかったです。しかし、その両者とも早くからトランプ支持に廻っている事を考えると、ヘイリーも含め政権の人事に望みをつなぐよりないかなと思います。

だいたい、この8年間の理不尽なトランプいじめはひどすぎました。
そうした困難にことごとく打ち勝って返り咲こうとする不屈の闘魂に、支持者のアメリカンドリームの再来を重ね合わせて「ロックスター」となり得たのでしょう。
しかし、ウクライナ支援の打ち切りだけはご勘弁。
「人事や大統領の立場から、そうはならない」とする評論家もおり、そう信じたいとは思います。

考えてみればアメリカは不法移民問題だけでなく、ドラッグ中毒者の激増、偏頗な気候変動問題への対応等々、これ以上ホストモダン的左派を内包した民主党では立ち行きません。
劇薬が必要かもしれません。

それにしても問題は我が国。
もう安倍晋三はいないのです。だれがトランプ御大の信頼を勝ち得るトップになり得るか? 逸ってLGBT法なんかやった岸田など論外ですが、安倍晋三の本当の意味での後継者など全く見あたりません。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 派閥解消、今後どうなっていくのか | トップページ | イスラエル2週間の停戦を提案か »